1220系電車(1220けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道が保有する一般車両(通勤形電車)である。本稿では、1230系及び1020系についても記述する。1420系の量産車として、1987年3月に登場した2両編成のVVVFインバータ車両。最大車体幅は2800mmで、裾を絞ったアルミニウム合金車体を採用。制御装置のメーカーを除く仕様は1422系と同一である。3編成が製造されたが、増備車は標準軌全線共通仕様の1230系に移行した。電算記号はVC。2016年4月現在、全車が大阪線高安検車区に所属する。なお、1998年までは名古屋線や山田線を中心に運用されていた。本系列では日立製作所製のGTO素子によるVVVFインバータ機器を搭載する。主電動機は三菱電機製のMB-5023A型で、モーター出力165kW。歯車比は6.31(16:101)に設定されている。台車は両抱き踏面ブレーキ式シュリーレン台車である近畿車輌製KD-95を装着する。性能面では起動加速度2.6km/h/s、減速度4.0km/h/s、最高速度110km/hを確保している。近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車両と同様に、以下の改造が順次施工されている。1989年7月に登場した、標準軌全線共通仕様のVVVFインバータ、アルミ車体の2両編成の車両である。1220系をベースに、標準軌全線共通仕様に変更されている。標準軌全線共通仕様とは車体設計の共通化とともに、大阪・名古屋線と奈良・京都線の間の車両転配を円滑に行えるように機器類の配置を可能な限り共通化した仕様のことである。電算記号は奈良線・京都線所属車ではVE、大阪線・名古屋線所属車ではVCとされた。1276Fで製造を完了したものの1277Fが存在しており、これは後述の1020系の1030Fの中間2両を離脱させ、1026Fに組み込んだため、先頭2両のみを1編成とし、運転台寄りに集電装置を増設し、1277Fとなって1252系に編入したものである。1230系列では台車は、21000系にならってホイールベース(台車軸距)を、従来車の 2150 mm から 2100 mm に変更した新設計の空気バネ台車KD-96形、後期型ではボルスタレス台車のKD-306形を採用している。主電動機は中期型まではMB-5035A型、後期型ではMB-5035B型を、歯車比を1220系の6.31から5.73に変更し、以上の機器構成はシリーズ21登場前まで標準軌VVVF一般車に採用されている。1231F、1232Fの2編成は1220系、"1224F、1225F"として製作されている途中での仕様変更に対し、1233F以降は設計当時からの仕様変更のため、1233F以降の車両を1233系と呼ぶことが多い。これに関連して、"1224F"、"1225F"製作時の当初の計画では、奈良線に投入する最初の新造車5編成の車両形式を仮称"1230系 1231F - 1235F"と予定していたが、1220系、1230系関連の計画変更で1233系 1233F - 1237Fとなっている(仮称1230系→1233系はこれまで8000番台が原則であった奈良線区に初めて直接的に投入された8000番台以外の形式でもある)。1230系、1233系以外にも1240系、1249系、1252系、1253系、1254系、1259系と細かく分類されることがあり、1255F以降の車両は1252系および1253系として製造されており、新造当時でも1252F - 1277Fは結果的に3形式が入り乱れていた。以下は後年の改造で生じた形式である。増備途中から設計変更が行われており、1997年以降の増備車では乗務員室仕切り窓の小型化が行われ、1998年製造の増備車は当初から連結側に転落防止幌を装備し、乗降扉上部に雨樋を取り付け、車内乗降扉部分床面にノンスリップ加工が施されている。新製当初から明星検車区に所属し大阪線を中心とした運用に入っていた1243F・1247F・1248F・1255F - 1257Fは、2000年から2001年にかけて全ての編成が高安検車区に転属したが、2002年7月に1243Fが富吉検車区に転属、1247F・1248Fが明星検車区に転属した後に2012年3月に富吉検車区へ所属変更されている。新製時は明星検車区に配置され、2001年時点では後述の名古屋線ワンマン対応改造が施工されずに名古屋線系統を中心に運用されていた1242F・1259F - 1261F・1265F - 1269Fの内、1260Fは2006年に高安検車区に転属したが2014年9月に富吉検車区に転属し、1261Fが高安検車区に転属した。奈良線所属編成は新製当時は全ての編成が西大寺検車区に配置されていたが、後述の1020系・1026系(1035F以外の全ての4両編成)のワンマン改造・西大寺検車区への転属に伴って2004年までに1233F - 1237Fが東花園検車区に転属となっている。1277Fも後述の阪神直通改造に伴って2012年3月に東花園検車区へ所属変更された。近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車両と同様に、以下の改造が順次施工されている。名古屋線ワンマン運転対応改造名古屋線所属の1230系列のうち、2014年4月現在で1231F・1232F・1240F・1259F・1265F - 1269Fの9編成にワンマン運転対応工事が施工されている。改造内容は乗務員室運転士側窓ガラスの茶色化と車外スピーカー取り付け、運賃表示器と運賃箱の設置と車内通報装置の移設である。初期に改造された1231F・1232F・1240Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。2000系や1201系1201F - 1204Fとは異なり、車外スピーカーはクーラーキセに設置されている。1233系1240Fと1253系1259F・1265F - 1269Fはワンマン改造によりそれぞれ1240系・1259系に系列変更しているが、1231Fや1232Fは元々2編成しか在籍しないため系列名変更は行われていない。1231F・1232Fは2000年11月に、1240Fは2001年4月に、1259Fは2003年に、1265F - 1269Fは2007年 - 2008年3月にかけて改造されている。ワンマン表示については初期に改造された1231F・1232Fは方向幕に「ワンマン普通○○」の表示で運行しているが、1240F・1259F・1265F - 1269Fでは電光式ワンマン表示器で対応している。阪神線直通対応改造奈良線所属の1252系のうち、2016年4月現在で1271F - 1277Fの7本が阪神線相互直通運転対応となっている。改造内容は5800系の改造内容と同じで、バリアフリー改造がされていない車両は同時に車内案内表示器とドアチャイム、転落防止幌の設置が行われた。また、2008年8月に1253系1273F・1275Fが阪神尼崎車庫に陸送され試運転と乗務訓練が行われた。乗り入れ対応編成は蝶々に類似したマークを前面運転台下窓と側面乗務員室扉横に貼り付けられている。2009年3月の相互直通運転開始時点では1271F - 1276Fのみ阪神直通改造がされていたが、2012年3月のダイヤ変更で阪神なんば線直通列車が増発されたことに伴って1277Fも追加で改造されている。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。大阪線所属の1257Fは、2009年2月27日早朝に大阪線東青山駅構内で発生した脱線衝突事故の影響で、車体や走行機器などが損傷した。特に電柱に激突したモ1257形の車体や台車、VVVFインバータ装置などが大きく破損したため、修繕のために五位堂検修車庫にて長期休車になっていたが、2010年10月20日に営業復帰した。2016年4月現在の配置検車区は以下の通り。主に大阪線系統を中心に2両編成単独および他形式併結の4両 - 10両編成で快速急行から普通まで幅広く運用されるほか、一部は急行の増結編成で名古屋線でも運用されるが、1220系は単独編成で運用出来ないため一部独立した運用が組まれている。名古屋線系統を中心に、ワンマン運転対応車両は志摩線でも運用される。急行・準急の増結車の他、2両編成単独で準急や普通でも運用されている。一部運用は急行系列車の増結編成で大阪線大阪上本町駅に乗り入れる。大阪線急行の間合い運用は原則として富吉検車区所属編成が使用されるが、明星検車区所属編成の大阪線運用は滅多にない。大阪線所属車の車両不足やダイヤ混乱の際は大阪線でも運用される。原則として他形式併結で運用されており、京都・橿原・天理線では4両・6両編成で急行から普通列車まで、奈良線では6両 - 10両編成で種別を問わずに運用されている。1991年11月に登場した、日立製作所製GTO素子インバータ装置を採用する1230系列の4・6両編成仕様である。電算記号は4両編成ではVL、6両編成ではVHである。1035Fで生産を終了したが、後年1030Fが欠番となっている(後述)。1020系においても1026F以降の編成を1026系(1993年9月登場)と分類されており、後述のワンマン運転対応改造によって1021系・1031系が登場している(この改造により1020系は形式名としては消滅)。1996年8月以降の増備車では乗務員室仕切り窓が小型化された。1998年の増備車では当初から連結側に転落防止幌を装備し、乗降扉上部の雨樋設置・床面のノンスリップ加工が施されている。基本設計は1230系1233F以降の車両に準拠するが、モ1096形のパンタは2基搭載されているのに対し、モ1020形、モ1026形、モ1070形、モ1076形のパンタは1基として編成内に母線を引き通した。これは集電装置間隔を30メートルに抑えるためである。1026F以降の車両の変更点は、台車をボルスタレス台車に変更し、Tc・T車はディスクブレーキ(1軸1ディスク)を装備。補助電源装置もSIV(静止型インバータ)を東芝製のGTO素子のBS-484Q形(70kVA)とし、編成内での補助電源引き通しを行うことにより故障の際のバックアップ機能を持たせてある点である。また、サ1196形とモ1096形の間には簡易運転台が設けられている。2002年、1030Fの中間車サ1180・モ1080をそれぞれサ1196、モ1096に改番して1026Fに組み込まれた。この2両には他のサ1196形とモ1096形と異なり簡易運転台は付けられていない。残りの先頭の2両モ1030・ク1130はモ1277・ク1377に改番され、2両編成の1277Fとなり、1252系に編入された。なおモ1096・モ1277には南大阪線6620系6621F母線引き通し工事で余剰となったパンタグラフを流用し、それぞれ1基ずつ追加してパンタグラフを2基とした。2016年4月現在、在籍する全編成 (4両編成10本40両と6両編成4本24両) が西大寺検車区に配置されている。京都線系統では単独4両及び2両編成連結の6両編成で運用され、奈良線では同系や他車併結の6両 - 10両編成で運用されている。後述のワンマン対応編成は生駒線の全列車にも使用されている。6両編成車は阪神直通対応改造(後述)が施工されている関係上、5800系および5820系、9820系と共通運用で、奈良線および阪神線直通列車を中心に運用されているが、基本的に京都線・橿原線・天理線も含めた運用をしているため京都線系統でも運用されている。近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車両と同様に、以下の改造が順次施工されている。1998年から1999年にかけて、1033Fにシングルアーム式パンタグラフを搭載した走行試験が行なわれたが、現在は元の下枠交差形のパンタグラフに戻っている。その後、「シリーズ21」各系列や21020系以降の特急車両で採用された。生駒線ワンマン運転対応改造2004年3月の生駒線ワンマン運転化に伴い、4両編成車は当時東花園検車区所属であった1035Fを除き、生駒線のワンマン運転に対応した改造を施して1020系からの改造車は1021系に、1026系からの改造車は1031系に改番された(1035F以外は改造後順次、西大寺検車区所属に変更)。改造内容はクーラーキセに車外スピーカーの取り付けと、1021F - 1025Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。阪神線直通対応改造2016年4月現在、1026系6連車の全編成が阪神線相互直通運転対応となっており、改造内容は5800系に準拠している。2009年3月の相互直通運転開始時点では1027F - 1029Fのみであったが、2012年3月のダイヤ変更で阪神なんば線直通列車が増発されたことに伴って1026Fが追加で改造されている。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。
出典:wikipedia
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