秩父本線(ちちぶほんせん)は、埼玉県羽生市の羽生駅と同県秩父市の三峰口駅とを結ぶ秩父鉄道の鉄道路線である。本路線の名称は「秩父本線」だが、この名称は沿線住民には浸透しておらず、また秩父鉄道社内における旅客営業路線が1線のみであることから本路線は「秩父線」あるいは「秩父鉄道」「秩鉄(ちちてつ)」と呼ばれて親しまれている。このことから秩父鉄道としても、利用者向けの案内では「秩父本線」に相当する部分を「秩父鉄道」や「秩父線」と案内している。接続するJR東日本や東武鉄道・西武鉄道の案内などでも、主に「秩父鉄道」または「秩父線」と表示されている。一部の案内では「秩父鉄道線」とされる場合がある。なお、今でも一部の自社発行の記念切符や看板等に「秩父電鉄」の表記が見られる。秩父という一大観光・行楽地を抱えるため、ローカル輸送のほか観光輸送の比重も高い。普通列車に加え、急行「秩父路」やSL「パレオエクスプレス」が運転されている。全線通し運転の列車のほか、熊谷駅や影森駅を始発・終着とする列車も多く運転されている。秩父夜祭・熊谷うちわ祭・熊谷花火大会など沿線のイベント開催時には、急行・普通問わず臨時列車を多数運転し、輸送力を確保している。なお、秩父夜祭開催中の12月3日19時頃から22時頃にかけては、笠鉾・屋台の横断のために御花畑駅付近の踏切の架線が外されるため、秩父 - 影森間は運休となり、両駅から折り返し運転が行われる。ダイヤ改正はJR線や他の私鉄線のように毎年行なわれることはなく、数年に1度程度で行なわれる。熊谷駅 - 三峰口駅間で1日1往復運転される蒸気機関車C58 363牽引の観光列車。1988年3月より運行を開始した。土休日の運転が中心であるが、土休日でも運転しない日がある。学校の長期休暇中や秋の行楽シーズンなどには、平日にも運転する日がある。SLの乗車には、普通乗車券のほか、「SL座席指定券」または「SL整理券」が必要である。「秩父路」の愛称がある。別料金制(区間に関わらず200円)で朝夕を中心に運転しており、速達サービスを提供している。使用車両は原則的に6000系だが、検査時には通勤形電車も使用されることがある。基本的にはワンマン運転を実施しているが通勤形を使用するときは車掌が乗務する。種別表示はワンマン運転時は「ワンマン」、車掌乗務時は「急行」である。多くの列車は影森駅・熊谷駅止まりとなっており、2013年3月のダイヤ改正から平日の羽生駅 - 熊谷駅間は1往復のみの運転、影森駅 - 三峰口駅間の運転はなくなった。熊谷駅・影森駅発着の列車が多く、1時間に2本から3本程度でラッシュ時には本数が多くなる。以前は2両編成を2編成連結しての4両編成が大多数であった(かつては時間帯によっては、2両編成1編成による2両編成での運行も行われていた)が、車両の統一化や保守の簡素化などを理由に一時はすべて3両編成となった。その後、2013年3月16日に7800系が導入されたことにより、現在では2両編成の列車も存在する。そのため、朝夕のラッシュ時や沿線でのイベント時における輸送力向上が今後の課題となっている。また、西武からの直通列車もすべて普通列車である。こちらは4両編成となっている。線内列車は6000系以外の全形式を使用しており、通勤形各形式に固定運用などの区別は一切ない。かつては全線直通の列車が多かったが、2013年3月のダイヤ改正により、熊谷駅 - 羽生駅間の列車の増発や影森駅 - 三峰口駅間の運用を新設定するなど、主に平日は区間運転列車が多くなった。なお、早朝・深夜には、東行田・寄居・秩父を始終着とする列車も存在する。一部列車を除きワンマン運転(すべての駅が有人駅のため車内に運賃箱はなく、乗車駅で乗車券を購入し、降車駅で渡す都市部路線と同じ方式)を行っている。現在在籍している電車の運転台両側に客用ドアの開閉スイッチ、マスコンハンドルとブレーキハンドルの間に自動放送装置の操作盤が設置され、運転士が座ったまま諸々の作業ができるようになっているが、進行右側の開閉スイッチについては安全面から使用されず(ガムテープで鍵の差込部分を封印。以前は使用されていた)、既設の車掌スイッチで開閉している。ただし、西武からの直通列車には車掌が乗務するほか、荷物輸送などを行う際にも車掌が乗務する。種別表示はワンマン運転時は「ワンマン」、秩父鉄道の車両で車掌が乗務している列車と西武からの直通列車は「各停」である。2008年5月までの西武からの直通列車は「普通」を表示していた。かつては準急も存在したが、現在は廃止されている。1985年3月改正までは平日の通勤時間帯に設定され、朝は影森始発の熊谷行き、夕方は熊谷始発の三峰口行きだった。途中停車駅は石原・武川・寄居・野上(急行停車駅の長瀞は通過)・皆野・大野原から三峰口までの各駅。1990年代に再設定されたときの運転区間は熊谷駅 - 三峰口駅間、途中停車駅は石原・武川・小前田・寄居・野上・長瀞・皆野・大野原から三峰口までの各駅で、原則として2000系で運転されていた。西武鉄道(池袋線・西武秩父線)からの直通列車もあり、平日は飯能駅から長瀞駅・三峰口駅までの1往復が運転され、休日は2往復が西武線内で下りは快速急行、上りは急行となって池袋駅から発着する。2007年3月5日までは長瀞発着列車はこれより先の寄居駅まで運転されていた。なお秩父夜祭当日は直通列車は西武秩父駅発着になる。また、過去には東武鉄道(東上線)や国鉄・JR東日本(高崎線、八高線)からの直通列車も定期または不定期で運行されていた。かつての列車名として、以下のようなものがある。東上線からの直通列車は1992年(平成4年)4月1日に「みつみね」・「ながとろ」を最後に廃止された。また、国鉄より引き継いだJR東日本の高崎線からの乗り入れも同日に行われる秩父夜祭輸送を主眼とした2001年(平成13年)12月3日運転の「秩父夜祭り」が最後になっている。なお、直通運転が途絶えた後もJR東日本や東武鉄道との関係がなくなったわけではなく、パレオエクスプレスの蒸気機関車の管理をJR東日本で行なっていたり、後述の通り羽生駅(伊勢崎線) - 寄居駅(東上線)間を東武鉄道の回送列車が走るなどの関係がある。JR東日本小山車両センター所属のE231系は、旧世代の115系・211系入線実績から、行き先表示器に「三峰口」などの秩父鉄道の駅が設定されていたが、乗り入れ実績がないまま、湘南新宿ラインの設定に伴い使用行き先パターンが増えた際に入れ替えに削除された。貨物輸送は製品であるセメント輸送が全廃されるなど長期低落傾向にはあるものの、秩父市にある武甲山は良質の石灰石を産出するため、これを運ぶための貨物輸送は続けられている。またセメント焼成燃料や焼却灰の搬入もあり、現在でもその取扱高は日本の私鉄の中で上位に位置する。貨物列車は三ヶ尻線熊谷貨物ターミナル - 武川 - 影森間で運行されている。鉱石列車は影森 - 武州原谷 - 三ヶ尻間で設定されており、ヲキ・ヲキフ100形20両編成による列車単位は1000t(うち貨物700t)に及ぶ。ダイヤ上は影森まで設定されているが、三輪・叶山両鉱山の生産状況により末端部の運行ダイヤが日によって調整されるため、午後の列車は武州原谷で折り返すことが多い。また、熊谷貨物ターミナル - 武川 - 武州原谷間に燃料となる石炭や原料に加える焼却灰の輸送があるが、三ヶ尻の工場へ輸送するのであっても列車は武川で折り返す。以上の取扱貨物の違いにより、日本貨物鉄道(JR貨物)との連絡運輸区間は武州原谷までとなっている。そのほか、東武鉄道の本線と東上線の車両の転配時や検査時などに寄居 - 羽生間で車両回送が頻繁に行われている。この車両回送は、以前は主に秩父線仕様のATSを搭載した東武鉄道の8000系電車の牽引で行われていたが、2011年ごろから秩父鉄道の電気機関車で牽引することが多くなっている。回送ながらも秩父鉄道最長の10両編成も見ることができる。また、東武鉄道の新車搬入も現在はすべて熊谷貨物ターミナルから秩父鉄道経由で行われるが、こちらは電気機関車牽引となる。東上線へは寄居まで単機牽引、東武本線へは羽生までプッシュプルで輸送する。使用機関車はデキ100形、デキ300形、デキ500形の共通運用で、形式による区別は一切なされていない。なお現在、デキ200形については貨物運用から外されている。埼玉北部・秩父地域において、重要な役割を果たす路線であるが、下記の通り、鉄道事業単体としては赤字で厳しい状況が続いている。このことから、埼玉県及び沿線市町より安全対策や利用促進など直接的な支援が行われている。秩父本線の近年の輸送実績を下表に記す。貨物輸送量は中小私鉄としては多いほうだが、最近は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。秩父本線の近年の収入実績を下表に記す。貨物運輸収入の割合が高いが、減少が著しい。これに比べれば旅客運賃収入の変動は少ない。収入総合計額については増加した時期もあったが、最近では減少している。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。秩父本線の近年の営業成績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋埼玉県統計年鑑より算出2014年(平成26年)3月23日をもって、1000系電車(旧国鉄101系電車)が営業運転から離脱したため、同年4月現在、運行する自社所有の旅客用電車は全て冷房付き車両となった。線内普通列車線内急行列車西武鉄道熊谷 - 三峰口間は秩父鉄道および前身の上武鉄道(丹荘 - 西武化学前間を営業していた上武鉄道とは別)、羽生 - 熊谷間は北武鉄道の手により開業した。全駅埼玉県に所在。また、全駅が有人駅である(直営駅または業務委託駅)。ただし他線との乗換駅以外の駅は、早朝や夜間などや、また昼間でも駅業務の都合で駅員不在となることがある。長瀞駅・三峰口駅から西武秩父線経由で、以下の駅まで直通運転を実施。大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定。
出典:wikipedia
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