錯視(さくし、)とは、視覚に関する錯覚のことである。俗に「目の錯覚」ともよばれる。生理的錯覚に属するもの、特に幾何学的錯視については多くの種類が知られている。だまし絵とは異なる原理による。ミューラー・リヤー錯視(Müller-Lyer illusion)はミューラー・リヤーが1889年に発表した錯視。線分の両端に内向きの矢羽を付けたもの(上段)と外向きの矢羽を付けたもの(中段)の線分は、上段が短く、中段は長く感じるが、実際は同じ長さである。この錯覚が発生する説明は様々な側面から行われているが、有名な説明として、グリゴリーが1963年に発表した線遠近法が挙げられる。また、この錯覚を応用したものとして、ジャッドの図形が挙げられる。ジャッドの図形は、線分の中央に中点を打ち、両端に異なる向きの矢羽を付けると、外向きの矢羽が付けられた側に中点がずれて見えるという錯覚が用いられた図形である。このような錯視を「大きさの錯視」という。非常に有名な錯視の一つ。図にある4本の線分は全て平行である。羽の角度が鈍角であるほど、錯視は顕著になる。このような錯視を「方位の錯視」という。上の2本の平行線は、斜線の影響を受けてゆがんで見える。このような錯視を「湾曲の錯視」ともいう。湾曲の錯視では他にオービソン錯視、ヴント錯視などが該当する。二つに交わる線分の間に平行線を入れると、上の平行線が長く見える。錯視の発生は決して強くないが、一般によく知られる錯視の一つ。また、同視の錯視にはポンゾの円筒がある。なお、この錯視に関しては過去にリップスが発表を行っているが、今日ではポンゾ錯視というのが一般的。フィック錯視(Fick illusion)はフィック(Fick)によって1851年に示された、同じ長さの図形は縦にされたものが横にされたものより長く感じるという錯視。右の図形「A」と「B」は合同であるが、図形Bの方が長く見える。また、図形Aの方が太く見える。これは一般に、水平な横線より垂直な縦線の方が長く認識されるために起こるとされるが、この図形を90度傾けても図形Bの方が長く見えるため、詳しいメカニズムはまだ解明されていない。垂直水平錯視(vertical-horizontal illusion, V-H illusion)ともいわれる。斜線を描き、その間の形跡を別の図形で隠すと、その直線の始まりと終わりがずれて見える錯視で、よく知られる錯視である。図ではAとつながっているのは、一見それらしく見えるBではなく、Cが正しい。なお、この錯視はミュラーリヤーが投稿した論文の中から、審査員であったポッゲンドルフが発見したものであり、彼はミュラーにこの発見も付け加えるように依頼したが、ミュラーが気を利かせ、事実上の発見者であるポッゲンドルフの名前を冠して論文発表したといわれている。デルブフ錯視とも言われる。2つ合同な円を描き、片方には外に大きな同心円、もう片方には外に小さな同心円を描くと、元の円の大きさが異なって見える錯視。大きさが極端なほど錯視も顕著になる。応用として、図形の中から別の図形をくりぬくと、くりぬいた部分が大きく見える。円以外に、他の図形(正多角形など)でも発生する。まずは等間隔に3本の平行線を引き、それぞれA、B、Cとする。AとBの間には何本もの平行線を引き、BとCの間には何も引かない。すると、AとBの間隔の方が広く見える。図の線分ABと線分BCの距離は同じである。なお、最初に文献にて提示したのはオッペルであるが、後にクントが量的研究を行ったことから、今日では先駆者の2人の名を連ねてこう呼ぶのが一般的である。フレイザー錯視は、イギリスの心理学者ジェームス・フレイザーが1908年に発表した錯視。中央を共有する複数の円の上に傾き錯視が現れるようにすることで得られ、同心円が渦巻きのように見えるようになる。これは、水平から若干傾けた斜線を平行に置くことで、全体としては水平であるはずの直線が、傾き方向に傾いて見える現象を利用している。なお、直線でも同じ錯視は現れ、傾いて見える。また、他の傾き錯視を用いてもフレイザー錯視のような渦巻き錯視の作図が可能であることが示されている。平行線の両側に等間隔に同じ色の正方形を描く(上下互い違いになるようにする)。すると、平行なはずの線分が歪んで見える。カフェウォール錯視はその線分が灰色になったもので、より屈折度が高まる。同じ大きさの図形でも、大きい物の周りに置かれると小さく、小さい物の周りに置かれると大きく見える錯視。円形、球体が最も効果が現れる。また、エビングハウスは他の錯視も発表しているため、エビングハウスの大きさ錯視ともいう。ジャストロー錯視ともいう。上の図で、二つの扇形では内側、即ち下の扇形の方が大きく見える。しかし右の図を見ればわかるようにこの二つの扇形は同じ形である。また、その応用で台形を上下に並べると必然的に上の台形が大きく見える。平行に並べた図形の模様を均等に上下にずらすと、図形が傾いて見える錯視。ツェルナー錯視のように並べると顕著になる。ある種の活字体で可視化された文字列にも、この傾向が見られるパターンがあることが知られている。「杏マナー」という文字列を繰り返し並べると、右下がりに見える2ちゃんねるで話題になり、後に『トリビアの泉』で採用された。北岡明佳がポップル錯視との類似を指摘した。この錯視は、単なるインターネットメディアの話題にとどまらず、国内錯視研究の第一人者でもある北岡のホームページでも「読み人知らず」として採り上げられているほか、新井仁之がこの錯視を『文字列傾斜錯視』と定義して、ウェーブレットを利用してこの現象を起こす文字列を見出したり、錯視現象をキャンセルしたり強化したりするといった論文を発表している。また、「アロマ企画」「コニア画」「科研交付」「下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广」の文字列でも、この錯視が発生する。背景の色は全て同じであるが、元の色よりも線の色に似た傾向の色に見える。これを色の同化という。AとBのタイルの色は同じである。これはマサチューセッツ工科大学のエドワード・エーデルソン教授が考えた「チェッカーシャドウ錯視」というものである。錯視の原因は錯視によってそれぞれ違うと考えられている。たとえば、しかし、多くの錯視は原因が分かっておらず、仮説が立てられているというものがほとんどである(例:ムンカー錯視、詳細は)。
出典:wikipedia
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