『鳥人戦隊ジェットマン』(ちょうじんせんたいジェットマン)は、1991年(平成3年)2月15日から1992年(平成4年)2月14日までテレビ朝日系列で毎週金曜17:30 - 17:55(JST)に全51話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。侵略者バイラムと戦うための戦士「ジェットマン」となった5人の、戦いの日々や恋愛模様を描いている。視聴率不振だった前作の『地球戦隊ファイブマン』での反省を踏まえ、マンネリ打破、さらには若手中心のキャスティングを取り入れ、3号ロボ登場等の新機軸を取り入れるなど、シリーズ打ち切りの窮地に立たされていたスーパー戦隊シリーズ自体が更なる転機を迎えた作品。東映公式では、本作品を『百獣戦隊ガオレンジャー』以前のシリーズのエポックメイキング的な作品としている。タイトルは決定までに度重なる変更がなされており、オーディション当時の仮題はもっとストレートな『超人戦隊バードマン』とされていたことが、ブラックコンドル / 結城凱を演じた若松俊秀の回想の中で語られている。またメイン監督の雨宮慶太は、放映開始前のニュータイプ誌上で「現在、戦隊シリーズ新作『ジャンプマン(仮題)』の準備をしている」と語っている。前作『地球戦隊ファイブマン』では、後半こそ持ち直したものの一時は著しい視聴率不振に陥り、シリーズそのものの存続が危惧されていた。東映プロデューサーの鈴木武幸は、当時の戦隊スタッフの一部がダレきった状態で撮影していると感じ、スポンサーに「売り上げは下げさせない」と約束した上で、大胆な革新を試みた。あえてテレビ撮影経験のない監督を起用することを望んだ鈴木は、周囲からの疑問の声に対し「映画を撮っているから大丈夫」と押し切って雨宮慶太を抜擢。事前に戦隊シリーズの雰囲気に影響を受けないよう、下準備に該当する撮影を省いて直接現場に投入した。同じくスーパー戦隊シリーズではメインライター初登板となった井上敏樹は、自身や雨宮などの若手が選ばれたのは最後になるかもしれないという自棄からだったのではないかと推測している。テレビ朝日プロデューサーの梶淳は、「戦隊は永遠に続くとは限らない」という危機感を持った人間が集まっていたと述べている。以上に見られるような多数のチャレンジは多くの反響を呼んだ。梶によると、同業者からは驚きとともに心配する声も届いたが、当時はギリギリ批判が来なかったという。業界外からは、制作側に同人誌を送付するなど、子供以外の視聴者からの反応もあった。特に母親層の間では結城凱 / ブラックコンドルの人気が高く、「凱が死ぬのではないか」と予想したファンからの助命嘆願の手紙が多く届いた。凱の死は企画当初から決められていたものだったが、こうした反響に一時はスタッフも彼の生存を検討したという。結局、本編では凱の生死は明確に描写されなかった。西暦199X年、地球は衛星軌道上に24時間体制で世界中を監視する「アース・シップ」を有す世界規模の防衛組織・地球防衛軍スカイフォースによって平和が守られていた。そのスカイフォースでは、ある鉱石より人間の身体能力を強化することのできる"バードニックウェーブ"が開発され、それを元に人間の力では対応できないような脅威にも対抗できる超人戦士を作り出そうという「Jプロジェクト」が極秘に進行していた。プロジェクト責任者の小田切綾は、犯罪や災害が起こると派遣される地上の隊員「スカイフォーサー」の中から5名の優秀な人物を選抜。天堂竜は最初の被験者としてアース・シップでバードニックウェーブを浴び、強化人間「ジェットマン」第一号レッドホークへの変身能力を身に着けた。しかしその直後、さまざまな次元の世界を侵略してきた次元戦団バイラムの襲撃により、アース・シップは壊滅的な被害を受けてしまう。多くの犠牲者が出る最中、竜の恋人だった藍リエが宇宙空間に消え、竜は小田切と共にジェットマシン・ジェットホークで脱出する。リエを含む残りの被験者が浴びる予定だった4人分のバードニックウェーブは4条の稲妻となって地球へ飛散。小田切と竜は、バードニックウェーブを浴びてしまった4名を捜し出し、「鳥人戦隊ジェットマン」としてバイラムに立ち向かわせようとしたが、その4人はいずれも一筋縄ではいかない曲者揃い。彼らは戦いの中で時には反目し、時には恋心を抱きながら、バイラムとの戦いに互いの青春を燃やしていく。バードニックウェーブを浴びて超人的な能力を身に着けた5人の戦士。当初は次世代の防衛を担うスカイフォースの特殊部隊として編成されたが、バイラムの襲撃を受け竜以外の隊員は全滅。そのため実質構成はスカイフォース隊員の天堂竜と、偶然バードニックウェーブを浴びた一般人による混成部隊として活動する。また初回以降、一部の話数を除き組織についての描写がほとんど見られず、竜を「元スカイフォーサー」と記述している資料も存在する。名乗り順はレッドホーク→ブラックコンドル→イエローオウル→ホワイトスワン→ブルースワローだが、OPクレジットやDVDのジャケットではチーム加入順で描かれている(レッドホーク→ホワイトスワン→イエローオウル→ブルースワロー→ブラックコンドル)。本項では回数の多さから、OP順に沿って記述する。第40・41話に登場する第2の鳥人戦隊。メンバーは、J1 - 5と呼ばれており、J1をリーダーとする正規の訓練を受けたサイボーグ戦士によって構成されている。隕石べムによって変身能力を失ったジェットマンの前に、スカイフォースの幹部・一条総司令と共に現れた。ジェットマンがバードニックウェーブを力の源にしているのに対し、ネオジェットマンは体内に埋め込まれたバードニック反応炉を力の源にしていることからエネルギー切れの心配がない。強化スーツはアイテムを使わないもので、黒のアンダースーツの上から軽装のアーマー、鳥をあしらったヘルメットを着用。標準装備は光線銃のネオシューターと手榴弾のネオマイン。個人武器として、J1は剣のネオソード、J2は鎖鎌のネオスティンガー、J4はブーメランのネオスライサーを持つ。個人武器を持っていないJ3とJ5は、前者は徒手空拳、後者はネオシューターを主体としている。必殺武器は左右二門のバズーカ砲のフレアーバスター。当初は一条を絶対視して、彼同様に竜たちを見下していた。初陣では隕石べムを退けるが、ジェットイカロスを操縦しての巨大戦において、戦闘経験不足が露わになって敗退。ジェットマンの操縦するジェットガルーダと小田切が発進させたテトラボーイに助けられる。巨大戦で変身能力を失ったジェットマンに対し、J1以外のメンバーと一条は助けられた恩も忘れ、スカイキャンプから追放。正式に自分たちが取って代わろうとするが、スカイキャンプに侵入した隕石ベムの圧倒的な力と一条の身勝手な行動で危機に追いやられるが、戻ってきたジェットマンに助けられる。変身能力を失ってもなお戦おうとする竜たちこそ真のジェットマンであると考えを改め、反応炉の全エネルギーを譲渡し、変身能力を復活させた。裏次元を滅亡させた後、表次元に相当する地球を掌中に治めんと次元を超えて攻めてきた次元戦団。地球人を愚かな者たちと侮蔑し、巨大魔城バイロックを拠点に、地球征服の計画を企てる。裏次元での戦闘中に女帝ジューザが行方を晦ましたため、首領の座は空位であり、地球を真っ先に征服した者が首領になるというルールの下、半ばゲーム感覚で侵略は開始された。しかし、前述の通り基本的に協力関係ではなく、4人の幹部がそれぞれプライドの高い性格のため、足の引っ張り合い(特にラディゲ)が激しく、時には1人の失敗を大勢で嘲笑うこともあり、それが原因でジェットマンを倒す絶好の機会を逃すこともしばしばあった。後期ではラディゲとトランザの露骨な妨害合戦に加え、ラディゲ・マリア・グレイのもつれた感情により、次第に組織は崩壊していく。変身前のジェットマンのことを変身後の名で呼んでいる。強敵だったにもかかわらず仲違いばかりしていたジェットマンが何とか勝てたのは、このバイラムの組織としてのヒエラルキーと結束力の無さがあったせいである。キャラクターデザインは左右非対称が意識され、幹部は白と黒のモノトーンでまとめられている。第23・24話に登場。バイラムに滅ぼされた裏次元ディメンシアの最後の戦士たち。3人でバードガルーダに乗って裏次元からやって来た。地球人よりも生命力が低いが、鳥人への変身能力を持っている。第29話に登場する、バイラムに滅ぼされた裏次元ベルセルクのただ2人の生き残り。手にした物体を武器に変化させる能力を持つ。その能力を捨てた時に、1人の人の命を救うことができる。第30 - 32話に登場。太古の昔より人間の天敵として生き続けてきた3体の怪物で、悪魔的な外見をしている。人類を助ける行動に出るが、それは人類が食糧であるためであり、最終的には捕食してしまう。永い眠りについていたが初めにムーが尖兵として復活し、その後ラモン達もラディゲの血を与えられたことで復活。ラディゲはラモンとゴーグを従わせようとしたが、バイラムは食糧である人間の敵であるため、拒絶されている。装備は全てメンバー共通であり、個人別の専用武器はない。名称には鳥の縁語が用いられているものが多い(「バード」「ウィング」「ビーク」など)。手持ち武器は変身前でも使用可能。ジェットマン各戦士の特性が反映された5機の特殊戦闘機で鳥の頭部を持つ。外装はバードナイト特殊鋼性。動力として第10番惑星を構成する反物質を利用した対消滅エンジンを搭載している。各ジェットマシンにはローマ数字で「I」から「V」までの数字がナンバリングされており、ジェットマシンには変身しなくても搭乗することが可能。生身でジェットマシンに搭乗する際、ジェットマンはフライトスーツとヘルメットを着用する。メイン監督には前作まで4年連続担当の長石多可男に代わり、キャラクターデザイナーでもある映画監督・雨宮慶太を起用。また矢島信男に代わり、『ファイブマン』から特撮監督に就いた佛田洋や、当時チーフ助監督として参加し、本作品の終盤にて非公式ながら監督を代行した渡辺勝也などと合わせ世代交代が図られた。第30話からは後に平成仮面ライダーシリーズを多く手掛けることとなる白倉伸一郎プロデューサーがプロデューサー補として参加。世代交代は脚本面にもおよんでおり、メインライターは前作まで9年連続担当の曽田博久に代わり、若手の実力派として台頭してきた井上敏樹が起用されている。井上をメインライターに起用するにあたって、当初テレビ朝日側のプロデューサーから「態度のでかさ」を理由に反対意見が出ており、これを心配した鈴木プロデューサーが「酒を飲んで話せば彼も悪い人間じゃない」と「井上君を囲む会」を開いたという逸話が残されている。この他荒川稔久や荒木憲一をはじめとするサブライター陣にも、当時若手の脚本家が多数起用された。このように若手スタッフの起用が目立つ一方で、これまでシリーズに携わってきたスタッフも一部は前作より続投しており、監督の東條昭平、蓑輪雅夫、脚本(サブライター)の藤井邦夫、撮影技師のいのくままさおなどは引き続き本作品を支えることとなった。さらにこれまで長くシリーズを離れていた金田治がパイロット作品にアクションコーディネーターとして携わった他、野口竜もキャラクターデザイナーとして10年ぶりに復帰し次元獣をはじめとする個性豊かな敵デザインを手掛けるなど、バラエティに富んだスタッフ編成となっている。劇中音楽は外山和彦 (KAZZ TOYAMA) が担当。後に第28話に理髪師役で本編へのゲスト出演も果たしている。『超電子バイオマン』以降、主題歌作曲には歌謡曲畑の作曲家が起用されていたが、本作品ではおもにアニメ・子ども向け番組で活躍していたシンガーソングライターのつのごうじを起用。特にオープニングテーマでは王道ヒーローソングへの回帰を見せることとなった。主題歌を歌う影山は、『電撃戦隊チェンジマン』(KAGE名義)、『光戦隊マスクマン』に次いでシリーズ3度目の主題歌歌唱。なお、この他本作品では挿入歌を4曲担当している。1991年12月27日と1992年1月3日は休止。
出典:wikipedia
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