『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(ドラゴンクエストスリー そしてでんせつへ)は、1988年(昭和63年)2月10日にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲーム。その後、リメイクとして1996年(平成8年)に『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』、2000年(平成12年)に『ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(ゲームボーイカラー専用)が発売されているほか、2009年(平成21年)より携帯アプリ版も配信されている。2011年(平成23年)9月15日発売の『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』に、FC版およびSFC版が第1作『ドラゴンクエスト』や『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』と共に収録された。北米では、"Dragon Warrior III" としてNES版とGBC版が発売されている。以降、特記が無い限りはオリジナル版であるファミリーコンピュータ版について述べる。ドラゴンクエストシリーズの第3作。堀井雄二の脚本・ゲームデザイン、鳥山明のキャラクターデザイン、すぎやまこういちのヒロイックな音楽などにより爆発的な人気を博し、発売日には量販店の前に数キロメートルの行列ができるなどの社会現象を巻き起こした(後述)。キャッチコピーは「触れたら最後、日本全土がハルマゲドン」。SFC版は「SFC究極のドラクエ」。GBC版は「一番愛されたドラゴンクエスト」。企画段階の仮タイトルは「そして伝談へ」だった。物語は、ロトシリーズ3部作の完結篇と位置づけられており、前2作『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の物語中に名が登場した伝説の勇者「ロト」、および舞台となった世界「アレフガルド」の秘密が本作で判明する(ただし、堀井雄二は『I』製作時は『III』まで想定しておらず、後付ながらストーリーがうまく繋がったのはよかったと述べている)。ROMは前作の2倍である2メガビット(256キロバイト)ROM を使用、バッテリーバックアップのセーブファイル容量は64キロビットとなっている。ゲームシステム面では、仲間キャラクターの名前・職業(キャラクタークラス)・性別を自由に選び、パーティーを自由に編成して冒険できるという、キャラクターメイキングのシステムを取り入れている。『ドラゴンクエスト』で削ぎ落とされた要素が『ドラゴンクエストIII』になって実現した形で、これはバッテリーバックアップの採用が大きい。また、シリーズで初めて、複数のフィールドマップが登場するようになった。そのためROM容量が不足し、製品版では一部の町やダンジョン、モンスターなどのいくつかの要素がカットされている。またオープニングもなく、タイトル画面は真っ黒な無音の画面に「DRAGON QUEST III」と表示されるのみとなった。日本における売上本数は380万本を記録。この数字は2006年(平成18年)11月頃まで他社の作品を含めた日本の歴代ゲーム売上本数でも十傑に入っている。2010年(平成22年)現在、この記録はドラゴンクエストシリーズでは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』に続き3位。ゲーム雑誌『ファミ通』の15周年・20周年読者投票企画ではドラゴンクエストシリーズ中では最も上位だった。発売後には、ゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われている(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエストを参照)。エニックスの出版事業で最初に手がけたのが本作(ファミコン版)の公式ガイドブックである。パッケージなどに記載されているタイトルロゴは、ロゴ全体が剣の鍔と持ち手を模したものであるため、ナンバリングタイトルで唯一『DRAGON QUEST』の「T」が剣の形になっていない。また、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』までの作品の中では唯一数字と重なっていない作品でもある(リメイク版では重なっている)。リメイク版については後述のリメイクの節を参照。本作ではプレイヤーの扱うパーティーとなるキャラクターに固有設定を持った人物が存在せず、プレイヤーの分身である主人公以外のパーティーキャラクターを任意で選んだ最大4人までのパーティーを作ることができる。このゲームに登場するプレイヤーの扱うパーティーキャラクターは必ず一つの「職業」(キャラクタークラス)を持っており、装備できる武器や防具、レベル上昇時のステータス成長の傾向などは就いている職業によって決定される。また、今作では各パーティーキャラクターの性別が設定される。男女どちらの性別を選んでも能力には影響しないが、移動画面でのグラフィックが男女で異なるほか、女性専用の武器・防具などが複数存在し、またリメイク版以降は逆に男性専用の武具・防具も登場するが4つしかない。性別は、主人公であれば新しくゲームを始める際に、それ以外のキャラクターであれば登録する際に決定する。呪文の数は前作の22種類から倍以上の60種類に増えるとともに、呪文が系統別に整理され、以後のシリーズにおける呪文体系が本作で確立された。解説文中の呪文についての詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を参照。出発点となるアリアハンに「ルイーダの酒場」があり、パーティーの編成はここで行う。主人公以外のキャラクターはこの神殿で別の職業へ「転職」させることができる。転職資格は主人公以外のレベル20以上のキャラクター。転職後はレベルが1に戻るが、ステータス値が転職前の半分となるだけで、それまでに覚えた呪文はそのまま使える。例えば、魔法使いが戦士に転職すると、重い武器と呪文の両方を扱える戦士となる。また、僧侶が魔法使いに転職すると、回復呪文と攻撃呪文の両方が使える魔法使いが誕生する。ただし、あくまでも職業によって装備品や特性が異なるため、転職の際には以下の点に注意する必要がある。なお、呪文の使えるキャラクターが特殊能力のある職業に転職した場合はその職業の能力を得ることができるため、武闘家の能力と呪文の両方を扱える武闘家や、商人の能力と呪文の両方を扱える商人を作ることができる。括弧内の英語表記は北米版での表記(2つ併記してあるものは、左がNES版・右がGBC版)。上記の職業の一部を除いた服装が『ドラゴンクエストIX』で容姿を模した装備品として登場する。ただし僧侶のみ服と帽子にある十字架は若干違うマークに変更されている。本作においては、従来からの「ちから」「すばやさ」に加え、「たいりょく」「かしこさ」「うんのよさ」のステータスが新たに加えられている。「ちから」「すばやさ」と下記の各ステータスの最大値は255となっている。レベルアップのときのステータスの上昇幅は、前作のように固定されておらずランダムとなっており、同じ職業・レベルであっても個人差が発生する(ランダム成長)。キャラクターのレベルの最大値は99で、以降の作品でも一部の仲間モンスターなどを除いてほとんどのキャラクターの最大レベルが99となる。キャラクターのステータスを数ポイント上昇させることができる「ちからのたね」「いのちのきのみ」などのアイテムが新たに登場した。コマンド体系などは前作からおおむね受け継がれている。本作では「昼」「夜」という時間の概念が取り入れられた。フィールドマップ上を一定歩数歩くと、時間が昼から夜へ、夜から昼へと移り変わる。昼と夜では城や町などの様子が異なる。夜は王様も寝てしまい城に入ることができなくなるので一部を除きセーブができず、町にある店も多くが閉まるが、酒場など夜に限り賑わう場所もある。夜は昼間よりもフィールドでのモンスターの出現率が高く、モンスターのパーティーも手強くなるほか、地方によっては夜にならないと登場しないモンスターもいる。宿屋に泊まることにより昼にすることができるほか、昼と夜を入れ替えるアイテムや呪文も登場した。夜間はボス戦など、イベントにより、終了後昼になるものもある。本作に限り、移動の呪文「ルーラ」または道具「キメラのつばさ」を使用したときにも昼になる。前作の「ターン制」システムを引き継いでいる。本作ではキャラクターの「すばやさ」のステータスが、ターン内での行動の順番に影響する。また、パーティーの隊列の順番が影響するようになり、前列にいるキャラクターほど敵から攻撃を受けやすくなっている(ただし、敵の種類によっては、後列のキャラクターを狙う敵もいる)。隊列の並び替えは移動中に可能となっている。このほか、自分たちのレベルが敵に設定されたレベルよりもかなり高い場合は、強制エンカウントである場合を除いて確実に逃げられるようになった。「麻痺」と「混乱」のステータス異常も新たに登場した(ドラゴンクエストシリーズの項を参照)。敵を攻撃したり、敵から攻撃を受けたり、呪文を唱えた際のメッセージがある程度簡略化されており、それらは本作以降のシリーズでも継承されている。本作では戦闘中に味方を攻撃(パーティーアタック)したり、敵に回復呪文を使ったりすることができる。味方への攻撃は、眠りや混乱に陥ったキャラクターを正常に戻すときなどに使用される。敵を無視して味方同士を対戦させることも可能である。本作では、生き残っているパーティーの人数に応じて経験値を分けあうシステムが導入されている。つまり、1人で戦うとリスクは大きくなるが、得られる経験値は4人パーティーのときの約4倍となる。FC版の『I』、『II』ではモンスターのMPという概念がなく、全てのモンスターが無限に呪文を使えたが、本作より設定されるようになり、一定の回数しか使えなくなった。また、一部のモンスターはターン終了時に一定量のHPが自動回復する。回復量はモンスターにより異なり、ゲーム中のメッセージには表示されない。前2作では「復活の呪文」と呼ばれるパスワード方式を採用していたが、本作は保存するデータの量が膨大となった。そこで本作からは、データ保存方式が、従来のパスワード方式から、内蔵電池によるバッテリーバックアップ方式に切り替えられ、最大3つまでの「冒険の書」(データファイル)としてロムカセット内部に進行状況を記録できるようになった。これによって、パスワードの書き写しや入力を行う手間がなくなり、短時間でゲームを中断・再開することが可能となった。この方式が導入されたことにより、従来の復活の呪文では記録することができなかった、現在のHP・MPやステータス異常、また取得済みの宝箱などの情報が記録されるようになり、一度宝箱を開けて中身を取得するとその宝箱の中身は二度と取得することができなくなった。しかし、内蔵電池の消耗、接触不良などによってバックアップデータが消失したり、実際には問題ないデータがチェックプログラムに異常と判定されて自動消去されるという事態も度々起きた。データ消失の際には真っ黒の画面に、「おきのどくですがぼうけんのしょ○(数字)はきえてしまいました」という冒険の書が消えたことを示すメッセージが表示され、同時に呪いの武具を装備した時のBGMが流れる演出が発生する。この演出は次作以降にも踏襲されている。この演出すら発生しないまま商品購入状態の初期画面にされる場合もある。北米で発売されたNES版 "Dragon Warrior III"では、様々な変更点がある。以下に列挙する。勇名を馳せたアリアハンの「勇者オルテガ」は、初子を授かった直後より世界の支配を企む「魔王バラモス」を倒すべく旅立ち、そしてそのまま消息を絶った。伝聞に寄れば、彼は旅の途中で魔物に襲われ、戦闘の最中に火山に落ちて命を落としたのだという。オルテガの子供(=主人公)は、自身の16歳の誕生日をきっかけにして父の遺志を継ぐために、アリアハン王に願い出て(最大で)3人の仲間とともに冒険へと旅立つ。旅の扉からアリアハンの外へと旅立ったあと、主人公は世界各地で起きる不思議な事件を解決していくことになり、船を手に入れると、冒険の舞台はさらに広がっていく。こうして世界中を旅するうちに主人公たちは、世界に散らばっていた「6つのオーブ」を手に入れる。これらのオーブは「不死鳥ラーミア」を復活させるためのもので、この不死鳥がバラモスのもとに到達する鍵になるのだった。復活した不死鳥ラーミアに乗って空を飛ぶことで、宿敵バラモスの居城へと乗り込んだ主人公は、ついにバラモスを退治する。だが、真の黒幕である「闇の支配者ゾーマ」と、もうひとつの世界 「アレフガルド」の存在が明らかになり、主人公は再び冒険の旅に赴く。主人公はアレフガルドの世界でゾーマの城に入るための「にじのしずく」を手に入れ、ゾーマとの最終決戦にのぞむ。第1作『ドラゴンクエスト』、第2作『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』と本作は、共通して「アレフガルド」という大陸が登場するなど、密接なストーリーの関連があり、この3作は「勇者ロトの伝説シリーズ」(「ロト三部作」「ロトシリーズ」とも)と呼ばれる。その中でも本作は第1作よりもさらに昔の時代の物語となっており、本作の数百年後の物語が第1作、さらにその100年後が『II』となる。魔王バラモスを倒すまでは、前2作と異なる世界が舞台となる。しかしストーリー終盤では、前2作で登場した「アレフガルド」のある別の世界が舞台となる。本作の世界は2層構造となっており、ここでは主人公たちが生まれ育った世界を「上の世界」、アレフガルドのある世界を「下の世界」と呼ぶこととする。両世界間は呪文「ルーラ」などで行き来することができる。リメイク版では、ゲームクリア後のおまけとして「天上界」が登場する。前述のとおり、上の世界は、現実の地球の地形が元になっており、地名を似せたり、実際の地理・歴史へのオマージュがふんだんに取り入れられている。関連書籍における堀井雄二の発言によれば、「ロマリア」はローマとイタリア、「エジンベア」はイギリス(スコットランド)の地名エディンバラ地方、「シャンパーニ」はフランスの地名シャンパーニュ地方、「ノアニール」はノルウェー、「アッサラーム」はアラビア語の挨拶、「イシス」はエジプト神話の女神イシス、「ポルトガ」はポルトガル、「スー」はスー族(ネイティブ・アメリカンの部族のひとつ)、「グリンラッド」はグリーンランド、「レイアムランド」は南極大陸の一角グレイアムランド(グレアムランド)がそれぞれ由来となっており、「ネクロゴンド」の名称は語感から名づけたとされている。堀井雄二は本作のデザインに先立って、ヨーロッパの歴史的城郭などを取材していた。《 》内は相当する実在の地球上の国・地域を表す。精霊ルビスによって創られた地。大魔王ゾーマによって闇に閉ざされており朝が来ることがなく、「闇の世界」と呼ばれている。町やダンジョンなどは、一部を除いて『ドラゴンクエスト』第1作と同じ位置にあるが、第1作ではすべての島・大陸同士が橋やトンネルでつながっていたのに対して、本作では島や大陸の間を結ぶ橋・トンネルの一部がないため、船を使わなければ行けない場所もある。町やダンジョンの構造も第1作と基本的に同じである。なおルビスは第1作では登場していないが、『II』では主人公たちに重要アイテムを授ける役として登場している。物語を進めるために必要な道具のうち、ストーリー上特に重要なものについて簡潔に説明する。この節では、ゲーム本編内で語られる設定を中心に記述する。人物名右の括弧内の英語表記は北米版での名前。ルイーダの酒場で仲間になるキャラクターについては別記参照。ここでは、ストーリーに関連する人物を挙げる。ここでは、ボスキャラクターとして主人公たちと戦うことになる、魔王やその配下の魔物たちを挙げる。以下は、リメイク版の隠しダンジョンで登場するボスキャラクター。第1作のBGMはバロック音楽調であるのに対して、本作のBGMはヒロイックな響きを求めロマン派音楽調となっている。ピラミッドとジパングには専用のBGMが存在する。これ以外に開発当初はヨーデル風の専用BGMのあるスイス風の村があったが、容量の関係で開発段階で村もBGMも削除されたという。FC版では戦闘時のBGMはゾーマのみが専用BGMで、他はバラモスも含めすべて同じBGMである。すぎやまによれば、FC版でもバラモスとの戦闘時の専用BGMが製作されたが、何らかの理由によりなくなったという。また、すぎやまはオルテガの戦闘シーンはレクイエムにすべきだったと後悔・反省していると語っている。NHK交響楽団によって演奏された「交響組曲 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」は1988年の第30回日本レコード大賞の特別企画賞に選ばれた。これはゲームミュージックとしては初。不死鳥ラーミアで飛行する時の曲『おおぞらを とぶ』は、のちに高中正義がカバーした。また同曲は『ドラゴンクエストVIII』でも使用されている。フィールドの曲『冒険の旅』や戦闘時の曲などはバラエティ番組のBGM、高校野球での応援ファンファーレとして使用されることがある。『街』、『海を越えて』、『アレフガルドの街(町の人々)』には、女性デュオ「ルーラ」が歌う歌詞付きの曲がある。また、『冒険の旅』と『そして伝説へ…』にも歌詞が存在する。これはラジオ番組『鴻上尚史のオールナイトニッポン』の企画から生まれた(なお鴻上は、アッサラームの劇場にいる座長キャラクターのモデルでもある)。日本での本作の発売日は平日(水曜日)であったにもかかわらず、発売日前日には販売店の前に徹夜の行列ができた。ビックカメラ池袋東口店(現:ビックカメラアウトレット池袋東口店)では前日から並んだ行列が最終的に1万人を超える長大な規模になり、マスコミのみならず、後に学習歴史漫画にも取り上げられた。徹夜したり、学校を無断欠席してまでソフトを買いに来る児童・生徒もおり、その補導が多発したほか、品切れで買えなかった少年らによる窃盗や恐喝などの犯罪も多発した。この対策として、次作『ドラゴンクエストIV』以降のシリーズ本編については、発売日を学校の休みの日にしている(ただし、リメイク版は除く)。また、一部の小売店が本作と人気のないソフトとの抱き合わせ販売を行ったことが問題化した。さらに、光文社が写真週刊誌『FLASH』にエンディングの画面を掲載してエニックスから著作権侵害で訴えられるという事件が発生し、改めて「テレビゲームの画面は著作物になるのか」という問題がクローズアップされることになった。発売当時、ゲーム雑誌などにおいて、終盤の展開に関する情報はほとんど伏せられていた。これは後に発売された「公式ガイドブック」でも同様で、終盤に登場する要素は「回転する床」を除いてほとんどが非掲載となっており、勇者たちが倒すべき最後の敵も「バラモス」とされていて、リメイク版の公式ガイドでも同様に掲載されていない要素があった。リメイク版発売時の雑誌記事・書籍などでは、終盤の画面写真やアイテム、モンスターも掲載されるようになっている。FC版「公式ガイドブック」にはバグである防御キャンセル技が掲載されている。後期ロット(敵が出てこなくなる技が追加されているなど)でも修正されず、そのまま残されていた。ヒャダインとマヒャドの習得レベルが逆になっている誤表記があり、重版でもそのままにされていた。前2作のリメイク作品『ドラゴンクエストI・II』に次ぐ、シリーズ2例目のリメイク作品。FC版の発売から8年後の1996年に発売された。ストーリーはFC版に基づいているが、大幅な要素の追加・変更が行われている。後述の「性格」や「すごろく場」が追加されたほか、アイテムが多数増加し、中には「ルーズソックス」など発売当時の流行を反映したアイテムも登場した。FC版では女性キャラクター専用装備品しかなかったが、SFC版では、ステテコパンツといった男性キャラクター専用装備品も追加された。店の品揃え、ボスモンスターのステータス、モンスターから得られるアイテムなどの変更も行われている。FC版では、武器は全て単体攻撃武器のみだったが、SFC版では単体攻撃武器のほかにブーメランやムチといったグループ攻撃武器や全体攻撃武器が追加された。さらに、オープニング、ダーマ神殿での「遊び人」への転職、隠しダンジョンが追加されている。画面仕様やキャラクター操作、コマンド操作は、前年に発売された SFC版『ドラゴンクエストVI』をベースとし、同作から以下の要素が継承された。『VI』と同様に井戸に入ることも可能になった。戦闘画面も『VI』のものとほぼ同様の画面でモンスターグラフィックも『VI』調だが、モンスターが動く際の効果音を発するようになった。本作では、「ふくろ」の中にあるアイテムは、移動中に限りふくろから出さずに使うこともできるようになった。また、アイテムを仲間に渡す際にその位置も指定できるようになり、所持しているアイテムの位置を選ぶことで渡す側と交換することもできるようになったほか、装備可能なアイテムについては渡した時点で装備するかどうかを選択できるようになった。ただし、『VI』にあった「ふくろ」の枝コマンド(だす・いれる・みる)は廃止された。しかし、普通にふくろに渡す・ふくろから渡すなどしても全ウィンドウが閉じることはなくなり、連続操作はしやすくなった(これは、回復呪文などを使用する際にも同様で、その都度ウィンドウが閉じるようなことはなくなった)。これらの要素は本作で初めて導入され、以降の作品(リメイク含む)でも踏襲されている。また、これに伴い「全てのウィンドウを閉じる」ボタンも設定された(本作ではYボタン)。ちいさなメダルに関しては、メダルを収集しているのがアリアハンのメダルおじさんとなり、獲得したメダルの累計によってアイテムを獲得する方式である。ゲームスタート時に主人公の性格を決定する際、プレイヤー自身の名前を入力する必要がある。この時入力した名前(必ずしも本名である必要はない)は、エンディングの最後(スタッフロールの後)に「AND ACT BY ○○○○(プレイヤーの名前のローマ字表記)」として紹介され、ロールプレイング(役割を演じる)ゲームの名の通りプレイヤー自身が主人公であることを実感させる演出となっている。新職業として「盗賊」が追加されている。また勇者・商人・遊び人・盗賊は、『ドラゴンクエストVI』と同様に移動中の特技を「じゅもん」として使用することができるが、効果は補助的なもので数も少ない。遊び人はFC版では演出の域を出なかった「遊び」の効果が改良され、依然ランダム要素ではあるものの独自の使い勝手を持つキャラクターになっている。また、FC版では不可能だった他の職業から遊び人への転職も可能となった。女勇者専用のグラフィックと台詞も追加された。FC版では性別によるステータスの上がり方の違いは無かったが、SFC版以降では男はちからやたいりょく、女はすばやさが上昇しやすくなっている。「たいりょく」と「かしこさ」のステータスのシステムがFC版と異なり、リメイク版ではたいりょく値の約2倍がさいだいHPとなり、かしこさ値の約2倍がさいだいMPとなる。各キャラクターに「性格」が設定され、同じ職業やレベルでもこの「性格」によってレベルアップ時のステータスの上がり方が異なってくる。性格は全46種類が存在し、ステータス画面で確認することができる。「性格」には、きれもの・ロマンチスト・みえっぱり・でんこうせっかといった男女共通の性格、むっつりスケベ・ラッキーマンといった男性キャラクター専用の性格、おてんば・おとこまさり・セクシーギャルといった女性キャラクター専用の性格の3タイプがある。初期の性格は、主人公であればゲームスタート時に出される質問に対する答え方により、仲間キャラクターであれば登録時のステータスのバランスによって決定される。冒険中は、装飾品やアイテム「本」で性格を変えることもできる。装飾品は装備中のみ性格が変化、「本」は恒久的に性格が変化する。また、性格システムに関連した会話イベントも追加され、その会話内容によって性格が変化することもある。すごろく場で性格が変わることもある。ゲーム中の全5か所に、「旅人のすごろく場」というミニゲームが登場した。挑戦には「すごろくけん」が必要である。無視してもゲームの進行には全く影響がないが、ここでしか手に入らないアイテムもある。すごろくけんは一部の例外を除き非売品で、町などで拾ったり魔物との戦闘で獲得しなければならない。1回につき1枚消費する。無限にすごろくができるアイテムも存在し、持っている場合はそちらが優先される。先頭のキャラクターがすごろくの駒となり、一定回数以内のサイコロでゴールを目指す。ゴールすれば宝箱からアイテムが入手できるほか、コースの途中やよろず屋でもアイテムを入手できる。ただしコース上では戦闘が発生したり、落とし穴などの罠が仕掛けられていたりすることもある。落とし穴でコースアウトしたり、HPや所持金が0になったりした場合は、サイコロの残回数があってもその場で終了となる。戦闘で得た経験値は、戦闘に参加した(つまり、すごろくの駒となっていた)キャラクターのみが獲得する。これは通常の冒険でパーティーを組んでいない状態と同じで、最大で4人パーティ時の約4倍獲得できる。詳しくは上記「経験値」参照。ゲームボーイカラー専用ソフトとして2000年に移植された。SFC版のゲームシステムやストーリーを継承しているが、通信機能を生かした後述の「モンスターメダル」などのオリジナル要素が追加されている。戦闘画面では背景は表示されないが、呪文などの演出効果やモンスターのアニメーションをSFC版から受け継いている。いつでもゲーム途中の状態をセーブして中断することができる「中断の書」機能が追加された。I・IIにあったボタン全押しリセットは、IIIでは不可能になった。街、背景、世界観などはSFC版をもとにしているが、使用できるカラーの仕様上、56色になっている。BGMは一部除いてFC版をベースにしている。ストーリーは、シャンパーニの塔のイベントをクリアしていないと、ノルドの洞窟(アッサラーム東の洞窟)を通れず、バハラタの町へ行くことができないように変更された。モンスターを倒すと時々落とす「モンスターメダル」のコレクションを行うことができる。メダルは各モンスターごとに金・銀・銅があるが、最初は銅メダルしか入手できず、銅を入手することで銀を、また銀を入手することで金を入手できるようになる。モンスターメダルはゲーム本編のメモリーとは別のメモリーに記録されている。通信ケーブルを使い、一度に3枚までモンスターメダルを交換することもできる。このモンスターメダルに関連し、第2の隠しダンジョン「氷の洞窟」が追加された。このダンジョンでは、一定のモンスターメダルを集めないと先に進めないようになっている。このダンジョン用の新たなモンスターと隠しボス・隠しアイテムも追加された。2009年から NTTドコモ向け配信が開始された携帯電話アプリ。メガiアプリだが、前編アプリと後編アプリに分けられている。また、2010年4月からは KDDI (au) 向けの配信も開始され、こちらもBREWアプリでありながら、前編アプリと後編アプリに分けられている。サーバーに冒険の書をバックアップできるようにもなっており、機種変更や誤ってアプリを消した場合でも復旧できるようになっている。2011年9月に発売。FC版およびSFC版が、FC版の第1作・『II』、SFC版の『I・II』とセットで収録。中断機能が追加され、一部のセリフが変更されている。2014年9月25日にAndoridおよびiOS向けに配信開始。『I』、『II』同様にアプリケーション『ドラゴンクエスト ポータルアプリ』から購入・起動する方式。フィーチャーフォン版をベースに移植。グラフィック、操作方法はスマートフォン版『I』『II』同様。BGMはスマートフォン版『I』、『II』、『IV』同様交響組曲版だが、戦闘終了後のBGMは『I』、『II』同様途中から続けて流れる。 †は廃盤。
出典:wikipedia
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