中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう、Secondary school)は、前期中等教育(中学校などにおける教育)と後期中等教育(高等学校などにおける教育)を一貫して施すシステムをとる学校であり、日本では中高一貫教育とされる。各国にて相当する学校としては、イギリスのパブリックスクール、ドイツ連邦共和国及びオーストリア共和国のギムナジウム、オランダの(大学準備中等教育)及び(高等一般教育)などが挙げられる。ドイツのギムナジウム、オーストリアのAHS、オランダのVWO及びHAVOへの進学率・在籍率は、該当年齢の約30%に達する。参考までに日本の国立・私立の中学校の在籍率は全中学生の約8%、南関東の中高一貫校受験参加率は約20%(公立中高一貫校及び私立中高一貫校の入学試験参加者数の合計)である。日本における中等教育学校は、小学校に続く学校とされ、修業年限(卒業までに教育を受ける期間)は6年である。小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育(前期中等教育)並びに高度な普通教育(後期中等教育)及び専門教育を一貫して施すことを目的とする、中学校と高等学校(高校)を合わせた年限に相当する6年間の一貫教育を行う学校として、1998年(平成10年)6月の学校教育法改正により、新たに定められた学校種である。校種名にある「中等教育」とは、日本においては、中学校と高等学校の段階で行なう教育が主に該当する。6年間の前期課程3年間は前期中等教育に分類され中学校相当であり、後期課程3年間は後期中等教育に分類され高等学校相当である。前期課程は義務教育の就学先でもあり、前期課程を修了すると他の高等学校、高等専門学校(高専)、専修学校の高等課程(いわゆる高等専修学校)への入学資格が得られ、後期課程を修了して卒業すると高等学校卒業と同等に大学入学試験出願資格が得られる。公立の中等教育学校では、学校教育法施行規則の規定で入学の際に学力検査を行わないものとされている。選抜には、調査書・作文・面接・適性検査・抽選などが行われる。競争率は非常に高い。中等教育学校の一般教員は、原則として中学校と高等学校の両方の教員免許状を持つことになっているが、「当分の間」はどちらか一方の免許状でも可能となっている。現在、国立4校、公立25校、私立13校あり、これからも増設される予定である。従来から私立の中学校・高等学校の併設校にはカリキュラムを大幅に調整した中高一貫教育を行う学校が多かったが、1998年6月の学校教育法改正により、中学校から高等学校に相当する教育を一貫して施すために単一の学校として設置することが可能になった(それまでの中高一貫教育は、中学校と高等学校のそれぞれが最低1校ずつ必要であった)。公立では1999年度の宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校、私立では2000年度の創世中等教育学校、国立では2000年度の東京大学教育学部附属中等教育学校、奈良女子大学文学部附属中等教育学校(現在の奈良女子大学附属中等教育学校)が最初である。2003年度には一般生や帰国子女等が多数在籍する公立の中等教育学校である兵庫県立芦屋国際中等教育学校が芦屋市に開設するなど、以後全国で着々と設置が進んでいる。一方、私立で初の中等教育学校として開校した創世中等教育学校は、大幅な定員割れを理由に2009年度からの募集停止を決めた。学校教育法の第51条の3に中等教育学校における教育について次のように定められている。この目標は、高等学校における教育の目標と同一である。前期課程においては、中学校における教育の目標が準用される。前期課程では、中学校に関する規定が、後期課程では高等学校に関する規定がそれぞれ準用される。『中学校学習指導要領』、『高等学校学習指導要領』も適用されている。一部に、中等教育学校のみに適用される教育課程を定めた規定がある。また、中等教育学校に適用される特例がある。中学校と高等学校の内容を一部入れ替えて学習を行なうことができる。これにより、中学校と高等学校で重複した内容を整理して学習したり、前期課程で一部高等学校の内容を学習することができる(文部科学省ホームページより)。東京都奈良県兵庫県北海道宮城県茨城県群馬県東京都神奈川県新潟県兵庫県岡山県広島県山口県愛媛県福岡県宮崎県宮城県茨城県栃木県群馬県千葉県神奈川県長野県愛知県滋賀県大阪府奈良県岡山県愛媛県福岡県イギリスにおいてはパブリックスクールが存在し、多くはボーディングスクールであり、13–18歳の年齢に教育を施す。ドイツにおいてはギムナジウム()が相当する。ドイツの教育制度では、6-10歳の基礎学校(, 4年制)修了後の進路が、以下3つの学校種に分かれる。これらの3つの学校においては、最初の2年間は観察指導段階()が設けられ、生徒の学校進路を決定する際に、第5学年及び第6学年において生徒の適性を見極めた上で、生徒の学校進路を選択するために設けられたものであり、この観察指導段階は初等教育段階には含まれない。オーストリア共和国では、4年制(6-10歳)の基礎学校(Grundschule)を修了した後のキャリアは2つに分かれる。そのうちAHSは、ISCED-2および3Aのギムナジウムであり、実科ギムナジウム、経済実科ギムナジウムに大別される。AHSへの進学については、日本の中学受験とは大きく異なり、基礎学校の最終学年での生徒の成績や興味・関心を考慮して、学校から教育権者(親権者・未成年後見人)に所見が出される。一般的にはドイツ語と数学の成績が良好である必要があるものの、基礎学校からの所見とは異なり、AHSへの進学を希望する場合に限り、入学試験が行われる。オランダの教育では、4歳-12歳までの8年制の初等学校(2年制保育を含む幼小一貫教育)を修了した後の進路は以下に分かれる。うちVWOには、次の3つのタイプの学校に分類される。①ギリシャ語とラテン語を学習しない「アンテネウム」()、②ギリシャ語とラテン語が必修科目である「ギムナジウム」()、③ギリシャ語とラテン語が選択科目である「リセウム」()である。VWO及びHAVOが日本の中等教育学校(私立中高一貫校を含む)に相当する。しかし日本の中等教育学校(中高一貫教育を提供する私立中学校及び私立高等学校を含む)とは大きく異なり、最初の3年間は、VWO、HAVO、MAVO、LBOのすべてに「基礎教育課程」が導入され、3年間で3000単位時間(総授業時間数の80%、1単位時間は50分)の必修科目を履修する。必修科目は、オランダ語、英語、現代外国語(ドイツ語又はフランス語)、数学、物理、化学、生物、地理、歴史、政治、経済、工学、芸術(音楽、美術、ダンス、演劇の中から2科目選択)、自立のための生活技能、体育である。総授業時間数の20%についてはラテン語、宗教などの選択科目に充てられている。
出典:wikipedia
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