空手バカ一代(からてバカいちだい)は、1971年から1977年まで週刊少年マガジンで連載された空手格闘劇画で、極真会館を興した空手家大山倍達の伝記という設定のストーリーである。原作:梶原一騎、画:つのだじろう・影丸譲也。同劇画は後述するテレビアニメ化や映画化もされた。後述するようにあくまで実在の人物を題材とした、多くのフィクションの入った空手活劇マンガ・劇画である。空手家・大山倍達の半生を描いた伝記的作品。寸止めでの組手を主体とする日本の伝統的空手界に異を唱え、邪道と謗りを受けながらも実際に打撃を当てる独自の空手(フルコンタクト空手)を提唱、国内や海外を転戦する姿を追った「超人追求編」「無限血闘編」「悲願熱涙編」(つのだじろう・画)、大山道場から極真会館への刷新と世界進出や、主催する大会での場や他の格闘技と戦う高弟たちの活躍を描いた「昭和武蔵編」「空手巌流島編」「世界制覇編」(影丸譲也・画)の、六部構成となっている。タイトルには『激闘!大山倍達伝」という副題も付く。前半三部は大山倍達を主人公に、世界中を転々としながら各地の強豪と戦う様子を描いている。山篭り以後は、一貫して背中まで伸びた長髪の姿で描かれていた。極真会館を設立した後半部からは、ストーリーの軸が大山倍達から当時の高弟である大山茂・大山泰彦・中村忠・芦原英幸・山崎照朝・添野義二などにシフトしていく。これら高弟の一人である芦原には、大山道場の師範代・安田英治の武勇伝や安田のあだ名「ケンカ十段」の人物像を加え、準主人公として梶原がキャラクターを作り上げたことから、芦原は大山倍達と人気を二分するほどになった。このあだ名と安田が実際に浅草でヤクザ15人KO事件をした事実を、梶原は芦原に流用したと後に劇画『男の星座』で発表している。「実話を基にしたノンフィクション作品」という触れ込みであり、物語冒頭で「これは事実談であり、この男は実在する。」と宣言。物語内でも、例えば大山倍達が牛と闘うシーンで「ただの漫画なら迫力溢れる描写で牛がすぐに男に突進するだろうが、本当の牛はいきなりそんな行動には出ない。」、またアメリカ行きの飛行機内で倍達が飛行機酔いに悩まされるシーンで、「作り話なら颯爽とした主人公が飛行機に酔ったりしない。」等の文章で度々「事実である」事を強調しているが、真樹日佐夫は「内容の九割以上は梶原の創作だった」、松井章圭は「実際に劇画のような戦い方や人柄は山崎照朝先輩のみで、本当に劇画みたいな組手をしている山崎先輩は格好良かった」などと証言している。実際、雲井代悟のモデルになった柔道家(世界選手権での優勝経験のある棟田康幸の父、棟田利幸)は、芦原英幸と戦っていない。逆に、芦原英幸とは親交が深かった(ただし、試合形式の稽古をした事はあり、それによって芦原はパワーの重要性を認識する事になる)。その一方で家高康彦は「同劇画の3年前、1968年に出版された大山著の『世界ケンカ旅行』(ベストセラーズ新書)が基になっている」と指摘している。また、大山は朝鮮半島出身であり韓国籍を持ち、後に日本国籍も取得しているが、作中では朝鮮についても具体的には特に触れられておらず、大山は日本の伝統武道としての空手を愛する人物であり、特攻隊の生き残りという設定となっている。梶原が“大山倍達(談)”と頻繁にストーリーの中で示したことと劇画調の筆致により、連載中は絶大な人気を誇り、触発されて極真会館に入門し空手道を始めた者には、松井章圭・増田章・黒澤浩樹など多くおり、大山と極真会館の知名度向上を語る上で欠かせない作品となった。当時まだスポーツライターだった梶原一騎が大山倍達の噂を聞き、取材のため池袋の立教大学裏のバレエ・スタジオ跡にある、大山の自宅兼道場を訪ねるところから物語は始まる。昭和20年、特攻隊から復員してきた大山倍達が、愚連隊の用心棒から一念発揮して山篭りを行い、戦後初の全日本空手選手権に優勝。その後の、牛との闘い、弟子、有明省吾との絆と死別、それをきっかけに自暴自棄になり起こしてしまった殺人、遺族の憎しみと罵倒に耐えながらの償いの日々、やがて誠意が通じ許されるまでを描く。遺族に許された倍達は、日系人トッド若松の誘いを受け、柔道家遠藤幸吉と共に渡米。日本人に対する敵意剥き出しの中、プロレスラー、プロボクサーとの死闘、FBIへの空手指導等を行う。後にトッド若松の逆恨みから、グレート東郷に契約を譲渡され、三人で「東郷ブラザース」を結成。しかし、八百長破りでアメリカ本土で居場所が無くなった一行は、日本人や日系人でも負け役をしなくて済むハワイへ向かい、そこで力道山と出会う。日本へ帰ってきた倍達は結婚するが、ほどなく新築の邸宅は詐欺に遭って失う。貧乏の中倍達はプロ柔道の興行を見物し、主宰していた木村政彦と出会う。その木村は力道山の誘いでプロレスに転向するが、負け役ばかりをやらされる事に不満を募らせた事で力道山と決裂、真剣勝負を行う事になり倍達から空手も教わる。しかし試合は力道山の突然の八百長破りにより木村は敗北。激怒した倍達は力道山を付け狙うが、ようやく対峙した力道山は成功した事で「金持ちけんかせず」のような姿となっていた事に失望し、闘わずに去る。心の空しさを埋めるように近所の子供たちの希望で空手を教えるようになった倍達は、自身の空手を次の世代に伝えて行く事に生きがいを見出し、「大山道場」が産声を上げる。その後倍達は、初期の弟子達が指導も出来るようになった事から自身は再び海外へと目を向け、タイ式ボクシングの王者ブラックコブラとの試合を皮切りに、フランスでサファーデ王ボーモン、地下プロレスの帝王ロゴスキーと死闘、その合間に欧州初めての支部を作る事になる。日本へ帰る前に香港へ立ち寄った倍達は、香港拳法界の重鎮「陳老人」と出会うが、倍達の「直線的」な動きは陳の「円の動き」に翻弄され、生涯で唯一の敗北を味わい、陳の薦めもあってしばらく滞在し、円の動きを会得する事に成功する。日本に帰ってきた倍達は、海外へ指導員を送る為の人選や教育も進めるが、人格面で問題を抱える弟子達が多く、彼らを再教育するのに苦心する。倍達が執筆した「WHAT IS KARATE」を読んで空手を志し、ついに日本の大山道場で直接空手を学ぶために来日する外国人達も急増。いつしか道場内が国際色豊かになった事に感慨を覚えながらも、倍達は「人間、こういう時にとかく自分を偉く飾りつけ、神棚に乗りたがる。」と気を引き締め「大山倍達は絶対に神棚には乗らない」「いつまでも牛を倒せる力を維持してやる」「実戦の道だ。死ぬ時は戦う男として死ぬ道だ。」として、「剣禅一如」ならぬ「拳禅一如」を誓うのであった。ここで物語は一区切りされ、つのだじろうは作画から降板した。以降は影丸譲也が作画担当になり、改めて第一話のような雰囲気で再スタートとなる。弟子達と共に合宿を行っていた倍達の元に、妻である置八子(作中での表記)から連絡が入る。まだ合宿の激しい稽古には付いてこれないとの判断で残してきた初心者達が謎の空手家集団に叩きのめされたというのである。やがてニューヨークから連絡が入り、犯人は大山空手を倒した事を看板にニューヨークでインチキ空手道場を開いて一儲けを企んだ悪徳空手家達と判明。怒りに燃える倍達はニューヨークへ飛び、インチキ空手家達を叩きのめしてニューヨークでの大山空手の信用を回復させるが、それをきっかけに「顔役」ジャック・サンダクレスと闘い勝利、親友となる。メキシコで闘牛用の牛との闘いに勝利した倍達は、ジャックの尽力もあり、遂にニューヨークに大山空手支部を開く夢が実現する。帰国した倍達はまた牛と闘う事になるが、今度はあまりにも強くなりすぎた倍達と対峙して牛が怯えて逃げ出す事態となり、これが最後の牛との闘いとなった。この頃入門してきたのが、自らを「ケンカ十段」と嘯く新弟子、芦原英幸であった。大山茂や中村忠といった高弟が指導員としてニューヨークに旅立った倍達にとって、「乱暴ものだがどこか憎めず、途方もない可能性を秘めた」芦原は非常に重要な存在であり、正式に極真会館が発足した時は本部指導員に昇格するが、そのケンカ好きの性格は度々大きなトラブルを引き起こし、頭痛の種でもあった。やがて芦原は、彼の正義感が昂じてではあるが、擁護不可能な暴力事件を起こし、倍達は苦渋の決断で破門せざるを得なくなる。破門を解いてもらうために、生まれ変わった気持ちで廃品回収業を行う芦原の姿を伝え聞いて、倍達は「帰国次第破門は解く。だが破門のままにしておくより許す方が残酷かもしれん。」という意味深な言葉を残してニューヨークへ向かう。その頃からニューヨークでは謎の東洋人とその一派が極真空手に対して不穏な動きを見せ始めていた。謎の東洋人の名は「李青鵬」。かつて倍達が生涯唯一の敗北を喫した香港拳法界の重鎮、陳老人を上回る最強の拳法家であった。この男こそ、「昭和の武蔵を目指す自分にとっての小次郎」であると認識した倍達は一旦帰国し、芦原を呼び戻し、破門を解く代わりに四国へ単身向かい、行きの旅費以外では本部の力に一切頼らず、自力で極真会館四国支部を立ち上げて見せるよう厳命する。四国へ向かった芦原は排他的な地元の他流派の妨害を受けながらも、初めての直弟子「二宮」の協力もあり、小規模ながら遂に四国支部を立ち上げる事に成功する。一方の倍達はニューヨークにて、李青鵬一派と公開他流試合を開催して白黒を付けるところまで持って行く。極真空手側はニューヨーク支部の新弟子トリオ「オリバー」「チャールズ」「ウイリー」に、中村忠、大山茂、そして大将として倍達が李と闘う事になったが、チャールズとウイリーが、オリバーが倍達にえこひいきされていると勘違いして反発し、内部に不安を抱えたまま「空手巌流島」の闘いが始まる。だがいざ試合が始まると、カンフー側の選手との体格差を諦めずひたむきに闘うオリバー、不可抗力とはいえオリバーの反則勝ちを主張してもおかしくない状況で、あくまで公正な見方をする倍達の姿勢に「えこひいきではなく、スピードで体格の不利を補えるように特に時間をかけて教えただけ」だと気づいたチャールズ、ウイリーの嫉妬の氷は解け、代わりに炎の極真魂が燃え上がった。オリバーは結局体格差を覆せず、規定回数のダウンを喫したところで一本負けとなるが、闘志の炎を燃やしたチャールズが一方的に相手を叩きのめし、一勝一敗。だが続くウイリーは闘志が空回りしてKO負け。その後中村と茂が連勝して3勝2敗とし、少なくとも数字の上での負けはない状況で倍達と李が激突。試合は李が終始優位に進めるが、倍達が一瞬の判断で李に空中頭突きを見舞いKO勝利となった。だが結果に納得のいかない李は「エド・サリバンショー」に出演していた倍達を急襲。対抗戦では出す途中で倍達の空中頭突きにやられ不発に終わった必殺技「三光」を繰り出すが、その唯一の弱点を見抜いた倍達の咄嗟の行動で再び李はKOされた。「三光」すら破られた李は、担架で運ばれる途中今度は潔く完敗を認め、その後は無二の親友となり、互いに「先生」と呼び合う関係となった。(注・あらすじで紹介している大会結果はあくまで作中の描写であり、実際の結果や展開とは異なる場合が多々ある。)カンフーとの対決を制した倍達は日本に戻り、かねてからの念願であった全日本空手道選手権大会の開催と、最終的な目標である全世界空手道選手権大会に向けて動き出した。まずは第1回全日本選手権大会の開催が決まり、他流派の空手や、他の格闘技からも、ヘビー級の黒人ボクサー、体重130kgの柔道家、「キックの帝王」沢村忠を16回もダウンさせてKO勝ちしたタイ式ボクサー「サマン・ソーアジソン」等が参戦し、他流派の空手家達を次々に破って勝ち進んだが、三人共に、四国の芦原道場で地獄の合宿に耐え抜いた「日大の竜」山崎照朝と「城西の虎」添野義二の二人によって倒され、決勝はその二人の対決となり、僅差で山崎が第一回全日本王者となった。第2回では、講道館柔道の期待の新星佐藤勝昭が参戦。他流の空手家を相手に順調に勝ち進んだ勝昭だが、初の極真勢との対決となった長谷川一幸戦でKOされ、その後「少年マガジン」に梶原一騎の書いた記事で、「85kgの柔道家、60kgの空手家に一撃KO」の見出しが大きく載っていた事で発奮し、柔道を断念して極真会館に入門、翌年の第3回全日本では決勝で「大先輩」大山泰彦を破って涙の優勝を果たした。第4回は英国からハワード・コリンズが日本に空手留学。八百屋で働きながら稽古を続け、大会では山崎照朝を破って決勝進出を果たすが、勝昭のライバル三浦美幸が延長の末王者の英国流出を食い止める。第5回は他流派から富樫宜資が参戦、極真の強豪岸信行を破るなど旋風を巻き起こすが、佐藤俊和がその勢いを阻止。決勝はその佐藤を破った山崎照朝と盧山初雄が対決。盧山が勝って初優勝を決めた。怪我をした事で第5回の参戦を棒に振った添野義二は「第二の空手バカ一代」を目指しタイへ渡り、ムエタイ戦士達と激闘を繰り広げるが、最終目標であった「闇の帝王レーバン」は、添野との対戦が決まった直後に暴漢に射殺されてしまい、失意の帰国となった。そしてついに、倍達の最終目標である「第1回オープントーナメント 全世界空手道選手権大会」が開催される。「ついにこの日が来た! 空手一筋を決意してから長年夢見たこの日が!」倍達は感無量であった。そして原作者の梶原は、倍達の目に感激の涙が光っているのにふと気づくのであった。喜びも束の間、開催国である日本の選手が優勝出来なければ「切腹」しなければならないという倍達の悲壮な決意の中、日本人選手たちは世界の強豪を相手に勝ち続ける。最も脅威であったニューヨークの「ブラックパワー」、チャールズ・マーチン、ウイリアム・オリバー、ウイリー・ウイリアムスの3人のうち、オリバー、ウイリーは早々と姿を消すが、チャールズは日本人選手の一角、東谷巧を破るなどの活躍でついに準々決勝まで進出。しかし、盧山初雄の執念のローキック攻勢の前に敗れ、ついに外国人選手は姿を消し、倍達は(これでどうにか切腹せずに済んだらしい。)と胸を撫で下ろす。決勝戦はその盧山と佐藤勝昭の対戦となり、佐藤が勝って初代世界チャンピオンに輝いた。世界大会終了後も極真空手の勢いは止まらない。「絶えざる前進あるのみ。ケンカ空手の野生忘れず。」真樹日佐夫は香港で、倍達がかつてただ一度の敗北を喫した、カンフー界を支配する陳一族の首領、陳ヨウリンを倒し、長年の雪辱を果たす。ウイリー・ウイリアムスは人食い熊を倒して、プロレス王アントニオ猪木への挑戦を表明するなど活躍。「私の目の黒い限り、極真空手の永久不敗を読者諸君に誓います。大山倍達54歳、ますます元気です。」という大山倍達のメッセージで物語は幕を閉じた。(実在の人物に関してはあくまで本作における設定である。また、便宜上、漫画の登場人物としての大山倍達の表記は、文法上やむを得ない場合を例外として基本的に「倍達」、解説として実在の大山倍達の例を挙げる場合は「大山倍達」と表記する)1973年10月3日から1974年9月25日までNETテレビ(現・テレビ朝日)系列で毎週水曜日19時30分〜20時00分に放送された。全47話。様々な事情に配慮してか、主人公は大山倍達ではなく架空の空手家「飛鳥拳」となっている。ピストン堀口や木村政彦といった、原作において物語の展開に重要な役割を担っていた実在の人物も、アニメ版には登場しない。また劇中の飛鳥拳は、結婚せず独身のままで通すなど、原作・現実の大山倍達とは異なる部分も少なくない。前半は比較的原作に近い話だが、後半は世界中をさまざまな格闘技と戦いながら旅をする内容となっており、オリジナルストーリーも少なくない。また、カマキリ拳法のエピソード等、梶原・大山原作の「空手戦争」など他漫画からの流用も見られる。終盤に描かれるカポエラや太極拳の使い手との戦いは原作漫画では影丸穣也が作画をしていたが、アニメ版ではつのだじろうのキャラクターデザインのままであり、クレジットにも影丸の名は使われない。アニメ版独自のエピソードに登場する敵は、ほとんど素行の悪い悪人として描かれているため、ストーリーは空手対異種格闘技というよりも勧善懲悪色が強いものとなっており、少年向けアニメとして飛鳥拳のヒーロー性を高めるための演出がなされている。同様にED終了後に視聴者の年少者に「空手の遊びは非常に危険」という空手の危険性を喚起するテロップを入れているが、本放送のみで再放送以後では確認されていない。主題歌を歌っている大安蓮は、子門真人の変名である。ジェネオンエンタテインメントより発売。1977年5月14日に主演 : 千葉真一、監督 : 山口和彦、製作 : 東映で封切り公開された。2002・2003年公開(2部作)空手狩野道場の師範、宣之は息子・丈太郎に幼い頃から空手を教え込んでいたが、丈太郎は稽古中に誤って宣之を殺してしまう。父への罪悪感と、いつしか母から女と見てしまった宣之の後妻藍子への想いを断ち切ろうと丈太郎は片っ端から猛者たちに野試合を挑んでいく。
出典:wikipedia
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