橿原線(かしはらせん)は、奈良県奈良市の大和西大寺駅から奈良県橿原市の橿原神宮前駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線。奈良盆地の中央を南北に貫き京都・奈良から橿原方面を結んでいる。朝のラッシュ時の急行は本数が少ないためかなり混雑しており、特に近鉄郡山駅以北から、京都・奈良方面や大和西大寺駅経由で大阪方面へ向う通勤客らで混み合うほか、奈良県を南北に縦断する路線であるため、高校生を主とする通学の需要も多い。大和八木駅で大阪線と接続しており、京都や奈良から三重県中部(伊勢志摩地方)へのフィーダー路線の役割も担っている。この路線は近鉄京都線との直通列車が多く、京都を基準にするとその放射路線の一つとなっているが、大阪を基準にすれば近鉄奈良線・大阪線・南大阪線という3つの放射路線と交差する環状路線にあたる。スルッとKANSAI対応カードおよびJスルーカード(自動券売機での乗車券引き換えのみ)や、PiTaPa・ICOCA・Suicaなどの全国相互利用サービスのIC乗車カードが使用できる。2016年3月27日から車掌のタブレット操作による車内自動放送が始まった。全線、大阪統括部の管轄である(旧営業局時代は、橿原神宮前駅構内のみ天王寺営業局、それ以外は上本町営業局が管轄していた)。特急・急行・普通列車が運行されている。京都駅 - 橿原神宮前駅間および京都駅 - 賢島駅間で運転される特急の詳細は「近鉄特急」の項を参照のこと。橿原線では唯一の料金不要の速達種別である。ほとんどが京都線に直通し、終日、京都駅 - 橿原神宮前駅間のほか、朝夕に天理線に直通して京都駅 - 天理駅間にも運転されている。昼間時は橿原神宮前駅発着が1時間あたり2本(約30分間隔、但し20分・40分間隔に近い)で運転される。一部の大和西大寺駅発着の列車には、奈良線大阪難波駅発着の準急・普通との直通列車として運行されるものや、京都線普通との直通列車として運行されるものもある。橿原線内では特急列車を待避せず、全列車が大和西大寺駅 - 天理駅・橿原神宮前駅間で先着する。2003年のダイヤ変更までの一時期、橿原神宮前駅発着の急行は1時間に3本(約20分間隔で京都駅発着が1本、大和西大寺駅発着が2本)あったが、このダイヤ変更で現在の2本に削減され、2本とも京都駅発着となった。これにより、奈良線・京都線に直通する大和西大寺駅発着の列車が大幅に減少した。2007年3月のダイヤ変更からは、土曜・休日ダイヤの昼間時のみ西ノ京駅に停車している。2012年3月のダイヤ変更からは平日の昼間にも西ノ京駅に停車するようになった。また昼間の天理駅発着列車がなくなった。1981年3月までは、大和西大寺駅で方向転換して橿原神宮前から近鉄奈良駅に直通する急行もあった。終日、大和西大寺駅 - 橿原神宮前駅間のほか、天理線に直通して大和西大寺駅 - 天理駅間でも運転されている。昼間時は1時間あたり橿原神宮前駅発着が3本(約20分間隔)、天理線直通が1本の合計4本が設定されている。2010年3月のダイヤ変更から2012年3月のダイヤ変更までは、土休日の昼間の一部の天理線直通列車が天理線内折り返し列車に縮小されており、橿原神宮前駅発着の毎時4本のみという時間帯も生じていた。2012年3月のダイヤ変更までは、時間帯によっては大和西大寺駅から同駅始発の京都行普通列車に系統変更するものも多くあったり、時刻表などの上では線内列車として扱われているが、実際には京都発大和西大寺行きの京都線普通列車がそのまま引き続き橿原神宮前行きまたは天理行きとして運転されるものも多かった。現在では京都線直通も運転されている。過去のダイヤでは近鉄郡山駅発着の普通や変則的な途中折返し運転の大和西大寺駅 - 田原本線西田原本駅間の普通(西田原本折返し普通は田原本線が近鉄の運営となった1964年10月1日に設定)もあったが、いずれも1974年9月20日のダイヤ変更で廃止されている。なお、現在は近鉄郡山駅の渡り線は撤去されている。1972年まで近鉄難波駅(1970年の難波線開業以前は上本町駅)から天理駅まで定期列車として運行されていた。橿原線内は各駅に停車していた。線内の昼間時の1時間毎の運転本数をまとめると以下のようになる。大晦日から元旦にかけての終夜運転は、ここ最近は京都駅から伊勢方面および橿原神宮前駅への特急が両者合わせて30 - 60分間隔で運転されているほか、大和西大寺駅 - 橿原神宮前駅間に普通を20 - 30分間隔で運行する形態となっている。ただし、2009年(平成21年)12月31日から2010年(平成22年)1月1日にかけての終夜運転では普通の本数が例年より減少した。時刻については近鉄の公式ホームページでも掲載される。2010年に、第27回全国都市緑化ならフェアが県営馬見丘陵公園で開催されることを受けて、利用客の便宜を図って、大和西大寺発新王寺行き臨時急行「やまと花ごよみ号」が運転され、同号は奈良市などから会場北側に位置する田原本線池部駅への直通列車として運転するもので、橿原線内は定期急行列車の停車駅、西田原本駅で折り返した後、田原本線内は定期列車の時刻で普通列車として運転した。運転期間は当初10月18日から20日までの3日間のみだったが、11月13日と14日の2日間にも追加運転された。各日往路1本運転し、期間中の田原本線内では「やまと花ごよみ」のヘッドマークを掲出して運転していた。天理教の祭事が行われる時の臨時急行は奈良線に直通する大阪難波駅 - 天理駅間の列車も運行される。さらに平日には、阪神本線神戸三宮駅から阪神なんば線を経由する天理駅直通の臨時列車(阪神線内快速急行、近鉄線内急行)も運行されることがある。奈良線・京都線で使われる車両が橿原線でも使用されている。なお、3220系を除く「シリーズ21」各形式および5800系(L/Cカー)・1026系6両固定編成は阪神電気鉄道への直通対応車であるため、阪神との相互直通運転が開始された2009年3月20日のダイヤ改正以降は橿原線で見られる機会は少なくなった。京都市営地下鉄烏丸線乗り入れ対応の3200系、3220系などの6両固定編成は急行のみに使用される。急行列車は6両編成(朝晩の一部列車は4両)、普通列車は終日4両編成だが、早朝深夜の天理線直通1往復は2両編成であり、これは奈良線系統では唯一の存在である。終点の橿原神宮前駅構内には、標準軌の橿原線と狭軌の南大阪線・吉野線との台車交換施設があり、南大阪線系の車両が大阪線五位堂工場での検査入出場の際には、ここで台車を交換し、電動貨車モト90形(97・98)で牽引して搬送している。ちなみに、モト90は大阪線の所属である。橿原線は大阪線・奈良線と組み合わせると布施駅 - 大和西大寺駅 - 大和八木駅 - 布施駅が「環状経路」となっているため、運賃計算上の特例が存在する。大阪電気軌道(大軌)が最初に建設した現在の奈良線に次ぐ路線として、畝傍線(うねびせん)の名で西大寺駅 - 橿原神宮前駅間が1923年までに全通した。同線への免許が交付されるに当たり、天理軽便鉄道(現在の近鉄天理線)と大和鉄道(現在の近鉄田原本線)を買収することが条件付けられたが、前者は1921年に合併したものの、後者については諸事情があって遅れ、傘下に置いたのは1924年ごろ、自社線にしたのは大和鉄道が信貴生駒電鉄に合併されて、大阪電気軌道が近畿日本鉄道となった後の1964年であった。当初は大阪から橿原方面へ向かうルートとしての役割も担っていたが、短絡ルートとなる八木線(後に桜井線を経て現在の大阪線となる)が1925年に開業したことで、上本町 - 八木間におけるその地位は譲った。しかし、1928年には奈良電気鉄道(1963年に買収されて近鉄京都線となる)が開業し、今度は京都から橿原・吉野・伊勢方面への連絡ルートとしての使命も果たすようになった。なお奈良電気鉄道は、開業当初から奈良線・畝傍線と直通運転を行っていた。その後橿原神宮の神域拡張のため、1939年に八木西口駅 - 橿原神宮駅(現在の橿原神宮前駅)間を東側の現在の位置に移設している。この時、線名も現在の橿原線となった。なお1966年に京都駅から伊勢方面へ向かう「京伊特急」が新設された際、当初は連絡線の配置の都合から大和八木駅を2回通り、八木西口駅と大和八木駅の構内で2度スイッチバックする形態の運行をしていたが、1967年には新ノ口駅から直接大阪線の大和八木駅へ入れる新しい短絡線を完成させ、入れ換えの煩わしさを解消させている。橿原線は、架線電圧の1500Vへの昇圧後も建築限界(車両限界)が、標準軌の他路線よりも狭隘なまま残り、車両の製造・運用面での制約となっていた(京都線で奈良線用大型通勤車の運用が始まった後も、橿原線直通の運用には800系・820系の使用を余儀なくされた。また特急専用車両でも、当路線での使用を前提とした18000系・18200系・18400系は、幅の狭い車体を採用している)。1973年9月に限界の拡大工事が完了し、制約が解消された。全駅奈良県に所在。2015年11月10日調査。
出典:wikipedia
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