『帯をギュッとね!』(おびをギュッとね)は河合克敏による日本の柔道漫画作品。通称は「帯ギュ」。昇段試験で出会った5人の少年達が、柔道部のない高校で再会して柔道部を作り、全国大会を目指すという物語。週刊少年漫画雑誌『週刊少年サンデー』(小学館)に、1988年から1995年52号まで連載された。単行本は小学館:ショウネンサンデーコミックスより全30巻、同ワイド版より全15巻、小学館文庫より全16巻。『NEW WAVE JUDO COMIC』と銘打ち連載された本作は、多数のギャグを交えた軽妙なストーリー運びで、従来のスポ根一辺倒の柔道漫画とは一線を画した。そしてそれまでのスポ根としてのイメージが強かった柔道漫画を、スポーツ競技としての爽やかなイメージに変えて人気を博した。これらのスタイルが確立できた要因として、主人公達が新たに柔道部を立ち上げたため部に上級生がおらず、運動部につきものの厳しい上下関係を排除できたことが挙げられる。ストーリーが進んで登場人物が強くなるにつれ、全体的に真剣味が増していったが、上記の特色は変わることが無かった。柔道という競技への取り組み方に関しては、作品全体を通して「技に重きを置き、柔能く剛を制す、そして明るく楽しい柔道」を描こうとしていた。これは独自の練習法で頂点に登りつめた神取忍の影響だと作者は語っている。作者自身も柔道の経験を持っており、作者の父親も講道館柔道5段を所持していたことなど柔道と関係が深く、柔道の技術などには細かい説明を加えてあるため、柔道の素人にもわかりやすい話作りになっている。また、単行本の巻末で開催されていた「絵筆をもってね!」と命名された読者によるイラストコンテストが、1回につき2000通を超える応募が来るまでに至っており、その人気の高さが伺える。ゲスト審査員として当時『サンデー』で連載を持っていた漫画家が多く登場し、デビュー前の安西信行やモリタイシがグランプリを獲得している。登場人物の兄弟などに名前がない場合には、しばしば投稿葉書から名前を採用された。またカバー折り返しに掲載されていた4コマ漫画も人気を博した。タイトルの『帯をギュッとね! 』は師匠であった上條淳士の発案で名づけられたという。作品の主な舞台は浜松市(平成の大合併後の範囲)。作中で試合の様子が描かれたのは、主人公達が高校2年生の時に行われた選手権大会(学年が変わる前の春に開催)までで、3年生の夏に行われた金鷲旗とインターハイは結果だけが示された。また高校卒業後のエピローグとして、高校柔道から大学柔道に舞台を移し、全日本のタイトルを巡ってライバル関係を続けるキャラクター達の姿が描かれた。その時々の流行の話題・人物がギャグタッチで登場したり、他の漫画家のキャラクターもどき(?)が登場することもある。作中でインターハイの女子個人戦が行われているが、当時女子は1990年に始まった団体戦のみで、個人戦は開催されていなかった。作者は、このことを勘違いと認めた上で大会を続行した。巧達の入学した年は1989年に設定されているが、1991年のインターハイが地元静岡開催であるために、作中の時間は捻じ曲げられ、1990年を飛ばして1989年の翌年が1991年となっている。しかし、その年の福岡国際は1992年相当の開催回数で行われ、年末や年明けのカレンダーでは飛び越えた時空を元に戻し、1990年~1991年のものになっている。そして、選手権大会中は1992年のバルセロナ五輪が開催済で、開催回数では1994年相当にまた飛んでいる。だがその年夏のオリンピックが開催されている。また、作品全体を通して階級が軽量級から重量級までの5階級で表されているが、この階級分けは1997年までのものである。1998年に、60kg以下級から100kg超級までの7階級に細分化されたため、作中の階級と対応させることはできなくなっている。以下に作中での階級を示す。軽量級=60kg以下級、軽中量級=71kg以下級、中量級=86kg以下級、軽重量級=95kg以下級、重量級=95kg超級。古賀稔彦や小川直也など実際に活躍した柔道選手が作中でも存在するという設定になっているが、一方で田村亮子は作中では存在しないという設定になっている。中学3年生の7月に行われた昇段試験において、北部中学の粉川巧、杉清修、南部中学の斉藤浩司、東部中学の宮崎茂、三溝幸宏、そして高町中学の近藤保奈美、海老塚桜子は出会う。それから約半年後、揃って県立浜名湖高校(浜高)に入学した7人は同じクラスとなり再会を果たす。早速柔道部に入ろうとするが浜高には柔道部がなく、7人の担任でもある倉田龍子(剣道3段)を顧問に据え、新たに柔道部を立ち上げる。そして三方ヶ原工業高校(三工)の藤田恵とは因縁を深め、佐鳴高校の石塚孝裕や袴田今日子・豊姉弟、暁泉学園の堀内平八郎などの登場人物とは親交を深め、倉田典善らの指導を受けて浜高柔道部は徐々に強くなってゆく。2年目には仲安昌邦、石野雪久、来留間麻理の3人が新入部員として加入し、赤磐高校の別所愛子と親交を深め、出げいこ先の警察署で知り合った元機動隊の西久保コーチの指導を受けて浜高柔道部はますます強くなってゆく。静岡県浜松市にある、男女共学の県立高校で、通称浜高。別々の中学校で柔道をしていた主人公達が、この高校で集結し物語が始まる。主人公達の入学当初は柔道部がなく、5人の1年生部員だけで柔道部を立ち上げる。何故か上級生が入部することはなかったが、創部2年で高校柔道選手権の団体戦優勝という全国制覇を成し遂げる。浜名湖は作者の出身地である静岡県浜松市に実在する地名で、鰻の養殖と競艇が行われていることで有名。浜名湖高校のライバルで、長らく静岡県西部地区のトップに立つ最強豪校。通称三工。三方ヶ原は徳川家康が武田信玄に敗戦したことで知られる実在の地名。三工に次ぐ静岡県西部地区の強豪校であったが、浜名湖高校、佐鳴高校、暁泉学園の台頭によって影が薄くなり、作中ではかませ犬的役割になってしまっている。ちなみに校名に林業がつく高校は全国でも天竜林業高校だけである。浜名湖高校と同じ静岡県西部地区にある進学校。かつては強豪校だったが、近年は一回戦敗退が常となっていた。女子柔道が盛ん。校名は静岡県内に展開する学習塾佐鳴予備校にちなんでいる。浜名湖高校と同じ西部地区にある、ライバルとして登場してくる新設の私立校。体育科があり、スポーツ推薦で有望な選手を集め、その育成に力を入れている。しかし柔道部員は他のスポーツからの転向組ばかりで、運動部偏重の私立校という典型的ライバル設定にも関わらず、イロモノだらけのギャグ要員になっている。校名およびモデルは静岡県東部にある実在の高校名にちなむ。沖縄県代表。全国大会に進んだ浜高の前に立ちふさがった最初の壁である。浜名湖高校の主要メンバーが2年の夏に金鷲旗で優勝しインターハイでも優勝候補に上げられていた。モデルは沖縄尚学高校。神奈川県代表。インターハイ団体戦で90年と91年に2年連続優勝しているなど、千駄谷高校と並ぶ強豪校の一つ。また全国にある系列校が柔道の強豪として知られ全国大会の常連。2年春の選手権の3回戦で浜高と対戦している。モデルは東海大相模。柔道を志す者が全国から集まってくる、東京の超強豪校。部員全員が寮生活を送り柔道漬けの厳しい指導をする。全国的に強くなったのは比較的近年(作中30歳の西久保の高校時代に全国大会初優勝)になってからであった。柔道では古賀稔彦や吉田秀彦、泉浩といったメダリストを輩出している名門校。作中では古賀・吉田本人が応援する姿が描かれている為モデルは世田谷学園と考えられる。浜高が東京の立川体育大学に冬季合宿に行ったとき、同じように出稽古に来ていた。選手権大会の予選戦では千駄谷に次ぐ準優勝で出場権を獲得。立川体育大学の略称。全日本学生柔道優勝大会ではベスト8の常連という名門校。部員数も50名を超える大所帯で3軍まである。練習には高校生も参加しており、浜高も竹の塚と共に練習に参加した。巧の高校卒業後の進学先。女子部もあり、後に麻理や薩川らが進学している。本作では、日の目を見ることが少ない高校女子柔道も並行して扱っている。女子柔道自体は『YAWARA!』などでも扱われているが、当時現実の高校までの女子柔道は男子に比べ扱いは軽かった。それは作中に西久保が言った通り、部員数が足りず部活動ではなく町道場が主体になる事がままあったからである。作中でも袴田今日子が中学時代は学外で柔道をしていた旨語っている。なお女子の団体戦は登場せず、みな個人戦でのみ戦っている。海老塚桜子、来留間麻理、袴田今日子についてはそれぞれの高校を参照。少年サンデーコミックス 小学館少年サンデーコミックスワイド版 小学館小学館文庫 小学館
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