鎧(よろい)は、戦闘の際に装着者の身体を矢や剣などの武器による攻撃から防護する衣類・武具のこと。重要な臓器のある胴や胸の部分を守るのが主な目的である。人間だけではなく、戦馬や象などの動物を保護するために使われることもあった。鎧の素材は、革・青銅・鉄と実に様々で、また同じ鉄であっても板金を加工して用いたり鎖状にしたものを用いたりとバリエーションに富む。鋼材を打ち伸ばして作った鉄板を組み合わせた物や、鉄や青銅の小板を紐で繋げた物、鉄や青銅のリングを幾つも繋いだ鎖帷子がある。紀元前4世紀頃にケルト人によってチェインメイルが発明されるが、製造に手間がかかったため貴族など一部の使用に限られた。やがてチェインメイルは紀元前3世紀頃からローマ軍によって使われるようになり、帝政時代の軍団兵の多くはチェインメイルを装備していた。中世になると鎖の量産技術が完全に確立したため、チェインメイルがヨーロッパ全域で装着されるようになり、十字軍時代の1250年頃まで使用された。この頃から、騎兵にとって歩兵から狙われやすい脚部、次いで腕部と、少しずつ鋼鉄板(プレート)が追加されるようになった。やがて全身を覆い出すようになってプレートアーマーとして完成する。鋼鉄製の鎧は刀剣はもちろん、槍や矢もかなり防ぐことができた。そのため鎧の上からでも打撃を与えやすいメイス類や鎧を破壊するための爪(ピック)が普及した。プレートアーマーの欠点は、通気性に乏しく着用者が熱中症に陥りやすいこと、着用者の体格に適合していないと動きやすさが制限されること、そして可動部が破損・変形すると自由な動きが妨げられることである。たとえばアジャンクールの戦いでは重装のフランス騎士団が泥に足をとられて軽装の英兵に惨敗している。現在プレートアーマーとして知られる装飾性の高い物は、騎士の戦場での重要性が低下した1400年以降に出現したものであり、騎士の役割りが、戦士としてより指揮官としての面が強くなり、身分を象徴するようになったことを反映している。この頃は日常においても、ファッションとしてプレートアーマーの一部を装着する事が流行する。1500年代後半を境に、プレートアーマーで身体を覆う面積が少なくなっていき、半甲冑へと移行する。銃砲の発達に対抗するために重量を増したプレートアーマーに、着用者が耐えられなくなり、やむなく面積を減らす事で対応したのである。それにも限界があり、徐々にプレートアーマーは用いられなくなる。第一次世界大戦期まで胸甲騎兵として命脈を保つものの、騎兵そのものが時代遅れとなり、消滅する。
出典:wikipedia
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