水口 哲也(みずぐち てつや、1965年5月22日 - ) クリエイター / ゲームデザイナー / プロデューサー。音楽や映像を共感覚的に融合させる作風を持ち味としている。代表作に、『セガラリー』、『スペースチャンネル5』、『Rez』、『ルミネス』、『』など。また音楽ユニット「Genki Rockets (元気ロケッツ)」など、音楽プロデューサーや作詞家としての顔も併せ持つ。慶應義塾大学大学院(Keio Media Design)特任教授。 金沢工業大学客員教授。北海道小樽市生まれ。北海道札幌西高等学校卒業後、日本大学藝術学部に進学。専攻は「メディア美学」。当時講師であった武邑光裕に多大な影響を受ける。卒業後セガ・エンタープライゼス(後のセガゲームス)に入社。情感デザイン研究室室長、セガのインハウススタジオであるユナイテッド・ゲーム・アーティスツの代表を経て、2003年にキューエンタテインメントを内海州史と共同設立。2012年9月、同社取締役を退任し、フリーランスとなる。2012年、慶應義塾大学大学院(Keio Media Design)特任教授に就任。セガ入社直後の1991年、テーマパーク用アトラクションの映像制作を依頼するために、米国マサチューセッツ州にあるダグラス・トランブルのスタジオを訪れた水口は、そこで助手をしていたマイケル・アリアス(のちに映画「鉄コン筋クリート」を監督)と出会い、「日本で一緒にCGをやろう」と東京に招聘、その後テーマパーク用のモーションライド映像「Megalopolice: Tokyo City Battle」を共同監督。その後フジテレビと共同で音楽に合わせてシアターが動く「米米クラブ・ザ・ミュージックライド」を制作。ゲームの初プロデュース作品は1994年の『セガラリーチャンピオンシップ』。1999年に音楽ゲーム『スペースチャンネル5』を発表。1960年代のジャズ音楽をテーマ曲に、25世紀の宇宙を舞台に繰り広げられるコミカルでポップな世界感は、ミュージカルの持つ、歌、セリフ、踊り、笑いを取り込み、他のゲームにはないオリジナリティを醸し出すことに成功している。このゲームの主人公であるピンクヘアで奇抜な格好の「うらら」は、米国MTVのCM「MTV award 2000」に起用されたり、J-phone(現Softbank)の待受用キャラクターに起用されるなど、ゲーム以外でも活躍した。尚、このゲームはマイケル・ジャクソン本人が出演を熱望したことでも知られている。宇宙人に踊らされる「スペース・マイケル」というキャラクターとして、part1、part2共に登場している。また、映画『スウィング・ガールズ』(監督矢口史靖)ではこのゲームが映画内に登場、『スペースチャンネル5のテーマ曲「Mexican Flyer」が少女たちの練習曲として使われている。2001年の『Rez』は、「カンディンスキーのシナスタジア理論とレイブ体験の融合」をインタラクティブに実現しようという試みによって、プレイステーション2およびドリームキャスト上で、ワイヤーフレームとトランス音楽の融合によって誕生した。このゲームは、「演奏するように気持ちのよいシューティングゲーム」と評された。音楽を担当したのは、ケンイシイ、ジョジョカ、アダム・フリーランド、コールドカットなど。同作品は、2002年にオーストラリア・リンツで開催された、メディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」のインタラクティブアート部門で、栄誉賞(Honorary Mentions)を受賞した。日本においても、経済産業省デジタルコンテンツグランプリ・エンターテインメント部門サウンドデザイン賞、文化庁メディア芸術祭特別賞など、数多くの賞を受賞している。このゲームのスタッフロールには、「Dedicated to the soul of W. Kandinsky(カンディンスキーの魂に捧げる)」という一文が挿入されている。2004年の『ルミネス』は、「音と光の電飾パズル」と銘打ち、PlayStation Portable(PSP)用のパズルゲームとして制作された。水口は本作を「インタラクティブ・オーディオ・ビジュアル・ウォークマン体験」と表現している。これは『Rez』同様に、うまくプレイすると効果音が音楽化し、それにビジュアルエフェクトが連動するという「気持ちのいいパズルゲーム」として受け入れられた。当時、PSPの全米発売に合わせて発売されるゲームの中にオリジナル作品が少なかったこと、また『Rez』の系譜を持つゲームということで全世界で100万本を超えるヒット作となった。アメリカでは、『USAトゥデイ』紙上において“the best game for PSP,”と評された他、『ニューズウィーク』誌のゲームランキングでも1位となっている 。2006年には、ファンタジー世界の戦争を題材にしたアクションゲーム『N3 - NINETY-NINE NIGHTS)』をプロデュースした(制作は韓国のファンタグラム社)。本作においては、ゲームの途中で敵と味方が入れ替わる。水口はメディアで、アメリカ同時多発テロ事件以降のテロやイラク戦争、黒澤明の『羅生門』からインスピレーションを得て、ゲームにおいて「双方の正義を体験させる」ことが狙いだったと語っている。2006年末には、全米製作者組合とハリウッドの業界誌『ハリウッド・リポーター』が共同で、世界で注目すべきデジタル系イノベイター(変革者)やクリエーター50人を選出する「Digital 50」にて、『Google』創始者のラリー・ペイジや『YouTube』創始者のチャド・ハーリーとスティーブ・チェンなど、錚々たるメンバーと共に、水口もその一人として表彰された。選考理由は、『Rez』をはじめとする音楽とゲームの融合だった。2007年には「Lumines Live!」「Every Extend Extra Extreme」「Rez HD」を発表。2010年6月、ロサンゼルスで開催されたE3(Electronic Entertainment Expo)にて、仏ユービーアイソフトとの新プロジェクト『』が発表された。水口はロサンゼルス・シアターで行われた発表会のオープニングに登場し、ステージ上で無言のままKinectを使ったプレイデモを披露、体に何も装着せずに指揮者のように『Child of Eden』をプレイした。2011年5月、TEDxTokyoにおいて「Positive power of game」と題するプレゼンテーションをおこなった際も、冒頭でKinectを使い『Child of Eden』をプレイしている。水口は数々のインタビューで、『Child of Eden』は『Rez』の精神的続編(Spiritual sequel)であることを明言している。また、水口は2006年に音楽と映像のクリエイティブユニット「Genki Rockets (元気ロケッツ)」を立ち上げ、映像と音楽のシナスタジア(共感覚)表現を目指して活動を続けている。2007年7月7日には地球温暖化抑制を訴えた地球規模のコンサート『ライブ・アース』において、東京会場のオープニングアクトに登場。ステージ上に立体映像のLumi(Genki Rocketsのボーカル)を出現させ、そのLumiが同じく立体映像のアル・ゴア元アメリカ副大統領を会場に呼び込むという演出を行った。この模様はインターネットを通じて世界に中継された。2010年、Genki Rocketsはソニーと共同で大型発光ダイオードを使った3Dライブを東京と独ベルリンで敢行。観客全員に3Dメガネを配り、音楽と映像が絡み合うライブ体験を行った。そこで初の3Dミュージックビデオとなる『make.believe』(メイク・ドット・ビリーブ)が披露された。海外での活動が多い彼は、日本国外での講演活動なども積極的に行い、インタビューにも英語で答えている。
出典:wikipedia
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