'（ナイン・プライマリード・オサインズ）または 'は、鳥類スズメ目スズメ上科内の系統である。通常7–8科に分類されるが、分類によっては1科アトリ科 とされる。スズメ亜目の初列風切 () は基本的に10枚だが、この系統では9枚である。このため、（初列が9枚の鳴禽類）または （初列が9枚のスズメ亜目）と呼ばれる。ただし、より詳細に見ると、 も初列風切は10枚ある。しかし、第10初列風切は小さく、第9初列雨覆の下に隠れている。そのため、 の適切な定義は「第10初列風切が第9初列雨覆に覆われている」となる。また、この特徴は に限られたものではなく、ツバメ科などにも見られる。そのため、それらと区別するために とも呼ばれる。ただし、アトリ科（狭義）とホオジロ科を中心に旧世界に棲む種も多いため、この語の意味は若干あいまいである。 からアトリ科を除くこともある。ここでは（特定の学説に言及する場合を除き） をこの狭義の意味で使う。 内部は Klicka "et al."(2007)より。おそらくセキレイ科 、あるいはスズメ科 と近縁である。ただし。 がこれらの2科を内包する ((スズメ科 + アトリ科) + (セキレイ科 + )) という系統を求める説もある。現在主流の分類では、7科～8科に分かれる。1科の相違は、マミジロミツドリ科 （伝統的にミツドリ科と意訳されてきたが、現在は単型のためここでは学名どおりにマミジロミツドリ科とする）を認めるか否かによるが、マミジロミツドリ科は系統的にはフウキンチョウ科に内包される。これらに対し、 全体をアトリ科とし、アトリ亜科 とホオジロ亜科 に分け、ホオジロ亜科をさらにいくつかの族に分ける分類もある。このアトリ亜科と、ホオジロ亜科内のそれぞれの族が、通常の分類での科に当たる。それらの中間的な分類として、近年はあまり使われないが、 をアトリ科とホオジロ科に分け、ホオジロ科をいくつかの亜科に分ける分類もあった。Nitzsch (1840) が、スズメ亜目の初列風切の枚数について初めて論じ、9枚と10枚の2種類あるとした。Sundevall (1872) は、それぞれのグループにラテン語で命名し、初列風切が9枚の群を 、10枚の群を とした。Tordoff (1954); Tordoff & Arbor (1954)により として定義されたが、現在の範囲とは若干異なって、モズモドキ科 を含み、ハワイミツスイ類（ヒワ亜科の一部）とズアカサザイ （アメリカムシクイ科の1属1種）を含まなかった。ただし彼らは、当時ハワイミツスイ科とされていたハワイミツスイ類を、 に近いとし、また、ヒワ亜科を除外することについて論じている。George (1962)では、モズモドキ科は除外され、ハワイミツスイ科が加わり、またさらに、伝統的にアメリカムシクイ科に含められてきたオリーブアメリカムシクイ を除外した（現在オリーブアメリカムシクイは の外のオリーブアメリカムシクイ科に分類される）。これらの結果、彼の は現在の範囲とほぼ同じとなった。Sibley and Ahlquist (1970)は、George (1962) とほぼ同じ範囲を としたが、オリーブアメリカムシクイを含めた。分子系統以前は、数科に分けられてきたが、具体的な分類は諸説あり一定しなかった。20世紀後半に一般的だった伝統的な分類の2例を挙げる。Sibley & Ahlquist (1970)は、 全て（彼らが だとしたオリーブアメリカムシクイ を含む）をアトリ科にまとめ、これらを3亜科に分けた。AOU Checklist (1980) は、ほぼ （アトリ科を除く）をホオジロ科とし、これを6亜科に分けた（それぞれの亜科の詳細、現在のアトリ科とオリーブアメリカムシクイ科の扱いは未詳）。Sibley "et al." (1988) では、AOU (1983) に似て、 の大半をアトリ亜科とホオジロ亜科に分けた。ただし、第3の亜科として現在は に含まれないオリーブアメリカミツスイ亜科があったこと、現在のスミレフウキンチョウ亜科がホオジロ亜科フウキンチョウ族に含まれていたことは、実際の系統と異なっていた。彼らの広義のアトリ科は必ずしも広く受け入れられなかったが、それを採用しない場合も、アトリ亜科をアトリ科に、ホオジロ亜科内の各族をそれぞれ科にと、階級を置き換えた分類が一般的になった。2000年代以降の分子シーケンス系統により、この分類は若干の修正を受けた。ここで表に示した科・亜科レベルの修正以外にも、多数の属が科を移動された（各科の記事を参照。この記事では省略）。Sibleyらの時代のリストと思われる。近年の修正を受けていないので注意。

出典:wikipedia