ジオング(ZEONG)は、「ガンダムシリーズ」の登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」の一つ。初出は1979年のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。作中の敵側勢力である「ジオン公国軍」の試作機で、同軍が開発した最終型のMSという位置づけにある。特殊な素養を持つ「ニュータイプ」パイロットに対応した操縦および火器管制システム「サイコミュ」を標準装備している。劇中ではまだ両脚のない未完成状態で、脚の代替として大型の推進器を内蔵していた。劇中未登場である完成状態は「パーフェクト・ジオング」とも呼ばれ、脚を含む全高は通常のMS(18メートル程度)の倍以上ある38メートルにも達する。『機動戦士ガンダム』の終盤において、ジオン軍大佐「シャア・アズナブル」が搭乗し、主人公「アムロ・レイ」が搭乗する「ガンダム」と死闘を繰り広げる。メカニックデザインは大河原邦男。テレビ版『機動戦士ガンダム』第42話、第43話にて描かれた一年戦争最後の決戦、ア・バオア・クー戦において登場したジオン軍の最終モビルスーツ。上腕の装甲と脚のない、全体としては80%の完成度だった。ギレンは本機を未完成品だと判断している。先の戦闘でガンダムに乗機のゲルググを中破させられ使用できなくなっていたシャア・アズナブルは、キシリア・ザビからパイロットの決まっていなかったこの機体を託された。シャアはブラウ・ブロとの関連性に言及し、キシリアはエルメスのサイコミュを部分的に取り入れた機体だと説明している。本機に与えられたキシリアの命令は、ア・バオア・クー要塞Sフィールドに出現した連邦軍艦隊を、第34モビルスーツ隊と共に迎撃することだった。最初ジオングに不慣れなためにシャアの焦る描写が描かれ、テレビ版ではナレーションでもそのときの彼の心理状態が語られている。その状態でありながら、MS18機を撃破、戦艦4隻を撃沈する戦果をあげた(その中には、連邦軍の臨時旗艦ルザルも入っていた)。その後ガンダムと交戦するが、シャアは戦闘中にガンダムを見失ってしまい、同機が血路を開くのを許した。結果、連邦軍艦隊の撃滅という本来の任務は果たせなかった。連邦軍MS隊が要塞にとりついたのち、本機とガンダムは本格的に交戦する。本機はビーム・ライフルが4発命中してもなお戦闘を続行する耐久力を見せたが、最終的に相討ちとなり、頭部ユニットはア・バオア・クー内部で破壊されたが、シャアは爆発直前に脱出。そのままアムロとの生身の対決になだれ込む。OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』では、第34MS隊のエリク・ブランケ少佐(ゲルググ搭乗)の視点によるジオングとガンダムの戦いが描かれている。エリクは本機に足がないことに驚き、「あれで正解なんだ」と呟いた。戦闘突入後、ジオングはサラミス1隻、ジム3機、ボール4機を撃墜し、その後にガンダムと交戦した。この戦闘は、シャアがガンダムを見失い、連邦軍MS隊がア・バオア・クーに取り付いた直後にあたる。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ギレン・ザビが極秘に開発し、自分への忠誠心を見せる約束でシャアに与えている。コクピットは首周りの1か所のみと設定が変更されており、分離時には頭部と首周りが一体となっている。展開自体はアニメ版と大きく変わらない。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ア・バオア・クーに残された3号機を改修した機体が登場。ジオン残党の宇宙拠点アムブロシアにてシャアが乗ることになるが、その際に前述の整備兵と再会するエピソードが描かれている。以前、整備兵に「飾り」と言われた脚が付いてパーフェクト・ジオングに近い完全版は、バランスが良くなり機動性が向上していたが、のちに基地の物資不足を理由として解体されている。なお、シャアは「今度こそ乗りこなしてみせる」と話しており、上記にある「ジオングの操縦に不慣れだった」ことを事実としたものになっている。ただし、この作品自体は公式設定というわけではない。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収載された「バカがボオルでやってくる!」では、ジオングの大型化の理由を「ソロモン戦で確認された浮遊する巨大なガンダムの頭部から逆算された大きさの『ガンダム』に対抗するためという噂」と設定して描かれている。ただし、この作品自体は公式設定というわけではない。漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、シャアが搭乗し出撃した1機以外にもア・バオア・クー内工廠で数機の生産が行われており、ア・バオア・クー戦の最中に連邦軍による奪取作戦が立案・実行されている。監督の富野喜幸の第1ラフ稿、原画マンの板野一郎が第2ラフ稿をおこし、それを元にメカデザイナーの大河原邦男が決定稿を描いてデザインが完成した。ジオングに足が付いた形態(型式番号:MSN-02)。地上での運用も可能になるが、スラスターが脚部になったため、機動力は低下した(脚部にもスラスターがあり、スラスター総数は差し引き6増えるため、重量増加と合わせてどの程度の低下かは現在の資料では不明)。公式としての初出はバンダイのプラモデルのMSVシリーズだが、プラモデルの1/144のジオングに1/100のドムの足を取り付ける改造アイデアが流行。漫画『プラモ狂四郎』においてもこれに準じた改造が行われ、原型となる「足付きジオング」が登場。人気機体となる。ただしこちらはMSV版パーフェクト・ジオングとは別の物である。このような経緯により、足つきジオングとパーフェクト・ジオングが混同されることがある。プラモデルでは設定の全高が38mという大型機であるため、1/144スケールではなく1/250スケールとして発売された。長くこのスケール以外の発売は無かったが、2004年6月にマスターグレードとして、1/100スケールで価格は1万円(税別)という高額なキットが発売されている。ちなみに足の長さはちょうど同スケールのガンダムの全高と同じ長さとなっている他、公式設定にはない『プラモ狂四郎』で登場した大型サーベルがサービスで付属している。なお、「パーフェクト・ジオング」という名称は元々『プラモ狂四郎』で製作者のサッキー竹田が狂四郎のパーフェクト・ガンダムに対抗して名乗ったものであり、設定上の正式名称は足が付いても「ジオング」である。また資料によっては「ジオング(完成機)」と表記される場合もあるが、上記機体解説によるなら厳密には誤りである。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、シャアが搭乗したジオングの3号機が当機の形状に改修されている。アクシズで交戦後、資材不足のために解体された。漫画『プラモ狂四郎』に登場する機体。模型秘伝帳編の最終決戦「関ヶ原ウォーズ」の際、サッキー竹田が狂四郎との決着のために用意したオリジナルMS。外見と装備ははかつて狂四郎と相対したパーフェクトジオングを踏襲しているが、サイズが通常のMSと同じである点が異なる。また専用の槍を装備する。あくまでも仮想現実の戦場であるため、内部のニクロム線を熱してボディーを膨張させて巨大化したり全く別のMSに入れ替わったりと作品世界ならではのギミックが満載である。バックパックはそれ自体が独立したMAとなっており、本体が巨大化した状態でのみ合体する。プラモデル企画『MSV』にて文字設定として登場する機体。デザイン画は描かれていない。ジオングの後継機で、富野由悠季による『機動戦士ガンダム』の構想案「トミノメモ」での首、胸部、腰、両腕、両足が分離してサイコミュとして機能するというジオングの初期設定をそのまま継承している。計画書提出の時点で終戦を迎え、建造されなかったとされている。「トミノメモ」によれば、ニュータイプ戦士ゴラが搭乗してガンダムと戦い撃墜されている。なお、この本機の形式番号「MSN-03」はその後ヤクト・ドーガに付けられている。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』に登場する機体。ジオングに高機動ブースターやスラスターを追加装備している。他には武装にプラズマリーダーも搭載。脚部は省略されたままで、宇宙戦に特化した機体という設定である。ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』以降のシリーズに登場する機体(型式番号:MSN-03-2)。MSN-02 ジオングの後継機。機体各部にメガ粒子砲を搭載し、対艦ミサイル、近接戦闘用に脚部ヒートクローを搭載。ジオングの有線操作アームの思想をさらに推し進め全身を7つに分離し、サイコミュで遠隔操作を行うことができる。サイコミュで遠隔操作している各パーツから一斉にメガ粒子砲を発射する攻撃は「ズィーベン・アングリフ」と呼ばれている。一年戦争終盤に設計案が作成されていたが、終戦を迎えたためにお蔵入りとなった。機体そのものは実現されることはなかったが、その思想はアクシズへ撤退したジオン軍残党によって受け継がれたとされている。デザイナーは明貴美加。また分離時の各パーツはジオン軍のMAを思わせるデザインとなっている。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の構想案「トミノメモ」にて設定された機体(型式番号:「MSN-01」が知られている)。。「トミノメモ」によれば、ブラウ・ブロ的な機体とされ、当初シャア・アズナブルの機体として登場。ガンダムとの2度目の交戦で殲滅される(シャアは脱出)。その後ギレン・ザビの意を受けたタブローの部隊が登場。和睦のためにホワイトベースを訪れたデギン・ソド・ザビを襲撃し戦死させるも、同部隊も戦艦デギンとともに壊滅する。後にボードゲーム『トワイライト オブ ジオン』に登場し、新たな設定とイメージイラストが与えられた。ジオングのプロトタイプにあたる機体であり、本土決戦に備えて開発が進められていたが、小型の機体に多くの装備を詰め込んだために設計に無理が生じ、開発は試作段階で中止されている。武装として、腕部にジオングと同様の有線制御式メガ粒子砲を、両肩に大型メガ粒子砲2門を装備。また、ジオングとは異なりガルバルディαに似た脚部を有している(胴体はジオングに、頭部はザクキャノンに似ている)。『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場しているものは『トワイライト オブ ジオン』の設定とデザインを基にしているが、ゲーム中にはその出典が記載されておらず、特定の作品に分類されていない。漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』に登場する機体。名前にジオングと付いてはいるが、実際にはクィン・マンサの発展機である。ファンネルを無効化する特殊兵装「アンチ・ファンネル・システム」を備える。漫画『機動戦士Vガンダム外伝』及び『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』に登場する機体。ザンスカール帝国がジオングを元に開発しており、腕部以外の分離機能をも有するが、やはり脚部はない。テーブルトークRPG『ガンダム・カバード ネメシスの天秤』に登場する機体。(型式番号:MSN-02-2)。ジオングの予備パーツを元にテオ・キャスタリカ用にチューンした機体。OVA版『機動戦士ガンダムUC』第7話に登場する機体。名前にジオングと付いてはいるが、実際にはシナンジュをコア・ユニットに据えた拠点攻略用巨大MAである。腰部に接続できるシュツルム・ブースターを有するが、やはり脚部はない。
出典:wikipedia
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