『バロム・1』(バロムワン)は、さいとう・たかをによる漫画作品。およびそれに登場する架空のヒーローの名称。1970年から約1年間『週刊ぼくらマガジン』に連載。東映、よみうりテレビ制作の特撮テレビドラマ作品『超人バロム・1』(ちょうじんバロムワン)として、1972年(昭和47年)4月2日から同年11月26日まで、日本テレビ系で毎週日曜19:30 - 20:00(JST) に全35話が放送された。さいとう・たかをによる原作からは、設定の一部の流用を除き、デザイン、ストーリーは大幅に変更されている。アニメ作品として、2002年12月7日から2003年3月22日まで、アニメシアターXにて『バロムワン』とのタイトルで放送、特撮版と同様に設定やストーリーが大幅に改変されている。大宇宙で何千年も戦い続ける二つの力があった。一つは、平和と正義の力であるコプー、もう一つは、悪と呪いの力であるドルゲ。激しく永い戦いの果てにドルゲは地球に到達し、地底深くに住処であるドルゲ洞を構え、地球を悪の世界にするための活動を開始する。ドルゲ自身は直接手を下さず、人間を自らの分身=悪のエージェントとして超能力を与え、人類滅亡計画を実行させる。コプーもまたドルゲを追い地球に到ったが、彼の生命は寿命を迎えようとしていた。その時出会ったドルゲの戦闘員・アントマンと勇敢に戦う2人の少年、白鳥 健太郎(しらとり けんたろう)と木戸 猛(きど たけし)の友情と正義感に心を打たれたコプーは、彼らに「超人バロム・1」に合体変身(バロム・クロス)する能力を与え、ドルゲとの戦いを託したのである。白鳥健太郎と木戸猛はドルゲ魔人に対抗する正義のエージェントとして、ドルゲ魔人探知機ボップを使い、暗躍するドルゲ魔人の企みを見破り、彼らと闘う。原作コミックスとして以下のものがリイド社より発売されている。漫画版の超人バロム・1は、成人男性の姿をしており、衣服や光線銃、そしてボート状の宇宙艇に変形したり、ドルゲに対する警報を発する万能武器ボップをコプーから授けられている。白鳥健太郎と木戸猛は超人バロム・1の力を授かった後、変身の方法を自ら見つけ出さなければならなかったように、基本的にコプーはバロム・1に「私を頼るな。自ら考えて戦え」と語り、干渉しない。バロム・1の状態でも、健太郎と猛は互いの意識を残しており、会話をすることができる。なお、超人バロム・1が意識せずに叫ぶ「バローム」は、コプーの語るところによると、地球の言葉で「友情」を意味している。漫画版におけるドルゲは、円盤状の宇宙生物という設定であり、メカニカルな身体に脳らしきものが見えることからサイボーグであることが示唆されている。円盤状の本体から、黒い霧状の魔人の姿を投射することができ、このイメージが特撮版のドルゲの元となっている。ドルゲは一個体ではなく、「悪の友」と互いに呼び合う同族を宇宙から呼び寄せようとしているが、コプーの力により、日本以外の地域への地球侵入が不可能と説明されている。ドルゲの操る力は強大で、古代生物の化石を甦らせたり、死体を含む動物、人間(犯罪者)など、あらゆるものを怪物に変えることが可能であり、バロム・1が最後の武器である全エネルギー放射を行なっても、ドルゲの本体である円盤と相打ちになるのがやっとであった。なお、怪物が出現した際に、超人バロム・1の存在はマスコミによって報道され、周辺に殺到してくる人々のため、ドルゲへの反撃ができず危機に陥ったこともある。掲載していた『週刊ぼくらマガジン』が休刊したため、最終回を迎えずに終わった。子供二人が合体変身していきなり大人の顔になるので違和感があり、連載から2話くらいで作者はバロム・1を失敗作だと思ったという。企画の発端は『週刊ぼくらマガジン』の編集長だった講談社の岩本文夫が、『巨人の星』を大ヒットさせたよみうりテレビのプロデューサー・佐野寿七に漫画『バロム・1』のアニメ化の企画を持ちかけたことによる。そして、『バロム・1』のアイディアを担当していた宮崎惇を加えて企画が進められていくなかで、東映動画とのディスカッションの際に、当時の東映テレビ部部長だった渡邊亮徳の「企画自体は面白いから『仮面ライダー』のセカンドとして制作してみては」という提案で、特撮作品として制作されることが決定した。作品テーマは「正義と友情のヤング・アクション」とされ、東映側のプロデューサーには『ライダー』の平山亨が当たることとなった。平山は、よみうりテレビとの初仕事に大変張り切って臨んだという。設定やバロム・1のデザインなどは東映側により大幅に脚色され、タイトルの「超人」も、「変身」「決戦」「追跡」など、数多く出されたタイトル案の中から選出された。作品の傾向としては、敵であるドルゲの尖兵であるドルゲ魔人のグロテスクな怪奇性が強調され、ドルゲの作戦も邪悪・弱い心を持つ人間を操るものが中心で、さらにドルゲの怪奇性を強めていた。後半以降は生物の身体の一部をモチーフにした魔人が登場し、より怪奇性が強い展開となった。チーフ監督の田口勝彦は「悪者と分りやすいデザインにしてあるが、そのデザインの奥底に怪人の本性が隠してあることを狙いにしていた」と回想している。白鳥健太郎と木戸猛がお互いの右腕をクロスさせることによって、二人の友情のエネルギーから生み出される正義のエージェント。バロムクロスと同時に、健太郎と猛の友情エネルギーがボップに内蔵されたバロム・1への変身機能と反応、そこから閃光とともに放出されたエネルギーが二人を包み込み、同時に友情波がお互いの心臓に流れて二人の肉体を融合させた後、二人だけが持つ特殊なバロムDNA(コプー染色体)とバロムエネルギーが融合した身体を超人として変異させる。健太郎の頭脳がバロム・1の知性となり、猛の体力がバロム・1の力となる。超人の身体に変異した後、プロテクターが身体を包み込んで正義の超人バロム・1が誕生する。変身が完了すると同時に、両目とヘルメットの矢印部分=エネルギーチャージランプが矢印の方向に光り出し、身体全体にバロムエネルギーが充填される(第1話ほか)。ただし、両目の中で会話する場面がたびたび挿入されるように変身前の自我も残っているため、二人が喧嘩をしたりお互いを信頼しない状況に陥った場合、バロム・1の変身は解けてしまい、お互いの信頼関係が回復するまで再び変身することはできない。友情エネルギーが300バロム以上あればバロム・1に変身できるが、普通の人の友情エネルギーは50バロム。二人がピンチに陥った場合など、友情エネルギーが急速に回復するケースも多かった。身長2メートル、体重80キログラム。体は特殊な細胞でできており、7千度の高温、零下210度の低温、100気圧、10万ボルトの電流、あらゆる劇薬に耐えるが、中盤以降は魔人が強力になったのか、敵の毒や炎で苦しむ場合もあった。超能力とシューズに装備されている重力反発装置によって空を飛ぶことができる。バロムヘルメットは500トンの圧力に耐えることが可能で、マスクに装備されている何処でも酸素が取り出せる装置=バロムブレスによって海底、地底とも千メートルの移動もできる。目は赤外線増幅器が装備されており、2km先まで見えるほか、遮光シャッターで光による攻撃を防ぐ(第7話)。全身の神経を耳に集中させることで人間の千倍の聴力が得られ、4km四方の音を聴ける。胸に巨大なトゲが刺さっても、全身のエネルギーを胸に集中させれば引き抜ける(第32話)。児童誌向けの設定では、体内の善悪ろ過器により絶対的な善のエネルギーを生み出し、決して悪に染まることがない。パンチ技が主体であり、設定によれば必殺パンチを打ち込む時、拳の骨の部分に身体中のカルシウムが一時的に集まり、加えて手に装備されているバロムグローブにおける「拳の威力を倍増させるスプリング倍増装置」の総合作用により、強力なパンチを放つことができる。また、膝打ちは50トンの物を打ち破ることができ、バロムシューズに装備されているキック力が10倍になる特殊スプリングの作用により、強力なキックを放つ。デザインはさいとう・たかをの手でテレビ用のものが新たに起こされているが、実際の造形物とは口元に多少の違いが見られる。モチーフは鳥。本編撮影前に行われたスチール撮影会では、頭部の「B」の文字は白く塗られていた。また、上腕部のプロテクターも取り付けられていなかった(本編でも第3話までプロテクターはない)。バロム・1のスーツは、タイツの部分が緑色だったり黄色や白っぽかったりと、回によって著しく異なっている。これは、エキスプロダクションの八木功によれば、撮影が進むにつれてスーツが色落ちするためにその都度染めており、染料を混色する際の微妙な調合の違いによる結果で「染めてみなきゃ判らない」というものだった。これについて主演の高野浩幸は、「洗濯を繰り返して色落ちしたスーツは主にトランポリンアクション用に使われていた」と証言している。健太郎と猛が目の中で会話するシーンは、バロム・1の頭部をかたどったセットの中で高野と飯塚が演じている。2007年12月7日に発売された「東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX」および、2009年10月21日発売の「東映特撮ヒーロー THE MOVIE Vol.2」に収録されている。すべて東映ビデオより発売時は西暦2014年、謎の巨大な生物が人間を襲撃する事件が次々と発生していた。同じ日の同じ時刻に同じ病院で誕生した白鳥健太郎と木戸猛は、14歳の誕生日にインターネットを通じて突然現れたコプーから、悪の使いであるゴーモンが覚醒したこと、そして、自分たちが「選ばれし者」であることを告げられる。翌日、半信半疑であった2人は岬の灯台の下へと導かれ、そこで謎の巨大生物に遭遇。巨大生物に為す術のない2人は逃げまどい、最後には海へと飛び込んで脱出を試みた。コプーは海底に沈みゆく2人をエージェントに任命し、正義の使者バロムワンに変身するための腕輪とボップを授けるのだった。
出典:wikipedia
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