ジェットカーとは、阪神電気鉄道の所有する主に普通列車に供する鉄道車両につけられた愛称。本項では車両性能面のほかに、「青胴車」との呼称の由来となった車両塗色についても記述する。ジェットカーは、日本で初めての高加減速車両である近畿日本鉄道の「ラビットカー」に次ぐ日本で2番目の高加減速車両である。阪神では1950年代前半から、車両関係者・技術者や電機メーカーなどと高加減速度車両の開発を行っていた。愛称は、『従来の車両をプロペラ機にたとえるならこの車両はジェット機に匹敵するぐらいの加速・減速の良さである』という比喩から名付けられた。起動加速度4.5km/h/s(5500系、5550系、5700系は4.0km/h/s)は2015年3月現在、日本の鉄道車両の中で阪神が唯一である。阪神では、駅間が非常に短いため古くから普通用と急行用を区別して車両を運用していたが、車両の大型化に際し、最も路線環境に適した普通列車の専用車両を試作し、各種試験を行い量産され現在に至る(旧型車時代の普通専用車両1001形(愛称:「センコウ」)なども起動加速度3.0km/h/s、減速度3.3km/h/sと高かった)。ジェットカーに類する高加減速車は京阪電気鉄道の2000系(「スーパーカー」)、近畿日本鉄道の6800系(前述の「ラビットカー」)などが存在したが、いずれも沿線人口の増大に車両増備が追いつかなくなり、通常の加減速度を有する車両と併結されたり付随車を連結されるなどして高加減速運用を解除された。阪神のみ高加減速車が生き残ったのは、元々沿線が成熟しており沿線人口の増大が緩やかであったことや、普通列車の運用本数が少なく普通専用車両の維持がしやすかったこと、本線の平均駅間距離が短いことなどが理由とされる。旧塗装車はクリームとウルトラマリンブルー、新塗装車はアレグロブルーとシルキーグレイとなっており、このように青色を基調とした塗色から「青胴車」とも呼ばれる(5500系以降とそれ以前の車両では塗り分けパターンが逆になっている。なお、旧塗装は山陽電気鉄道でも似たような塗装が使われていたことがある)。同社では、青胴車以外の営業車は銀色(ステンレス鋼製)の1000系・9000系も含め「赤胴車」と呼ばれる(ただし銀色の車両でもかつて存在していたジェットシルバーと、2015年に導入された5700系(愛称:「ジェット・シルバー5700」)は青胴車扱いとなる)。ジェットカーは1963年2月から1968年4月まではダイヤの関係で梅田 - 甲子園間の一部の不定期準急に使用された以外は、一貫して普通列車として運用されている(その他回送運用もある)。5500系までは伝統的に全車電動車であったが、5550系ではジェットカーで唯一付随車(厳密にはTc車であり制御車)が編成内に1両挿入された(5560形)。5700系では再び全車電動車に戻されたが、それぞれの先頭車の片側台車には主電動機を装備していないため、実質的な性能は5550系と同じく3M1T相当である。※は2015年8月24日現在で在籍する車両。
出典:wikipedia
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