『スタートレック』()はアメリカのSFテレビドラマシリーズ。1966年の放映開始以来、5本のドラマ作品、13本の劇場版、1本のアニメ作品が制作されている。ハードSF的なものからコメディー、スペースオペラ的なものまで、様々な話がある。更には、2015年11月2日、アレックス・カーツマン、Heather Kadin制作総指揮による新シリーズの放送が2017年1月からCBSにて開始されるとアナウンスされ、内容およびタイトルは宇宙船U.S.S.ディスカバリー(NCC-1031)を舞台とする『Star Trek: Discovery』と決定された。1966年に開始した最初の作品では、作者であるジーン・ロッデンベリーが理想とする未来像を描きつつ、現代における様々な社会問題をSFの形で提示した。1987年以降に開始された作品においても、現実社会の複雑化を反映して、今日に至るヒットに結びついた。『スタートレック』はジーン・ロッデンベリーにより創作された。アメリカ西部開拓を描いたテレビドラマ『』のように、宇宙を開拓する物語が初期の構想であった。これは、SFの形をとることにより、当時のアメリカの社会問題を検閲されずに物語に盛り込み、指摘できると考えたためである。彼は『ホーンブロワー』にインスパイアされたことも語っている。ロッデンベリーは1964年、まずメトロ・ゴールドウィン・メイヤーに『スタートレック』の企画を持ち込むが、採用されなかった。次にCBSに企画を持ち込んだが、CBSではすでに『宇宙家族ロビンソン』というSFの企画が進行中であったために断られてしまった。次にロッデンベリーがこの企画を持ち込んだNBCではパイロット版を製作するよう言われ、ジェフリー・ハンターをクリストファー・パイク船長役としたパイロット版「」を製作する事になった。この第一パイロット版はNBCからアクションシーンの少なさを指摘された。しかし、異例ながら第二パイロット版の製作が許可され、ロッデンベリーはウィリアム・シャトナーをジェームズ・T・カーク船長役とする「」を製作した。この第二パイロット版のおかげで、1966年2月に初代シリーズである『宇宙大作戦』の放映が決定され、同年9月より放映される事となった。『スタートレック』の熱心なファンのことを、トレッキーまたはトレッカーと呼ぶが、アメリカのみならず世界中の宇宙関連事業関係者にもファンが多いと言われる。また、スティーヴン・ホーキングのように、『スタートレック』を自らの講演で引用したり、ゲストとして出演するような著名人もいる。また、『ターミナル』の入国審査官のように、現代のアメリカを舞台とした作品で、登場人物がトレッキーという設定になっていることもある。トレッキーによる40万通ほどの投書が行われたことで、スペースシャトルのオービタ1号機(ただし大気圏内での滑空飛行試験用の機体)に、当初考えられていた「コンスティテューション」ではなく「エンタープライズ」の名が付けられた。そのお披露目にはキャストなどの関係者が招待されている。なお、『宇宙大作戦』の頃から科学考証をアメリカ航空宇宙局()に求めることがあり、劇場版のクレジットタイトルなどでの名前が出ることがある。小惑星2309番が「ミスター・スポック」(公式には発見者のペットの同名の猫に由来するとされている)、9777番が「エンタープライズ」と命名された。ほか数個の小惑星にも、作品に出演したキャストなどの名前がつけられている。時代は作品ごとに違うが、おおむね22世紀から24世紀の話である。地球人は銀河系内のほぼ四分の一の領域に進出しており、様々な異星人と交流しながら、残りの領域の探索を進めている。地球からは貧困や戦争などが根絶されており、見た目や無知から来る偏見、差別も存在しない、ある意味で理想的な世界と化している。貨幣経済はなくなり、人間は富や欲望ではなく人間性の向上を目指して働いている。地球は150個ほどの星系とともに惑星連邦という組織を形成しており、宇宙艦隊を編成して銀河系の探査や学術調査、外交、治安維持等の任務にあてている。他にも様々な星間国家が存在して、武力行使を含めた外交の駆け引きを繰り広げている。惑星連邦の本部はパリにあり、宇宙艦隊の本部はサンフランシスコにある。惑星連邦内では軍事力を伴った紛争がほぼ根絶されたが、他の星間国家との間ではそうはなっていない。クリンゴン帝国やロミュラン帝国、カーデシア連合などの侵略的な国家との関係が必ずしも良好ではないためである。『』では惑星連邦設立以前の時代を描いているが、他の作品に出てくる星間帝国や異星人が登場しており、シリーズとしての一貫性が保たれている。また、銀河系の一部しか知られていないという設定のため、後の作品では既成の事実や知識となっている未知の異星人や、天文現象と初めて遭遇するパターンも多く使われている。このシリーズの主要な構成は、宇宙艦隊に所属する宇宙船もしくは宇宙ステーションで活動する主要な登場人物(地球人とは限らない)が、艦長や司令官の指揮のもとに様々な困難を乗り越えて活躍し、他種族や未知の生命体や文明と交流していく様を描いている。これらの登場人物と、習慣や価値観の異なる異星人や、様々な宇宙の現象との遭遇等が絡みあい、ドラマが繰り広げられる。登場する異星人にはヒューマノイド型の異星人が多い。これは元々の遺伝子が同じものであったからということが『新スタートレック』で語られている。クリンゴン人を始めいくつかの種族には独自の言語が設定されているが、高性能な宇宙翻訳機があるため、基本的にどの星の人とも英語で会話ができる(フェレンギ人が過去の地球に囚われてしまった話には、翻訳機が頭に埋め込まれていることを示唆する描写がある)。未知の言語であっても普通はコンピューターが短時間で解析し翻訳できるようになるが、一部の特殊な言語を持つ種族に対しては翻訳が不能であるなど例外もある。22世紀ではまだ翻訳機の性能が低く、意思疎通に苦労することも多かった。長く作品が制作され続けるシリーズでは、これまでの作品を「なかったこと」にして、複雑化した設定を一新することがよくあるが、このシリーズではほとんどすべての作品が同じ宇宙を共有している。そのため、『新スタートレック』『』『』はすべて『宇宙大作戦』から見て未来の出来事であり、『』は『宇宙大作戦』から見て過去の出来事である。劇場版第11作では初めて『宇宙大作戦』とは別の宇宙をメインのストーリーラインとして扱うが、次元を超えたタイムトラベルにより新たに誕生した平行宇宙を舞台にするという設定により、旧来の作品との連続性が保たれている(『宇宙大作戦』に始まる宇宙は別に存続している)。作品の根幹としてオムニバースの概念が取り入れられており、物語の主軸として描かれている主要宇宙(Primary universe)とは異なる平行宇宙(Alternate universe、いわゆるパラレルワールド)が登場する話もある。たとえば、『宇宙大作戦』第39話「」が初出となる「鏡像宇宙(Mirror Universe)」は、地球が惑星連邦ではなく侵略的な地球帝国(テラン帝国)を形成した宇宙である。また同一の宇宙の中においても、『新スタートレック』第63話「」などで描かれているように、タイムトラベルによって異なる歴史が生じたタイムライン(Timeline)がいくつも存在している。『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』第37話「」では宇宙に内包されるかたちで別の宇宙が発見されるなど、この作品の世界は多元多層の非常に複雑な構成になっている。なお、アニメ版や小説・コミックなども同じ宇宙を共有しているが、これらの作品で語られた内容は正式な設定(正史)とは認められていない、ということになっている。劇場版第11作や劇場版第12作では、公開前後に各映画のストーリーの前日談や後日談をコミックやゲームでリリースするという手法がとられているが、それでも建前上は正史とは見みなされない。以前はスタートレックシリーズでのオフィシャルな映像作品(いわゆる正史)扱いはされていなかったが、スタートレックの版権を持つCBSは2012年以降公式サイトで本作をオフィシャルな映像作品に含めている。『宇宙大作戦』の終了後、アニメ版の制作・放映を経て、劇場版への動きが始まった。1974年にロッデンベリーは、劇場版として『スタートレックII』を1975年に公開しようと企画した。しかし、草稿台本にパラマウントの了承が出ず、公開延期、テレビ映画への変更を経て企画は消滅した。1976年には再び『スタートレックII』の企画が立ち上がったが、この企画もまた草稿台本に了承が出ずに消滅した。1977年にはドラマ版として『』の企画が立ち上がり、キャストを呼んだ撮影まで行われた。だが、『スター・ウォーズ』のヒットをはじめとするSF映画ブームがおこったため、企画はドラマ版から劇場版へと変更され、劇場版第1作として公開されるに至った。なお以前は版権元によりスタートレックシリーズの作品は「正史(canon)」「非正史」といった分類がなされていた事もあったが、2012年以降スタートレックの版権元であるCBSは「正史(canon)」ではなく「公式(official)」という表現を用いてスタートレックシリーズの作品を「CBS・パラマウントが製作したオフィシャルな作品(テレビドラマや映画など)」「オフィシャルライセンス契約に基づいてサードパーティーが製作した作品(ノベル・コミック・ゲームなど)」「オフィシャルライセンス契約がなされていないファンメイドの作品(いわゆるファンムービーなど)」の三つに分類し、公式サイトで取り扱っている。アメリカでは等が数多く出版されており、現在も社(パラマウント映画の関連会社)などから新作の刊行が続いているが、これらも原則的に正史には含まれない。小説の日本語訳は、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』と『スタートレック:ヴォイジャー』が角川文庫から、他がハヤカワ文庫から出版されたが、多くが絶版状態となっている。また、ドラマや劇場版のノベライズとは別に、オリジナル小説もいくつか出版された。アメリカでは『スタートレック』の世界を舞台とするゲームも数多く販売され、1971年に一般のファンらが作成したシミュレーションマイコンゲームは人気を博し、日本でも1980年代初期まで人気だった。『宇宙大作戦』は北海道や関西地域では度々再放送されるも、関東地方では本放送時、劇場版第1作日本公開時、1980年代後半と3時期のみで、本作品とゲームの関係性を希薄に感じる者も見られた。出演が多くてもゲスト契約で出演している登場人物は除く。役名、『宇宙大作戦』でのキャスト、劇場版第11作でのキャスト、の順で表記。なお、『宇宙大作戦』でスポックを演じたレナード・ニモイは、未来から来たスポック(スポック・プライム)の役で、劇場版第11作以降の作品にも出演している。作品が何度も映像化される際、同じ声優が確保できなかったり、当初日本語版でカットされていたシーンに後から吹き替えを追加したことで、声優がこまめに変更されてしまうケースが存在する。なお、劇場版は便宜上「劇場版第○作」で表記した。役名の括弧内は日本語版での呼称。ドラマ版とその劇場版が舞台とする宇宙。劇場版第11作から劇場版第13作までが舞台とする平行宇宙。ネロ達が次元を超えたタイムトラベルを行ったために新たに生じた宇宙で、2233年以前の出来事は主要宇宙と同一である。この平行宇宙を指す公式名は当初存在せず、ファンからは「別現実(劇場版第11作での台詞に由来)」「エイブラムスバース(J・J・エイブラムスと宇宙のかばん語)」などと呼ばれていたが、劇場版第13作の公開前になって「ケルヴィン・タイムライン」という公式名が与えられた。『宇宙大作戦』第39話「」を初出とする平行宇宙。主要宇宙と対になっており、人物の性格や組織の性質が逆転していたりする。作品終了後に、他の作品でその歴史改変の影響が出ることがある。これは、世界設定を継続させるシリーズならではとも言える。2063年は、バルカン人との初接触を取った歴史上重要な年とされている。劇場版第8作において、ボーグは歴史改変により初接触を妨害しようとするが、ピカード達によって阻止された。コクレーンが未来を知った以外は歴史が元に戻ったかに見えたが、『』第49話「」において、撃墜された一部のボーグは北極に墜落し、そこで活動を停止していたことが明らかとなる。蘇生したボーグには地球の座標をデルタ宇宙域に送信し、2365年に惑星連邦がボーグと初接触する原因となる。作曲による『宇宙大作戦』のテーマ曲は、劇場版の際に他の作曲家が音楽を担当しても、必ずモチーフとして用いられている。最初、製作者はジェリー・ゴールドスミスに依頼するつもりであったが、ゴールドスミスは他の仕事が入っていて受けられなかったという。この曲にはロッデンベリーによって歌詞がつけられたが、歌声がついた版は実現しなかった。楽器演奏のみの曲としては多くの音楽家に演奏され、日本ではメイナード・ファーガソンによる演奏版が『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)の主題曲としても使われた。そのため、パロディ番組やクイズ番組などでもよく使われている。またニュー・サウンズ・イン・ブラス等、吹奏楽への編曲もファーガソン版がベースのものが多い。劇場版の際にはゴールドスミスが音楽を担当することになったが、『宇宙大作戦』のファンファーレやメインモチーフが所々で引用された。カレッジはゴールドスミスと親しく、晩年よくゴールドスミスの映画音楽のオーケストレイターを務めた。企画書を読んだカレッジは、音楽をゴールドスミスに依頼する予定と記述してあったので、このことをゴールドスミスに伝えると、そう言われてみればロッテンベリーから電話で依頼があったと、思い出したそうである。その後も、他の作曲家が音楽を担当しても同様にカレッジの音楽を一部引用しながら新しい曲を作るようになった。劇場版第11作ではマイケル・ジアッキーノが音楽を担当しているが、やはり『宇宙大作戦』のテーマ曲を引用している。なお、テレビの『新スタートレック』のテーマ曲は、ゴールドスミスによる劇場版第1作のテーマ曲をアレンジしたものである。また、ゴールドスミスは『』のテーマ曲も作曲した。公式非公式
出典:wikipedia
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