『ターミネーター』(原題: "The Terminator")は、1984年のアメリカ合衆国とイギリスの合作映画。ターミネーターシリーズの第一作である。オライオン・ピクチャーズ/ワーナー・ブラザーズ配給。本作のヒットを受け、1991年に『ターミネーター2』、2003年に『ターミネーター3』、2009年に『ターミネーター4』が製作される。また、直接的な繋がりはないが、2015年に本作のリブートとなる『』が製作された。2029年の近未来。反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により絶滅の危機を迎えていた人類だが、抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じた。脅威を感じたスカイネットは、未来から現代へ殺人アンドロイド「ターミネーター・サイバーダインシステム・モデル101」を送り込み、ジョンの母親サラ・コナーを殺害することでジョンを歴史から抹消しようと目論む。同じ頃、抵抗軍からも兵士カイル・リースが、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれた。ターミネーターとカイルは未来に戻ることができず、抵抗軍が時間転送機を破壊したため、「二人」に続いて現代へ来る者はいない。人類の命運を分ける戦いが、1984年5月12日木曜日のロサンゼルスで始まる。ターミネーターは手始めにサラの居場所を割り出そうとするが、情報にあるのは、「サラ・コナー」という名前と「ロサンゼルス」という住所だけであったため、電話帳に載っている同姓同名の女性を順番に殺していく。最後のサラ・コナー宅に侵入したターミネーターは、サラと同居する友人とそのボーイフレンドを殺害し、外出中のサラの顔と声の情報を入手。遂に彼女の居場所を突き止め、殺害を実行しようと銃口を向けるが、やはりサラを追っていたカイルが間一髪で阻止する。逃走を促され、事態が飲み込めず怯えるサラにカイルは「襲撃者はロボットであり、サラを殺害するために未来から送り込まれ、彼女が死ぬまで狙い続けること」「カイルはまだ見ぬサラの息子(ジョン・コナー)の指示により、彼女を守るために現代へやってきたこと」を告げる。カイルを疑っていたが、やがて心を開くサラ。ターミネーターから逃れるうちに互いへの愛を抱くようになった2人は、潜伏先のモーテルで結ばれた。休息も束の間、モーテルの場所を突き止められて更なる追撃を受けるサラ達。ターミネーターの運転する大型タンクローリーに対し、満足な武器もなく手製の爆薬での応戦を余儀なくされ、銃弾を受けて傷付くカイルだったが、タンクローリーの隙間に爆薬を押し込んで爆破させ、ターミネーターを炎上させる事に成功する。しかし燃えたのは表面の生体細胞と服だけだった。ターミネーターは炎上する車の残骸から、超合金製の骨格を露にした姿で立ち上がり、更に追いかけてくる。サラと共に近くの工場へ逃げ込んだカイルは、再びターミネーターの爆破に成功したものの、自らも爆発に巻き込まれて落命、サラも片足に重傷を負う。カイルの死を嘆くサラに、上半身だけとなってなおも迫るターミネーター。サラはターミネーターをプレス機に誘導して押し潰し、遂に完全に破壊した。数か月後の11月10日、カイルとの子ジョンを宿したサラは、やがて訪れる「審判の日」へ向けての戦いを決意し、旅立つ。だが、工場に残されたターミネーターの無傷の右腕と破損したチップは極秘に回収され、やがてスカイネットの誕生につながるのだった。※DVD/BD版吹替の初出は1998年2月25日カルチュア・パブリッシャーズより発売のDVDにて。その後20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン及びソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより発売の各種DVD/BD(後述)に収録されている。※20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンの「吹替の帝王」シリーズ第9弾として、上記の全4種類の吹替版を収録したBlu-ray Disc「ターミネーター 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイボックス」が2015年6月24日に発売。特典としてテレビ版吹替台本2冊とインタビュー集が付属している。製作に纏わるエピソードとして、キャメロンが見たロボットの悪夢の話がある。前作『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、キャメロンは評論家やマスコミにもひどくこき下ろされたため、屈辱の余り熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来るという悪夢を見た事が本作を製作するきっかけとなった、との話であるが、真偽は不明である。作中で「審判の日」(Judgement day)とされるのは1997年8月29日だが、1968年の8月29日はシカゴで開催された米・民主党大会でデモ隊と警官隊が衝突し、軍も出動して流血事件が起きた日。米国民にとって'29th, August'は、国家権力が市民に牙をむいた日として記憶されている。映画の「コンピュータ対人類」という構図は、キャメロン監督にとって「国家対国民」を暗喩したものと言われている。監督のジェームズ・キャメロンは本作について、「当初は殺人ロボットの話を予定していたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている。主役のターミネーターについて、当初は『T2』のT-1000の様な、「細身の一見ひ弱そうな人間だが実は強力」というキャラクターを構想しており、ランス・ヘンリクセンが候補に挙がっておりパイロット版も制作されていた。他、O・J・シンプソンに配役の構想もあった。キャリアも浅かったシュワルツェネッガーは、カイル・リース役を望んでいた。しかしキャメロンが、カイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食したことを機に状況が一変する。キャメロンはシュワルツェネッガーの似顔絵を描いているうちに、彼がターミネーター役に相応しいと考え直す。さらに、彼からターミネーターのキャラのバックグランドに関して良いアイディアを貰ったことから、ターミネーター役はシュワルツェネッガーしかいないと確信するようになった。結果としてシュワルツェネッガー演じるターミネーターは、彼を一躍ハリウッドのスターへと押し上げた。T2からは悪役から主役へと立場が変化し、人間側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。この映画で一躍世界的なスターとなったシュワルツェネッガーは、本作以前は『コナン・ザ・グレート』のヒットもあって全くの無名ではなかったものの、英語が下手ということもあってそれほど人気俳優というわけではなく、なかなか役に恵まれず苦労を重ねていた。しかし、この英語の下手さが、ターミネーターの非人間的な感じを出すには饒舌よりも片言で喋る方がいいと考えていたキャメロン監督の目に留まることとなった。カイルを演じたマイケル・ビーンは、オーディション当時は舞台劇の影響で南部なまりが強かったため、不自然だということで落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した。なお、主役をかっさらわれる形になってしまったランス・ヘンリクセンは本作でブコビッチ刑事を演じているが、詫びの意味もあってかオープニングではシュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マイケル・ビーンと並んでメインキャストにクレジットされており、後にキャメロン監督作『エイリアン2』でロボット・ビショップを演じる。制作期間中、本作は製作・配給会社から高く評価されておらず、タンクローリーの爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、作業されずに終わるところだった。なぜならこのシーケンスを完成させるためには多くの課題があったからである。まずアップショット用の精密なモデルは作ったが、金属の骨格のみというデザインの都合上シュワルツェネッガーがそれを着て演じることが出来るものではなかった。そこで全身の動きが見えるロングショットでは、当時の映像技術の常套であるミニチュアを使ったストップモーション・アニメーションを採用することになるが、そもそもこの方式は自然な動きを作り上げることが難しく、自然さを求めてテイクを重ねたり、フレームレートを上げたりしていくと、その分作業時間は増え、制作費も嵩んでしまう。しかし制作の後半で費用が尽き、これ以上は作業が続けられないという状況下に陥ったとき、キャメロンは「トラックに衝突してターミネーターが足をケガしたことにすれば、ぎこちない動きでも不自然に見えず、むしろケガによるものに見えるため、かえってリアルになる」という逆転のアイデアを思いついた。そこでモーテルでのカーチェイスの後、タンクローリーに轢かれ、それを強奪してサラを追いかける場面を追加した。これによってようやくクライマックスのシーケンスに目処が付き完成に至った。設定の一部について、“テレビドラマ『アウター・リミッツ』のハーラン・エリスンが脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものである”との訴えがエリスン側から起こされ、製作者側は敗訴。キャメロン監督は謝罪し、現在は原案者の一人としてエリスンの名がクレジットされている。映画のラスト、ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、わかってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものだが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている(1996年、『ゴールデン洋画劇場』にて本作が放送された際には、番組司会者である高島忠夫がそのように語っている)。またダーク・ホース社出版の『エイリアンVSプレデターVSターミネーター』のコミックがある。
出典:wikipedia
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