八丁味噌(はっちょうみそ)とは、愛知県で生産されている長期熟成させた豆味噌の一種。米麹や麦麹を用いず原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌のうち、現在の愛知県岡崎市八帖町にて生産されてきたものを指す。名古屋圏では「味噌汁」といえば豆味噌を用いた赤い汁のものが一般的であり、八丁味噌も他の豆味噌同様、濃い赤褐色をしているのが特徴である。木製の大桶に空気を抜きながら味噌を敷き詰め、その上からピラミッド型に石積みし、長期間(1年半から2年以上)天然醸造され、腐敗を防ぐために塩分濃度を高めているため独特の渋みとうまみが特徴。全国的には豆味噌(赤だし)というと塩辛いイメージがあるが、八丁味噌は塩分が少ない。岡崎市の矢作川地域で収穫される矢作大豆と、知多の成岩(ならわ - 半田市)や饗庭(あえば - 吉良町)でつくられる塩を用いて、主に八丁村で作られていたことから、八丁味噌と呼ばれた。八丁村は岡崎城より西へ八町(約800m)離れていたことが村名の由来とされ、現在の愛知県岡崎市八帖町にあたる。八丁味噌は「三河味噌」や「三州味噌」とも呼ばれ、江戸時代は江戸へも出荷されていた。1981年12月、指定商品を、第三一類「調味料香辛料 食用油脂 乳製品」とし、漢字8文字を一連に縦書した「合資会社八丁味噌」なる商標を、合資会社八丁味噌(カクキュー)が出願(昭和五六年商標登録願第一〇七五一〇号)しているが、1983年3月に拒絶査定(昭和五八年審判第一三〇二六号事件)されており、後に審判請求するも不成立となっている(東京高等裁判所 平成元年(行ケ)112号)。この際、東京高裁は「「八丁味噌」とは、愛知県岡崎市を主産地とし、大豆を原料とする豆味噌の一種であり、「八丁味噌」なる文字は、該商品を指称する普通名称であると認められる」としており、カクキュー一社による商標出願を拒絶する根拠としている。ただしこれはあくまで「合資会社八丁味噌」という8文字の言葉に対してであり、「八丁味噌」という言葉が商標出願されたわけでも拒絶されたわけでもない。このように、「八丁味噌」という言葉は普通名称であることが認定されているが、同時に判決文では、当時の名古屋地方における職業別電話帳、および岡崎地方における50音別電話帳にて「八丁味噌」の名称又は名称を冠したものはこの2社のみが記載されていること、および八丁味噌は愛知県岡崎市において江戸期より太田家及び早川家を製造元として作られてきた同地方の特産品であり、現在も合資会社八丁味噌(カクキュー)と株式会社まるや八丁味噌(当時は合名会社太田商店)の2社のみで醸造されていることを認めている。2006年4月1日、地域団体商標制度がスタートしたのに伴い、岡崎市内の2社(カクキュー、まるや八丁味噌)からなる「八丁味噌協同組合」が同じ月に『八丁味噌』を商標出願した。しかし、愛知県全体の業界団体である「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」は、2社のみが名称の独占使用するのはおかしいと主張し、その後二者による協議が行われたが、それも物別れに終わったため、後者は『愛知八丁味噌』の名称を出願することとなった。ただし2016年現在も、双方共に商標認定されていない。戦時中、贅沢品として製造禁止の危機があった。2006年4月から同年9月まで放送されたNHKの連続テレビ小説『純情きらり』の舞台が八丁味噌の蔵元であったため、近年ではより全国的にその名が知られるようになった。これと連動して名古屋めしブームが起こり、今まで名古屋圏以外では敬遠されがちであった赤味噌料理を求めて名古屋に訪れる観光客も増加傾向にある。
出典:wikipedia
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