第77回東京箱根間往復大学駅伝競走（だい77かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう）とは、2001年1月2日から1月3日までに開催された第77回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。平成国際大学と國學院大學が初出場した。大会前は、前哨戦となった前年の出雲駅伝、全日本大学駅伝をいずれも制し、史上2校目の大学駅伝三冠を狙う順天堂大学、前年度優勝の駒澤大学が優勝候補に挙げられ、『紫紺対決』として注目された。1区では、大東文化大学、初出場となった平成国際大学と國學院大學が大幅に出遅れるも、あとは混戦模様。20キロ付近まで、10人のダンゴ状態。21キロ地点で、法政大学、神奈川大学、中央大学にトップ争いは絞られたが、中央大学の野村佳史が区間賞を獲得したものの、区間2位の神奈川大学の飯島智志も同タイムで、1位から12位の東海大までわずか33秒差であった。2区では、順天堂大の岩水嘉孝、駒澤大の神屋伸行、中央大の板山学、法政大学の徳本一善のエース対決が注目されたが、レース中盤以降から始まった激しい向かい風の影響でスローペースとなる。そんな中、後方では14位と出遅れた平成国際大学のジョン・カーニーが強風をものともせず他者を圧倒的に引き離すスピードで6位に順位を上げる。先頭争いは板山、岩水が遅れ、最後は徳本が神屋とのデッドヒートを制し、2年連続4回目トップでタスキリレー。そんな中、東海大学4年の伊藤孝志が12.5km過ぎで体調不良により、途中棄権となった。2区での途中棄権は史上初であった。3区では、法政大は無難にトップを守り2年連続トップでタスキリレー。帝京大学の北島吉章が2年連続の3区区間賞を獲得し、4位に浮上する。4区では、順天堂大の野口英盛が2年連続の4区区間賞を獲得し2位に浮上、1位の法政大に29秒差まで詰めた。法政大学は大学史上初めて小田原中継所をトップでタスキリレー。5区では、法政大学が70年ぶりの往路優勝に向かってスタート。法政大は2年連続で大村一、2位の順天堂大は前回8区区間賞の奥田真一郎が起用される。3位に浮上した中央大は前回5区区間賞の藤原正和が起用され、小田原中継所で1位の法政大と1分10秒差で襷を受けたことから、遅くとも中盤以降藤原が奥田・大村を抜いて、トップになるかと思われた。ところが、2区の中盤以降から始まった向かい風がより強くなり、奥田や藤原は本来のペースが上がらず、大村との差が中々縮まらない。最高点を過ぎてから16.6キロ地点で奥田がようやく大村に追いついたものの、大村がスパートを掛け一気に前に出る。しかし下りに入って藤原がそれ以上にペースを上げ、下り終わってからまず奥田、そして平地に入った19キロ過ぎで大村を交わして一気にトップに浮上する。その直後、奥田も大村を抜いて藤原に喰らいついたものの最後は藤原が史上最少差となる8秒差で中央大が往路優勝を果たした。中央大学は37年ぶり15回目の往路優勝。三冠を狙う順天堂大は2位でゴール。大村は55秒差の3位でゴール。優勝候補の駒澤大は2分24秒差の4位でゴールし、初出場の平成国際大学が往路5位と健闘した。なお、前回5区で藤原とともに区間賞を獲得している東海大の柴田真一はオープン参加ながら走ったものの、区間14位相当のペースに終わった。この5区では拓殖大学の杉山裕太が区間賞を獲得した。なお、9位の日本体育大学から14位の國學院大、そしてオープン参加となった東海大の7大学が中央大から10分以上の差が付いたため、復路繰り上げ一斉スタートとなった。6区では、1位の中央大から8秒差でスタートした順天堂大の宮井将治が前年区間賞・区間新記録の永井順明を序盤の上り坂で抜くと、下りで一気に加速し、前年の永井の記録を6秒上回る58分29秒の区間新記録を樹立し、逆に永井は昨年の勢いがみられず、中央大は36秒差の2位に後退した。なお、6区では、区間新記録の宮井をさらに上回るペースで山を下り切り、宮井を8秒上回る58分21秒を記録した大東文化大学の金子宣隆が区間賞を獲得した。なお、法政大学は予定より25秒遅れてスタートするハプニング発生。7区では、駒澤大の揖斐祐治が2年連続の区間賞を獲得したものの、順天堂大も坂井隆則が区間3位の力走で平塚中継所の時点で2分47秒差と大きく差が開き、順天堂大の大学駅伝三冠が大きく近づいてきたと思われた。順天堂大学は13年ぶりトップでタスキリレー。ところが、8区では駒澤大の武井拓麻が区間賞を獲得し2位に浮上した一方、順天堂大は榊枝広光が区間10位で2位の駒澤大との差が28秒差に縮まった。そして、9区では順天堂大のエースで一昨年に9区で区間賞を獲得している主将の高橋謙介と前回10区で区間賞・区間新記録を樹立している高橋正仁との対決となった。28秒あった差が徐々に縮まると7km過ぎで高橋正仁が高橋謙介に追いつき、そこから併走状態となる。残り1㎞過ぎで高橋正仁がスパートを仕掛けると、高橋謙介は付いていくことが出来ず、逆に17秒差をつけて駒澤大は9区で初めてトップに立った。なお、3位の中央大は鶴見中継所で1位の駒澤大と2分21秒の差が開き、事実上、この時点で優勝争いは2校に絞られた。國學院大は、鶴見中継所での繰り上げスタートラインに迫っていたが、残り20秒というところで何とか襷を繋ぎ、繰り上げスタートを回避した。10区では、2位に後退したものの3年連続でアンカーを任された順天堂大の宮崎展仁がトップを走る駒澤大の高橋桂逸を3.3kmで捉えると、6km過ぎで宮崎が再逆転すると、そのまま駒澤大を引き離し、トップでゴール、10年ぶり史上2校目の大学駅伝三冠を達成した。駒澤大は2位に終わり、初の連覇はならなかった。中央大は3位、法政大は4位と久々の上位に躍り出た。一方、シード権争いは大混戦となる。往路で13位と大幅に出遅れながらも6区で金子が区間新記録を樹立した大東文化大は10区でも真名子圭が区間賞・区間新記録を樹立するなど復路2位の成績で総合6位となり、2年ぶりのシード権を獲得。往路12位の神奈川大も7区以降、区間賞こそ無かったものの各ランナーが区間上位を維持して復路3位の成績で総合5位となった。そして、鶴見中継所の時点で5位とシード権安泰と思われた山梨学院大は、長谷亮が16.5㎞過ぎで脱水症状で急ブレーキとなり蛇行を繰り返す。そんな中、鶴見中継所を12番手でスタートした早稲田大の鈴木陽介が、真名子と3秒差の区間2位・区間新記録の好走で日本体育大・日本大学を抜くと、ゴール直前には蛇行状態に陥っていた長谷を一気に交わし8番目にゴールしたものの、時差スタートの関係でシード権獲得は他校のタイムに委ねられることになった。鈴木のゴール後、15秒後に長谷がゴールした時、9位の山梨学院大と10位の早稲田大との差は30秒差であった。見た目の順位では分からない状態の中でのシード権争いであった。東海大学が途中棄権した。2区平成国際大学のジョン・カーニーは大学史上初めての区間賞獲得。

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