法人の法的主体性とは、法人が人権、権利能力、行為能力、不法行為能力などにおいて、主体となれるかどうかのことである。これには、さまざまな説がある。法人が人権を享有するかは問題となる。法人否認説に立たない限り、擬制説に立つか実在説に立つかを問わず、法人に権利能力が認められることになる。日本民法は、ultra viresの法理(古典ラテン語に忠実に読めば「ウルトラー・ウィーレース」であるが、慣用では、ヨーロッパ大陸風に「ウルトラ・ヴィーレス」、英米風に「ウルトラ・ヴァイレース」などと読む)を継受し、法人の権利能力に対しては極めて謙抑的な態度をとっている。すなわち、(旧民法43条)によれば、「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う」。これは、イギリス法を継受した規定で、ドイツ民法とフランス民法の圧倒的な影響下に作成された日本民法の中で、異色の規定である。しかし、この規定はその後の社会発展にまったく適さなかったことから、この規定をいかに骨抜きにするかが判例・学説の課題となった。学説には:などがある。判例は、民法34条は権利能力に関する規定だとしつつも、同条のいう「目的の範囲」を柔軟に解釈することによって、妥当な解決を図っている。例えば、前掲八幡製鉄事件においては、次のように判示した:法人の行為能力については、擬制説と実在説で結論が異なるとされる。民法34条を法人の行為能力を制限した規定であるとの解釈は、法人本質論に意義を認めるのであれば、実在説をとらなければ成り立ち得ない。もっとも、法人本質論はそもそも余り意味のある議論ではないという考え方も近時は有力である。
出典:wikipedia
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