カリヨン( )は、複数の鐘を組み合わせて旋律を演奏できるようにしたものをいう。鐘楼建築物に設置され、最低23鐘2オクターブ以上で、鍵盤で演奏する。日本語では“組み鐘”と訳される。ベルギーとフランスの56の鐘楼が「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されている。世界最多鐘数のカリヨン(世界カリヨン連盟に登録)はアメリカ合衆国ミシガン州ブルームフィールド郡区にある Kirk in the Hills のカリヨン(77鐘)であったが、大韓民国大田広域市の大田科学技術大学校の鐘が78鐘に増えて世界最多になった。ラテン語の“四個で一組”が語源。フランドル地方(ベルギー、オランダ)の伝統楽器で、14世紀ごろ、時刻を知らせる教会や物見塔、鐘楼の大鐘が鳴ることを事前に知らせるための「前打ち」と呼ばれる小さな鐘が付け加えられたことに始まる。15世紀から16世紀にかけて競い合うように前打ちの鐘の数が増え、17世紀に全盛期を迎えたのち19世紀には機械式時計の発達により衰退するが、20世紀になりカリヨンの魅力が見直され鋳造、調律技術、奏者の育成が図られている。カリヨンには、手動演奏のための手鍵盤と足鍵盤が備えられており、鍵盤と鐘はワイヤーで繋がっている。カリヨンそのものが非常に重量のあるものであるために、演奏には多大な力を必要とされ、指で簡単に演奏できる仕組みが不可能である。したがって、バトン(リレーで手渡す棒「バトン」と同義語)と呼ばれる丈夫な棒で鍵盤ができており、その一つ一つを奏者が拳で力を込めて叩きながら演奏する。拳によって大きな力エネルギーを鐘へと伝える必要があり、片手ごとに1音しか同時に演奏できないため、足鍵盤を併設して共に多くの音が発せされるスタイルが定着した。日本においては、カリヨネアが少ないこともあり、鍵盤を有しない自動演奏のカリヨンが多い。カリヨン奏者をフランス語では男性なら、女性ならと言う。日本語ではを英語風に読んだ「カリヨネア」とも呼ばれる。オルガン奏者がカリヨンを演奏することもあるが、オランダとベルギーにはカリヨン学校があり、カリヨネアを育成している。カリヨンにより音域が異なることもあり、それぞれのカリヨン塔に専属のカリヨネアを抱えていることが多い。日本にもカリヨン学校でディプロマを取得した数名のカリヨネアが存在する。カリヨネアの練習用や、もっと手軽に鐘の音楽が得られるために、カリヨンではなく金属棒を叩いて奏するグロッケンシュピール(グロッケンはドイツ語で「鐘」のこと)が発明された。当初は鍵盤によって演奏される形であったが、後に鍵盤が排除され、直接ばちで金属棒を叩く鉄琴が発明され、それが現在のグロッケンシュピールである。現在、グロッケンシュピール(鉄琴)というと、鍵盤のない金属打楽器のことを指し示すが、本来は鍵盤のついたものを指していたことが永い間忘れ去られていた。古い例では、ヘンデルの「オラトリオ」やモーツァルトの「魔法の笛(魔笛)」で、古来の鍵盤式のグロッケンシュピールが使用された例が残っているが、鍵盤式のグロッケンシュピールが廃れてしまっていたため、打楽器としてのグロッケンシュピールによって代用されて演奏されてきた。ピリオド楽器を使用することが重要視される近年に至って、ようやく、本来のグロッケンシュピール、つまり現代でいうところの鍵盤付グロッケンシュピールが復興され、演奏にも使用されるようになった。1970年の日本万国博覧会(オランダ館)で日本に初めて紹介された28鐘のカリヨンは、数個の鐘のみモニュメントとして大阪南港のポートタウンショッピングセンターに設置されている。設置数が少ないこともあり日本国内の演奏者は数少ない。現在日本国内に設置されているカリヨンのうち、本格的な鍵盤を有するカリヨンは次の4基である。ほか、日本には、鐘の数は数個から数十個まで様々であるが、デザインに優れた自動演奏のカリヨンが数多くある。宇都宮市のベルモールのカリヨンは、ツリー型で49鐘、コンピュータでの音量調整機能で室内設置に対応しており、自動演奏はもとよりキーボードで演奏もできる。
出典:wikipedia
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