電子ピアノ(でんしピアノ)とは、音源部に電子回路を用いたピアノ型の楽器である。「デジタル・ピアノ」「エレクトロニック・ピアノ」とも呼ばれる。グランドピアノの音色と構造、特に鍵盤タッチを模倣し再現する事をひとつの目標として、電子技術やコンピュータ技術の進歩とともに進化してきた。音源については、初期の製品にはFM音源などを使用したものもあったが、現在ではPCM音源を用いているものが主流である。かつてはピアノタッチではない、オルガン風の感触の鍵盤の製品にも電子ピアノと呼ばれるものがあったが、現在、電子ピアノと呼ばれる製品はハンマーアクションを模したものに限られている。また、鍵盤数もピアノと同じ88鍵盤のものが普通。本項での「ピアノ」は、生ピアノ(アコースティック・ピアノ)を指す。ピアノと比較した場合、以下のような特長がある。電子ピアノには、演奏(キーを押すタイミングや速度など)をデータとして記録・再生出来るものも多く、手軽に自分の演奏を聴き直して客観視したり、連弾の練習をしたりする事が出来る。多くの場合、MIDIに対応している。多くの機種では、エレクトリック・ピアノを含む複数種類のピアノ音色や、ピアノ以外の楽器音、演奏を補助する為のリズム(自動伴奏)を内蔵し、練習を支援する為のメトロノーム、内蔵曲のレッスン機能などが搭載されている。一方、以下のような弱点もある。電子ピアノ(とピアノ)を製造しているメーカーでも、幼児の入門楽器には電子ピアノよりもピアノのほうがふさわしいとしていることがある。一般にエレクトリック・ピアノとは、ピアノと同様に弦や金属棒などをハンマーで叩き、その振動をピックアップで拾い、アンプで増幅して音を出すものをいう。代表的なものとしてローズ・ピアノやヤマハCP-80、ウーリッツァー・ピアノなどがある。電子ピアノでは、物理的に弦などを振動させることはなく、鍵盤は根本的にはスイッチの役割を果たし、電子回路が音を生成している。エレクトリック・ピアノは、ピアノとは違った独特の味わいを持った音色のものも多く、電子ピアノの音色のひとつとしてエレクトリック・ピアノの音色がサンプリングされている場合もある。可搬性を重視した「ステージ・ピアノ」と呼ばれる電子ピアノもあり、エレクトリック・ピアノ同様ポピュラー音楽のライブ演奏に用いられる。なお、一般に略語として「エレピ」を使用する場合、電子ピアノ(エレクトロニック・ピアノ)ではなくエレクトリック・ピアノを指す。電子楽器の代表であるシンセサイザーも、ピアノ型の鍵盤で演奏されることが多いため、電子ピアノと似た面がある。特に音源方式については本質的に同じと言える。また、演奏を記録して複数の楽器音を同時に鳴らし、一台でアンサンブルを実現できる機能(シーケンサー内蔵型)が、電子ピアノとシンセサイザーのどちらにもある。しかし、一般的なシンセサイザーが、波形を変化させる自由な音色作りを目指しているのに対し、電子ピアノはピアノの演奏・表現に近づくことを目標としており、鍵盤やペダル、ピアノ音色の再現性などの性能が充実している。通常、シンセサイザーに付属する鍵盤は、5オクターブ(61鍵)前後で、キーのタッチもピアノとは違って軽い。多くの電子ピアノでは、ピアノと同じ7オクターブ1/4(88鍵)を備え、キーの重さや動きはピアノに近い。また、最近ではグランドピアノと同じアクションを採用した電子ピアノもある。ピアノ曲を演奏する上で重要となるペダル、特にダンパーペダルについては、鍵盤タイプのシンセサイザーであれば多くの機種が対応しているが、シンセサイザーの場合、ペダルはオプションの扱いであるのに対し、電子ピアノでは標準で装備されている。電子ピアノには、ソフトペダルやソステヌートペダルを装備したものも多く、ペダルの踏み具合によってダンパーの効き具合を音色に反映させることの可能な(ハーフペダル対応)機種もある。サイレントピアノは、アップライトピアノやグランドピアノに電子ピアノの音源を組み合わせたヤマハの製品で、1993年に発売された。現在は他社からも同様の製品が発売されている。ピアノの打弦を物理的に止めて発音させず、代わりに鍵盤の動きを演奏情報としてセンサーで読み取り、電子的な音源部から発音する仕組みになっている。通常のピアノとして演奏することも、夜間などに大きな音を出さずに練習することも出来る。通常、アップライト型では、3本のペダルのうち中央のペダルを踏むことで消音状態になる。そのため中央のペダルはソステヌートペダルや弱音ペダルとしては使えなくなる。グランド型では、消音用のレバーが別に用意されるため、ソステヌートペダルの機能も残る。音源部にはグランドピアノなどの音が使用されている。消音状態でも鍵盤のタッチはほとんど変わらないとされている。1988年、坂本龍一のコンサートツアー、メディア・バーン・ツアーにおいて、ヤマハの協力の下にMIDIピアノが制作、使用された。これは、同社のグランドピアノ「CFIII」に、タッチへの影響なく演奏情報をMIDIデータとして取り出す仕組みが加えられたものだが、これが後に市販製品であるサイレントピアノへと発展した。※()内は各社の電子ピアノブランド名
出典:wikipedia
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