公益社団法人落語芸術協会(こうえきしゃだんほうじん らくごげいじゅつきょうかい)は、東京の落語家・講談師などが組織する公益社団法人。1977年まで日本芸術協会という名だった。現在の会長は桂歌丸。東京の落語家だけでなく上方落語家も加入している。また講談師も多数加入している。春風亭柳昇や桂米丸等の新作落語の大家を多数輩出したためか永年「古典の協会、新作の芸協」と言われていたが、実際には現会長で米丸の弟子である桂歌丸等古典落語の名人も数多く所属している。各月下席は、一つの席でしか芝居を打てない。落語協会に比べて客入りが悪いため、定席側から他流との合流提案が出ている。芸術協会の設立には吉本興業などが関わっている。「兵隊」という既存の落語に、アクシデントを発端として独自演出を加えた落語家柳家金語楼は、たちまちのうちに超売れっ子スターとなっていった。NHKが開局し、金語楼にも出演依頼があった。当時、大阪でもそうであったように、東京の寄席経営者からも放送(ラジオ)は敵視されていた。客はラジオで演芸を聞いてしまうため寄席に来なくなってしまう、と危惧をしたのである。東京の寄席は相互で協定を結び、放送に出演する芸人をボイコットすることに決定した。そんななか、人気絶頂の金語楼は敢然とNHKに出演した。寄席経営者は金語楼の各寄席への出演を禁ずるだけでなく、抜け駆けを禁ずるために、金語楼を出演させた寄席への罰則(罰金)をも決定していった。ラジオと寄席への対立から、金語楼一門は上がる寄席を失い、単独で興行を打つことを余儀なくされた。大阪では、当地のほぼすべての寄席を所有していた会社(吉本興業)が所属芸人に放送への出演を禁じた。しかし初代桂春團治は敢然とそれを破った。吉本では、おもな芸人はみな会社に対して多額の借金を負っているという計算にしており、その借金を取り立てるという名目で寄席(吉本興業)は春團治宅の家財を差し押さえた… という経緯は有名である(赤紙口封じ事件)。東京に進出した吉本興業は、売れっ子ながら寄席に上がれない金語楼に強い関心を寄せた。また、既存の寄席でも、野心を持つ者(神楽坂演芸場・千葉博巳席亭)が現れた。吉本興業と千葉席亭が合同し、金語楼に新しい協会を作らせることにした。春團治と金語楼は同種のことをしたが、吉本は、春團治の生活を破壊し、金語楼には温かい救いの手を差し伸べたのである。千葉は別の落語家にも目を付けていた。それは「この先どこまで上手くなるのだろう」と恐れられるくらい人気が高まっていた6代目春風亭柳橋である。落語睦会に所属しており、同会若手の「睦の四天王」(他は3代目春風亭柳好、2代目桂小文治、8代目桂文楽)の中で一人だけ飛びぬけていた存在だった。金語楼と柳橋は共に子供でプロ落語家になった(子方)という共通点があるが、金語楼は(初代柳家三語楼一門に転ずるまで)三遊派、柳橋は柳派保守本流という別の道を歩いたので、両人はほとんど面識がなかった。吉本興業と千葉博巳は、2人を引き合わせ、2人で新協会を作らせることに同意させた。そのさい、落語睦会から柳橋を借り出すことになる。吉本興業と千葉は、会長の5代目柳亭左楽に了解を求めに行った。左楽は、了承の条件として金銭的解決を提案した。左楽は、金語楼から月々の小遣い銭(本当の金額は不明)を貰うという、人気絶頂の金語楼にとっては全く問題のない条件を出した。左楽と柳橋は良好な関係を保ったまま柳橋に新協会を作らせることができた。左楽は「睦会がダメになったらあたしもそっちの(新)協会に行くから」と軽口を言って笑わせた。後にそれは現実となった。この計画の元々の趣旨は、「金語楼に協会を作らせること」であった。さらに金語楼と柳橋とを比較すると、人気では金語楼が圧倒的に上であった。しかし、金語楼は、自分が副会長に下がり、柳橋を会長にするという案を出した。これは金語楼一流の処世術である(金語楼嫡子の山下武による。戦後「東京喜劇人協会」設立時に金語楼みずから初代副会長に引いたのと同じ)。落語家としては、柳橋のほうが序列が上で(真打になった時期が早い)、年齢でも柳橋が年長のため、柳橋にとっても異論はなかった。かくて「31歳の会長」が誕生したのである。金語楼と柳橋が考えた協会名は「日本芸術協会」。寄席ではさまざまな芸術(落語という芸術、講談芸術、漫才芸術、漫談芸術、ものまね芸術…)を総合的に実演するから、という解釈による命名である。東京に複数存在した吉本興業の寄席(神保町の「神田花月」など。神保町花月の前身ともいえる)と神楽坂演芸場のほか、麻布十番倶楽部等で興行を打った。金語楼は1年後別行動をとり、やがて正式に吉本興業と専属契約を結び、吉本の芸人となる。吉本の全芸人(大阪も含めて)の中で最高の待遇を受けた。香盤順
出典:wikipedia
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