港区(みなとく)は、名古屋市を構成する16区のうちの1つ。名古屋市南西部に位置し、区の南部には日本を代表する国際貿易港名古屋港がある。名古屋市の区では最大の面積である。名古屋市港区は、名古屋市の南西部、市の中心部「栄」から南へ約10kmの場所に位置する。区全域を概観すると、全域は海抜0mの平野部で、区南部は名古屋港に所属する埠頭が占め、名古屋市で唯一伊勢湾に面している。西から順に海部郡蟹江町・飛島村との境界線を流れる日光川・福田川・戸田川・東小川・新川・庄内川・荒子川・中川運河・堀川が縦断し、山崎川・大江川・東海市との境界線を流れ、区の最南東にある天白川が区東部を横断している。道路は、区の交通の動脈である国道23号と伊勢湾岸自動車道が横断し、鉄道は、名古屋市営地下鉄名港線が区の東部を縦断し、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線(あおなみ線)と、現在はあまり使われていないJR貨物東海道本線の貨物支線(名古屋港線)が区の中域を縦断しているほか、南東部には名古屋鉄道築港線が僅か1区間ながら横断している。区の繁華街は、名古屋港の中心であるガーデンふ頭から名港線東海通駅付近までと、名古屋市最大級のショッピングセンター「港品川ショッピングセンター(イオンモール名古屋みなと)」を擁する品川町・寛政町・砂美町界隈の2地域に集中する。西部の大半は、水田が広がる穀倉地帯が広がり、北部・中域は、住宅・商業施設が大半を占める。名古屋港を擁する東部・南部・湾岸エリアは、工業地帯だが、ガーデンふ頭・金城ふ頭・潮見町北部などには商業・観光・娯楽施設が存在する。江戸時代、区域のすべてが尾張藩の領地であり、区の北部から南部は江戸時代初期に、湾岸部は名古屋港の開発により明治末期から昭和中期までに埋め立てによってできた土地である。港区役所のある港明を中心に施設は点在している。区の西部、春田野に区役所の支所がある。区内に所在する警察署・消防署は五十音順で以下のとおり。なお、港警察署は名古屋港ガーデンふ頭のJETTY前、名古屋水上警察署はガーデンふ頭内、港防災センターは港区役所内に、港消防署は築地口の東部にある。また、特別消防隊(ハイパーレスキューNAGOYA) 第五方面隊は金城ふ頭にあり、名古屋港内の火災予防・水難救出や船舶、石油コンビナート等の沿岸施設、さらには、特定の河川沿岸部の火災の鎮火を担う名古屋市消防局の水上消防のエキスパート部隊である。各町名は、堀川・中川運河・庄内川の3河川で分けた地域と、旧海部郡南陽町の計4区域に分け、五十音順で下記のとおり表記する。詳しくは名古屋市の地名#港区を参照。名古屋市営地下鉄名港線や名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の各駅を経由しつつ、隣接区の中川区、熱田区、南区や、より遠方の中村区、中区などにあるJR東海、名古屋鉄道、名古屋市営地下鉄の駅まで運行している。これ以外に、中村区の名古屋駅から港区内のサンビーチ日光川や三重県桑名市内の桑名南への三重交通の路線バスが、区内の名古屋市道名古屋環状線や国道23号を経由しているが、中川区尾頭橋のWINS(ウインズ)名古屋へアクセスする手段に用いられる場合がほとんどで、名古屋市営バスに比べ運行する路線規模は小さい。また、名鉄築港線は南区の常滑線大江駅から港区の工業地帯である大江町への支線で、朝・夕方のみ運行をしている。隣接区の中川区を横断する国道1号のバイパスの役目を果たす国道23号は、港区の大動脈で多くの大型トラックやトレーラーが行き交う。この国道23号の交通量を削減するためのバイパスとして、伊勢湾岸自動車道(名港トリトン)が整備されたが、通行料の高さから敬遠されがちで、国道23号のバイパスとしては役目を十分に果たしていない。しかし伊勢湾岸道自体は2004年度に東名高速道路および東名阪自動車道と接続されて以降、通年混雑する東名・名神高速道路のバイパスとして交通量が増加傾向にある。一般道では、庄内川、新川を渡る手段が国道23号の庄内新川橋と、名古屋十四山線の明徳橋・日の出橋の2手段しか無かったが、新たに両橋の中間地点を通る戸田荒子線、南陽大橋が開通し、2道路の交通量の緩和に大きく貢献している。また、堀川を渡る手段も、国道23号の港新橋と、東海橋線(東海通)の紀左エ門橋の2手段しか無かったが、新たに両橋の中間地点に、港楽木場町線、きらく橋が開通し、港区役所・中部労災病院などがある港明と木場町の行き来が非常に便利になった。<南北の道路><東西の道路><金城埠頭中心部>水上交通手段であるが、フェリー・定期船は、名古屋港の金城ふ頭にある名古屋港フェリーターミナル、水上バス・観光遊覧船は、名古屋港のガーデンふ頭にある名古屋港ポートビル乗船センターと、乗船場が分かれていた。名鉄海上観光船がかつて運営していた水上バス(名古屋港ポートビル乗船センター - ブルーボネット)は、同園の休園日は運航していなかった。みなとめぐり遊覧船は、名古屋港を30分間ほど遊覧して、名古屋港ポートビル乗船センターに戻る遊覧船で、以前は金のシャチホコを象った金鯱号(3代目)が役目を担っていた伝統のある遊覧船であった。また、観光遊覧船の貸し切りクルーズ・貸し切り堀川遊覧船は、宴会・パーティー専用船のため、乗船する際は各運営会社に予約する必要がある。さらにこれ以外に、季節限定の貸し切りクルーズもある。すべての埠頭は中京工業地帯の区域にあり、同工業地帯の一角を成す主要地区である。名古屋港の中心を担うガーデンふ頭周辺には、港湾関係の庁舎や企業が多く立ち並び、埠頭内には、名古屋港(ガーデンふ頭)のシンボルである名古屋港ポートビルを初めとする多くの商業・娯楽・観光施設がある。また、潮見ふ頭と金城ふ頭には、一部、商業・観光・イベント施設が存在する。汐止ふ頭は稲永公園の中にあり、現在は埠頭としての役目は果しておらず、名前だけの埠頭である。他の埠頭は、工業地帯の中にあり、埠頭内は名古屋港管理組合や名古屋港運協会に所属する企業の敷地内となるため、企業関係者以外の一般人は立ち入り禁止区域となっている埠頭もあり、過去に稲永ふ頭では、名古屋みなと祭り花火大会の日だけ、埠頭を黙認で開放していたが、東海ウォーカーに花火大会見物の穴場スポットと紹介されたため、安全面を考慮し、急遽、埠頭入口をコンテナで封鎖し、翌年から開放を取り止めたという逸話もある。また、埠頭全域が火気厳禁・喫煙禁止となっている場所もある。なお、埠頭の並び順は埋め立ての際に付けられた号地番順で、追記は港湾に関連ある事務局や施設である。各教育機関は五十音順で下記のとおり、大学は区内には存在しない。区内には、7銀行の窓口業務を行う支店・出張所がある。区内の郵便局は、港栄に所在する名古屋港郵便局(なごやみなとゆうびんきょく)を集配局とし、17ヶ所の郵便局とATMのみを設置した4ヶ所の出張所が存在する。出張所は、集客力のある大型ショッピングセンターに配置されている。区内の商業はかつて築地口を基盤としたユニーの前身である西川屋を中心とし、区内に所在する7商店街を支点に栄え、区の大半はまだ中小規模商店が活躍していた。だが、1971年(昭和46年)に西川屋がほていやと合併しユニー株式会社(以下ユニー)になると、ユニーは資本力の違いを見せて、同じ築地口に店を構えるライバルでもあった株式会社京屋のサンポート名港店を抑え込んで、港区中心部の流通を不動の物にした。しかし、ユニーの影響力が届かない西部の南陽町方面に目を付けた大手スーパーマーケットチェーンのジャスコ株式会社(以下ジャスコ)(現・イオン株式会社)が、1992年(平成4年)4月23日に未開発地域でもあった国道302号線沿いの春田野にある自社で購入した用地に中規模ショッピングセンター「ジャスコシティ南陽(現・イオン南陽店)」を出店させると、これが成功を収め、西部の流通を抑えた。これに対し、ユニーは1993年(平成5年)10月21日に清水建設株式会社をオーナーとする港区初の大型ショッピングセンター「ポートモールアピタ港」を名古屋第2環状線(甚兵衛通)沿い、当知の当知テニススポーツクラブ跡地に開店させると、名古屋市内全域や近郊の幅広いエリアから多くの顧客を確保し、周域の多くの中小規模スーパー・商店を閉店・撤退に追い込み、全国小売店売上げランク30指、ユニーグループ全店で1位の売上げを記録し、区内の小売業ナンバー1の座を一時、物にした。更にユニーはその勢いから、老朽化した築地口の旧西川屋時代からの老店舗「ユニー名港店」と熱田区の「ユニー六番町店」を1997年(平成9年)8月17日に閉鎖し、両店の機能を統合移転させた、土地・建築物所有者ブラザー工業株式会社をオーナーとする区内のアピタ2号店、「アピタ東海通店」を同年9月18日に港区の中心でもある港明にオープンさせて更に地盤を固めた。この2店の出店により、このままユニーの流通の支配が長く続くと思われたが、1999年(平成11年)3月25日にスーパーマーケットチェーンの最大手である株式会社ダイエー(以下ダイエー)が、湾岸エリアの金城ふ頭に東海地方初の会員制ストア「Kou'S金城ふ頭店」を銘柄牛や天然の本マグロなどの高級食材の品揃えやブランド商品の格安販売等を売りに開店させた。しかし、年間会員費3000円(会員カード作成費用別途500円)による高級志向と店舗の立地条件や交通手段の不便さが悪影響を及ぼし、ダイエーの想定より会員数を伸ばす事が出来ず、打開を狙った非会員招待日や24時間営業などの政策も実らず、またダイエー本体の業績悪化に伴い、2001年(平成13年)5月15日に撤退し、ユニーに一矢報いる事はできなかった。なおKou'Sの跡地には安井家具が運営する「FURNITURE DOME 名古屋新本店」が居抜出店し現在に至る。Kou'S金城ふ頭店の開店約8ヵ月後の1999年(平成11年)11月20日、全国展開により着実に力を付けたジャスコは、区の中央部へ攻勢を移し、国道23号線沿いで、名古屋環状線(太平通)から名古屋第2環状線(甚兵衛通)への抜け道的な役目を果す区内の交通の要所でもある、工場・倉庫地帯の中心に所在した品川町の品川ロイヤルゴルフ跡地に土地・建築物所有者の品川白煉瓦株式会社をオーナーとする東海地区最大級のショッピングセンター「港品川ショッピングセンター」(通称「ベイシティ」、現・イオンモール名古屋みなと)をオープンさせた。同ショッピングセンターは当時のジャスコのGMSの集大成とも言える「ジャスコ名古屋みなと店(現・イオン名古屋みなと店)」を核店舗とし、120の専門店街が連ね、海に浮かぶ帆船をイメージした全国初の屋根の役目を果す「白いテント」を張った4階層のオープンサーキットモール「ベイシティ専門店街」と、その専門店街の4Fのフロアに立ち並ぶスカイパークレストラン街、そして、道路向こう側に隣接する映画館「ヴァージンシネマズ名古屋ベイシティ(現・TOHOシネマズ名古屋ベイシティ)」などを売りに、オープン初日から3日間で30万人近くの来店客を記録した。だが、帆のイメージをした屋根代わりのテントは、開店当初、あまりにも斬新過ぎて、一部の来店客にはモールゾーンの寒さや降り込む雨・雪が原因から受け入れられず、多くの非難をもたらしたが、年月の経過から顧客にも定着していき、着実に顧客数を伸ばしていくと、区内だけでなく名古屋市全域や近郊、さらには隣接する岐阜県南部・三重県桑名市・四日市市方面からの遠方の顧客をも確保し、現在は名古屋市南部を代表するショッピング・娯楽施設に定着し、港区の流通を支配していたアピタ港店に大打撃を与え、その構図を大きく書き換えた。しかし、近年は、アピタ港店だけでなく、ジャスコ名古屋みなと店にも当てはまる事だが、名古屋市内や近郊に、これらの店と同規模、またはそれ以上の規模の大型ショッピングセンターが続々と出店をしていき、遠方客の確保に苦戦を強いられ、さらに地元の顧客は近年、名古屋市内に過剰なくらい出店を続けるライバルの中小規模食料品スーパーマーケットチェーンのヤマナカ、ナフコグループや、フィール、バロー、マックスバリュ中部などの店舗の影響により出足を挫かれて、顧客が分散してしまい、開店当初の賑わいを感じられない日が多い。この状況を打開するために、ジャスコ名古屋みなと店は、今まで23時閉店だった1F食品売場の24時間営業化、アピタ港店は守勢に回り、専門店ゾーンの現行の22時閉店を1時間前倒しして21時に閉店させるなど、異なる対策に出ているが、ともに成果は上がらず、現状は苦戦の模様である。なお、港品川ショッピングセンターの出店により、品川町界隈は近年、ニトリみなとショッピングセンターの出店を皮切りに、急速に発展しつつあり、また2004年(平成16年)10月6日に開業したあおなみ線の影響を受け(近くに荒子川公園駅がある)、同地区の更なる発展が期待されている。その後、区内では、2005年3月7日にベイシア・カインズホームがあおなみ線稲永駅東側に出店し、同年4月2日には名古屋港ガーデンふ頭にアウトレットモール「名古屋港イタリア村」がオープンした。両店が開業したことにより区内は更に小売業の激戦区となっているが、特に名古屋港イタリア村の開業は中部国際空港と愛知万博とセットでツアーも組まれた事もあり、名古屋港ガーデン埠頭は名古屋港水族館開業以来の賑わいを取り戻すことに成功したが、2008年のイタリア村の閉鎖後は下火となってきている。2014年6月27日には、西部の西茶屋地区に「イオンモール名古屋茶屋」がオープンし、両茶橋発着の市バスが両茶橋転車場の移転廃止に伴い、「南陽交通広場」発着に変更になった。併せて三重交通バスがオアシス21発着の高速バスの運行を始めた。2014年11月7日には、かつての「ポートモールアピタ港」を大幅改装し、「ポートウォークみなと」に改称してリニューアルオープンした。区内に所在する救急指定病院。
出典:wikipedia
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