ヘモグロビンA(ヘモグロビンエイワンシー; Hemoglobin A; HbA)は、グリコヘモグロビンのうち、ヘモグロビンのβ鎖のN末端にグルコースが結合した糖化蛋白質である。「糖化ヘモグロビン」と呼ばれることもある。成人の血中ヘモグロビンの組成は、約90%がヘモグロビンA(α鎖2本とβ鎖2本からなる成人型ヘモグロビン)、約7%がヘモグロビンA(ヘモグロビンAのβ鎖にグルコースやリン酸化糖などが結合したもの)、約2%がヘモグロビンA(α鎖2本とδ鎖2本)、約0.5%がヘモグロビンF(α鎖2本とγ鎖2本からなる胎児型ヘモグロビン)である。このうちヘモグロビンAは、β鎖に結合した糖の種類によってさらにA、A、A、Aなどに分画されるが、最も多いものがA分画であり、総ヘモグロビンの約4%を占める。ヘモグロビンへのグルコースの結合は、ヘモグロビンのアミノ基の窒素が持つ非共有電子対がグルコースのアルデヒド基の炭素を求核攻撃することにより進行する。このうち、成人のヘモグロビン(ヘモグロビンA)におけるβ鎖N末端のバリンとグルコースが結合したものがヘモグロビンAであり、安定で糖化ヘモグロビンの中でも大きな割合を占めるため、糖化ヘモグロビンの指標として用いられる。また、この反応は非酵素的におこるため、ヘモグロビンAのヘモグロビンに対する割合は血中グルコース濃度(血糖値)に依存し、糖尿病治療における血糖コントロールの指標として用いられる。ヘモグロビンの生体内における平均寿命は約120日であり、ヘモグロビンAのヘモグロビンに対する割合は、過去1ヶ月から2ヶ月の血糖値の指標となる。なお、2999人を対象とした4年の観察期間の研究結果から、値が1%上昇すると心血管イベントリスクが25%上昇するとする報告がある。日本では日本糖尿病学会(Japan Diabetes Society; JDS)により、検査の国内標準化が行われていた。しかし、国際的には米国のNational Glycohemoglobin Standardization Program; NGSP が標準化に採用されており、日本独自のものとなっていた。2012年4月より日本でも臨床検査標準化についてはNGSPを用いることが決定し、臨床検査に用いられている。しかしこの時点では、特定健診・特定保健指導では、JDSを継続使用することとなっており、ダブル・スタンダードとなっていた。2014年4月1日より、「国際標準値」(NGSP相当)ではなく正式に「NGSP値」と呼ぶことになった。今後の運用方法は、2013年5月に開催された第56回日本糖尿病学会年次学術集会にて、“熊本宣言2013”が採択された。この中で学会は、以下の目標値を定めている。このうち 3.は“治療強化が困難な際に限り8.0%未満”とされており、基本的な治療目標は7.0%未満である。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。