アルト ラパン(ALTO Lapin)、スズキのハッチバック型軽自動車である。軽セダンのアルトを基本に設計された。ラパンと略して呼ばれる場合もある。弁当箱をモチーフとした丸みのある箱型の外観デザインとし、低めの車体高で広い室内空間を確保したパッケージングに、家電・家具・雑貨などを連想させるデザインのパーツを採用した、5ドアハッチバック型のセダンである。主力車種のアルトにて、男性や高齢者のユーザーが増えて女性層が減ってきたことから、改めて若い女性層にターゲットを当てて開発したものである。開発コンセプトは「ゆるさ」であり、静粛性・乗り心地・使い勝手の良さに配慮して「自分の部屋にいるようなくつろぎと心地よさ」を訴求点としている。このコンセプトは女性購買層の支持を得て初代から人気車種になり、3代目開発時にはユーザーの9割は女性であり、うち6割が20代から30代の若い女性であったとされている。車名の由来となっているウサギの入った前後のエンブレム(「Lapin」ロゴの「i」の上の点部がウサギの頭)、インストルメントパネルのアナログ時計(初代モデルのタコメーター非装着グレードのみ)など女性を意識したデザインとなっている。若い女性をメインターゲットに据えることから、ボディーカラーも淡い色を中心に豊富にラインアップされており、それに合わせて内装色も設定される仕様となる。なお、正式車名はアルトラパンだが、販売戦略上アルトとは別車種扱いになり各種広告では単に「ラパン」の表記になる。初代モデルはマツダ向けにスピアーノとしてOEM供給されていた。2001年の第35回東京モーターショーに「ラパン」としてコンセプトカーが出品された。エンジンは水冷直列3気筒K6A型で、40kW(54馬力)のVVT付き自然吸気仕様、低回転域の扱いやすさを狙った44kW(60馬力)のインタークーラー付きMターボ仕様(初代の途中から採用、後に廃止)および47kW(64馬力)のインタークーラー付きターボ仕様の3種類が存在する。トランスミッションは、コラムシフトの4速AT(ターボモデルのみロックアップ機構を備える)のほか、「SS」のみフロアシフトの5速MTが選択できた。エンジンは初代と同様にK6A型が採用され、VVT付自然吸気仕様とインタークーラー付きターボ仕様(2014年10月の仕様変更に伴い廃止)の2種類のエンジンが用意された。また、初代ではトランスミッションごとに異なっていたシフトレバーの配置がインパネシフトに変更の上で統一され、トランスミッション自体も新たにスリップ制御付ロックアップ機構を備えた4速ATに加え、新たにCVT(ジヤトコ製)が設定され、グレードにより選択可能とした。2010年5月の仕様変更でCVTのみの設定となり、同年8月の改良で日産自動車とジヤトコが共同で開発した副変速機構付CVTとなったが、2012年12月に「G」のみながら4AT車の設定が復活(当初は2WD仕様のみだったが、2013年6月の一部改良で4WD仕様も復活)した。3代目では前述のとおり若い女性が購買層の中心であったことを踏まえ、1年前から社内の商品企画や技術企画のスタッフなどで構成される「女性ワーキンググループ」を立ち上げ、企画・マーケティング段階だけではなく開発の各段階において女性ワーキンググループが携わることとなった。この中で、購買層の中心となる若い女性が「可愛いものは好きだけど、子供っぽいのは好きじゃない」「ナチュラルである。シンプルである」志向があることを踏まえてデザインに生かされることとなり、その結果、マーケティングの方向性が2代目の派生モデルである「ラパンショコラ」とほぼ同じとなった。これにより、「ラパンショコラ」は3代目へのフルモデルチェンジに合わせて廃止された。外観は、ラパンの特徴である箱型フォルムを継承しつつ、角を丸くした「まる しかくい」プロポーションを追求したデザインコンセプトとし、ヘッドランプやリアコンビランプは丸型に変更。ボディカラーは新規色の「コフレピンクパールメタリック」と「フォーンベージュメタリック」、後期型スペーシア採用色である「フレンチミントパールメタリック」や8代目アルト・後期型スペーシア採用色である「シフォンアイボリーメタリック」を新たに加え、2代目からの既存色4色(「カシスピンクパールメタリック」はショコラ専用色から格上げ)を合わせた8色を設定し、一部グレードで2代目から継続設定されるホワイト2トーンルーフ仕様車は新設定色4色に刷新された。さらに、ボディー下部に新たに設けられたスプラッシュガード・フェンダーアーチモール・バンパーモールはボディカラーに合わせてブラウンとネイビーの2色を設定した。プラットフォームを刷新してホイールベースを60mm拡大しつつ、最小回転半径は2代目と同じ4.4mを保持。フロントドアには8代目アルトと同じく中間2段ストッパーを採用した。内装は、ブラウンのテーブルをイメージし、ファブリック調のカラーパネルを採用した「シンプル」と、白木目調のカウンターをイメージし、光沢のあるカラーパネルを採用した「ナチュラル」の2種類のインパネデザインをグレード毎に設定したほか、内装色(シート色)についてもモノトーン仕様のベージュ内装に加え、一部グレードでは2トーンシートも設定し、ボディカラーに応じてキルティング柄のキャメル内装やチェック柄のブラウン内装を用意し選択可能とした。メーターは腕時計をモチーフとした文字盤と置時計のようなフォルムとした一眼タイプの盤面発光メーター(輝度調整式)を採用。2代目から継続採用されているマルチインフォメーションディスプレイには新機能として、各種車両状態・挨拶・イベント日・記念日(イベント日・記念日は事前設定が必要)を文字情報やアニメーションで知らせるお知らせ機能・挨拶機能を追加し、一部グレードにはメーター表示に連動してスピーカーから音声でも知らせるメーター音声案内機能も追加した。ラゲッジルームはバックドア開口部の上部の幅と下部を拡げ、地上高を30mm低くするとともに、4名乗車時の容量が30Lアップの115Lとなった。パワートレインはエンジンを11.5の高圧縮比仕様としたR06A型に置換。CVT車は2代目・2型以降に採用されている副変速機構付CVTに改良を加えたほか、アイドリングストップシステムも改良し、停車前の減速時にアクセルを離した段階からガソリンの供給を止め、ブレーキを踏んで時速13km以下の段階から自動でエンジンを停止することでアイドリングストップ時間を拡大。併せて、「エネチャージ」と「エコクール」も搭載し、2WD・CVT車で120kgの大幅な軽量化を行ったことで、JC08モード燃費を2WD車で35.6km/L、4WD車で33.2km/Lにそれぞれ向上。一方、「G」は4速ATに替わり、軽乗用車では8代目アルトに次いでの採用となる、5速MTをベースにクラッチとシフト操作をコンピューター制御化した新型トランスミッション5速AGS(オートギアシフト)を新たに採用した。これらにより、CVT車と2WD・5AGS車は「平成32年度燃費基準+20%」、4WD・5AGS車は「平成32年度燃費基準+10%」をそれぞれ達成した。一部グレードにメーカーオプション設定されているナビゲーションも改良を行い、7インチに大画面化して指紋が付きにくい設計となり、車両の前後左右4カ所に設置したカメラにより車両を真上から見たような俯瞰映像をナビゲーション画面に表示し、ボタン操作で前方/後方ワイド映像、助手席側のサイド映像の切替も可能な全方位モニター付メモリーナビゲーションとなった(なお、本オプションを追加した場合、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB、AUX)、ステアリングオーディオスイッチが同時に装着される)。また、販売店アクセサリーにはスズキでは5車種目となるワイドDINサイズ(幅200mm)のワイドナビ4機種が設定されると同時に、市販のワイドDINサイズカーナビゲーションの装着を可能にするオーディオ交換ガーニッシュ(ワイドDIN対応)も設定された。併せて、レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPを全車に標準装備して安全面も強化した。なお、全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車は、全高1,550mm未満の2BOX軽自動車で初めて予防安全性能アセスメントの最高ランクとなる「ASV+(先進安全車プラス)」を獲得している。
出典:wikipedia
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