『赤毛のアン』(あかげのアン)は、フジテレビ系の「世界名作劇場」枠で放送されたテレビアニメ。放映期間は1979年1月7日から同年12月30日で全50話。厚生省児童福祉文化賞受賞(1979年)。2010年7月17日から、テレビシリーズの第1話から第6話までを再編集した映画『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』が公開された。L・M・モンゴメリの『赤毛のアン』を原作としている。翻訳は数多いが、本作の底本は1973年の神山妙子訳(旺文社文庫、新学社文庫)である。制作当時、もっとも原書に忠実な完訳であったことから選ばれた。モンゴメリの原作を、忠実に、そのまま映像化した作品として高い評価を受けている。ただし、アニメオリジナルエピソードも存在し、第25話や物語後期辺りで多数追加されている。一方では、原作でアンがダイアナとの家の間に横たわる森に「お化けの森」と名づけるエピソードがあるが、アニメではカットされている(原作小説に忠実な内容であるがゆえに、唯一カットされたエピソードである。その代わり、アンがグリーン・ゲイブルズに住んでから1周年記念として、マシュウがドライブに出かけるといったアニメオリジナルに変更されている)。原作に忠実な作りにした理由として高畑勲監督は、会話劇のおもしろさやアンやマリラなどの登場人物それぞれの立場に立つことで二重に楽しめる構造など、原作の良さを活かすためとしている。シリーズの第5作目にして初めて、冠映像に「世界名作劇場」と表示された作品である(それまでは、「カルピスまんが劇場」(『フランダースの犬』の第1話 - 第26話)→「カルピスこども劇場」→「カルピスファミリー劇場」であった)。高畑勲が演出(監督)、宮崎駿が作画スタッフ、としてクレジットに名を連ねた最後の作品となった。宮崎駿は「アンは嫌いだ。後はよろしく」と述べて『ルパン三世 カリオストロの城』へと去っていった。しかしアンのイマジネーション豊かで自然の中で一人で遊ぶのを好むキャラクターが後の宮崎作品のヒロイン達に大きな影響を与えているのは明らかであり、アンを嫌いというのは確実に本音ではない。時代設定は第1話で「今からおよそ80年ほど前」(1890年代)と説明されている。アンの憧れた大きくふくらんだパフスリーブは1870年代には廃れたが、1890年代に再度流行しており、設定と合致している。ただし、続編は異なっており、設定年代は推定で1870年代頃である(アンの次男が第一次世界大戦で亡くなっていることから)。アンと同級生達は物語後期で思春期(あるいは青年期の初期)に差し掛かるため、成長した様子が描かれ大人びた容姿に変化をしている。シリーズでは、後年の『私のあしながおじさん』や『レ・ミゼラブル 少女コゼット』と同様の珍しい事例であった。主人公アンを演じた山田栄子は、洋画の吹き替え声優として既にデビューしていたが、この作品でアニメの声優を初めて担当した。第33話での、アンが食べたリンゴを毒入りだと信じて遺書を書くエピソードは、同じモンゴメリーの「エミリー」シリーズ(三部作)第一作である"Emily of New Moon"(新潮文庫『可愛いエミリー』村岡花子訳、偕成社文庫『エミリー』神鳥統夫訳)から取られている。エミリーのエピソードをアンに置き換えたものである(後に2007年に放送された同じ原作者のNHKアニメ『風の少女エミリー』の第6話にもこのエピソードが使用された)。作画が安定している名作シリーズにしては珍しく動画の乱れが存在しており、時々マリラがコマ送りで移動する、マシュウの髪・ヒゲの色が煩雑に変わるなどの事例がある(特に23話が顕著)。理由として、動画の原版は完成していたが撮影の都合で休日に跨ってしまい、彩色を担当するスタジオロビンが休みだったために仮に撮影された映像をそのまま本放送に使用したためである。後に原版を差し替える予定であったが、そのままになってしまった。主題歌は現代音楽の作曲家三善晃が担当した。普段は前衛的な作品を書いている三善も、ここではアンに相応しいロマンチックな曲を書いている。しかし子供向けの単純な音楽に終わることはなく、他のアニメソングとは一線を画する卓越した手法が用いられた。フランス近代音楽を思わせる色彩的な和声、実際の編成よりずっと豊かに聴こえ時として歌唱よりも雄弁な管弦楽法、現代曲で扱い慣れているであろう打楽器によるアクセント、豊かな雰囲気を醸し出すピアノとハープなど、枚挙に暇がない。レコーディング時の大和田りつこの回想によると、総譜は新聞紙並の大きさだったという。他に挿入歌2曲の作曲編曲と挿入歌1曲の作曲を担当した。劇伴は当時若手の現代音楽作曲家だった毛利蔵人が担当した。三善が担当しなかったのは、桐朋学園大学の学長であり多忙で体調を崩しがちだったためである。三善は弟子筋にあたる毛利を制作者に推薦し、毛利の担当が決まった。毛利の生み出した音楽は、低音部がさながらバロック音楽の通奏低音の様に目立っており、その一方で近代的な和声が多用され、実に雰囲気のあるものであった。他に挿入歌3曲の作曲編曲と挿入歌1曲の編曲を担当した。※放送日時は1979年9月中旬 - 10月上旬時点(西日本放送については1979年2月中旬 - 3月上旬時点)、放送系列は放送当時のものとする。スカイパーフェクTV!343チャンネルのGLC24時間英会話チャンネルにて2006年4月8日から同年7月16日まで放送。時刻10時30分、19時00分、翌日4時30分。30分の帯放送で、英語字幕ありと英語字幕なしの放送があった(全50話なので100日間の放送)。画面にはGLCロゴと英語台本販売のテロップが入る状態であった。再放送は2006年8月から同年11月まで行われた。『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』は、2010年7月17日より公開の第1話から第6話までを再編集版した劇場作品。1989年に再編集版映画の第1部として編集されたものの、当時は劇場では公開できず、20年を経て公開に至った。テレビシーンでカットしている箇所は少ないが、1本としてまとまりのある作品となっている。キャッチコピーは「楽しもうと決心すれば、たいてい いつでも楽しくできるものよ。」『借りぐらしのアリエッティ』と同日公開で、シネマアンジェリカで初日単館公開(以降全国5館で順次ロードショー)。ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)では第2位となっている。2013年11月18日に、日本テレビでテレビ初放映された。なお、劇場公開が見送られた翌年の1990年7月から同年8月にかけて北海道のテーマパーク「カナディアンワールド」の「オープン記念」として弘前市・秋田市・山形市・盛岡市・仙台市・福島市の東北6地区限定で同作品のスプラッシュ上映会が開催された。また同年の2月から3月にかけ九州地区でも地域限定スプラッシュ上映会が開催され、その際の同時上映作品は『となりのトトロ』だった。
出典:wikipedia
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