モペッド(Moped)はペダル付きのオートバイで、エンジンや電気モーターなどの原動機だけで走行することも、ペダルをこいで人力だけで走行することも可能な車両の総称である。Motor(モーター、原動機)と Pedal(ペダル)のかばん語が語源とされる。日本の年配者を中心にバタバタあるいはペケペケと呼ばれる場合もある。モペッドは本来、「原動機が付いた自転車」あるいは「ペダルでこげるオートバイ」のことであるが、日本以外の国ではペダルの有無にかかわらず小排気量のオートバイ全般がモペッドと呼ばれている。同様に、日本の法規において「原動機付自転車」はペダルの有無にかかわらず125cc以下(道路運送車両法)あるいは50cc以下(道路交通法)のオートバイを指す。このため、警察庁では本来の意味のモペッドに対して「ペダル付きの原動機付自転車」という呼称を用いている。原動機は排気量が50cc前後の小型の内燃機関が多く、電動機を原動機とするものもある。駆動方式にはいくつかあり、足こぎペダルとは別の駆動系で後輪を駆動する場合や、足こぎペダルと共用のチェーンを介して後輪を駆動する方式、フロントタイヤを駆動する方式がある。無段変速機(CVT)や自動変速機を備えたものや自転車用内装変速機を備えるものもある。セルモーターを搭載している車種は少なく、ペダルで走行しながらエンジンを始動する方式の車種もある。フレームは、自転車と同じ構造のものもあるが、走行安定性を向上させるサスペンションを搭載した車種が多い。登場初期においては軽車両扱いで免許が不要であったが、1960年の道路交通法施行以降は16歳以上を対象とする免許制となっている。日本の公道で運用するためには、国土交通省が定める道路運送車両の車両保安基準に基づき、以下の部品を装備することが義務づけられている。このうち、速度計と尾灯・制動灯、方向指示器については、構造により平地での最高速度が20km未満となる車両については義務とはならない。ただし道路交通法により、方向指示器や制動灯を装備していない車両であっても、手信号で合図を行うことが義務づけられている。また、エンジンを始動せずにペダルでこいで運転する場合でも原動機付き自転車としてヘルメットの着用などが義務づけられている。日本の純国産オートバイ第一号は1909年のNS号で、欧米に遅れること約40年。島津楢蔵によって製作されたNS号は400ccの4ストローク単気筒エンジンを自転車に搭載した。太平洋戦争後、旧日本軍から放出された発電用エンジンを取り付けた自転車が出現した。やがて小さなメーカから専用の自転車用取付エンジンが発売され、販売数は1948年には2,000台、1949年には10,000台ほどに達した。現在まで続くメーカーのうち、ホンダは1948年に50ccのホンダAを発売、1952年に「カブ 取付エンジン F型」を発売して1955年まで販売した。スズキは、1952年にパワフリー(36cc)を発売し、後継機種のダイヤモンドフリー、ミニフリーシリーズ(50cc他)を1959年まで発売した。当時オートバイも販売していたブリヂストンは、1954年に50ccの富士精機製エンジンを用いた取付エンジンを発売した。1957年にタス・モーペッドが発売され、完成品としてのペダル付きオートバイが販売されるようになった。スズキはタスの翌年1958年にスズモペット(50cc)を発売した。1958年に発売されたホンダ・スーパーカブの大ヒットにより原動機付自転車の主流はペダル付きからペダルなしへと移行したが、モペッドから濁音を除いた「モペット」という造語はスーパーカブに代表されるビジネスバイクに対しても流用され、山口オートペット、ヤマハモペット、カワサキペット、スズキセルペットなどの車名に用いられた。1961年をピークとする「モペットブーム」はこれらアンダーボーンフレームのビジネスバイクのブームを指している。その後も50ccのスクーターやビジネスバイクを含めた原動機付自転車のブームは度々訪れたが、足こぎペダルが付いていることを特徴とするモペッドは日本の法規においてその利点を活かせず、欧州諸国のように普及することはなかった。ヴェロソレックスやピアッジオ・チャオ、トモス、近年は中国製の輸入車も販売されているが、スーパーカブの登場以降に国内メーカーから発売されたモペッドはごくわずかにとどまっている。
出典:wikipedia
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