今 敏(こん さとし、1963年10月12日 - 2010年8月24日)は、日本のアニメ監督、漫画家。北海道釧路市出身(出生地は札幌市)。日本アニメーター・演出協会(JAniCA)会員。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン科卒業。ミュージシャン・ギタリストの今剛は実兄。『妄想代理人』では鰐淵良宏名義も用いている。札幌で生まれ、父の転勤により4歳から小学4年生までを釧路、小学4年生から中学2年生までを札幌、中学3年生から高校3年生までを再び釧路で過ごす。漫画家の滝沢聖峰は札幌時代の同級生である。釧路で過ごした高校時代と上京後の生活とのギャップは、後年の作品の主要テーマである「イマジネーションと現実の融合」の形成に少なからぬ影響を与えたという。アニメでは『宇宙戦艦ヤマト』『アルプスの少女ハイジ』『未来少年コナン』『機動戦士ガンダム』などの作品を好み、漫画は大友克洋の『童夢』などをよく読んでいたという。また、筒井康隆の短編からインスピレーションを受け、漫画を制作したこともあった。北海道釧路湖陵高等学校卒業後に武蔵野美術大学にへ進学し、グラフィックを専攻する。この時期には外国映画や筒井の作品を見ることが多かった。1984年、大学在学中に『虜 -とりこ-』で『週刊ヤングマガジン』(講談社)の第10回ちばてつや賞(ヤング部門)優秀新人賞を受賞し、漫画家としてデビュー。これをきっかけとして、大友克洋のアシスタントとして働くことになった。1987年の大学卒業後、講談社より『海帰線』(1990年)『ワールドアパートメントホラー』(1991年、大友による映画のコミカライズ)などを発表。1991年には『老人Z』で初めてアニメ製作に携わり、美術設定・レイアウト・原画を務める。以降『機動警察パトレイバー 2 the Movie』などの製作に携わった。その後、漫画作品の製作は『セラフィム 2億6661万3336の翼』をもって終え、アニメ製作に専念することになる。そして1995年、大友監修のオムニバス作品『MEMORIES/彼女の想いで』に脚本・美術設定・レイアウトとして参加し、今は初めて「イマジネーションと現実の融合」を作品のテーマとして取り入れた。1993年、『ジョジョの奇妙な冒険』で原画、シナリオ、演出、構成などを手がけ、1997年には竹内義和原作の『PERFECT BLUE』で初の監督を務める。製作段階で「『アイドル』『ホラー』『ストーカー」』の3要素を織り交ぜる」といった原作のシナリオに今が満足せず、村井さだゆきの協力でシナリオが書き換えられた。『PERFECT BLUE』の後、以前からのファンであった筒井の『パプリカ』(1993年)の映画化を考えていたが、『PERFECT BLUE』の配給会社の倒産によって計画が頓挫。新たなオリジナル作品の制作に取り掛かり。2002年に『千年女優』として公開された。『PERFECT BLUE』と同程度の低予算で製作されたが(概算で1億2,000万円)、前作以上の成功を収め、多くの賞に輝いた。本作は長年のファンであった平沢進との初タッグを組んだ作品で、以降の作品にも平沢が音楽として参加している。2003年の『東京ゴッドファーザーズ』の発表後、2004年には初のTVシリーズとなる『妄想代理人』を製作。数々の社会的なテーマも取り入れられ今が日頃から温めていた、映画では吸収できなかったアイデアが再表現されている。2006年、かねてから計画を温めていた『パプリカ』を発表する。原作者の筒井たっての希望でもあったとされ、数年来の構想が実現した。この作品も成功を収め、様々な映画祭で賞に輝いた。今は本作でも物語の要約だけではなく独自の解釈を加え、「基本的なストーリー以外は全て変えた」とコメントしている。『パプリカ』の後、押井守や新海誠とともに、2007年放映の「アニ*クリ15」(NHK)に携わる。ここで1分間の短編作品『オハヨウ』を発表した。同年、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の設立に参与する。『オハヨウ』の発表後、次回作として『夢みる機械』の制作に着手したが、2010年に体調を崩し、5月に病院で診断を受けたところ末期の膵臓癌と診断される。生前から「自分のエンジンはアルコールとカフェインとニコチンで動いている」とブログで公言するほどの不摂生な生活を送っていたとされ、余命半年と宣告された後は、身の回りの整理をしながら亡くなる前日までブログを更新するなどしていた(但し、存命中は自分が病気であることは伏せている)。2010年8月24日逝去。。翌日付のブログに、「さようなら」というタイトルで生前に書き留めていたファンに向けてのメッセージを残している。死後、アニマックスとファミリー劇場が追悼の意味を込めて、今敏が制作に携わった作品を放送した。関係者向けに開かれた「今 敏監督を送る会」には今の作品に関わった鈴木慶一や平沢らが出席した。なお、未完に終わった『夢みる機械』は、同年11月に板津匡覧が監督を代行して製作を続行する事が発表された(公開時期は不明)が、2011年、資金難の為に制作休止。『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『妄想代理人』などのオリジナル作品においては、「映画製作のためにストーリーを考案する」のではなく「ストーリーの考案後に映画製作へ耐えうるか考える」方式で制作され、『パプリカ』のような“原作もの”では、物語に忠実ではなく独自の解釈を入れつつ、村井、信本敬子、水上清資といった脚本家とともにストーリーを構成していく形が取られた。今と関わった主なスタッフは、美術監督の池信孝、音響監督の三間雅文、音楽を担当した平沢進など。制作費はおおよそ数億円と日本の一般的なアニメの制作費を考えればはるかに少ないが、これについて「低予算でも質の高い作品が製作できるのは、スタッフの賜物である」と述べている。文学作品ではSF作家のフィリップ・K・ディックや筒井の影響などを挙げ、アニメ作品においては『宇宙戦艦ヤマト』、『未来少年コナン』、『銀河鉄道999』(1978年)、『機動戦士ガンダム』の話を引用し、特に感化された作品は大友の『童夢 (漫画)』だと語る。アメリカの映画作品からも影響が垣間見える。特に刺激を受けたのは、ジョージ・ロイ・ヒル監督の『スローターハウス5』(1972年)である。他にも、『ロスト・チルドレン』(1995年)などを好み、また影響を受けた監督の一人として、テリー・ギリアムの名を挙げる。特に、『バンデットQ』(1981年)、『未来世紀ブラジル』(1985年)、『バロン』(1988年)が好みであった。また、日本映画からも影響を受けており、黒澤明作品を好んでいる(『パプリカ』でこっそりとカメオ出演させている)。また、インタビューでは彼の作品はあくまでも「日本の」作品であるといったことを強調している。音楽では映画でも組んだ平沢進のファンと公言しており、映画のサウンドトラックのみならず自宅のBGMにも頻繁に平沢の曲を流していたほか、生前は平沢のライブの観覧にも出かけており、作品への影響も少なくはない。今の葬儀の際、出棺時には平沢の楽曲で『千年女優』のテーマソングだった「ロタティオン (LOTUS-2)」が使用されたという。
出典:wikipedia
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