田原本線(たわらもとせん)は、奈良県北葛城郡王寺町の新王寺駅から奈良県磯城郡田原本町の西田原本駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線。奈良盆地の中央部にある田原本町と関西本線(大和路線)を結ぶ。近年は沿線の宅地開発が進み、大阪方面への通勤・通学路線となっている。全線が郡部(磯城郡、北葛城郡)を通り、まったく市を通らない。なお、正式な起点は新王寺駅だが、列車運行上は西田原本駅から新王寺駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。敷設の歴史的経緯から、近鉄では唯一、他の路線から孤立した路線である。新王寺駅で生駒線王寺駅と、西田原本駅で橿原線田原本駅と近接しており、いずれも徒歩連絡で乗り継ぎできる。なお、西田原本駅の北側に橿原線との連絡線があるため線路自体は他の路線ともつながっており、そこから車両の出し入れを行っている。2011年10月1日、少子高齢化による乗降客の減少に伴い、西田原本駅と新王寺駅をのぞく田原本線の合計6駅が終日無人駅となった。大和鉄道の手により開業したことから、現在でもこの地域に昔から住んでいた高齢者には、この路線のことを大鉄(やまてつ)と呼ぶ人もいる。全線、大阪統括部(旧上本町営業局)の管轄である。西田原本駅を出てすぐに橿原線との連絡線が右へ分岐し、わずかに橿原線と併走するも左にカーブし、住宅地を抜けて直進する。田畑が広がる中で国道24号および京奈和自動車道をくぐり、左にカーブをすると黒田駅、そのまま直進して但馬駅で、曽我川を渡って箸尾駅に到着する。箸尾駅を出ると北寄りに進路を変えて、河合町の中心部に位置する池部駅を通過し、西大和ニュータウンの西側から北側を回り込むように走り始め、佐味田川駅を過ぎると西名阪自動車道をくぐる。西大和ニュータウンの北側に位置する大輪田駅を過ぎると団地と雑木林の中を走り、これを抜けると右にカーブして正面に信貴山とその麓に広がる住宅地が見てくる。築堤を走行し始めて次第に左手から和歌山線が合流してくると、速度を落とし、関西本線(大和路線)を越えて左にカーブをする。国道25号をくぐると、新王寺駅に到着する。他の路線と孤立しているが、新王寺駅または西田原本駅で徒歩連絡する場合は、乗車キロを通算して運賃を計算できる。田原本線を経由(通過)して、生駒線方面と橿原線方面の間を乗車するときも同様である。乗り継ぎは当日中であればよく、時間制限は特にない。新王寺駅と西田原本駅には自動改札機が設置されており、普通乗車券での乗り継ぎにも対応している。スルッとKANSAI対応カードは、新王寺駅と西田原本駅では、自動券売機で乗車券に引き換えて利用できるが、直接自動改札機に投入して使用することはできない。中間駅(大輪田駅 - 黒田駅)では、自動改札機が設置されておらず、自動券売機も対応していなので、利用できない。他線各駅から王寺駅または田原本駅までスルッとKANSAI対応カードで乗車してきたときは、自動精算機で目的駅までの磁気券に引き換えた上で出場し、新王寺駅または西田原本駅に入場して乗り継ぐ必要がある。スルッとKANSAI 3dayチケットは全線で利用できない。2007年4月1日からICカード「PiTaPa」「ICOCA」が全駅で利用できるようになった。また2013年3月23日より「Suica」などの全国相互利用乗車カードも利用可能である。中間駅には、ICカード専用の簡易改札機が設置されている。乗り継ぎ駅の自動改札機にタッチして出場・入場すれば、自動的に通算した運賃が計算される。ただし、けいはんな線(新石切以西または白庭台以東)への乗り継ぎ利用に制約があり、次の経路で乗車すると、生駒駅の奈良線・生駒線⇔けいはんな線の中間改札を通れない。全列車が西田原本駅 - 新王寺駅間の通し運転の普通である。2011年3月16日変更ダイヤでは平日ダイヤ・土休日ダイヤともに1日63往復運転されている。大型車が入れない要因となっていた一部区間の曲線の緩和を完了した直後の1990年7月1日より大型車の導入を開始した。大型車導入当時は800系や820系を置き換える形で8000系の3両編成が運用されていた。1992年3月に全列車でワンマン運転を開始し、これにより800系・820系・8000系は撤退し、以後はワンマン運転対応の8400系の3両編成が使用されている。途中の駅はすべて無人駅であるが、ホーム側のすべてのドアが開く。1時間あたり朝・夕は4本(4編成使用)、昼間時は3本(3編成使用)の設定となっている。途中の交換可能駅は箸尾駅・大輪田駅のみであり、ほぼ終日にわたって両駅で列車交換が行われる「ネットダイヤ」を形成しているため、全区間の所要時間は朝・夕よりも昼間時のほうが列車によって数分長くなっている。ワンマン化される前には、新王寺駅 - 大輪田駅間の区間運転列車が設定されていた。これは鋼索線をのぞく近鉄の営業列車としては最短距離 (1.9km) であった。なお、大晦日から元旦にかけての終夜運転は、田原本線では1997年12月31日から1998年1月1日にかけて実施されたのを最後にそれ以降は実施されていない。両端駅が独立しているため、線内運転のみであったが、沿線の馬見丘陵公園で「全国都市緑化ならフェア」が開催されるのに合わせ、2010年(平成22年)9月18日から20日にかけてと11月13日・14日に、大和西大寺発西田原本経由新王寺行臨時急行「やまと花ごよみ号」(各日1本)が設定された。この急行は橿原線との連絡線を経由して運行され、途中西ノ京駅、近鉄郡山駅、平端駅と西田原本駅から新王寺駅までの各駅に停車した。この列車は2011年10月1日にも馬見丘陵公園フリーハイキング実施に合わせ運行された。また、2014年10月5日には生駒線・田原本線近鉄合併50周年を記念して生駒発新王寺行臨時急行が運転された。大和鉄道により軌間1067mmの蒸気鉄道として開業した。同社は桜井駅まで一時路線を延伸し、名張方面への延伸も画策していたが、近鉄の前身の大阪電気軌道(大軌)が畝傍線(後の橿原線)や大阪線を建設したことで、競合する形により収入が減少し、大軌の傘下に入った。戦時中、不要不急線として近鉄の路線と競合する田原本(後の西田原本) - 桜井間を休止(後に廃止)し、戦後には近鉄の他社線と規格を揃えるため、電化と1435mm(標準軌)への改軌を実施している。大和鉄道は1961年、後の近鉄生駒線を当時経営していた信貴生駒電鉄へ合併されるが、その3年後には同社も近鉄へ統合されたため、近鉄の田原本線となった。
出典:wikipedia
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