『電人ザボーガー』(でんじんザボーガー)は、1974年(昭和49年)4月6日から1975年(昭和50年)6月29日まで(放送時間は変更あり)フジテレビ系で全52話が放送されたピー・プロダクション制作の特撮テレビ番組。および作中に登場する架空のロボットの名称。第40話より「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」の副題がつく。犯罪組織Σ団(シグマだん) 対 警視庁及び秘密刑事・大門豊との戦いを、Σ団のロボット 対 大門が乗るオートバイが変形するロボット・電人ザボーガーとの戦いを交えて描く。前作『鉄人タイガーセブン』が、その重苦しく陰惨なストーリーが災いして視聴率的に失敗した反省から、刑事ドラマをベースに、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』のヒットにより巻き起こった空手ブームを採り入れた大門の空手アクションや、ロボットアニメブームの影響を受けたメカニック描写の面白さを盛り込み、明朗なヒーローアクション活劇として作られた。また、人間大ロボットものとしては珍しい主人公の操縦者とロボットという組み合わせだが、大門とザボーガーの人間とロボットを越えた絆のドラマも描かれた。商業的にも成功し、本作の玩具を販売したブルマァクに期待以上の利益をもたらした。第40話以降は新たな敵が現れ、ザボーガーもパワーアップする。秘密刑事としての訓練を終えて帰国したばかりの大門豊は、亡き父、大門博士が開発した新エネルギー「ダイモニウム」を狙う犯罪組織Σ(シグマ)団の刺客、アリザイラーに殺害されてしまった。しかし豊は、少年期に父によって埋め込まれていた電極回路(特殊なペースメーカー)の力で甦った。電極回路の発する「怒りの電流」で大門のオートバイ、マシーン・ザボーガーから変形して起動するパートナーロボット、電人ザボーガーとともに、大門豊は父の仇でもあるΣ団とそれを率いる悪之宮博士に対し、敢然と戦いを挑む。上記の2曲とも歌詞に第39話までの敵組織名「Σ」が入っているが、第40話以降も変更されずにそのまま歌われている。なお、第39話までは1コーラス目、第40話以降は2コーラス目が使用された。上記の2曲を収録したEPレコードはポリドール・レコードより発売された。参照参考文献:DVD-BOX付属ブックレット、『スペクトルマンvsライオン丸』、『電人ザボーガー大全』、『電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑』本作品はピー・プロダクション製作となっているが、ピー・プロが直接製作したわけではなく、ピー・プロから友映に製作が委託されていた。DVD-BOX付属のブックレットに掲載されている、局プロデューサー・別所孝治の談話によると、この当時のピー・プロは新作を作るごとに赤字が増える状態にあり、このような形にしなければ製作が難しいところまで来ていたという。それまでのピー・プロ作品を担当してきた篠原茂が当初病床にあったため、大映京都撮影所の制作部長だった友映の松原久晴をプロデューサーに迎え制作された。しかし、彼の予算管理が非常にケチケチしていて、試写のたびに現場スタッフとプロデューサーとの間に険悪なやり取りがあり、うしおそうじも板挟み状態だったとのことである。「原作者」として小池一雄の名がクレジットされているが、うしおによれば、当時フジテレビの夜7時台はピー・プロの独占状態となっており、なにかと他のプロダクションの横槍も多かったそうで、それをかわすためにワンクッションを入れ、企画の通りを良くするために業界の慣習に倣い、単に名義を借りただけであり、「番組そのものに小池はまったくタッチしていない」とのことである。脚本を担当した上原正三も小池には会っていないと証言している。企画当初の作品タイトルは『仕掛けロボット ジュピターQ』で、第1話の準備稿でもこの題名となっていた。ザボーガーのデザインや各種の設定は、『鉄人タイガーセブン』に引き続き、漫画家の藤田茂が務めた。敵キャラクターのデザインは、うしおそうじのほか、『ザボーガー』のコミカライズを手がけていた成井紀郎(第18・19・23 - 39話、その他ジャンボメカや秋月玄、マシーン・ホークも含む)や、安井尚志(コンピューターアニマルなど)などが担当した。菊池英一は当初は殺陣師として参加を依頼されたが、菊池本人は殺陣師ではないとして俳優としての出演を希望し、中野刑事役を得て殺陣師と兼任することとなった。クレジットは両方記載されているが、菊池は「殺陣師はサービスで」としたためギャラは中野刑事役としての分しか受け取っていない。菊池は、この番組のために一時的にアクションチームを結成し、幹部やスーツアクターの配役も行なった。その関係から、かつて菊池が所属しピープロ制作番組のアクションを担当した JFA の元メンバーが遠矢孝信を筆頭に多数起用されている。脚本家の上原正三は、前作『鉄人タイガーセブン』から引き続いて参加したが、第19話を最後に降板した。上原は降板した理由について、ある程度書くと離れたくなる性格であったところに、東映からの誘いがあったためだとしている。主題歌の作詞も上原が担当したが、当時上原は自宅を購入したばかりであったため版権収入を期待してのことであった。パイロット監督を務めた奥中惇夫は、仮面ライダーシリーズや『ロボット刑事』などを担当した後に東映生田スタジオを離れて様々なジャンルの作品を経て本作品へ参加していたが、東映の渡邊亮徳から「他社で似たようなものを撮っているなら、うち(東映)でやったらいい」と言われ、本作品を離れ『がんばれ!!ロボコン』へ参加した。マシーン・ホークのカウル部分が鷹のような形状をしているのは、当初はザボーガー同様にロボットに変形する設定があったためだが、予算や撮影スケジュールの都合でロボット形態は登場せずに終わっている。悪魔ハットを演じた遠矢孝信は、日本大学の先輩である殺陣担当の菊池英一がいたためピー・プロを訪ねたところ、ちょうど打ち合わせで悪魔ハットのオーディションが行なわれていて、参加した俳優が帰った後にうしおから台本を渡されて、その場で配役が決まってしまった。同時に菊池から「役作りのためにスキンヘッドにしてくれ」と頼まれ、頭を剃ることには了承したものの、さらに眉毛を剃るように要求され、これはさすがに固辞したという。以後、撮影の行き帰りには通行人がみんな避けて通ったそうである。第49話で少年時代の大門を演じたのは本職の子役ではなく、山口暁の甥にあたる少年だった。これは山口が村石に「そういうシーンがあるのなら使ってください」と写真を持参して売り込んだことによるもの。また同話には、監督と親交のあった小倉一郎が牧師役でゲスト出演している。第51・52話で、恐竜軍団による「六大陸沈没作戦」の尖兵として出現した恐竜が石油コンビナートを破壊するシーンでは、『スペクトルマン』第32・33話の映像が流用されている。放送終了後にはハワイでショーが開催された。主演の山口やザボーガーの撮影用車輌なども投入され、担当の成田五十八は好評であったと証言している。このショーでは成田はエー企画名義で担当し、その後イベント会社として正式にエー企画が立ち上げられた。宮城県の系列局である仙台放送は『快傑ライオン丸』までは同時ネットだった。1973年4月から1974年3月までは自社制作番組『東北新幹線クイズ プラザQ』を放送していたため、前々作『風雲ライオン丸』は日曜日11時から、前作『鉄人タイガーセブン』は土曜日18時からの遅れネットだったが、本番組から再び同時ネットになった。静岡地方のテレビ静岡では、毎日放送制作・NET系列の仮面ライダーシリーズ(『仮面ライダー』から『仮面ライダーX』まで。『仮面ライダーX』は途中から金曜日19時 - 19時30分枠に移動して、土曜日19時 - 19時30分枠の後番組は『仮面ライダーアマゾン』ではなく、日本テレビ系の『驚異の世界』に変更)を土曜日19時 - 19時30分枠で放送していたため、前番組『鉄人タイガーセブン』までのピー・プロダクション作品は日曜日10時30分 - 11時枠の放送だったが、本作からは月曜日18時 - 18時30分枠になった。その後は、木曜日18時 - 18時30分枠に移動した。前番組の『鉄人タイガーセブン』まで同時ネットだった近畿広域圏の関西テレビでは、1974年4月から自社制作番組の『爆笑寄席』が土曜19時 - 19時30分枠で始まり、本作は土曜日18時 - 18時30分枠の先行放送(1974年10月 - 12月までは、キー局の翌日に放送)に移行した。1975年1月4日からは「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」を、キー局のフジテレビジョンよりも3か月早く土曜日の7時30分 - 8時枠で先行放送。1975年3月29日放送の第52話を最後に終了した。広島県では、当時フジテレビ系列の広島テレビ(HTV)が、日本テレビ系列とのクロスネット局だったため、HTVの編成から外れた両系列の番組を放送していた広島ホームテレビ(HOME・当時UHT、テレビ朝日(当時NETテレビ)系列)が平日の8時 - 8時30分枠で放送していた模様(当時テレビ新広島(TSS)は未開局)。福岡県のテレビ西日本と佐賀県のサガテレビでは、1974年12月27日までキー局のフジテレビと同時ネットだったが、1975年1月3日からは『電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ』を、キー局よりも3か月早く金曜日の19時 - 19時30分枠で先行放送。1975年3月28日放送の第52話を最後に終了した。鳥取県と島根県では山陰中央テレビが火曜の18時から放送していた。富山県では富山テレビが本放送終了後に月曜から金曜の18時から連日放送していた。2011年にリメイク版の新作映画が公開された。
出典:wikipedia
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