『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』(バスタード!! -あんこくのはかいしん-)は、萩原一至による日本の漫画作品。ダーク・ファンタジー寄りのファンタジー漫画作品である。主人公であるダーク・シュナイダーが世界の命運を担い、戦士や魔物、強大な力を持つ「邪神」、天使や悪魔らと戦うバトルストーリー。物語当初は、魔法使いであるダーク・シュナイダーと大神官の娘ティア・ノート・ヨーコを中心とした、剣と魔法の存在する世界でのヒロイック・ファンタジーとしての要素が色濃かった。しかしストーリーの展開とともにSF的な要素(サイエンス・ファンタジーの描写)も顕著となり、当初からのバトル路線は継続されているものの、天使や悪魔の出現から黙示録を絡ませた壮大な物語として繰り広げられている。登場する呪文・人物・国、サブタイトルなどの名称の多くがハードロック・ヘヴィメタルのバンド名・メンバーの人物、アルバムジャケットやタイトルをモチーフとしている。またオマージュの根幹であるファンタジーRPG(テーブルトーク/コンピューターゲーム)の他にも、漫画やアニメ、特撮、コンピューターゲームなどの作品のパロディが随所に見られ、ギャグ描写も多い。なお、性描写について過激なシーンも多く、『週刊少年ジャンプ』連載時は、少年誌としては類を見ないほどであった。1987年、当時としてはまだ珍しかったファンタジーRPGの世界観の漫画として、本作の序話である読切版『WIZARD!!〜爆炎の征服者〜』が『週刊少年ジャンプ』に掲載され(コミックスには第1話として収録)、翌1988年同誌で連載が開始される。『週刊少年ジャンプ』での連載が1989年に中断して以降、『週刊少年ジャンプ増刊』、再び『週刊少年ジャンプ』、『ウルトラジャンプ』(いずれも集英社)と掲載誌を移っており、長期にわたって連載されている。2014年現在、『ウルトラジャンプ』にて不定期連載中。※(萩原一至の記事も参照)400年前に人類が作り出した究極の自律思考型生体器動兵器、「破壊神アンスラサクス」によって大破壊が引き起こされたため文明は1度滅亡している。この時、科学文明が完全に失われ地形すらも変化し、生態系も大きく変化してしまう。この事件で人類は数十億人が死亡したといわれている。アンスラサクスはその後突如現れた「竜戦士」によって倒され、地中深くに封印された。 科学文明が崩壊した現在は中世ヨーロッパ並の文化水準になっており、本作はヨーコの生まれ故郷メタ=リカーナ王国が存在する「中央大陸メタリオン」を主な舞台として繰り広げられる。モンスターが徘徊するようになった世界で生きるために人類は新たに魔法を使えるようになったが、使えるのはごく一部の者のみである。本作の主人公D・Sはその中でも最強に位置する「魔法使い」にあたる。大破壊によって途絶えた「科学」技術は旧世界の魔法と呼ばれ、一部が伝わっているが実用範囲内ではない。かわりにエルフの手によって製作されたマジックアイテムが存在するなど新たな文化もある。また、刀剣によっては優れた鍛冶師であるドワーフや、人間の名匠が鍛えたものも存在している。町の外はいたる所にモンスターが徘徊する危険地帯となっており、オークやホブゴブリン、ゾンビなどのモンスターが生息し、中にはミノタウロスやワイバーンなどが強力な戦士や魔法使いに飼いならされていたり、D・Sが「魔操兵大戦」で使用したゴーレムのような人造の存在、個体数が少ないが神に立ち向かえるほどの力を持ったドラゴンや古巨人族(エンシェントジャイアント)も実在する。これらの多くは普通の人間が太刀打ちできる存在ではなく常に人々が脅かされる世界になっている。君主統治体制の各国家は騎士や侍、魔法使いの軍を有するが、無力な平民はそれら国家の戦争や圧政の災厄にもさらされている。※本作では「背徳の掟編」以降、度々登場人物の「レベル」が表示されている。これはロールプレイングゲームで一般に用いられているものと同義であり、能力の数値表現を表している。作者によれば、『ウィザードリィ』と近しい設定となっており、肉体年齢が若ければ若いほど、全盛期であればあるほどレベルは上昇しやすくなり、能力の向上も著しいことになる。長寿であるドワーフやエルフに、レベル1000前後の人物がいるのはそのため。人類の大半が通常は99が上限となっているが、魔戦将軍、大神官、賢者、侍、忍者のマスタークラスなど一部の特殊クラスにおいてはレベル150~200が上限となっている。なお、人類の有史以前から存在する天使や悪魔に至っては、レベルが数万から数十万にまで到達する個体も存在する。魔法とは、複雑な魔法陣を描いたり、呪文を唱えることで、一般に魔力と呼ばれている霊子力エネルギーをコントロールする技術である。生命力や精神力を源にする「魔術」、神への信仰を源にし、護りや治癒の力を発揮する「白魔術」、悪魔などとの契約により行使する「暗黒魔術」、地・水・火・風の四つの元素界に属する精霊と契約することで使うことができる「精霊魔術」が主流になっている。この他に古の神々との契約で使用可能になる現在主流ではない魔法の総称として古代語魔術(ハイエンシェント)が存在する。また天使の行使する「神霊力」、悪魔が行う「魔法」は、魔力のコントロールなどの際に行う行程や発生する課程が一切省かれた「結果のみが顕現した力」であり、人間の用いる魔法とは一線を画する上位能力である。上位の天使や上位悪魔神族に至っては通常活動を行う際に、副次的に人類が魔法と呼ぶ事象を無意識に発生させることになる。※「声」は断り書きの無い場合OVA版のキャストD・Sを補佐するように存在する、D・Sにも匹敵するほどの力を持った4人を指してそう呼ばれる。D・S自身400年以上生きており、その間にも四天王は何度か入れ替わっている模様であり、ノベライズ作品では先代四天王の時代のエピソードが語られている。下記は原作に登場した現在の四天王である。「闇の反逆軍団編」より登場する現四天王は、メタ=リカーナを守護して行動するD・Sと対立することとなるが、「地獄の鎮魂歌編」でのカル=スの帰順をもって全員が再び傘下に収まっている。また「罪と罰編」から長らく4人の登場はなかったが、「背徳の掟編 最終節」(単行本24巻)では各々の動向が描かれた。「雷帝」アーシェス・ネイに仕える魔道衆。「血よりも濃い絆」で結ばれているという(ダイ=アモンに関しては不明)。4王国を征服し「氷の至高王」となったカル=スに仕える将軍。カルが掲げた、万民が幸福を享受できる理想郷(ソーサル=キングダム)の建設に共感し、厚い忠誠を誓っている。一人が一軍に匹敵するとも言わしめる実力者達。以下五十音順で表記する。「闇の反逆軍団編」より15年前、世界征服せんとする大魔導王ロード・ダーク・シュナイダー及び彼に従う四天王と4つの王国(メタ=リカーナ、ジューダス、ワイトスネイキ、ア=イアン=メイデ)の間で起こった魔操兵戦争(ゴーレム・ウォー)において、人類側を守る側に立ち、D・Sに立ち向かった勇者ラーズ王子と4人の仲間をさして「五英雄」とよぶ。※ 魔操兵戦争と呼ばれるのは大戦においてD・Sが魔操兵(ゴーレム)の軍団を用いたため。ラーズ達五英雄とD・Sおよび四天王の死闘はドラマCD第3巻「魔導王封印編」に収録されている。本編では滅亡した旧ア=イアン=メイデ王国の剣士階級あるいは剣士戦闘集団として登場する。機動力を重視した軽装の鎧(ブレストプレート)をまとい、剣と魔法を組み合わせた独特のスタイルで戦う(扱えるのは中級の魔法使いの魔法まで)。「武士道」を重んじるため、卑怯な振る舞いを嫌い、また主君が無能で人望がない人物であったとしても「忠」の掟には背けない。※補足として主天使(ドミニオン)や座天使(ソロネ)の光の巨人の姿は彼らの光体(アウゴエイデス)である。元々は「神」に仕える天使達であったが、神が新たに「人間」を創り出す際、「我が子である人間達に仕えよ」と言われ、自分達が「神の子」では無く神にとっての「奴隷」でしか無かったと理解、激怒し神に対して叛乱を起こした者達。高次元の精神生命体であったため、神への愛がなくなったことにより属性反転し醜悪な姿になっている。人間の召喚士も使役することが可能だが、呼び出せるのは下位の存在「デーモン」まで。上位天使が堕天した強力な存在は「デヴィル(魔神、正確には上位悪魔神族)」と呼ばれ区分される。彼等はサタンに最も近い魔神であり、8つに砕けた「ユダの痛み(ジューダス・ペイン)」の欠片を体内に持ち、他の魔神達を凌駕する力の持主。だが現在はベルゼバブ以外はD・Sによってジューダス・ペインを奪い取られている。悪魔達を随える存在。前述したように上位悪魔神族とも呼ばれる彼らの中には、主天使のおよそ6600倍程度の戦闘能力を持っているものも存在しており、上位天使と互角の力を持つ。天使と悪魔の最終戦争が始まって以降、地球(エデン)に住むヒトのみならず全ての人類が協力体制を布くこととなり、その連合体の名称を指す。エルフ、ホビビット、ドワーフをはじめ、人馬族、耳長族、有角族、レプラコーン、妖精族、人獣族など参加している種族は非常に多岐に渡り、正に全人類の集合体ともいえる連合である。スライムやオークなどは大破壊後に十賢者が創造した生物であり、イフリートやヌエ、サラマンダーなどの精霊それ以前が自然界に存在していた自然霊である。 小説やゲームに登場した人物連載時カラー原稿完全収録、新規描き下ろしピンナップ付属。作者描き下ろし表紙(カバー)とカバー下の立体アート表紙(著名造形作家陣が担当)のダブル表紙仕様。2巻までは大幅な加筆が施されている。表紙描き下ろし。「完全版」を文庫サイズで再刊行したもの。各巻とも初回出荷分のみ表紙絵のポストカードが付属する。挿絵はすべて萩原一至が担当。「魍魎達の鎮魂歌」および「悪魔の褥に横たわりて」は当初ジャンプ ジェイ ブックスから発売されたが、2001年に「黒い虹」の発売に合わせてスーパーダッシュ文庫より文庫化された。また文庫版は挿絵が数枚カットされている。1992年より1993年にかけてVHS全6巻(各1話ずつ収録)・LD全3巻(各2話ずつ収録)で販売。1999年、全話収録のDVD-BOXが発売された。※(萩原一至の記事も参照)
出典:wikipedia
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