債権(さいけん:羅jus obligatio、仏(droit de )créance、独Forderung(srecht))とは、大陸法系の私法上の概念で、ある者が特定の者に対して一定の行為を要求することを内容とする権利。ある者(債権者:英obligee、creditor、仏créancier、独Gläubiger)が特定の相手方(債務者:英obligor、debtor、仏débiteur、独Schuldner)に対して一定の行為(給付)をするよう要求できる権利をいう。現代の日本語では一般的ではないが、「人に対する権利」という意味で「人権」(英personal right、right in personam、仏droit personnel、独Personliches Recht)ともいい、旧民法では主としてこの用語が用いられていた。債務者の側から見た場合はこれは債権者に対する義務であり、債務(さいむ:仏dette、独Schuld、Verbindlichkeit)と呼ばれる。また、債権者と債務者のこのような法律関係のことを、債権債務関係(羅obligatio、英仏obligation、独Schuldverhältnis(独法・墺法)、Obligation(スイス法))という。いずれも視点が異なるのみで、内容を異にするものではない。日本では、「債権」という言い方が通常で、「債権債務関係」はあまり用いられないが、欧米では「債権債務関係」に相当する表現(obligationやSchuldverhältnis)がむしろ通常である。債権の概念そのものはローマ法に由来する。日本においては明治期においてヨーロッパ法(特にドイツ法、フランス法)を継受した際にローマ法由来の債権概念が導入され、現在の解釈学においてもその影響は強い。勿論、大陸法系以外の法域、例えば、明治期以前の日本にも債権・債務に相当するものは存在したが、室町時代後期(15世紀後期)以前の日本では強力な債務者保護の思想が働いていた。例えば、「質地に永領の法無し」という法格言が存在し、債務者から質物を預かった債権者は例え数十年後であっても債務者から返済を受けた場合にはその質物を返還する義務を負っており、債務者の同意の文書(放文)を得ない質流れは違法であった。また、債務者は債権者に対して本銭(元金)返済の義務を有していたが、利子が元金と同額(元利合計200%)以上の貸付は違法とされ、なおかつ徳政令によって本銭返済の義務すら減免されるなど、近代法の債権債務関係とは全く異なる関係が展開されていた。債権は物権と同じく財産権ではあるが、以下の点で物権とは異なる。現在の日本の民法においては、民法第3編債権において、その発生原因として、契約、事務管理、不当利得及び不法行為の4つを規定している。当事者間の合意により発生する債権を約定債権といい、契約による債権がこれに属する。一方、法律の規定によって生じる債権を法定債権といい、事務管理、不当利得、不法行為による債権がこれに属する。債権の目的(対象)は債務者の特定の行為であり、これを「給付」という。において、具体的には以下のものが規定されている。債権には一般に以下のような効力があるとされる。効力が不完全な債権、債務と責任とが分離される特殊な債権の形態も存在する。債務者の責任財産を保全するため、民法は債権者代位権と詐害行為取消権を認めた。で規定された制度である。債権者あるいは債務者は複数である場合もあり、物権における共同所有関係(共有・総有・合有)類似の関係に分析される。既述のように準共有について定める264条本文は「この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する」とし、本来であれば債権も「所有権以外の財産権」として準共有が成立するが、金銭の給付などに共有物分割規定(256条以下)を準用するのは煩雑であることなどから、民法は多数当事者の債権債務関係についてはの多数当事者の債権債務の規定(以下)を置いている(427条以下の規定は264条但書の「法令に特別の定めがあるとき」にあたり優先的に適用される)。債権の移転原因には次のようなものがある。なお、債権者を交替させるものとして、債権者の交替による更改があるがこの場合には債権の同一性が失われる。債権の消滅原因には次のようなものがある。以上の消滅原因のうち弁済(代物弁済、供託)、相殺、更改、免除、混同についてはで規定される。なお、患者への投薬が債権債務の内容となっていた場合に、患者が偶然全快して投薬が必要でなくなったときなどのように、目的到達による債権の消滅とみるべきか目的到達不能による債権の消滅とみるべきか分類が難しい場合もある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。