『仮面ライダーBLACK RX』(かめんライダーブラック アールエックス)は、1988年(昭和63年)10月23日から1989年(平成元年)9月24日まで毎日放送、TBS系列で毎週日曜10時00分から10時30分(JST)に全47話が放映された特撮テレビドラマ作品、及び作中で主人公が変身するヒーローの名称である。毎日放送が制作に携わった最後の仮面ライダーシリーズであると同時に、原作者である石ノ森章太郎本人が直接関与した最後のテレビシリーズである。仮面ライダーBLACK=南光太郎が暗黒結社ゴルゴムを滅ぼしてから半年が経過した。かつての友や友人を失い心身ともに傷ついた光太郎は、おじの佐原俊吉の家に身を寄せ、佐原の航空会社でヘリコプターパイロットの職を得て平和な日々を過ごしていた。ある日、光太郎は光を発する3本の不思議な杭を目撃。杭を設置する怪人の目撃情報を得て調査を行う途中、怪魔界から現れたクライシス帝国の前線基地であるクライス要塞に拘束・拉致される。そこでクライシス軍司令官ジャーク将軍は、光太郎にクライシス帝国の尖兵となって地球の全人類を抹殺することを要求する。だが、光太郎はこれを拒否したことで、変身機能を破壊されて宇宙空間へと放り出されてしまった。しかし、光太郎の体内の「太陽の石 / キングストーン」が太陽光線を吸収し、光太郎を仮面ライダーBLACK RXに転生させた。さらに、かつての相棒・バトルホッパーもアクロバッターとして転生して駆けつける。かくして、RXとクライシス帝国との戦いの火蓋は切られた。前作『仮面ライダーBLACK』の主人公がスタイルを変えて続投した作品。放映中に元号が昭和から平成へと移っているが、後年の『仮面ライダークウガ』以降のいわゆる平成仮面ライダーシリーズには含まれていない。新聞のラジオ・テレビ欄の番組名表記は『仮面ライダーブラック』のままで、提供終了後に表示されたタイトルロゴも、当日ネットの地域では『仮面ライダーBLACK』の物のままであった。週遅れ放送で提供終了後タイトルロゴがローカル出しだったテレビ高知では、そのロゴが『RX』に変更されていた。前作『BLACK』の続編ではあるものの、登場人物の多くが一新され、続投となったのは主役の南光太郎とゲスト出演という形でのシャドームーン、他はシャドームーンとの再戦時に秋月杏子と紀田克美が回想で前作のシーンが流用されたのみである。前作は従来のライダー世界と異なる新たな世界観での物語であり、本作も1話のジャーク将軍の台詞で「いままでにない新しい仮面ライダーだ」と過去の仮面ライダーの存在をほのめかす程度だったが、シリーズ終盤の第41話「百目婆ァの恐怖」より1号からZXまでの10人の歴代仮面ライダーが登場した。歴代仮面ライダーの登場に当たっては『ZX』終了後に国外に旅立ってから『BLACK』の時点までの世界各地での動向が設定されている。歴代仮面ライダーの登場には、放映当時の好調な売り上げが番組の終了とともに低下することを危惧した玩具メーカーや出版社の意向が関与しており、RXと歴代ライダーが共演する漫画を児童誌で展開するに当たって、テレビからの引き継ぎを円滑に行うための意味があった。当時は歴代ライダーの登場に否定的な声も出たものの、売り上げ面での成果や後の企画『仮面ライダーSD』への足がかりとなったことを鑑みれば、制作側の狙いは成功したと言える。平成仮面ライダーシリーズの多くの作品のプロデューサーである白倉伸一郎が東映に入社する際、面接で岡田茂ら当時の役員を前に本作品を挙げて批判したという逸話も残っているが、実際には「番組視聴中にその内容からスポンサーやテレビ局の圧力が感じられたので、自分は局やスポンサーと現場の間の調整役になりたい」という主旨を述べたとのことである。シリーズ中、モノラル放送および16mmフィルム撮影による最後の作品となった。前作『BLACK』では企画段階で仮面ライダーの特徴をピックアップした上で、それらをリメイクするのか否定するのか検討した末にリメイク案が採用されたのだが、放映2年目となる本作品では旧作からの継承要素にこだわらない方向で制作されることになった。その結果、スーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズといった東映制作の他シリーズを意識した数多くの新しい試みが取り入れられ、前作とは異なるアプローチによる新しいライダー像の追求が行われた。その一環として、原則としてキック技が必殺技であった当時の仮面ライダーシリーズでは初めて、剣や銃などの武器による攻撃をメイン必殺技として採用したほか、専用バイクだけではなく専用四輪車が導入され、さらにはバイクも含めた多段変身等それまでの仮面ライダーとは一線を画す要素が取り入れられており、後年のシリーズにおける諸設定の先駆けとなった。また人物設定でも、主人公である南光太郎の性格が前作のラストを感じさせないほど明るめに描写されたり、前作とは対照的に主人公の周囲を敵味方共に数多くのサブキャラクターが取り巻いているなど、「家族でも楽しめる」という前提の元に作品作りが行われている。ただし、前作から続けて担当した監督の小笠原猛がはじめて『RX』の撮影に参加する際、倉田に対して「今の明るいままのライダーじゃいけない」と語るなど、スタッフ内部でもこの路線変更に対して意見が分かれていた。この他、前作には無かった戦闘員の登場やシャドームーンの再登場によるライバルキャラの復活劇、そして敵幹部間の軋轢等、過去の石ノ森ヒーローの集大成とも呼べる要素も多く盛り込まれた。傾向としては劇団俳優座からの起用が目立っている。主演の倉田てつををはじめ、飯塚昭三、高橋利道といった敵側のレギュラー、前作の終盤からナレーションを担当した政宗一成も続投している。シャドームーンの声は前作同様寺杣昌紀、怪魔戦士の声は、当時俳協に所属していた声優を主に起用していた。なお、OPクレジットにはジャーク将軍、ボスガン、クライシス皇帝の声優のみが表記され、その他の声優の表記はないが例外として、ゲドリアンの声を担当していた新井一典の名は第9話のみ表記されている。高橋は、スーツアクターとしてジャーク将軍を、声優としてガテゾーンを演じている。諜報参謀マリバロンを演じた高畑淳子は、当時劇団青年座の活動だけでは生活できなかったことから東映作品に参加していた。このマリバロンは高畑の当たり役となり、それ以降、出演依頼が多くなったという。高畑自身も後年青年座の重鎮となってからのインタビューでも当時を回想し「RX(の出演)がきっかけで私はようやく役者として食べていけるようになった」と述べている。スタッフの顔ぶれは基本的に前作と同じであるが、メインライターにはシリーズでは『スーパー1』以来となる江連卓が起用され、大映ドラマさながらの作劇が展開されることになる。またキャラクターデザインとして当時メタルヒーローシリーズにも携わっていた雨宮慶太や野口竜が参加。音楽は前作に引き続き川村栄二が担当。新曲の他、前作のBGMも一部使用されている。主題歌は前作の倉田に代わり宮内タカユキが担当、また挿入歌にはこの2名に加えそれまでの本シリーズでも主題歌を多数手がけた水木一郎が参加している。本作の終了をもってテレビシリーズの制作はまたしても中断し、『仮面ライダークウガ』まで約10年の休止期間に入った。本作の続編としての仮面ライダーの企画自体は存在し、同時期に『機動刑事ジバン』に出演していた小林良平が主役として起用される予定だったことが、小林本人へのインタビューで語られているが、最終的に実現には至らなかった。本作の終了後、この枠はローカルセールス枠となったため、後番組は地域によって異なり、制作局である毎日放送は『桂三枝のスポーツマガジン』など、TBSは『噂の!東京マガジン』(後に13時枠に移動、現在も継続)と、それぞれ1時間枠の番組を放送した。この番組にあたる後継番組として開始時間を11:00に繰り下げ、『地球ZIG ZAG』に継いだ。小学館の仮面ライダー大百科にて吉川進は同時期に人気を博していたパロディコント『仮面ノリダー』への見解をこう述べている「とんねるずがくだらないパロディばかりやるから、真面目に制作するのが馬鹿馬鹿しくなった」『仮面ライダーBLACK・RX超全集』の吉川のインタビューでも「昨今のスーパーヒーローのギャグ・パロディー化はヒーローの否定につながります。高倉健やクリント・イーストウッドと、とんねるずは同居できないのです」と名指しで批判をしている。暗黒結社ゴルゴム壊滅から半年後に地球に現れた、異次元世界である怪魔界に存在する帝国。文明の発展とともに汚染や砂漠化といった環境破壊が進んだため、地球の全人類を抹殺して臣民50億人を移住させようと目論み、その戦略基地を確保するために日本を狙う。本格的な侵攻以前に、少なくとも本編開始10年前から計画を進めていた(第24話)。クライシス皇帝の命を受けたジャーク将軍の指揮の下、4大隊長がそれぞれの配下である怪魔戦士を用いて作戦を展開したが、RXの活躍により作戦は遅々として進まず、このため中盤以降は皇帝直属の査察官・ダスマダー大佐が加わった。大隊長ら上級幹部や怪魔戦士には、地球の環境に適応する強化細胞を移植されており、この細胞がなければ怪魔界の住人は地球に生存することができない。怪魔界の住民の中には、クライシス帝国から逃れ地球に移り住む者も存在する。彼らが前述の強化細胞を移植しているかどうかは本編では語られていない。地球攻撃兵団において、実際に戦闘や作戦の実行に当たる4つの部隊の隊長。いずれも劣らぬ実力の持ち主揃いだが、功名心の強さからかお互いに足を引っ張ることが多く、それが原因で失敗に終わった作戦も少なくはない。クライシス帝国の存在する異次元世界。怪魔空間ともいわれる。異次元世界内にある、地球に瓜二つ(地形が日本列島をはじめ地球と同じ形状をしている)の惑星の形をとっていることが最終回で判明。環境破壊の進行で消滅寸前の状態にあった。ダスマダーは最終回で「怪魔界とは地球の影というべき双子の惑星であり、地球人の環境汚染によって衰亡させられた」とRXに告げた。しかしクライシス皇帝の横暴な開発政策で怪魔界の環境が破壊されたという第3話のワールド博士の証言、37話でクライシスが地球の大気を亜硫酸ガスで改造する作戦を実行した前例も存在するため真偽は不明である。最終回においてクライシス皇帝がRXに倒された直後、皇帝と運命を共にするように、遂に消滅(爆発)を迎えるが、劇中ではこの怪魔界の消滅の原因について特に説明はない。本作初登場の仮面ライダーのみを記述。他の仮面ライダーについては、各記事を参照。参考文献:『仮面ライダー大図鑑 (7)』(バンダイ・1992年) p.116 - 123※ その他のゲストは、放映リストを参照以下の歴代ライダーについては兵士チャップ等同様、JAC(現・JAE)以外のアクションチームも応援参加しており、撮影日やシーン、カットごとに入れ替わる事があるため、一律ではない。前作『仮面ライダーBLACK』でBGMの作曲を担当した川村栄二は、本作ではOPや挿入歌の作曲も担当した。発売元はバンダイナムコゲームス(バンダイレーベルと旧バンプレストレーベル)による。仮面ライダーBLACKとしてのゲスト出演は仮面ライダーBLACKを、シャドームーンおよびジャーク将軍の登場作品についてはシャドームーン・ジャーク将軍をそれぞれ参照。
出典:wikipedia
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