富士宮市(ふじのみやし)は、静岡県東部の市。富士氏の発祥・根拠地としても知られる。北方に世界文化遺産である富士山を有し、またその構成資産(富士山-信仰の対象と芸術の源泉)である富士山本宮浅間大社・山宮浅間神社・村山浅間神社・人穴富士講遺跡・白糸ノ滝といった文化的資産を擁す。富士氏が大宮司を務める富士山本宮浅間大社の門前町として栄えた。中道往還の宿場町としての顔もあり、戦国時代には楽市が行われた。古来より地理的にも文化的にも富士山との関わりが深く、富士信仰とも関わる。富士山の湧水が豊富であり水に関する工業が盛んである他、観光も盛んである。「富士宮市」という都市名の由来は、「富士の宮」という浅間大社の旧社号から由来する。古くは『今昔物語集』の「駿河国富士神主帰依地蔵語第十一」や『新勅撰和歌集』など、平安時代や鎌倉時代の古文集にもみられる古来から存在する名称である。市の約半分が富士箱根伊豆国立公園の区域内であり、市北部には朝霧高原が広がり、その周辺には日本の滝百選の白糸の滝・音止めの滝、ダイヤモンド富士のスポットとして知られる田貫湖といった自然観光地を持つ。富士登山道の一つである富士宮口を構える、富士山の南の玄関口である。2008年に皇太子徳仁親王が富士登山をされた際は、この登山口から登られた。富士山には大規模な侵食谷である大沢崩れがあり災害を引き起こす危険性があるため、国土交通省の直轄事業として砂防事業が行われている。例えば「案主富士氏記録」の『公社日記』には、「天保五午年四月八日、大風雨ニ而富士山大荒、洪水ニ而欠畑澤大水、百姓平吉宅流失、其上島之谷戸田地流失、大岩畑流失、源道寺同断」とあり、過去雪代の被害があった。静岡県山梨県前述のように、富士宮市の市名の由来は浅間大社の「富士の宮」から由来している。浅間大社は市の中心的存在であり、旧大宮町時代においては1丁目1番地に位置していた。その名残で、現在も住所上は「富士宮市宮町1-1」である。『今昔物語集』には「今昔、駿河ノ国ノ富士ノ宮二、神主ナル者有ケリ…」とあり、『新勅撰和歌集』の北条泰時の歌の詞書には「駿河国に神拝し侍りけるに、ふじの宮にてよみて奉りける」とある。内務省への市制施行の上申書に添付された文書によると、以下のようにある。略号として「宮」と略すことも多い。例として以下のようなものが挙げられる。大宮町時代の町章として、明治45年(1912年)7月7日に制定されたものがある。枠が「大」の字を変形させたもので、内部に矢を三つ合わせ「ミヤ」を表現したものであった。その後昭和9年(1934年)4月1日に新たな町章が制定され、それが富士宮市誕生後も継続して採用されている。富士山信仰の中心地である関係で、富士信仰が由来である主要な建築物や勢力が影響を与えてきた。富士宮市大宮に位置した富士山本宮浅間大社、富士宮市村山を本拠とする村山修験(富士修験)とそれらを構成する富士山興法寺・村山三坊などが該当する。特に浅間大社の社家である富士氏は、政治面でも大きな影響力を保持してきた。初代富士氏と伝わる富士豊麿は富士郡大領となり、富士郡の長と言える立場であった。中世に入るとこの地一帯は「富士上方」と称され、この富士上方の国人として富士氏は支配力を強めていた。15世紀中盤の富士氏当主富士忠時は、足利義政の推挙で「能登守」となっている。中世においては、他に現在の富士宮市上井出地域に位置した井出氏なども頭角を表していた。源頼朝の富士の巻狩の際に活躍したとされている。これら富士氏や井出氏は、後の武田信玄の駿河侵攻の際には対抗勢力となった。この時の富士氏の当主富士信忠は大宮城(別称:富士城)の城主であり、武力を用いて戦を重ねていた。また今川氏に属しており、例えば1566年(永禄9年)に今川氏真により大宮の神田市を楽市化する旨の朱印状は富士信忠宛に発給されている。また楽市化された理由として大宮が商都として栄えていた背景があり、六斎市が定期的に行われていた地でもある。北部では、富士金山は今川氏管理の金山であったと考えられ、採掘が行われていた。しかし今川氏は滅亡する道を辿ることとなり、氏真から信忠の嫡子富士信通へ暇を出す旨の朱印状が送られると、その後富士氏は武田氏に帰順した。その後は社家富士氏としての姿に統一され、神職として世襲を継続した。この立場は江戸時代においても一貫して揺るがず、富士山周辺の利権関係なども富士氏は中核をなしている。江戸後期の富士氏当主富士重本は軍人を経た後東京府麹町に残ったため、富士氏による浅間大社の大宮司としては最後の人物にあたる。観光資源として、市北部に富士山の恩恵を受けた自然資源があり、市中心部は富士山本宮浅間大社や湧玉池といった歴史的建造物がある。また近年、御当地人気料理特選とされる富士宮やきそばがメディアに取り上げられ有名になっている。観光客用に駐車場(無料)を備えた富士山せせらぎ広場がある。また市内にお宮横丁など、富士山の湧水が飲水可能な箇所が点在する。富士宮市役所7階には富士山展望フロアが設けられている(平日のみ開放)。朝霧高原周辺はキャンプ場やゴルフ場が多い。南東方向に東名高速道路・新東名高速道路があり北方向に中央自動車道といった高速道路が通るため、以下のルートが考えられる。特に市北部は中央自動車道からのアクセスもよい。登山道の1つである富士宮口をもつ。新五合目までの交通手段としては、車で静岡県道152号富士公園太郎坊線(富士山スカイライン)まで、富士宮駅からの登山バス利用が考えられる。富士山本宮浅間大社や富士五山などの寺院や史跡等が点在している。浅間大社では初詣、流鏑馬祭といったイベントがある(浅間大社の祭事)。富士宮市内に営業所を置くバス会社はPASMOが導入されている。鉄道では身延線の源道寺駅 - 富士宮駅- 西富士宮駅においてはICカードTOICAが導入されている。TOICAとPASMOは、2013年(平成25年)3月23日から相互利用が可能になった。高速道路自動車専用道路一般国道県道林道道路愛称営業所定期観光バス土日祝日に限り、富士宮駅を起点として「強力くん」が運行されている。午前ルート(9:30発)、午後ルート(13:00発)があり、予約は不要路線バスコミュニティバス : 富士宮市により3種類の公共交通サービスが提供されている高速バス : 高速バス路線は東京・横浜方面や関西方面に至る経路など複数有する。産業別就業人口比(2010年)は、第一次産業3.2%、第二次産業41.9%、第三次産業51.3%である(その他が3.6%)。富士山の西麓に広がる朝霧高原を中心として第一次産業が行われている。富士山のわき水が豊富であることから、ワサビの栽培やニジマスの養殖も行われており、市町村単位では2012年現在、ニジマス生産量日本一である。かつて製紙業が盛んであったが、近年は輸送用機器・化学工業・医療用機器などを中心とした構成となっている。また、豊富な伏流水を利用した水に関係する産業が中心である。製造品出荷額等は2007年度で7933億7622万円となっている。市内では51.3%と、第三次産業の割合が最も大きい。上場企業の本社本社以外2006年の調査では、富士宮市が属する「富士宮商圏」の商圏人口は405,261人と県内7位であるが、市人口の3倍超の商圏を築いている。また物品全体における地元購買率が83.0%と県内1位(衣料品2位、食料品4位)であり、基本的に市内で消費される傾向にある。。その理由の1つとして「イオンモール富士宮」の存在があり、富士宮市民だけでなく、隣接する富士市や山梨県などの他商圏からの吸入率も増加傾向にある。富士宮駅近くに2001年に開業、及び2006年に大規模増設した大規模小売店「イオンモール富士宮」(敷地面積61,000m2:県内第3位の商業施設面積)が市及び、富士宮商圏の中心的な存在となっている。富士宮駅前には古くから長崎屋、ユニー、ヤオハン、マキヤといった中規模小売店が進出していた。しかし駅前の密集地で、駐車場も含めた敷地/床面積の拡大がしづらいことと、同業者が複数乱立することによる過当競争などから、後にヤオハンとマキヤは広い土地が確保できる郊外へと移転していった。但しヤオハンについては1997年に倒産。店舗は1996年にダイエー系列の中堅スーパーのセイフーとして再オープンした(後にダイエー本体の店舗へと移管)ものの、ダイエーの業績不振から僅か2年で撤退となった。一方駅前に残った2店も老朽化と拡張の困難さに悩まされ、2001年にイオン富士宮SC(現イオンモール富士宮)が開業を決定したことで、これを契機としてどちらも同所からの撤退を決定した。南に公共交通機関が分布し中心市街地を構成、市域の縦に国道139号が、横に国道469号と十字に国道が通る構成である。北部は観光地化が進む。富士山本宮浅間大社が位置する宮町は最も門前町としての様相を残す場所である。14丁まで存在し、市内の主要施設の多くはここに集結している。前述のように浅間大社(1丁目)は旧大宮町時代の1丁目1番地を引き継いでおり、富士宮市立中央図書館(13丁目)・富士宮市民文化会館(14丁目)などが位置する。他富士山世界遺産センター(仮称)も宮町に建設予定である。市の医療の中核をなすのが、富士宮市立病院である。富士宮市立病院は市街地に位置し、主要駅からのアクセスなども良好である。文化施設などスポーツ施設・公園「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として、以下の6箇所が2013年(平成25年)6月22日に世界文化遺産に登録された。歴史人物芸能人音楽スポーツアナウンサー・ジャーナリスト政治家学界・学者文化人財界
出典:wikipedia
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