花輪線(はなわせん)は、岩手県盛岡市にある好摩駅から秋田県大館市にある大館駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。「十和田八幡平四季彩ライン」(とわだはちまんたいしきさいライン)の愛称が付けられている。起終点駅をのぞく全線が東日本旅客鉄道盛岡支社管轄である(好摩駅はIGRいわて銀河鉄道、大館駅は東日本旅客鉄道秋田支社管轄。ただし好摩駅は共同使用駅のため、盛岡支社管内のJR駅としても扱われる)。東北本線の一部が東北新幹線八戸延伸開業でIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道に転換されたため、同支社管轄の路線としてはいわば「飛地路線」となっている。好摩駅から大更駅までは岩手県道301号渋民田頭線と、大更駅から十和田南駅までは国道282号及び東北自動車道と、十和田南駅から大館駅までは国道103号(国道104号・国道285号重複)とそれぞれ並行している。基本的には、大館駅 - 盛岡駅間通しの運行であり(好摩駅 - 盛岡駅間はいわて銀河鉄道線の区間だがIGRの乗務員は気動車を運転できる免許を所持していないため、JRの乗務員が通し乗務)、好摩駅での折り返し列車はない。ただし、朝夕の一部列車は荒屋新町駅・鹿角花輪駅発着の列車が設定されていて、平日の鹿角花輪発の上り列車1本は盛岡駅からさらに東北本線に直通して日詰行きで運行する(土休日は盛岡行き)。かつては松尾八幡平駅で折り返す列車が午後にあったが2009年3月14日ダイヤ改正で廃止された。青春18きっぷで好摩駅から盛岡方面へ行く場合、いわて銀河鉄道線の運賃が別途必要である(好摩駅 - 盛岡駅間 650円)。盛岡駅始発の花輪線列車は下り始発列車の盛岡発大館行きと前述の鹿角花輪発日詰行きが3番ホームから発着する以外はすべてIGRホーム(0・1番線)から発車するため、東北本線・田沢湖線・山田線から乗り換える場合はいわて銀河鉄道線利用と同様に、一度JR改札を出てIGR改札を通る必要がある。また、いわて銀河鉄道との連絡運輸の関係上、盛岡方面の各駅と花輪線各駅相互間の乗車券は通しで購入できるが、八戸方面の各駅と花輪線各駅相互間の乗車券は通しで購入することができない(ただしJR線各駅相互間の通過連絡乗車券はのぞく)。そのため花輪線から八戸方面に乗り継ぐ場合は、好摩駅で乗車券を買い直すか車内精算となる。花輪線内の速達列車としては快速列車「八幡平」が盛岡駅 - 大館駅間に1往復設定されていたが、「八幡平」は2015年3月14日のダイヤ改正で廃止され、下りは盛岡発大館行き、上りは大館発鹿角花輪行きの普通列車に変更された。2008年3月15日より奥羽本線直通列車は廃止された(後節を参照)。1980年代前半頃までは、奥羽本線陣場駅や鷹ノ巣駅まで乗り入れる列車がそれぞれあった。なお、臨時列車としては、花輪ばやしが開催される特定日に限り、快速「はなわばやし」が奥羽本線秋田駅まで運行される。自家用車の普及や過疎化による沿線人口の減少、さらに1980年代以降は並行する東北自動車道を走る高速バスとの競争にて劣勢に追い込まれたことにより、上野駅や秋田駅に直通していた急行列車の設定もなくなり、他の列車も減便された。2015年6月20日現在の運転間隔は大館駅 - 鹿角花輪駅間で1 - 2時間に1本、鹿角花輪駅 - 好摩駅間で1 - 4時間に1本程度と開いており、国鉄時代にあった交換設備が撤去された駅も多い。2008年3月15日より全列車、盛岡車両センターに所属するキハ110系列の気動車により運行されている。ワンマン運転は行われていない。また、かつて快速「八幡平」の運用は秋田支社が受け持っていたため、秋田色の気動車が乗り入れる姿が見られた。2007年3月18日ダイヤ改正をもって車両がキハ58・キハ52形からキハ110系列(キハE130系が投入された水郡線からの転属車両)に置き換えられ、非冷房車は姿を消した。なお、キハ58系気動車は機関1台あたりの出力が小さく、花輪線のような急勾配線区においては全車2台機関搭載車とせざるを得なかったという事情もあり、最後まで冷房装置の取り付けは行われなかった。また、鹿角花輪駅 - 秋田駅間の奥羽本線直通列車1往復(大館 - 秋田間快速、かつての急行「よねしろ」)は、秋田車両センター所属のキハ58系(こちらは冷房付であった)により運行されていたが、2008年3月15日のダイヤ改正で運転系統が大館駅で分断され、キハ110系列に置き換えられた(奥羽本線大館駅 - 秋田駅間は701系電車に置き換え)。花輪線の建設は、鹿角花輪(旧・陸中花輪)を境に2つに分かれる。先に開業したのは大館側で、こちらは私鉄の秋田鉄道(あきたてつどう)として1914年から1923年にかけて陸中花輪までが全通した。このうち、毛馬内(十和田南) - 陸中花輪間は、改正鉄道敷設法別表第5号に規定する予定線「青森県三戸ヨリ秋田県毛馬内ヲ経テ花輪ニ至ル鉄道」の一部である。一方、好摩側は国が軽便鉄道法により計画した区間で、花輪線として1922年から順次開業し、1931年に陸中花輪まで延伸され、秋田鉄道に接続した。1934年には、秋田鉄道が買収・国有化のうえ花輪線に編入され、名実ともに東北横断ルートとして完成した。
出典:wikipedia
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