『超時空世紀オーガス』(ちょうじくうせいきオーガス)は、1983年7月3日から1984年4月8日まで、毎日放送を制作局として、TBS系で放映されたSFアニメ(ロボットアニメ)である。放送時間は、毎週日曜14:00 ‐14:30(JST)。全35話本項では全6話構成のOVA作品として1993年から販売された続編『超時空世紀オーガス02』(ちょうじくうせいきオーガスツー)についても記述する。大ヒット作『超時空要塞マクロス』の後番組として製作された超時空シリーズ第二作。スタジオぬえ、アートランドに在籍の各スタッフが引き続き登板したが、マクロス製作の中心的人物であり、同作の劇場版の監督に就任した河森正治は本作には参加していない。制作はタツノコプロから東京ムービー新社に交代。放送当時はマクロスの近未来に関連する作品ともいわれたが、マクロスの後継作(マクロスシリーズ)登場後、その解釈は希薄になっている。この事に関してはこれまで公には否定も肯定もされないままだった。なお、オーガスの世界では2050年代末より統合軍分裂戦争が勃発する設定となっている(ブロンコIIの項目も参照)。その後、スタジオぬえが近年改訂した、マクロス歴史年表によれば、1995年、『未知の時空震によって、銀河系の時間軸が複数に分岐』とあり、本作品は『「ASS-1」こと「マクロス」が地球に落下して来なかった世界での、未来の出来事』と規定されることになった。このため、新中州重工他のマクロス世界の企業名や事象名が登場することについては、今後スタッフ公式にも一種の平行世界として説明されることとなる。元々の企画がSFパロディーだったマクロスに比べ、スタジオぬえの本領である本格的なSFテイストの設定で、タイムトラベル、平行世界、軌道エレベータなどのSF要素が盛り込まれている。異世界風のメカニックコンセプトを宮武一貴が創出し、同時期の『聖戦士ダンバイン』と並んで宮武デザインの代表作となった。メカデザインは当初石津泰志が単独で手がける予定だったが、その作業が大幅に遅れたため宮武がメインとなったという裏話がある。当時宮武は『ダンバイン』に加えて『マクロス』劇場版で初監督を務める河森正治のサポートという形でメカデザインも手がけていたが、家庭の事情で自宅を離れられない状況となっており『オーガス』の作業が回ってきた事で完全なオーバーワークになっていたという。結果的にスタジオぬえの会社的な事情も考慮して宮武は『ダンバイン』をごく初期で降り、『マクロス』の作業終了後は『オーガス』に全力投入する事となる。宮武は本作のメカデザインにおいて、セオリーとは逆に「味方側メカを曲線的に、敵側メカを直線的に」デザインする試みを行っており、さらに番組後半には敵側にも主役メカと同クラスの変形機構や戦闘能力を持つメカ「ナイキック」を登場させている。しかしこうした試みは結果的に後述の玩具・プラモデルなどのスポンサー商品の売り上げ不振という結果を招き、さらには後述の通り、スポンサーの一社のタカトクトイスの倒産の一因ともなった。マクロスの海外翻案版である『ROBOTECH』において、マクロスの後に『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』がリンクされているが、本作は含まれていない。これは、製作元の違いが主な理由である。西暦2062年、地球は軌道エレベータの所有権を巡り、2つの陣営に分かれて争っていた。桂木桂(かつらぎ けい)の所属する自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)は最新のD兵器・時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行する。だが、相手陣営の抵抗が激しく撤退せざるを得ない状況になり、憤慨した桂は未調整のため起爆を中止して破壊命令が下った時空震動弾を独断で作動させてしまう。その結果、暴走した時空震動弾により時空は混乱し、世界は相剋界に包まれあらゆる多元世界の混じったパッチワークのような世界、「混乱時空」と化した。そして桂自身も時空転移に巻き込まれ、時空振動弾破裂の20年後、混乱時空世紀20年(西暦でいえば2082年)の世界に飛ばされてしまった。桂はエマーン人の隊商に拾われ行動を共にするが、混乱時空修復の鍵となる「特異点」とみなされ、各勢力の争奪戦にさらされる身となる。さらに、もう一人の特異点、オルソンはチラムのエースパイロットとして桂の前に立ちはだかる。過去と現在が複雑に絡み合う中、時空再生に向かって桂木桂はオーガスを駆る。桂が作動させた時空振動弾の影響で時空境界が損傷し、地球上に平行世界が複数混在するようになってしまった混乱世界。桂の所属していたかつての地球の主だった人類(チラム人)を始め、人間そっくりなエマーン人・バラゴン人・アトランタ人など様々な多次元世界の種族が存在し、それぞれの勢力圏を築いている。大陸の陥没で地形を大きく変動させた時空の混乱はなお続いており、ランダムに発生する転移現象により地域が遠く離れた別の場所と入れ替わる事件がしばしば発生する。さらに空には海抜150メートルに時空の歪みの層「相剋界」が存在している。相剋界へ航空機などが突入すると猛烈な時空干渉作用が起きて大ダメージを受けるため、上昇を阻む壁となっている。高空に抜ける手段はただ一つ、時空変換装置を伴い、軌道エレベータの内部を通るしかない。相剋界がレンズ現象を起こしているせいで温室効果により気温が上昇し、遠からず全ての生命が死滅する可能性が高いと予測されており、時空正常化が急務となっている。相剋界を抜けた高空にある「大特異点」に特異点(桂とオルソン)が接触すれば時空の混乱が解消できると推測されており、各勢力はそれぞれの思惑で特異点奪取を目指す。一方で、チラムは特異点を必要とせず、再度の機械的な時空振動で修復を図る「D計画」を考案していた。以下に各国家の特徴を記す。メカニックの特徴については「登場メカニック」参照のこと。なお、本作に登場する機動兵器などのビークル類は「デバイス」と総称される。物語の始め、桂木桂とオルソンの居た世界で開発された自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)の兵器「ディメンショナル・ウェポン」。ABC兵器(核兵器、生物兵器、化学兵器)に次ぎ、通称「D兵器」と呼ばれる。対象物を別の時空へと移動させる。当初敵国との軌道エレベータの所有権を巡り、時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行するが、元々空想上の理論でしか確立されていなかった。実戦における初の起爆であるにもかかわらず、桂木桂の手で未調整のまま作動させてしまった結果、暴走した時空震動弾は周囲の並行世界をも巻き込み、混乱時空を生み出した。発動時のあまりのエネルギーに、切り取られた一瞬の過去、暴走時に間近にいた桂とオルソンからもう一人の自分「発動前の人格=ドッペルゲンガー」を発現させてしまい、共に軌道エレベータの頂上の宇宙空間へ飛ばされて、本来「一人」であるはずの存在が「二人」になったために、時空が混乱した。最終回では大特異点=発動時の一瞬の過去の世界で、桂とオルソンの発動直後の人格が遭遇し「奴らを排除しなければ、どうしようもないのか」と覚悟を決めた桂とオルソンは、時空修復を果たすべく、各々もう一人の己自身へ銃を向ける。『オーガス02』の世界では、桂とオルソンが時空修復を何とか成功させたものの、完全ではなかったので、生き残って同じ時代に飛ばされた大尉が長い時をかけて時空震動弾を建造、再稼動させた。桂とオルソンの居た世界で建造された宇宙空間へと繋がっている超巨大建造物で、エレベーターを使用する事で極めて低コストで宇宙空間へと行く事が出来る。全長約8万km、高度4万kmにはスペースアイランド、途中には中継ステーションが複数ある模様。外壁には自衛用として多数のビーム砲が装備され、ミサイルを迎撃していた。物語当初、敵国との軌道エレベータの所有権を巡り、桂とオルソンの所属する自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)が時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行するが、未調整のまま起動させてしまったために頂上の宇宙空間に『大特異点』を作ってしまった。最終決戦時には度重なる時空転移と老朽化により中腹部分より崩壊する。最後、桂とオルソンが大特異点へ突入する際は時空変換装置に乗り込み、高度4万km以下に存在する中継ステーションから宇宙空間へ飛び出し、スペースアイランドが大特異点に衝突する直前に大特異点に突入し、時空創造を行うことが出来た。『オーガス02』の世界では、ムーのロボットの残党の勢力地域「テリトリー」に点在しており、あまりの兵力に近づけないでいる。生き残って同じ時代に飛ばされた大尉が崩落した中腹部分の頂上にラボを建造、時空振動弾とオーガス02を200年かけて建造しており、オーガス02でしか侵入できない。エマーン界で開発された技術。反重力システムを発展させた物で、物体の慣性を限りなく零に近づける(物理的に近似値であり「0」そのものにはならない)ことで、わずかな力(推力)を加えるだけで、移動機械は飛躍的な移動性を確保出来る。大気圏内では空気抵抗があるため理想値とはならないが、これによりグローマの吹きさらしの発着デッキにアーム一本で艦載機を縣吊したり、慣性制御を最大値にした場合オーガスを2人で引きずって移動させることも可能だった(第5話)。また、上記技術の応用で機動時の重力加速度をかなりの程度まで軽減できる。これらの技術は混乱世紀以降、チラムにも「商品」として提供され、イシュキックやイシュフォーンなどの第三世代ガウォーク以降の基本技術として組み込まれていく。また「ムウ」のシステムはエマーンの物と異なり、周囲の物理法則を書き換えて移動する推進技術で、従来のジェットエンジンなどの推力装置を必要としない。また加速度低減も上記慣性制御より積極的に物理法則に干渉出来るため、エマーンの技術に較べて一日の長がある。登場人物の名前の一部はジャバウォックの詩より採られたものである。(例:ミムジィ・ラース、モーム、ジャビー)エマーンのメカはすべて慣性を制御する機能を持っており、それにより滑空、飛行、高機動戦闘を行なう。共通する特徴として「腕」を持っている。多くの場合脚は無い。これらの腕メカはドリファンド(「ドリフト・ハンド」の略)と総称され、交易船所属機は自衛戦闘から各種作業まで幅広く使用される。なお、ドリファンドは専用のヘッドセットを操縦者が装着する事により、ある程度の思考制御が可能となっている。半壊した桂のブロンコIIを修理する際に、モラーバの腕を付けた戦闘ドリファンド。あり合わせで作られたメカだが、人型メカの存在しない混乱時空においては多大な戦力となり、その戦闘能力を高く評価したエマーンにより、後にオーガスIIとして量産されることになった。両腕前腕部にはモラーバから継承した連装のグレネードガンが装備されている。ミサイルガンはモラーバとは異なり、右腕に固定装備するタイプでオーガロイド時の射界が広い。ガウォーク形態では右足にセットされる。加えて左右主翼にブロンコIIから引き継いだ形で、ミサイルを計12発装備することが可能。耐久力も高く、容易に爆散するイシュキックや他のドリファンドとは対照的に、ミサイルの直撃を受けても容易に損傷しない。グローマ内での命名会議で「ギャモン」と最後まで競り合った後、ジャビーの世界の言葉で「戦いの神」を意味する「オーガス」と名付けられた。なお、この命名会議の中で、番組の企画初期タイトルである「ネビュラード」が桂の思いついた名称案として登場していた。桂木桂の機体のカラーリングは白地にワンポイントとして赤が入る。関節部は茶色。フライヤー・ガウォーク・タンク・オーガロイドの4形態に変形可能。エマーンの標準的なドリファンド。一人乗りで腹ばいになって搭乗する。「モラーバー」とも呼称される。可変式の「腕」を有しており、作業および戦闘用に用いることができる。巡航時はおりたたむこともできる。ブーストジャックというブースターを装備可能。シャイアらファクトリーの面々が生活する母艦。外見はまさしく空飛ぶ「家」で、チラム軍がつけたコードネームも「ハウス」。塗装は屋根が赤。本体が白。なお「グローマ」とは、交易船を指すエマーンの一般名詞で個艦名ではないが、演出上、別の交易船との直接交流がなかったため(すれ違う描写はある。マニーシャ艦等は交易船ではない)、作中ではシャイアファクトリー所属船が一貫してグローマと呼ばれる事となった。前面にブリッジがある。正面から見ると船体は『凹』の字を逆さにした、丁度、粘着式ゴキブリ捕獲器の底部を溝状に切り欠いた形状をしており、その部分の天井にカタパルトレールを敷いてオーガスを吊した艦載機発進区画。両舷は商品倉庫やモラーバ格納庫、工房区画であり、屋根の部分は居住区。内装はかなり豪華でテニスコートまである。屋上に飛び出した形でジャビーの住む「ペントハウス」がある。機関部は後部両舷に設置され、万が一の事故に備えて異物混入防止用のネットが張られている。船体前部左右に三連装大型ロータリー・キャノン砲×4基(格納式。ダルの物と同型)。屋根の出窓に取り外し可能な連装機関砲多数を武装として持ってはいるが、本来は戦闘艦ではないため、その戦闘能力は低い。なお、9話以降、ファンシィ国革命時にマリアン・トワントから「破砕砲」(衝撃砲の一種)を協約違反の名目で回収、ペントハウス隣に主砲として設置。グローマの電力の大半を割いてチャージする必要があるため気軽には撃てないが、ファンシィの王宮を丸ごと吹き飛ばす破壊力があり、しばしば切り札的に使用されている。旧地球統合軍時代より発展してきた戦闘用ガウォークは、西暦2050年代末からの統合軍分裂戦争で急成長をとげた後、2062年の時空混乱により一時的に技術体系が崩壊し、約5年間の停滞期を経験した。その間にチラム新統合政府はムーのロボット社会との対立とエマーンとの通商和平条約締結に伴う新技術の導入によって時空混乱世界に合わせた新しい兵器大系の開発に精力を注ぎ始めた。地球兵器の発展型であるチラム軍兵器は、「戦闘デバイス」と総称され、ブロンコII系の「脚」付き戦闘機に反重力システムを搭載したものでガウォークと呼ばれる形態を基本とし、ナイキックを除き、基本的に腕を持たない。イシュキック/イシュフォーン・シリーズは反重力システムを導入した第3世代の戦闘ガウォークで、慣性制御システムを備えた第4世代の戦闘ガウォークはムーとの決戦兵器として開発された「ナイキック」に始まる。反重力戦闘ガウォーク。チラム軍戦闘部隊の標準的な機体である。大口径ビーム砲を機首、その下にコクピット。左右の張り出し部の下に長い脚を生やし、外舷に推進機ポッドを備えた鳥居型のシルエットをしている。上空を閉ざされた狭い空間での運用に特化した亜音速機として設計されているため、機体形状は角張っており前面投影面積も大きく空力面の考慮は希薄。脚は蹴りや質量移動により機動性を高める他、デバイスを破砕する質量打撃兵器(鈍器)として設計されている。標準型と指揮官型があるが、基本的なレイアウトは共通。いずれも塗装は赤。作中の描写から、桂を見つけるための特異点センサーを標準装備している。防護力は乏しく、オーガスに殴られただけで簡単に破壊されてしまうが、第6話では数の差も相まって、岩山と相剋界に機動を阻まれたオーガスを苦戦させた。機械生命体の戦闘国家であり混乱時空では第三勢力的な立場にあった。かつては人類が支配階級だったが、機械生命体の反乱で約百年前に絶滅している。戦闘能力は高く、人間よりやや大きい程度の機械兵士でも戦車やデバイスをたやすく破壊する威力を備える。上記2曲を収録したEPレコードは、徳間音工(※放送当時)より発売された。前番組『マクロス』と同じく、メインスポンサーのタカトクトイスが玩具を、イマイと有井製作所が共同でプラモデルを発売したが、いずれも売れ行きは芳しくなく、特にタカトクトイスは今作で見込みが外れたことが原因となり、経営が大きく傾いたと言われている(後番組の『超時空騎団サザンクロス』でスポンサーを外れてから、まもなく倒産した)。同時期には同じくメインスポンサーとなっていた『タイムボカンシリーズ イタダキマン』も低視聴率のために打ち切られており、本作と『銀河疾風サスライガー』の不振はそれに追い討ちをかけた格好となった。メカニックデザイン担当の宮武一貴は「百貨店でオーガスの玩具の顔を見た子供が怖くて泣き出した」という噂を聞き、売れ行きの悪さを覚悟したという。ショウワノートからは、らくがき帳やぬりえなどの文具が発売された。系列は本放送当時のもの。『超時空世紀オーガス02』(ちょうじくうせいきオーガスツー)は『超時空世紀オーガス』の公式な続編となるOVA作品。販売開始は1993年からで全6話。小説版全4巻(山口宏、木川明彦作)も発売された。『オーガス』最終回時点の設定から派生したスピンオフ的な続編作品。監督とストーリー原案は以前アートランドに所属していた高山文彦、キャラクターデザインは美樹本晴彦による原案を川元利浩がアニメ用にまとめる形でそれぞれ務めたが、後者はメイン以外をすべて橋本敬史が担当している。初期OPテーマをヒカシューが務めたことも話題になった。社による英語版、Selecta Visión社によるスペイン語版、Polygram Video社によるイタリア語版が順次VHSビデオテープやレーザーディスクの媒体で当時発売された。※本作のBlu-rayソフトについては#ビデオソフトの節を参照のこと。なお、マンガ・エンターティメント社版のみ、「アーマー」に当たる用語が「デシメーター」("Decimators")となっている。これは、古代ローマの軍隊で大量に殺人を実行可能な兵器を意味する語であって、原意はラテン語で『10人殺す毎に、1人を巻き添えにして殺す』ような大量殺戮兵器を意味する語である。中世を思わせる異世界を支配する二大大国、リヴリアとザーフレンは「アーマー」と呼ばれる古代兵器の発掘を巡り一触即発状態にあった。リヴリアの少年リーンは亡き親方の借金を払うため軍に入隊し、ザーフレン領内に潜入。素性の知れぬ美少女ナタルマと共に国境脱出を図る。そんな2人の前に謎のアーマー、オーガスIIに乗る老人が現われる。
出典:wikipedia
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