節足動物(せっそくどうぶつ)とは、動物界最大の分類群で、昆虫類、甲殻類、クモ類、ムカデ類など、硬い殻(外骨格)と関節を持つグループ。陸・海・空・土中・寄生などあらゆる場所に進出し、現生種は約110万種と名前を持つ全動物種の85%以上を占める。なお、いわゆる「虫」の範疇に入る動物は当動物門のものが多い節足動物がどのような祖先から生まれて来たかについては、定説がない。以前は、前口動物であること、体節制を持つことなどの共通点から、環形動物に近縁であると考えられていた。環形動物と軟体動物は幼生がトロコフォアであることから類縁があると見られ、側節足動物という便宜的なまとめをされたこともある舌形動物、有爪動物、緩歩動物との類縁関係を含め、この3つの動物門がヘッケル派の系統樹では前口動物の上の方に置かれるのが普通であった。しかし、分岐分類学による検討や、分子遺伝学による情報から、これを否定する説も提唱されている。線形動物などとの類縁に注目し、これらをまとめて脱皮動物というグループになるとの説もでている。また、節足動物自体も多系統ではないかという考えもある。アノマロカリスをはじめとして、カンブリア紀の化石からは、節足動物であるとも思われるものの、現在の分類では所属場所が見あたらないものがかなりある。現存しない分類群が複数存在したものと考えられている。昆虫綱・甲殻綱という2大綱とクモ型綱、それに多足類の各綱、他にウミグモ綱など少数派があるが、これらをどうまとめるべきかについては、様々な議論がある。さらに、化石種まで範囲を広げれば、三葉虫という過去の大グループがある。いずれもが体節性、外骨格、節のある付属肢というような共通の性質をもつ。また、付属肢は基本的に歩脚と鰓をもつ二枝型が基本であるとみられる。各体節にそのような付属肢をもつ生物から、体節の分化、融合の結果、現在の様々な節足動物が生まれたとされる。特に注目されるのは、頭部の構造である。頭部は口を含む体節と、その前にある、触角を含む体節、それに口の後ろにある、付属肢を持つ体節のうち、一部のものが口の回りの付属肢、つまり顎を作ることでできるものである。この部分の構造から、以下の3つが区別される。系統については、鋏角類がやや異質であり、それと甲殻類、および昆虫と多足類の3つの群に分かれるとの判断が長く支持された。上記のような特徴がこの判断の基礎ともなっている。しかし、分子遺伝学的情報は多足類と昆虫類の直接の関連を支持せず、むしろ甲殻類と昆虫が近縁であるとの結果が出ている。このため、現在このような大分類は見直しの最中である。なお、節足動物全体の中ではウミグモ類の位置が問題となっている。鋏角類に含めるのが従来の判断であるが、これをそれ以外の節足動物全部と対置すべきとの説もある。分子系統学、分岐分類学以前には、形態に基づく以下の分類が使用されていた。Wikipedia日本語版でも、かつてこの分類に従っており、また現在流通している書籍にもこの分類にしたがっているものも多い。よって参考・比較のため、また生物学史上の意義もあり、以下に併記する。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。