MOTIF(モチーフ)とはヤマハのシンセサイザーの商品名である。初代機は2001年8月に発売されたプロ用シンセサイザーである。従来、線が細いと言われてきたヤマハのPCMシンセサイザーだったが、MOTIFでは16ビット換算84MBのWAVE ROMを搭載し、分厚い音が出せるようになった。その後モデルチェンジを繰り返し、2014年現在もシリーズ展開がなされている。「ヤマハシンセ 40th Anniversary」の特設サイトによると、マーケットの意見を取り入れ、「音が良いこと」・「簡単に音楽制作ができること」・「コンピューターインテグレーション」をキーワードにして、製作されたという。その結果、ヤマハ公式サイトによると、1990年代に発売されたミュージックワークステーションであるSYシリーズ・EXシリーズより多くのユーザーから支持され、レコーディングスタジオ・ツアー用のレンタル機材などの分野では、1980年代に爆発的な人気を得たDX7に優るとも劣らない普及率を獲得しているという。ミュージックワークステーションの分野でSYシリーズ・EXシリーズの後継機種であるだけでなく、MIDIとサンプルを統合し、オーディオループのビートを自動的に検出して波形を分割し、それぞれに自然なリリースを付加することでテンポを変更してもサウンドに違和感を出さないインテリジェントなタイムストレッチを可能にした「Integrated SamplingSequencer(ISS)」はじめとする数々の機能が、RS7000・RM1x・SU200等同社のサンプリングユニットとグルーブギアから移植されており、それらの後継機種も兼ねている。また、小室哲哉カスタマイズモデルも発売されており、1980年代から1990年代に発売され、小室哲哉をイメージキャラクターとして採用したEOSシリーズの後継機種としても位置づけられる。その後、2003年1月にはその音源モジュール版のMOTIF-RACK、同年8月にヤマハ、デジタルシンセサイザー発売20周年記念モデルとしてMOTIF ES、2004年12月にはそのESのモジュール版、MOTIF-RACK ESが発売された。2005年にはMOTIF ESの廉価版としてMO6 / MO8が発売され、初心者にも垣根を広げている。2007年にはフラッグシップモデルとしてMOTIF XS、初心者用にMM6、2008年6月にはXSのモジュール版、MOTIF-RACK XSが発売された。2010年9月にはMOTIF XFが発売された。2014年7月にはMOTIF XF WHが発売された。2016年4月にMONTAGEシリーズが発売され、MOTIF XFは生産を終了した。2001年に発売されたMOTIFシリーズの初代機。開発コードネームは「KANGAROO」。独特の音を出せるハイブリッドシンセシスを搭載したEX5の後継機として発売された。EX5に搭載されていたVL音源やAN音源は搭載されておらず、プラグインボードで拡張する形式がとられた。PCM音源だけでは表現できない音色素材があり、またPCM音源でも本体メモリーに限界があって、もっと多彩で新しい音色素材をミュージシャンに提供するため、この形式が取られた。担当プロデューサー武田文光によると、先行するCS6x/S80の流れをくみ、それらをベースに演奏だけでなく制作にも使える音を補強するという自然な流れで開発されたという。またシーケンサーも拡張されており、最大記憶音数もEX5の30,000音から110,000音にアップしている。テンポを変えてもサンプルがMIDIと同期するIntegrated Sampling Sequencerと呼ばれる機能を持った優秀なシーケンサーを搭載しているが、テンキーがないため、QYシリーズに比べて使いづらい。また、作成したMIDIデータを1曲ずつセーブする方法は、スタンダードMIDIファイルでないとできず、MOTIF独自形式のフォーマットでは内蔵シーケンサーにあるすべての曲データを一括してセーブする形式が取られている(ロードは1曲ずつ可能)。3機種とも音源部の仕様は全て同じで、MOTIF6がFS鍵盤61鍵、MOTIF7がFS鍵盤76鍵、MOTIF8がバランスドハンマー鍵盤88鍵という風に鍵盤数、キータッチのみが違いとなっている。MOTIF6、7、8のラック音源版。1Uラックマウントサイズ。市場調査の結果、10万円前後の音源モジュールの売り上げが高いということから、実勢価格を抑えるため、そしてPCのソフトサンプラーに対抗するため、シーケンサー・サンプラーを省き、1Uラックサイズを採用したという。そのためか、前機種ともいえるCS6RにはあったYAMAHAが推奨する次世代MIDI規格のmLANスロットは省略されている。MOTIF6、7、8と波形メモリの容量は変わらないが、音色の数や、エフェクト数、最大同時発音数が強化されている。MOTIF6、7、8よりも高品位なリバーブを搭載している。MOTIF6、7、8では1パートのみだった、インサーション・エフェクトを最大4パート同時利用可能。実売価格で10万円を切ったため、プロからだけでなく、アマチュアやDTM製作者からも支持を受けた。PCからのエディットが前提とされている部分もあり、マルチモードの場合、複数のボタンを押してパートの選択やそのエディットを行うため、MUシリーズより使い勝手が悪いという意見もある。MOTIF6、7、8のリニューアル版であり、ヤマハのデジタルシンセサイザー発売20周年の記念モデル。最大同時発音数を128、メモリー容量を二倍以上の175MB、エフェクトを最大8パートまで掛けられる等、MOTIF6、7、8より大幅に機能が強化された。その他カラーリングやノブ・フェーダーのデザインが変更されたが、基本的な操作については変更はない。ちなみにシリーズ名の"ES"とはExpanded Systemの略である。またExcellent Soundの意味もかけている。本体にRAMを増設すると、付属のCD-ROMに入っているMOTIF6、7、8、そしてS90の波形、音色を取り込むことが可能である。キーボードメガボイスというさまざまな奏法の音色をキーナンバーとベロシティ方向にもアサインした音色を用意し、アルペジェーターと組み合わせると生楽器のニュアンスを再現できるようにしている。なお、筐体の色は「フェラーリレッド」も構想に上がっていたが、幻となった。MOTIF ESの音源モジュール版。1Uラックマウントサイズ。MOTIF-RACK同様、シーケンサー・サンプラーは割愛している。MOTIF ESをベースに初心者用としてダウンサイジングされたモデル。シーケンサーを内蔵したワークステーションタイプだが、サンプラー、プラグインボードスロットは省略されている。MO6の重量は10.4kgであり、持ち運びも考慮されている。MO6の学校向けとしてプリセット音色のうち128音色を学校向けに差し替えたモデル(2007年8月発売)。単体の型番はMO6S。ただし単品販売はされず、外部スピーカー・専用スタンドとセットで販売されていた。パネル表記は日本語となっている。355MBのウェーブROM(1,024(プリセット)+384(ユーザー)のノーマルボイスと64(プリセット)+32(ユーザー)ドラム)を装備し、ビンテージサウンドをシミュレートするVCMエフェクトを新たに採用している。6000以上のパターンを持ち、パフォーマンスモードでは4機を同時使用可能なアルペジェーター、PCとLAN接続可能なイーサネットポート、320×240 5.7インチカラー液晶ディスプレイなど多数の新機能を装備したモデル。その代わり従来あった、プラグインボードスロットは操作や設定が煩雑であるということ、波形の大容量化、元の楽器が持っている特性を表現できるXA機能が追加したことを理由として、廃止されており、PCM音源のみとなっている。鍵盤数は従来のモデルと同様、61,76,88と用意されている。61,76鍵盤モデルは従来のFS鍵盤から、さらに改良が施されたFSX鍵盤に切り替わった。2007年3月発売。「Extensions for Steinberg DAW」をインストールすれば、本体のソングデータをUSB経由でCubaseシリーズに読み込むことができる。MOTIF XSの音源モジュール版。1Uラックマウントサイズ。MOTIF-RACKやMOTIF-RACK ES同様、シーケンサー・サンプラーは割愛している。MOTIFシリーズから移植した70MBのウェーブROMを装備。8トラック+8パターンのシーケンサー、213タイプのアルペジェーターを内蔵。幅広いジャンルのパターンがプリセットで168入っている。MOTIFの初心者などに向けた廉価版モデルになり、MM6は6万円前後の価格帯でのワークステーションとなる。2007年1月発売(MM8は2008年8月)。741MBのウェーブROMを装備。外見構造は前モデルのMOTIF XSとほぼ変わらないが、それまでのMOTIFシリーズと異なり、筐体の色がブラックを基調としたものとなった。ヤマハによると今までのノウハウを集約した「MOTIFシリーズの集大成とも言うべきモデル」。オプションのフラッシュメモリーエクスパンションモジュール「FL512M/FL1024M」によって、最大2GBのコンテンツ拡張することができる。最大記録音数は約130,000音と、他社のフラッグシップ機と比べるとシーケンサーの容量は控えめである。それは、この機種に付属されているCubaseなどのDAWソフトとの連携で運用することが考慮されているためである。MOTIF XSより音の出力部のアナログ回路をブラッシュアップし、音のスピード感や音圧を増すようにしている。また、クラビネット等キーボーディスト用の手弾き系音色を強化している。ヤマハ シンセサイザー発売40周年を記念したモデル。前述のMOTIF XFの筐体の色を白色に改めている。機能は前述のMOTIF XFと同一。MONTAGEの登場により、事実上MOTIFシリーズのラストモデルとなった。YAMAHAシンセサイザー40周年記念(40th Anniversary)モデルとして企画された経緯により、発売当初はYAMAHAの歴代シンセの波形を収めた512MBフラッシュメモリがキャンペーンとして提供された。完全受注生産。avexが企画して販売するMOTIF XF6 WHの小室哲哉カスタマイズモデル。サイドのオリジナルカラーレッドに加え、サイン入りプレート付でカバーにはTM NETWORKのツアータイトル「QUIT30」が施され、1台1台に小室本人がサインを書いている。TM NETWORK楽曲の音色が再現され、このモデルのためだけに作られたサンプル音源も装備している。mu-moショップまたはTM NETWORKのコンサートツアー会場で申し込むことができた(販売完了)。MO6 / MO8 の後継として、MOTIF XSをベースに軽量化と低価格化がされたモデル。MOX6の重量は7.0kg、MOX8の重量は14.8kgであり前モデル比で約30%の軽量化を実現している。2011年5月16日発売。MOTIFシリーズ直系の音色を搭載し、打ち込み機能をオミットした上で運搬面やDAWとの連携を重視して設計されたモデル。49鍵モデルのMX49は重量が3.8kg、61鍵モデルのMX61は4.8kgであり、エレキギター並の軽量化を実現している。2012年11月29日発売。デザインを任意に変更できるMXカスタマイズパネルも別途リリースされた。MOX6 / MOX8 の後継として、MOTIF XFをベースに軽量化・低価格化・一部機能の追加がされたモデル。MOXF6、MOXF8の重量はそれぞれ7.1kg、14.9kgと前モデルとさほど変わらない。にもかかわらず、インサーションエフェクトが前モデルよりずっと多くのパートにかけられる、最大同時発音数が倍になるなど、かなりの機能改善がある。心臓部となる音源、エフェクター部に関しMOシリーズ及びMOXシリーズがそれぞれベースとなったMOTIF ES、MOTIF XSに比べ同時発音数やインサーションエフェクト基数が半分以下にされ、かなり差別化されていたのに対しMOXFシリーズは特に差別化されることもなくベースとなったMOTIF XFと同じスペックが与えられている。またシーケンサーのステップ入力機能も搭載されており(MOTIF XFには未搭載)キーボードの演奏が不得手なユーザーにも配慮されている。なおMOTIF XF用に発売されたフラッシュROMモジュール(FL512M/FL1024M)も搭載することが可能だが、出来るのはヤマハ及びサードパーティ各社から提供されるMOXF/MOTIF XF用のコンテンツを取り込むことのみでMOTIF XFで可能だったユーザーによるサンプリング(サンプラーとしての使用)は一切出来ない。2013年11月20日発売。
出典:wikipedia
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