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個人的な体験

『個人的な体験』(こじんてきなたいけん)は、大江健三郎の小説。1964年(昭和39年)に新潮社より発行された。本書は第11回新潮社文学賞を受賞している。大江健三郎の長男大江光が脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者であり、その実体験をもとに、長男の誕生後間もなく書いた作品である。主人公の鳥(バード)は、大江健三郎自身を描いたのではなく、同じ境遇にある別人を描いたと大江自身が解説している。主人公は、脳瘤とおそらくそれによる脳障害を持つと思われる長男が産まれることにより、出生後数週の間に激しい葛藤をし、逃避、医師を介しての間接的殺害の決意、そして受容という経過を経る姿を描く。三島由紀夫は、本作について、「技術的には、『性的人間』や『日常生活の冒険』より格段の上出来であるが、芸術作品としては『性的人間』のあの真実なラストに比べて見劣りがする。もちろん私は、この『個人的体験』のラストでがつかりした読者なのであるが、それではこの作品はラストだけがわるくて、二百四十八頁までは完璧かといふと、小説はとまれかくまれ有機体であつて、ラストの落胆を予期させるものは、各所にひそんでゐるのである」と述べている。そして三島は、作中の人物像(デルチェフ、火見子、鳥)に触れ、「このやうな人物像は、大江氏の方法論に背馳してはゐないだらうか? 一般人の側から絶対に理解不可能な人間、しかも鋭い局部から人間性を代表してゐるやうなものを、言語の苦闘によつて掘り出して来ることが、氏の仕事ではなかつたか? かくしてこの小説の末尾には、ニヒリストたることをあまりに性急に拒否しようとする大江氏が顔を出し、却つて人間の腐敗に対する恐怖があからさまにひろがつて、逆効果を呈してゐる。暗いシナリオに『明るい結末を与へなくちやいかんよ』と命令する映画会社の重役みたいなものが氏の心に住んでゐるのではあるまいか? これはもつとも強烈な自由を求めながら、実は主人持ちの文学ではないだらうか?」と述べている。さらに、「世界史的に見て、わが日本民族は、熱帯の後進国の野蛮な活力に憧れるほど衰弱してゐない筈なので、おそらくアフリカへの憧れは、衰弱したパリ経由なのにちがひない」と述べている。

出典:wikipedia

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