茨城交通株式会社(いばらきこうつう)は、茨城県水戸市に本社を置き、乗合バス・貸切バス事業と旅行業・不動産業を営む会社である。略称茨交(いばこう)。2009年民事再生手続下で新旧分離されたが、本項では同名の新旧会社を連続性がある一体の会社として取り扱う。「茨城交通」は登録商標である。茨城交通が成立するときに合併した鉄道会社には、次のものがある。戦時体制下の陸運統制令による交通統合に伴い、第二次世界大戦中の1944年8月1日に茨城県内の交通事業者を統合して成立発足した。統合は水浜電車とその系列下の茨城鉄道・湊鉄道・袋田温泉自動車の現物出資によってなされ、同時に、個人経営を含む中小バス事業者を買収し、日立電鉄・東武鉄道からはバス路線の譲渡を受けている。水浜電車は、地元の豪商竹内権兵衛が創設した。竹内は常北地区の鉄道各社の経営に携わり、上記各社のほか、日立電鉄の前身である常北電気鉄道にも深く関わっていた。統合の実施にあたっては当初、茨城県下を常総地区・鹿行(ろっこう)地区・常北地区の3ブロックに分け、常北地区は竹内系の企業で統合しようとしたが、常北電気鉄道は1941年に日立製作所の系列下に入り竹内の手を離れたため、常北地区は水戸地区と日立地区とに分割され、実際の統合は県下4ブロック体制で行われた。以降、竹内家から代々就任した社長のもと、公共交通のみならず多角事業に進出を果たすが、1990年代以降本業の鉄道・バスの利用者減少や不動産関連の事業の失敗などで経営状態が悪化。そのため取引金融機関の支援下で不採算部門の整理や借入金の債権放棄の実施などで経営再建を試みたが状況は好転せず自主再建を断念、2008年11月11日、水戸地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、同日同庁より監督命令が発せられた。2008年11月19日の再生手続の開始決定により司法の監督下で再建開始。経営共創基盤がスポンサーとなり翌2009年3月27日には新会社が設立され、7月1日に旧会社の事業を継承した(新旧分離)。またグループ会社も含めた経営陣も一新され、これにより創業時から関わっていた竹内家は経営の第一線から退くこととなった。分割された旧会社はアイ管理と社名を変え債権の管理や整理を行うこととなる。水戸市を中心として県央(笠間市、東茨城郡大洗町、城里町、茨城町)、県北(那珂市、ひたちなか市、常陸太田市、常陸大宮市、久慈郡大子町、那珂郡東海村)及び栃木県芳賀郡茂木町で一般路線バスを運行する他、県央・県北地域を発着する県内外の高速バス・空港バスも7路線運行している。沿線は県都・水戸、工業都市・勝田を抱え、偕楽園、大洗海岸、アクアワールド・大洗、国営ひたち海浜公園、笠間、袋田の滝などの有力観光地を持つ。また、水戸の梅まつり、笠間の陶炎祭、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、水戸ホーリーホック主催試合など営業エリア内で行われる著名な大型イベントの輸送も担う。茨城県内では関東鉄道に次ぐ路線規模であり、水戸都市圏では最大手。水戸市街地では日中でも1分前後の間隔で頻発運転している一方、周辺部や他市町村では著しく本数が少ない路線も多い。水浜電車の傘下にあった鹿島軌道の名残で鹿行地域にも一般路線を有していたが、2009年に鉾田線(系統51)廃止をもって一時撤退したものの、2015年12月14日に大洗駅 - 新鉾田駅線が運行開始され、再び鹿行地域に進出した。1992年10月、経営合理化のために大子営業所を分社化し茨交県北バスを設立したが、2010年2月のグループ再編に伴う会社分割によりバス・旅行事業部門を茨城交通に再統合したほか、タクシー事業はグループの茨城オートに譲渡し、茨交県北バスは清算される。また、2010年6月1日をもって、茨城オートのバス事業を茨城交通に統合している。1976年(昭和51年)以降 主な路線同県を走る関東鉄道とは違って、車番は無い(登録番号を使用)。路線バスの車両は、自社発注車は前後折戸車がほとんどである。日産ディーゼル・スペースランナーRM、日野・レインボーII、いすゞ・エルガ、三菱ふそう・エアロミディMKのノンステップバスを新車導入した以外は中古車の導入が目立ち、西武バス、東京都交通局をはじめとした首都圏各地の事業者や関西方面など多くの地域からの中古車を受け入れている。2009年以降から中古導入での低床化も進行しており、横浜市交通局から日産ディーゼル・スペースランナーJPが、京成バスからは三菱ふそう・エアロスターのワンステップバスが移籍している。更に2012年には、尼崎市交通局からの三菱ふそう・エアロスター中グライドノンステが転入された。また、高速バスは路線バスに比べて新車の導入が多く、高速バスしての導入例が少ない日産ディーゼル・フィリピン製車両(1999年導入)が導入されている。また、2007年に浜田営業所に3台導入された高速バス三菱ふそう・エアロバスから従来の高速・観光バス専用塗装をアレンジした新しい塗装の車両(茨城交通の新しいシンボルマークとIBARAKIKOUTSU HIGHWAY EXPRESSのロゴが入る)が導入されるようになった。2011年12月に、2013年を目処に、ICカード乗車券を導入する予定であることが報道された。その後、2015年12月1日にICカード乗車券「いばっピ」を導入した。SuicaやPASMOなどの全国相互利用ICカードとの連携は行わない(導入後に連携を行うかどうかについては未定としている)。いばっピ定期券は2016年2月27日に開始した。これにあわせて高速バスと他社との共通回数券を除いた回数券を2016年6月30日までに廃止した(払い戻しは8月31日まで)。水戸近郊の一般路線バスではJRバス関東が既にSuicaを導入しているほか、関東鉄道が2015年10月からPASMOを導入しており、茨城交通一社のみが共通利用のできない独自のICカードを導入することとなる。また、常陸太田市の太田駅前 - 馬場八幡間においてもでんてつハイカード(日立電鉄交通サービス)との競合が発生している。以下の路線を運営していたがいずれも廃止あるいは他社に譲渡している。
出典:wikipedia
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