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stampfactory大百科事典

槍(やり)は刺突を主目的とする猟具、武器・武具の一種。投擲することを目的としたものは投槍という。有史以前から人類が使用し続け、銃剣に代替されるまで長く戦場で使われ続けた。鎗、鑓とも書く。現代中国語で、「槍」()という漢字は銃を表す。槍は人類最古の狩猟道具・武器の一つで、白兵戦用武器の中で最も活躍した実用的な武器の一つであり、その用途、種類は幅広く類似品も数多く存在する。槍は人類の戦いの歴史に無くてはならない武器であり、全ての時代において使用され続けている。近世以降は銃剣を着剣した小銃が狭義の槍に取って代わったが、その使用法は槍そのものである。旧石器時代には既に人類は投石と槍を使用していたことがわかっている。鋭い牙や爪、突進力を有する動物に対するために槍の長さは有効であり、この利点はそのまま対人の兵器としても発展していった。刺突だけでなく斬撃や打撃を駆使して戦うことができる。そのため戦斧・鎌・フック・鶴嘴・ウォーハンマー・戈など多種多様な長柄武器に発展していった。欠点としては、大型ゆえ閉所での戦闘には向かないことや、長い柄が不利に転じ得る、携帯に不便などである。担架やもっこの代用品として負傷者や荷物などを運ぶ道具として使用されることもある。旗竿としても使われ、軍旗やそこから転じた優勝旗などの旗竿はしばしば槍を模した穂先などの装飾が施される。戦闘時に相手との距離がとれることによる恐怖感の少なさや、振りまわすことによる打撃や刺突など基本操作や用途が簡便なため、練度の低い徴用兵を戦力化するにも適した武器であり(ただしハルバードなどのように多数の機能を持つ複雑な穂先を持つ場合、その扱いには一定の技量が必要な上、重心が穂先に向いてしまうため、初心者には不向きな物も多い)、洋の東西を問わずに戦場における主兵装として長らく活躍した武器である。一方、槍術と呼ばれる技術体系も存在し、棒術と組み合わせることも多い。また、その長さの持つ威圧感から、軍事力の象徴的に扱われることがあり、特に衛兵や門番は槍を持った姿が多い。槍を長くするほど、相手との距離を開けて戦える上に相手の攻撃が届かず優位に立てる。一方で、槍が長くなればなるほど近距離での戦闘が絶望的になるのと同時に、森林や狭所での移動や取り回しが難しくなるなどの(大型の武具全般に言える)欠点がある。この欠点は洋の東西を問わず認識されており、ファランクスや槍衾(やりぶすま)など野戦で横列を作り、「槍の壁」を作ることで仲間同士で弱点をカバーし合う戦術が考案されている。これらの戦術を用いることにより、集団戦術において槍は有効な武器となっている。個人戦の場合も、俗に「剣にて槍に対抗するには三倍の段位が必要」と言われるように、近間での戦闘でも長柄によって問題なく戦闘ができるが、武術体系を習得し扱いきるのは困難である。槍術は棒術などの他の武術体系の領域とも重複し習得内容の幅が広く、非常に難しいためである。とは言え、同じ長物である大剣等と比較すると、そこまで扱い辛い物ではない。長柄形の武器は、基本的に使用者の身長辺りから、それより2倍ぐらいまでが最も無難であるとされるが、使用者の身長の数倍以上の物を扱う者もいる(約4〜6m)。逆に1mくらいの物もあり、片手で扱う武術もある。「無用の長物」と言うように、使用者が扱えない程長くなれば戦闘に殆ど使えないということもあり得るので、特殊な方法(集団戦法など)を除いて自分の力量や戦術に似合った大きさの物を選ぶ方が良い。右手で柄尻に近い側を握り、左手を前に出して支える構えから、左手の中で滑らせながら右手の力で突き出すというのが最も基本的な使い方である。重量のある長槍では両手で握り締め突進しながら突き出す他、高く差し上げて打ち下ろす使い方も洋の東西で見られる。古代ギリシャの重装歩兵は盾と併用し片手で投槍の要領で肩の上に構えたが、いずれにしても得物の長さや状況に応じて臨機応変に構えを変えたようである。突き刺す以外にも、叩く、薙ぎ払う、掠め・叩き斬る、絡める、引っ掛ける、フェイント的に柄の側を使う等様々な用法が開発されている。両手剣類を扱い易くする形で、槍に似た形を得た武器もある。長巻やツヴァイヘンダーなどがいい例であり(刀身根元付近に刃着けしないかあるいは革柄で覆ったリカッソと呼ばれる部分を施したグレートソードや、同様に大太刀から長巻に変遷する途中に刀身中程まで柄巻きを施した中巻野太刀のように、形状は異なっても扱いが槍や薙刀に近似しているものもある)、何より原始に初めて槍が使われ始めた頃から現代に至るまで、一部の例外を除き基本的な構造にほとんど変化が見られないことからも、槍は武器として一つの完成形とも考えることができる。最初期の銃も、すでに存在していた同じ投射武器である弩には似ていない、むしろ槍に似た長柄の先に薬室と銃身を取り付けた形態であった。その銃が発明された中国では現在でも主力小銃を「歩槍」と呼ぶなど銃に槍の字を充てている。その銃器が19世紀頃になると普及が進み、槍はこれに取って代わられていった。しかし、戦闘時に於ける槍としての機能の有効性は未だ健在であり、軍用のサバイバルナイフの中には柄の部分が空洞になっていて、木の枝を挿し込んで(ソケット式の)槍にする物もある。銃剣は剣と書くが、実質は扱い・形状共に槍(銃剣単体=穂、銃身=柄、とも見て取れる)であり、現代の主力歩兵小銃にも、ほぼ全てに銃剣が取り付け可能であり、実戦で使用するための訓練も行われており、未だもって銃剣ひいては槍は全世界で実戦配備されているとも言える。21世紀に入っても、イギリス軍がアフガニスタン紛争 (2001年-)において銃剣突撃で武装勢力を壊乱させた事例が存在する。その他、土木用具のシャベル(形状が一般的な槍に似ている)も、特に塹壕戦では白兵戦用の武器の中で最も活躍した立派な武器として認知されている。現代の非対称戦においては、如何に先進した軍備を誇る大国の軍といえども、劣弱な後方部隊が襲撃される状況がままあり、銃剣を含めた兵士個々人の気力体力に依存する戦闘力の意義がむしろ大きくなっているとも言える。槍を投擲する概念も、紀元前から存在する用法である。腕の延長としてスイングの半径を拡大し飛距離を増大させる槍投器が世界各地から発掘されている。投擲用の槍は、適当な重量やバランスが手持ち用の物とは異なるため、独自の発展を遂げた。古代ローマのピルムは最も高度に発展したものの一つと言える。弓の発明・伝来が無かったアフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ポリネシア・メラネシア・ミクロネシア太平洋諸島圏及びハワイ諸島、南米奥地等では、近代まで狩猟具や武器として用いられてきた。現在の陸上競技でも投げた槍の飛距離を争うやり投が存在する。槍は主に、長い棒(柄)とその先端に付く硬質な部品(槍頭)の二つで構成される。基本的に衝撃に耐え得るように分厚く丈夫に作られていることが多い。柄は、最も重要な部品で、柄の造りで槍の強度が左右されると言っても過言ではない。また、状況や使用法によっては柄自体も打撃武器となり得る。また、柄の造りは千差万別でひとくくりにはできない。柄の長さは、短いもので数10cm、長いものでは8m程度に及ぶものも存在する。断面形状は円柱形(突く・振り回す・叩くことにはこちらが使いやすい)が多いが、刃の角度が手の感覚で分かり易く、手首の捻りで角度を変え易い斬撃用に特化した楕円形・倒卵形、栗形(宝珠形とも:たまねぎ状)や多角形(角を丸めた三角・四角や五角〜八角、十二角〜ほぼ円に近い五十二角など)のものもある。太さは個人の好みや使い易さにより様々であり、さらに柄に枝や節が付いているものや、木刀の柄のように木の素地を生かす・またあるいは打刀や長巻のように柄巻きを施して手だまりをよくし(握りやすい程度の摩擦力を生じさせ)打撃や斬撃に適したもの、漆や蝋などを塗り滑りやすくしたものもある。柄は主に木製であり、特別に製作される場合を除き、地域ごとに自生し普及性のある材が最も多く用いられることが普通である。基本的には樫、栗、胡桃、椎、ブナ、アズサ、オーク、ウォールナット、桜の木などの頑丈な木材が加工されて使われることが多い。クヌギ、ナラ、カシワ、桜、カツラは、樫、栗、胡桃、椎、ブナなどに次いで重硬で柔軟性もありやや割安なので比較的利用された。磨けば光沢も美しく硬いが柔軟性には欠ける柘、椿、カヤ、ケヤキ、槐、ビワ、トチ、イスノキ、イチイ、柿(黒柿と呼ばれるタンニン分を多く含んだ心材)は、衝撃にやや脆くあまり長く作れないうえ、材自体も希少でコストパフォーマンスが悪い、あるいは飢救食料である等の理由により、美術装飾用など特別な生産の場合を含め、生産はごくわずかである。また、日本では、室町時代後期から戦国時代にかけて一時期即席の槍として、その急務性と軽さから農民兵に貸し出し用に生産された「お貸し槍」などに杉、松、ヒノキ、サワラ (植物)、ツガなど針葉樹が使われたが、一部の特殊なもの(山岳北斜面に植えるなど日照生育を作為的に悪くし年輪が詰まってヤング率が比較的重硬・頑健になった吉野杉、北山杉、秋田杉、雨が多い地域で充分に育ち樹脂分を多く含み耐水・耐不朽性が強い屋久杉や松、ヒノキ)を除き、さほど頑丈ではないためあまり普及しなかった。中国では元来天秤棒やもっこ、物干し竿などの竿に竹とともに日常的に使われていた、軽くて叩き付けてもしなやかで折れにくい白蝋棍(白蝋樹・白蝋木とも。大陸産の柳の一種。近年での少し高級な材ではトネリコやアオダモも代用される)が汎用性もある高品質の柄として、また棒術の棍・棒としても用いられてきた。(→長器械)大航海時代になり交易が盛んになって後記にある熱帯性の重硬材が流入されるまで欧州では、北欧など北方地域では上記のような重硬な木材が手に入りにくいため、松、ヒノキ、栂、ヒマラヤスギ類などの比較的軽くて耐寒性と水や湿気に耐腐朽性があり普及している針葉樹系の心材やヒイラギ、アッシュ、樺、南欧では椎、ブナ、オノオレカンバ、オーク、ウォールナット、セイヨウイチイ、マロニエ、オリーブ、月桂樹、レバノン杉、カシューナッツ、胡桃など比較的重硬な材が使われた。また、大西洋航海路が確立後は北米からヌマスギも安価な用材として比較的多く流入した。東南アジア・中南米・西アフリカなど熱帯多雨林地域では、重硬な丁子、ムクロジ、菩提樹、ニセアカシア、ゴムノキ類など木材類や黒檀、シャム黒柿、紫檀、鉄木、タガヤサン(テットウボク)、癒創木(リグナムバイタ)、プビンカ(ブビンガ)、ローズウッド類などの最も硬質な木材類が、生育もよく、採集も容易だったため多く用いられた。その他、軽量さや生産コストの低さを求め、強度に不安のある材質や、品質の悪いものが使用されることもあったようであるが、これらは往々にして粗悪で、折れやすいものであった。また例外的に、装飾用・儀礼用として実戦を想定しない類のものには、柄の材料としては向かない上記以外の木材が使用されることもあった。鯨のヒゲ、イッカクの角、象牙、サイの角など、動物性の材も、儀礼・装飾用や木材の採れない地域での槍に用いられることはあるが、木材と比較すると脆く強度に欠けるのでセイウチの牙、水牛の角などとともに芯材の補強用にとどめる場合が多い。鉄鋼・青銅・真鍮などによる総金属造りのものも存在するが、金属部をしなやかな細身にしたり鋼管技術が発達するまでは柄として用いられたことは多くはない。これは、総金属製の柄でできた槍が重く、扱うために平均以上の膂力と全身持久力が必要となること、また寒冷・高山地では熱伝導率上持ち手が凍える、同様に熱で素手では触れないほど熱くなることもあるが(もっとも、この場合柄の表面に別の素材(布・紐・革など)を張り合わせれば解決できるためあまり問題ではない。※ただし、重い金属製を扱う場合は磨耗に耐久性のある材質でないと使用頻度により取り替えることになるのでコストパフォーマンスはそれだけ下がることになる)、感触が硬く衝撃の際に手が痺れる、手の内が汗などで滑りやすい、などの理由によるものである。そのため、特殊な場合(身体を鍛錬する、身体の壮健さをアピールするなど)の他は、熱帯地域以外ではあまり好まれて使われない。複合素材を用いた例として、日本では室町時代後期から「ウチ柄(うちえ)」「」と呼ばれるものが存在する。これは、頑丈な木材ほど重くなりやすく、柄を長くすると扱いづらいため穂先が小さく短くなりやすく、また、重硬な木材は製造が高価になるという問題を克服するためである。制作法は厚めの竹を裂いて断面が台形もしくは三日月型・小波紋型になるように割った細長く加工した竹樋子(籤:ひご)を、心材(木・あるいは鉄製)の周囲に巻いて円柱状になるよう取り囲んで組み、ニカワで接着して麻紐や籐革で巻き、さらに補強と防水・防汚をかねて漆を掛けて固めるという加工を施す。これは、工程量に大きく差はあるものの、打ち柄より先に確立していた和弓の合成弓の製造法に類似している。ウチ柄の中でも、中心に檜を用い周囲に嵯峨竹と革を用いた柑子打は、万に一つも折れる心配がないと評されている。一般的に穂先近くの柄に補強が施されることが多く(日本では太刀打という)、柄全体には布、皮や樹皮等を巻き付ける物や、縦に細長い鉄板を前後左右どちらかの片側か両側に貼り付けるタイプの物、その両方を組み合わせてある物も多い。例外的に蛭巻きという鉄などの金属を柄に巻き付ける手法や長覆輪という薄い金属の板でぐるりと覆う手法もある。日本の槍において補強を施す一番の理由は、槍の強度的な弱点である目釘の部分を補強するためにある。さらに敵を打撃した場合の破損を防ぐほか、柄に傷が入った場合、柄を削り直すか交換する必要があるが、補強部分だけの交換だけで済むことにある。また金砕棒や棍棒のように破壊力と強度を合わせ持つことにもある(中には十手のように横に鉤状の突起が出た物もある)。補強に使われる素材は竹、樺等の植物性素材や和紙を紙のりとして用いた天然樹脂や縄や紐等の加工品、鉄や真鍮などの金属および合金素材、皮・革、毛、腱、牛やサイなどの角、骨、象牙等の動物性素材や、鉱石など非金属など多様で、柄と同じく漆や蝋などで塗り固めて作った物も存在する。柄の中には鍔が付属されているものもあるが、打撃に耐え得るように太く作られている場合が多い。慣性などが大きくなるのを防ぐ為か、サイズは小さくなる傾向が見られる。また、刃渡自体が短いので鍔のリーチを伸ばす為に柄の方に寄っている、又は刺突時や振り回す時のストッパーや邪魔にならない様に小さめにして柄の中間辺りに付く物や、ランス (槍)の場合は突撃時やほとんど持ち方を変えない槍の手元の防護や体当たりの補助のために根元辺りに鍔として付いている。また、日本では十文字槍などのなかには打刀同様鍔を設けたものがある他、項目「日本における槍」でも後述するように滑り止めのための血留玉や項目「槍及び長柄武器の分類」でも後述する管槍が存在する。槍や長柄武器の中には敵を威圧・挑発・威嚇するためや上司や敵におのれの奮闘振りを見せ付けるため、個人が所有を特定するため、あるいは敵に対する目くらまし、宗教的・呪術的な儀礼や生存への渇望や戦勝祈願・加護・心理的な威力付与・敵に対し畏怖によって怯ませる効果を求めての護符(アミュレット)や縁起かつぎ、または闘争用には用いず元から装飾用及び宝飾用・奉納用・一族繁栄を願っての祈祷用に用いるため、または補強を兼ねるためや補強を隠すために装飾を施したものもある。例としては次のようなものがある。刃と逆の先端部分は石突きと呼び、木材の柄を石突きの代用にしていた物や量産型(数物)で簡略された物以外では鉄製の物が多いが、中には全体の重心のバランスをとったり重くする為、青銅・真鍮・鉛製、時代が古いと時に石製の物もある。地面に突き立てる、突き立てる際の柄の保護、重心を中央に安定させるなどの他にも、先を鋭く尖らせて刺突や疾走時の補助として棒幅跳びのように槍を用いたときの接地時の支柱やブレーキ機能及び、同じ要領で流れの緩やかな河底を鎧着込みのまま潜って移動する際に錨のように一時固定する爪としての機能を持たせたもの、錘 (武器)、メイスを取り付け打撃力を強化した物などの、攻撃用に特化されている物も存在する。通常の石突きでも、殴りつけるなどの攻撃は可能である。また、石突きの部分が穂先と同じように刃や剣身、針などのように鋭利な形状に作られている物も世界中に少数存在するが、扱いづらく、下手をすれば自分自身や騎乗している馬、味方さえも傷つけやすい上、石突きとしては使えない為、どちらかといえば「個人用のカスタム仕様」のような物であり、あまり普及していない。槍頭(穂)は打突時の構造上強度がある三角錐状(平三角、正三角など)・四角錐状や刀剣の刃状、円錐状で、石製の物から金属製の物まで時代や地域によって異なる。穂先が刃状の場合、斬撃の機能もあり、同種の武器である薙刀と比較すると刃に反りがない分、刃物としての切断効率は幾分劣るが、打撃によって叩き斬ることを目的に設計されている物が多い。これは細身の刃では斬撃の衝撃に耐えるのが難しい為、無理に刃を付けるよりも、打撃力その物を強化した方が効率的だったからである。槍の種類の発展型としてハルバードのように斧・鎌・鉤などを組み合わせ、斬撃の機能を強化する、引っ掛ける、敵刃を捕らえるなど多機能化した枝物(えだもの)が存在する。矛先が複数に分かれている物は場合によっては刺突の際、威力が分散されることが多く、三叉、二又等の銛と同一、戦場では多少改善されている物が主流。刃渡は大体5cmあれば(先が尖ってさえいれば)刺突には全く差し支え無く使える為、その他多くの槍、特に突きや打撃に特化した物の多くは刃渡が5cmにも満たない(刃が付いていない物もある)。槍の携行時や運搬時に槍頭(穂)の防汚・防錆や欠損防止、また人員や馬などの家畜・物資や構築物に接触した際に損傷させることを防ぐために、中世以降は戦時以外では刀剣と同じように鞘に収めることも考えられた。材質としては西欧では皮革製、アジアでは布を巻きつける簡素な手法や陶器製・木製のものが多い。日本では打刀の鞘と同じように木製が多く、後世(少なくとも江戸時代前期)にはのりで厚く重ねた和紙を漆で固めた簡易の鞘も出てきた。凝ったものや装飾用のものには西欧ではスエードや羊毛、ビロードなどを鞘の内張りにすることがあり、日本では平安時代から獣の毛皮を内側に張るなどして緩衝と防湿・防水の効果を持たせる場合があった。また、日本では戦国末期から江戸時代にかけては螺鈿細工などの蒔絵細工を施すなど装飾する場合や家紋を入れる場合もあった。柄と槍頭の構成は基本的に、柄に被せる袋穂式(ソケット状)と挿し込み式{日本刀の茎(中芯・中心:なかご)のような造り}があり、単純に武器としての耐久強度としては挿し込み式の方が高いが、総合的に見ると絶対的に有利とは限らない。また、これらの接合に使われる部品は必然的に柄の補強とも統合される場合が多い。袋穂式は、完全に包み込むものと両側で挟み込むもの、片側のみで柄と繋ぐものなどがある。柄の製作や修理が比較的容易にできる代わりに、特に斬る・打つことがし難く、造りによっては挿し込み式より頑丈になることもあるが、金属製の補強用材(鉄及び真鍮・青銅など)のため重量が膨大になり易い(袋槍を参照)。ヨーロッパ諸国の多くや中国をはじめとする東・東南アジア諸国などで使われていた槍はかぶせ式が多い。挿し込み式は、途中まで半分に割った柄の間に挟む形式(柄その物が二つに分かれるものもある)と、柄を空洞になるように刳り抜き中に入れる形式等がある。修理に時間と専門技術が必要だが比較的丈夫にできる為、頑丈な槍を作りやすい。また、日本の槍の多くはこの造りであり、柄と槍頭を安定させると同時に相手からの斬撃で容易に柄から穂が斬り落とされないようにするために刃:茎の比率を1:2〜1:3と長く作る{余程のことがない限り柄から穂が斬り落とされること自体ないが、鎌倉時代から槍と同じく台頭してきた大太刀は初期のこの構造になる前の槍の穂(袋穂か短い茎の穂)を柄ごと斬り落とすために開発された長物ともいわれている。また同様に平安時代後期に台頭してきた薙刀にも同じく槍以前に袋穂を持つ矛の穂先を斬り落とす用法がある}。また、前述の太刀打ちと茎挿し込み式の強度を利用して足軽などの傭兵された農民兵はお貸し槍(貸し出された槍)で文字通り「叩き合った(≒戦った:たたかった)」。これは、不慣れな長物で敵を刺突するよりもからさおなどで脱穀する動作に近い叩く方が慣れているからとも、傭兵として相手方にも雇われている身内・親類もしくは同郷の友人・知人を昏倒させるにとどめて殺傷しないように配慮したからとも言われている。また日本のほとんどの槍には挿し込み式・袋穂式ともに穂から柄にかけてくびれた首のようなものがあり、これを塩首(けらくび・しおくび)という。この部位は細く柄と穂を繋ぐもっとも衝撃と圧力が加わる部位の一つなので、それらを分散するように三角・平三角穂は五角柱、四角錘穂や剣刃状穂の場合は八角柱に形作られている。日本における槍の一般的な構造は、木製あるいは複合材の「打柄」の長い柄の先端に、先を尖らせて刃をつけた金属製の穂(ほ)を挿し込んだもの。日本では古墳時代から矛の使用が見られ、槍の使用例は少ない。その数少ない例として、宴会で酔った大海人皇子(天武天皇)が槍を床に刺したという伝承がある。その後は矛は廃れ、平安時代末期からは薙刀のほうが普及する。しかし、その後薙刀よりも実戦向きであるとして、槍が普及することとなる。ちなみに矛と槍の違いについては諸説ある(詳細は矛の項目を参照のこと)が、前述の大海人皇子が使ったとされる槍も、矛が使われた時代である事から、詳細は不明だが矛とは構造的に異なるものであったと思われる。しかしながら、矛が廃れた後で登場した槍については、同じものを古代は矛、中世以降は槍と称したと解釈して問題ないように思われる。例えば「柄との接合部がソケット状になっているのが矛。茎(なかご)を差し込んで固定する方式が槍」という説があるが、実際には接合部がソケット状になっている袋槍が存在する。新井白石も槍について「"やり"というのは古の"ほこ"の制度で作り出されたものだろう。元弘・建武年間から世に広まったらしい」と著書で述べている。そして文中の記述において、"やり"には"也利"、″ほこ"には″槍"の字を充てている。俗説では箱根・竹ノ下の戦いにおいて菊池武重が竹の先に短刀を縛り付けた兵器を発案したとされる。『太平記』などによれば、1,000名の兵で足利直義の率いる陣営3,000名を倒したという。菊池千本槍は、熊本県の菊池神社で見ることができる。後に進化し、長柄の穂と反対側の端には石突(いしづき)が付けられるようになった。実際には鎌倉時代後期には実戦で用いられていたとみられる。茨城県那珂市の常福寺蔵の国の重要文化財『紙本著色拾遺古徳伝』(奥書は元亨3年11月12日)には片刃の刃物を柄に装着した槍を持つ雑兵が描かれている。その後、戦国時代に盛んに用いられた。戦国時代の戦闘用の槍には身分の高い侍用のものと、「数物」と呼ばれる足軽用に量産されたものとが存在し、戦国時代後期には10mにも及ぶ長槍を足軽部隊に配備していた戦国大名もあり、戦場においては、その長大さにより刺突のみならず打撃(集団を形成して打ち下ろす)のための長柄武器としても用いられた。また、合戦時に一番乗りで敵と槍を交えることを一番槍という。また、この頃になると多くの素槍には血留玉(ちどめだま・ちだめだま)と呼ばれる2-3mmほどの太さの麻紐を太刀打や物打の下あたりにぐるぐると巻いて拳大の球状にし、ニカワで固めた鍔のようなものを設けた。これは、相手を仕留めた際の返り血で濡れて滑り手だまりが悪くならないように考案された。この血留玉は返り血でニカワが溶け紐がほつれたり敵刃の斬撃で破損したりするので戦(いくさ)のたびにそのつど換えられていた。また、つけたまま保存したとしても虫食いや湿度やカビのために維持が難しく、そのため、現存する槍の中で血留玉がついたままの物は極めて珍しい。穂や柄の形によって、素槍(すやり)、管槍(くだやり)、片鎌槍(かたかまやり)、鎌槍(かまやり)、十文字槍(じゅうもんじやり)、鉤槍(かぎやり)など様々な種類がある。特に刃長の長いものは「大身槍」と呼ばれ、概ね刀身が1尺(30cm)を超えるものを「大身槍」として分類している。(片手用の)剣や斧などを持った相手のリーチ外から攻撃する、馬上から、あるいは馬自体または騎兵を攻撃する、盾越しに攻撃する、など、用途は多岐に渡る。欠点は、特に大型武具に多く見られる取り回しの悪さと携帯性の悪さである。柄の長さを変えて攻撃範囲を変動させる上、二方向に攻撃力を持たせる為、そこから繰り出される攻防は変幻自在で、相手は慣れていなければ混乱し易い。また、長柄による大きな回転運動や慣性の法則によって得られる打撃や斬撃に高い威力を持たせることも可能で遠心力、重力の活用により その破壊力は凄まじく 腕や足など骨ごと切ることさえあったという。梃子(てこ)の原理を応用して振り回す技もある(腹、足、肩などを支点や力点にする)。棍棒のような使われ方もされる。槍の中には形状や流派などにより使用方法が全く異なる物がある。太刀と同じ使用法も可能。集団戦では、人と人との間をできるだけ狭めた、密集した陣形を築き、その陣形の形や盾持ち、弓兵などの支援兵種を布陣させ防衛ラインの形成や反撃、攻撃または、騎兵を馬から叩き落とす陣形などもある。もちろんこれほど密着した陣形を取ると、振り回すことが困難になり、前方以外からの攻撃に脆く、また軍団の移動速度が極端に遅くなるデメリットがあり、ありとあらゆる解決方法が多国で試された。さらに、これらの戦法で使われる槍は5〜8mと長くなる傾向がある。(※武具の項目『武具#使用方法』も参照)※未だ詳しく地域と時代別には分けられてはいません、ご注意ください。槍の分類としては大きく分けて「長槍」「短槍」「投槍」に分けられるがこれらの分類に明確な違いはなく曖昧な上、その他の「長柄武器」との混合で厳格な分類は非常に難しくなっている(なお、この分類も正式な物ではない)。長槍は、集団同士の戦闘で効果を発揮しやすく、長ければ長いほど有利に働くために短槍から完全に分離して独立した武器となるが接近されると対処が非常に難しい武器である。短槍は、個人戦や室内戦などの閉所で活躍しやすく、また複雑な形状をしている物も短槍が多い、また騎兵槍もここに入る。投槍は、投射しやすいように造られた物で、短槍の中にも投射できるように造られた物も存在する。打柄の槍を持ち、地面に立て掛けて馬の突撃を跳ね返したと記録している書物がある。槍折という言葉の通り、折れて柄だけになった槍で戦うことが戦で実際にあり、その際、棒術として戦ったという記述がある。

出典:wikipedia

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