ポール・ロジャース (Paul Rodgers、1949年12月17日 - )は、イギリス出身のロック歌手。ロジャースの特徴であるリズム・アンド・ブルースに根差したソウルフルな歌唱スタイルは、後のロック・ヴォーカリストたちに多大な影響を与えた。「ローリング ・ ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第55位。1949年12月17日にイングランド・ミドルズブラの港で、7人兄弟の4番目として生まれる。ビートルズの影響を受け、ロードランナーズ (1967) など様々なローカルバンドで活動を始め、1969年にポール・コゾフ、サイモン・カーク、アンディ・フレイザーと共にフリー (バンド) を結成。フリーはメンバーが10代だったにも関わらずブルース色が濃く、シンプルなハード・ロック・スタイルで徐々に人気を獲得していく。1970年にシングル「オール・ライト・ナウ」とアルバム『ファイアー・アンド・ウォーター』がヒットするが、アルバムの商業的不振やメンバー間の不仲で初来日公演直後に解散を発表。フリー解散後のロジャースはピース (1971) を結成するが、ドラッグに溺れたコゾフを救うためフリーの再結成に参加する。しかしメンバー間の不仲が解消されておらず、すぐにフレイザーが脱退。コゾフのドラッグ癖が悪化したためフリーは危機に陥るが、キーボードにジョン・"ラビット"・バンドリック、ベースに山内テツを加入させフリー名義のラストアルバム『ハートブレイカー』を発表するが1973年に解散。フリー解散後、ジェフ・ベックやディープ・パープル、ザ・ドアーズからの加入要請があったが、ロジャースは前述のサイモン・カーク、元キング・クリムゾンのボズ・バレル、元モット・ザ・フープルのミック・ラルフスと共にバッド・カンパニーを結成する。バッド・カンパニーはフリーの音楽性を継承しつつアメリカナイズされた楽曲スタイルで「キャント・ゲット・イナフ」など世界的ヒットを飛ばし、多くのアルバムがプラチナ・ディスクを獲得した。しかし、ロジャースは肥大化した活動から落ち着くため1982年、バッド・カンパニーを脱退。1983年、全ての楽器を自身で演奏した初のソロアルバム『カット・ルース』を発表するが、商業的には失敗に終わる。1985年にはレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジと組んでザ・ファームを結成、スーパー・グループとして話題となる。しかし、期待された程の成功を収めることなく、アルバム2枚を残し自然消滅。その後1991年に、フェイセズやザ・フーのドラマーだったケニー・ジョーンズと組みザ・ロウを結成するが商業的に失敗し、アルバム1枚を残し解散 (9曲を収録したセカンド・アルバムも存在するが、公式リリースされずお蔵入りとなる)。1993年にはソロとして、数々のスーパー・ギタリストと曲ごとに共演したトリビュート作品『マディ・ウォーター・ブルース』が起死回生のヒット作となり、グラミー賞にノミネートされた。1990年代中頃にソロで来日公演を行い、1997年には14年振りとなるオリジナル曲のソロ・アルバム『ナウ』を発表。1998年、オリジナル・メンバーによるバッド・カンパニーの再結成に参加し、新曲をレコーディングした。1999年にバッド・カンパニーとして全米ツアーを行うが、後にボズ・バレルとミック・ラルフスがツアーへの不参加を表明し、ロジャースは1999年にアルバム『エレクトリック』を発表しソロ活動を再開。2002年、新メンバーを加えバッド・カンパニーに参加し、全米ツアーを行う。2005年から2009年に掛け、クイーンのメンバーブライアン・メイ、ロジャー・テイラーと組みクイーン+ポール・ロジャースの名で世界ツアーを行い、来日・全米公演を行う。2006年10月からクイーンとスタジオ入りし、2008年ニューアルバム『ザ・コスモス・ロックス』を発表するが、ロジャースは「クイーン+ポール・ロジャース」の活動に終止符を打ちバッド・カンパニーの再始動へ移行した。2010年10月には、バッド・カンパニーとして35年振りとなる日本公演を行う。2014年、オーティス・レディングやアルバート・キングなど往年のソウル、ブルースの名曲を60年代に活躍した一流のバック・ミュージシャンによる演奏と共に収録した『ザ・ロイアル・セッションズ』を発表。インタビューや作品ではオーティス・レディングが頻繁に取り上げられる。マディ・ウォーターズに至っては楽曲のカバーはもちろんのこと、アルバムのタイトルとなるほどであり、フリーのアルバム『ハートブレイカー』でも楽曲「マディ・ウォーター」を発表している。アルバート・キングの楽曲もキャリアを通じ演奏され、最新アルバム『ザ・ロイアル・セッションズ』(2014) で「悪い星の下に生まれて」を聴くことができ、1969年のパリ公演 (フリー) でも演奏されている。他にもインタビューでジョン・リー・フッカーやエルモア・ジェームス、ハウリン・ウルフなどの名を挙げており、レイ・チャールズに至っては2010年にBBCでジュールズ・ホーランドと「クライング・タイム」でセッションした。いずれからも、主にブルースやリズム・アンド・ブルースから影響を受けていることがわかる。
出典:wikipedia
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