『麻雀放浪記』(マージャンほうろうき)は、阿佐田哲也作の小説。また、この原作をもとに、東映で作られた映画。賭博としての麻雀を題材としており、文中に牌活字がしばしば登場する娯楽小説である。戦後復興期のドヤ街を舞台として、主人公「坊や哲」をはじめ、「ドサ健」、「上州虎」といった個性的な登場人物達が生き生きと描かれ、彼らが生き残りをかけて激闘を繰り広げるピカレスクロマン(悪漢小説)として評価が高い。1969年(昭和44年)、『週刊大衆』に最初のシリーズ(のちに「青春編」と呼ばれる)が連載され、昭和40年代の麻雀ブームの火付け役になった。以後、1972年(昭和47年)までに計4シリーズが連載された。1984年、和田誠監督作品として映画化されたほか、漫画化もされている。また、阿佐田自身による続編的な作品として『新麻雀放浪記』『外伝・麻雀放浪記』がある。そのほか、ドサ健を主人公にしたスピンオフ作品『ドサ健ばくち地獄』がある。麻雀放浪記の魅力のひとつに「坊や哲」と、彼を取巻く個性豊かなバイニン(-商売人。ばくち打ち。)達が挙げられる。以下には現在入手可能なものを示す。原作小説の第1巻「青春編」が、1984年(昭和59年)に和田誠監督作品として映画化されている。雀卓を舐めるように旋回するカメラワーク、そして実力派俳優達が演じるばくち打ち達、これらが相まって、麻雀を知らなくても楽しめる娯楽作品に仕上がっている。桜井章一の雀技指導により、「つばめ返し」等のイカサマ技も見られる。映像は戦後の混乱期の雰囲気を描いたモノクロームとなっている。映画のスタッフとキャスト表示は、現代のカラー映画では冒頭で一部のみ表示し、エンディングで全てを表示するフォーマットだが、この映画では冒頭ですべてを表示し、エンディングは「終」しか表示しない、白黒映画時代のフォーマットになっている。ただし書体については昔風の書き文字でなく、写植である。また、本作の絵コンテの一部が伊丹十三監督の『マルサの女2』のドキュメント「マルサの女2をマルサする」(周防正行演出)で見ることが出来る。この映画のシナリオは、『シナリオ麻雀放浪記』として刊行されている。また、和田誠自身による撮影記が『新人監督日記』として刊行されている。もともとはドサ健役に松田優作を予定していたが、折り合いがつかず変更となった。また、この映画のパロディを「オレたちひょうきん族」で放送したことがある。内容は「博打」というテーマではあるものの、映画のメインである麻雀のシーンがなく、代わりにポーカー(といっても完全にルール無視)で戦うシーンが入っている。ちなみに、坊や哲を明石家さんま、出目徳(コント内では「出目タケ」に変更)はビートたけしがそれぞれ演じている(『オレたちひょうきん族 1983〜1984 II』の3枚目に収録されている。タイトルは「ギャンブル放浪記」)。ちなみに、この回で初めてタケちゃんマンがタケちゃんマン7に変わったことが報告される。なお、西原理恵子の『まあじゃんほうろうき』は、タイトルの読みが同じであるが、本作とは関連がない。執筆の段階では、筑豊の炭鉱にて、中国人や在日コリアンらが麻雀に興じるシーンがあった。この他に被差別部落者が加わっていたくだりがあったが、編集段階でカットされており、お蔵入りとなっている(『徹底追及「言葉狩り」と差別』(文藝春秋)より小林健治の談話)。
出典:wikipedia
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