トキポナ(toki pona:「良い言語」の意)は、人工言語の一つである。カナダ在住の によって作られ、2001年の夏にインターネット上で発表された。トキポナは、最小の努力で最大の意味を表現することを目指して設計された。トキポナには14の音素と123の単語が定義されている。トキポナは国際補助語として設計されたものではなく、道教の思想に基づいて設計されている。トキポナは、人間の思考過程をそのまま表現することを目指している。それはサピア・ウォーフの仮説に基づくものであり、その点でジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場した言語ニュースピークに少し似ている。"toki"が「言語」、「~語」(language)の意味なので、トキポナ語(toki pona language)のような言い方は正しくない。文字は英語のアルファベットと同じものを用いる。ただし、a, e, i, o, u, p, t, k, s, m, n, l, w, j の14文字のみである。文頭であっても小文字で表記する。ただし人名や国名などの固有名詞を除く。トキポナの発音は日本語のそれに似ている。すなわち、弁別される有声音、二重子音、長母音、口蓋化連続子音がない。母音は "a, e, i, o, u" の5つで、それぞれ日本語のア、エ、イ、オ、ウとほぼ同じである。子音は "p, t, k, s, m, n, l, w, j" の9つがある。それぞれ濁音や半濁音をもつものは両方の読み方が可能である。例えば "pu" はプともブとも読める。"j" は英語での y にあたる。つまり "ja" はヤと発音する。また "n" で終わる場合、つまり日本語のンと同じ場合を除いて、子音のみでの発音はない。子音は必ず母音を伴う。音素を表にすると以下のようになる。一般的に、アクセントは単語の先頭の音節に置かれる。主語 述語 目的語 (SVO) の順である。文脈によって単語の品詞が決定されるものが多く、あいまいさが大きい。地名や言語名は修飾語と固有名詞の組み合わせで表現される。例えば日本は Nijon と表記されるが、日本国は "ma Nijon"、日本語は "toki Nijon"、日本人は "jan Nijon" となる。トキポナの名詞句は先頭に来る。すなわち、修飾される語は修飾語の前に表れ、後置修飾の形になる。トキポナにおける修飾の順序はロジバンと正反対である。トキポナにおいて "N A1 A2"(Nは名詞、A1,A2は修飾語)は ((N A1) A2) と解析される。すなわち、英語であれば "A1 N that is A2" のようになる。この順番は、英語の "of" に当たる "pi" で変えることができる。英語の be 動詞にあたる単語は存在しない。この場合動詞は省略されるが、主語と目的語を分離するために "li" という単語を挿入する。ただし主語が一人称 "mi" または二人称 "sina" である場合は "li" を用いない。いくつかの動詞(例えば"tawa"(行く))は前置詞として扱われ、直接目的語の前に "e" をとらない。118の単語は、複雑な現代文明の登場する以前の単純な生活の原理に基づいて設計されている。単語は、英語、トク・ピシン、フィンランド語、グルジア語、オランダ語、アカディア(ノバスコシア)のフランス語、エスペラント、クロアチア語、中国語(北京語・広東語)などから取られている。日本語からも、擬音語「モグモグ」が、食べる・食事などを意味する"moku"の語源として採用されている。潜在的な混乱の元となる最小対立(ミニマル・ペア)を回避するために、いくつかの単語は変更されている。例えば、"he, she, it"を意味する単語はかつては"iki"であったが、「悪い」を意味する"ike"に発音がよく似ていることから"ona"に変更された。いくつかの自然言語のように、トキポナには、青および黄色とは異なる色としての緑を表す言葉がない。緑は黄色 "jelo" と青 "laso" を混ぜて作られることから、"jelo laso" または "laso jelo" と表現される。紫などの色を表す言葉も同様にして作ることができる。公式に定義されている色は、白 "walo"、黒 "pimeja" と色の三原色である、赤 "loje"、黄色 "jelo"、青 "laso" のみである。トキポナにおいて数を表す単語は"wan"(1), "tu"(2), "luka"(5、「手」の意味でもある)および"mute"(たくさん)しかない。これらを組み合わせて数を表現する。例えば13は"mute"か"luka luka tu wan"(5と5と2と1)となる。
出典:wikipedia
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