国立科学博物館(こくりつかがくはくぶつかん、英称:National Museum of Nature and Science、略称:かはく、科博)は、独立行政法人国立科学博物館が運営する博物館施設。国立科学博物館は「自然史に関する科学その他の自然科学及びその応用に関する調査及び研究並びにこれらに関する資料の収集、保管(育成を含む)及び公衆への供覧等を行うことにより、自然科学及び社会教育の振興を図る」ことを目的とした博物館である(独立行政法人国立科学博物館法:第3条)。当館は博物館法における博物館ではなく、博物館相当施設である。これは博物館法が国の施設を範疇としていないためである。全国の博物館の指導的な立場としての事業を数多く行っている。独立行政法人化によって国から切り離されたが、その後も名称に「国立」を冠している。これは海外との関わりにおいて国の機関であることを示す必要があるために認められた特例である。施設は、東京都の2か所と茨城県つくば市の1か所、計3か所に分散している。展示施設は、東京都台東区の上野恩賜公園内に所在する上野本館、東京都港区に所在する附属自然教育園、茨城県つくば市に所在する筑波実験植物園(通称、つくば植物園)と昭和記念筑波研究資料館(筑波実験植物園の敷地内、一般には非公開)がある。研究部門は、新宿区百人町(新宿分館)とつくば市(筑波実験植物園の敷地内)とに分散して所在していたが、2012年に筑波地区に集約された。なお、上野本館というときは、上野地区の施設全体を指すときと、その中の日本館と呼ばれている建物のみを指すときとがある。一般的には国立科学博物館といえば上野本館の施設と同義である。エントランス側に面している日本館と呼ばれている建物は当館のシンボルとして強く人々の間で印象づけられている。近年の独立行政法人化によって、国としての役割を担うように強く求められている。行政改革の流れで国立博物館との合併が取りざたされたが、現時点では合併されることなくそれぞれ別法人として運営されている。なお当館同様、日本科学未来館は国が関与する科学系の博物館ではあるが、互いに全く関係がない法人である。館長は林良博(2013年4月1日就任)。なお本記事では、主として上野本館について触れる。それ以外の施設については、それぞれの項目を参照のこと。当館は1872年、湯島聖堂内に博物館を設立したことに起源をもつ。創立は1877年に教育博物館が設置されたときとしている。その後、高等師範学校の附属となり、博物館としては活動が停滞していた時期もある。大正時代に科学博物館設立の機運が高まったことを受けて、1930年上野公園内に新館(現在、日本館と呼ばれている建物)が建てられ、その翌年には東京科学博物館と改称され、東京市の施設となった。1949年には国に移管され、現在の国立科学博物館となる。その後、自然教育園や資源科学研究所を組み込んだ。筑波研究学園都市の開発に伴って、筑波実験植物園が附属施設として設置された。これによっておおまかな現在の拠点がそろうことになる。407万5991点(平成23年度時点)。うち、常設展示数約1万4千点。所蔵品のうち、以下のものが国の重要文化財に指定されている。また、日本館が「旧東京科学博物館本館」として2008年6月に重要文化財に指定されている。詳細は下記を参照のこと。関東大震災の復興事業の一環において1931年9月、東京科学博物館本館として竣工した。ネオ・ルネサンス様式。設計は文部省大臣官房建築課の文部技師糟谷謙三。2008年6月9日に重要文化財に指定された。この建物は人々から愛され国立科学博物館のアイコンとしての側面をもち、上空からみると飛行機の形をしている。展示場の他、天体観測用のドームや講堂などの設備をもつ。関東大震災クラスの地震に対しても耐えられるように作られており、現在の建築基準法の基準に照らし合わせても問題ないとされている。上野本館は「人類と自然の共存をめざして」をテーマとし、日本館と地球館の2つの展示館からなる。「日本列島の自然と私たち」がテーマ。2007年4月17日にリニューアルオープン。展示エリアは地上3階、地下1階。日本列島の地質と、複雑な自然環境の日本列島に生きる生物について気候別、地形別に展示している。櫻井欽一寄贈の櫻井鉱物コレクションを中心に、日本の鉱物を展示している。日本列島の形成をあらわす岩石や、日本で発見された様々な生物の化石の展示により日本列島の生い立ちを解説している。「地球生命史と人類」がテーマ。展示エリアは地上3階、地下3階。1998年に第1期工事完了。翌年4月24日から常設展示公開。第2期工事完了後の2004年11月2日にグランドオープン。2014年9月から北側展示場の改装工事を開始し、翌年工事が終わり7月14日にグランドオープンした。球体内部の壁全面をスクリーンとした360度全天球型映像シアター。愛・地球博の長久手日本館で公開されていた「地球の部屋」を移設した。2006年12月21日から一般公開。地球の大きさの約100万分の1である内径12.8メートルの球体内部の壁面全体に映し出される映像を、球体の中心を貫くように渡された橋の上に立って眺める。2009年12月13日までは愛・地球博映像から1本、国立科学博物館オリジナル映像(第1期作品)から1本のあわせて2本が、2カ月ごとのローテーションで上映されていた。2009年12月22日からはオリジナル映像に新規映像が追加され、従来のオリジナル映像との組み合わせで上映されることとなった。また、愛・地球博映像については毎週金曜日の19時頃に3本まとめて上映されることとなった。「海の食物連鎖」は、「映文連アワード2010」(主催 公益社団法人映像文化製作者連盟)において文部科学大臣賞を受賞。開館当初(1931年)の展示配置1954年頃の展示配置昭和40年代の展示配置1969年〜1971年にかけてフロア全体の大規模な展示更新を行った1981年の展示配置1981年〜1995年にかけて1、2階フロアを「生物の進化」という共通のテーマで改修を行った。改修以降の展示配置括弧内は開催期間、開催日数、入場者数。 新館(現地球館)で開催された初の特別展。日本における唯一の国立の総合科学博物館として、自然史分野および科学技術史分野において研究を行っている。国立科学博物館の研究組織は、5つの研究部、2つの園、3つのセンターおよび昭和記念筑波研究資料館によって構成されており、主に筑波地区に置かれている。微小種からクジラまで、あらゆる動物群を研究対象とする。植物、菌類、地衣類、藻類などを研究対象とする。地球の生い立ちを理解するために、地球を構成する岩石・鉱物、生物の変遷史を記録している化石を研究対象とする。人類の進化・拡散・変異、日本人の形成過程を調査研究。日本の科学技術の発展過程を明らかにし、未来へ結びつけるために科学や技術に関する資料の収集および調査研究。理工学の基礎的研究も行う。筑波実験植物園を参照。国立科学博物館附属自然教育園を参照。標本資料の収集・保管体制の整備、効果的な活用、各研究部との調整を行う。国立科学博物館では各研究部ごとに標本資料を管理していたが、全館的な視野で収集、保管、活用を行うために設立された。2006年7月設立。収集・保存した標本からDNAを抽出、解析、データベース化し、生物多様性研究や分類学の発展に貢献する。2006年7月設立。昭和天皇が長期にわたり相模湾や那須、皇居において収集した自然史標本や資料6万点以上を収蔵。それら標本の分類学的な研究や新たに収集した標本との比較検討により、生物相の変遷について研究する。1993年6月設立。日本の産業技術の発展の歴史、その技術発達と社会・文化・経済などの関わりを研究。「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」の選定と台帳登録も行う。国立科学博物館の所蔵品をフィギュア化した「科博所蔵品再現モデル」と「国立科学博物館カプセルミュージアム」が販売されている。監修は国立科学博物館、造形企画制作は海洋堂、開発・販売元はジーン(THE STUDY ROOM)。2004年11月2日、新館(現・地球館)のグランドオープンを記念して発売。地球館の代表的な展示物が題材。全12種類。税込950円。発売されたモデルとその標本の展示場所は以下の通り。2007年4月17日、日本館のリニューアルオープンを記念して発売。日本館の代表的な展示物が題材。全9種類。税込300円。発売されたモデルとその標本の展示場所は以下の通り。上野公園内に位置する国立科学博物館本館は、縄文・弥生時代から古墳時代の遺跡、あるいは幕末維新期の動乱で焼失した、江戸時代の寛永寺子院群の遺構を地下に包含する上野忍岡遺跡(うえのしのぶがおかいせき)の一角を占めている。1994年より、博物館の新館整備など再開発に伴う考古学上の発掘調査が行なわれ、当時上野本館正面に設置されていたザトウクジラの模型(現在はシロナガスクジラのものが展示されている)基礎部分(屋外展示模型地点)と、本館裏手にあった「たんけん館」跡地部分が発掘調査された。発掘の結果、江戸時代の寛永寺の子院であった青龍院(しょうりゅういん)の礎石、地下室(ちかむろ)や井戸などの遺構の他、江戸時代(17世紀末から18世紀初頭頃)の陶磁器、土器、火災で焼けた大量の瓦などが出土した。変わった出土物では、当時のベトナムである「安南」から舶来した染付「安南染付」の破片が挙げられる。さらに古い時代の遺構・遺物には、弥生時代の竪穴住居跡、古墳時代の埴輪片が出土した。隣接する西洋美術館構内では、古墳時代の竪穴住居跡が多数確認されている。上野本館構内での発掘調査はこれまでに2回行なわれ、調査成果は報告書にまとめられ、台東区内はもちろん東京都内の公共図書館等に配布され、自由に閲覧できる。(カッコ内は在職年)(2013年4月現在)(生年順、カッコ内は生年、没年)
出典:wikipedia
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