京成3600形電車(けいせい3600がたでんしゃ)は、1982年(昭和57年)から導入された京成電鉄の通勤形電車。本稿では2013年3月末まで芝山鉄道にリースされていた芝山鉄道3600形電車についても記述する。本形式の第1編成となる3608以下の編成は東急車輛製造(現在の社名は横浜金沢プロパティーズ。事業は総合車両製作所横浜事業所に継承)で落成し、1982年(昭和57年)6月7日・翌8日に東急車輛から3050形を牽引車として京急線から東京都交通局(都営地下鉄)浅草線を経由して高砂検車区に搬入された 。その後乗務員訓練等を経た同年7月17日土曜日から営業運転を開始した(当時の1132列車・京成高砂発京成上野行き普通列車より)。当初は京成線内の運用のみで、都営地下鉄浅草線への乗り入れは行わなかった。その後、都営地下鉄浅草線への乗り入れは4年半後となる1987年(昭和62年)1月26日より開始された。なお、本形式は京成通勤車としても都営浅草線を営業運転で走行する車両としても初めての界磁チョッパ制御方式やT形ワンハンドル式のマスター・コントローラーの車両となった(ただし3608編成は落成から暫くは浅草線入線は見送られ、自社線限定での運用だった)。車両番号の付番は、成田空港方から第1編成がクハ3601 - モハ3602 - モハ3603 - モハ3606 - モハ3607 - クハ3608、第2編成がクハ3611 - モハ3612 - モハ3613 - モハ3616 - モハ3617 - クハ3618であり、中間4両は2両ずつユニットを構成する電動車である。末尾4と5は将来の8両固定編成時を考慮して、末尾9と0は各編成の末尾番号を揃えるために欠番とされた。京成に限らず都営地下鉄浅草線に乗り入れる各鉄道事業者では上野・押上・西馬込・品川方先頭車の車両番号で編成名を呼称することが多く、第1編成は「3608編成」、第2編成は「3618編成」のように呼称される。製造メーカーは3618・3638・3648・3688編成が日本車輌製造、それ以外はすべて東急車輛製造である。後者は東急8000系・8500系と同様に台車付近に凹凸のステンレス板(つりあい梁)が露出しているほか、屋根コルゲートの段差が目立っている。車体は、実用化されつつあった軽量オールステンレス構造を京成で初めて採用した。3500形同様、前面ならびに側面窓上下にファイアーオレンジの帯を配していたが、1991年11月に3668編成、1992年9月から1993年3月にかけて3608 - 3638編成で側面窓上部の帯をファイアーオレンジからブルーに変更。さらに、1993年9月に3648編成で前面・側面窓下帯をファイアーオレンジからレッドとブルーに変更し、1995年6月までに全編成の変更が完了した。なお、当初は側面扉部分の帯が省略されていたが、塗装変更時に帯を貼付している。側面戸袋部には筆記字体の"Keisei"ロゴを表記したプレートを取り付けている。 2001年3月には、京成グループのCI導入に伴い、全車両の側面に"K'SEI GROUP"ロゴを貼付した。外観デザインは、基本的に3500形に準じている。前面レイアウトは、1983年(昭和58年)春以降の3150形や3200形・3300形の更新でも引き継がれた。室内のカラースキームなどは基本的に3500形に準じているが、天井部のホワイトデコラが荷棚上まで貼られたことや、先頭車乗務員室前の扇風機を廃止したことなどの相違点もある。この形式より車両間の貫通路はすべて狭幅となり、各車両の上野方に貫通扉を設置した。主制御器は、AE形で実績のある東洋電機製造製界磁チョッパ制御装置を京成の通勤車として初めて採用した。AE形は特急専用車のため直並列制御が省略され定速度制御機能を備えていたが、3600形のACRF-H8140-783Aは直列15段、並列8段、弱め界磁無段階で通勤車に適した仕様とされた。主電動機はAE形と同様に140kWと出力の高い補償巻線付複巻電動機が採用され、各編成の車両番号の末尾2と3は東洋製TDK-8500B、末尾6と7は三菱電機製MB-3276-ACで、両者は同一設計であり京成での社内制式名称はKMM8500(出力140kW、端子電圧375V、定格電流415A、分巻界磁電流23A、最弱め界磁率15%、定格回転数1,450rpm)である。駆動装置はWNカルダンとされた。雑誌等で‘3600形は末尾2と3がTDカルダン‘ と記載されていることが多いが、3500形・3600形界磁チョッパ車とAE形は全てWNカルダンを採用している。補助電源装置は電動発電機 (MG) に代わって静止形インバータ (SIV) が初めて採用され、空気圧縮機 (CP) とともに各編成の末尾3と7に配置された。台車はモハがFS-513、クハがFS-013である。集電装置は下枠交差式パンタグラフで、各編成の末尾2と6に2台設置された。冷房装置は、末尾2と6の車両にCU-15C(10500kcal/h・12.2kW)を3台、それ以外の車両にCU-15B(8500kcal/h・9.88kW)を4台搭載している。以下に落成時期毎の相違点を記す。優等列車の8両編成化促進を目的に、1997年(平成9年)から本形式の8両編成化が行われた。6両編成3本をばらして他の6両編成に電動車ユニットを組み込むことで8両編成を組成、余剰となった制御車のうちの4両をVVVFインバータ制御方式で電装化して新たに6両編成を組成した。これにより、界磁チョッパ制御の8両編成6本とVVVFインバータ制御の6両編成1本という構成になった。この際に8両編成車は上野方から3両目に弱冷房車を設定して、車両にシールが貼られた。3618編成は、2002年10月に帯色変更(芝山鉄道のイメージカラーである赤と緑のカラー帯に変更)と"Keisei"ロゴプレートの上から芝山鉄道の社名貼り付けなどを行った上で、芝山鉄道にリースされた。カラー帯は赤色は太陽を、緑色は芝山の緑の大地(緑色は芝山町の色でもある)をイメージしたものである。運用は京成の車両と共通運用となっていた。8両編成のため、自社を走るのは朝夕に限定される。また、北総鉄道にリースされた7260形、7300形7808編成と異なり、車内の路線図、中吊り広告は引き続き京成車と同じものになっていた。2013年4月より、リース車両が3500形3540編成に変更されることになり、2013年3月末をもって芝山鉄道へのリースは終了した。その後は京成電鉄に返却され、芝山鉄道の社章や社名などが外されたが、帯色はそのままで運用に就いていた。しかし、後の2013年12月に宗吾工場を出場した際、従来のレッドとブルーの帯色に戻された。8両編成は先頭車が制御車であることから都営浅草線押上 - 西馬込間は入線可能だが、京急線には入線できない。また、北総線や成田空港線(成田スカイアクセス)には対応しておらず、6両編成が最長である千葉線・千原線や、4両編成に限定される金町線にもそれぞれ入線できないなど、運用が限定されている。そのため、本線京成上野 - 成田空港間の快速特急・特急運用や西馬込 - 京成佐倉間の快速運用に充当されることが多い。2010年7月17日ダイヤ改正以前は日中の快速は羽田空港発着であったため上野発着の特急運用中心であったが、同改正で日中の快速が西馬込発着に変更されてからは快速での運用も増えた。6両編成は新3000形とともに普通運用が主体である。京急線乗り入れ運用は存在しないが、先頭車が電動車であることから京急線乗り入れが可能である。このため、東急車輛製造からの新車搬入の際には付随車を抜いた全電動車編成の牽引車としても使用され、金沢八景まで入線したほか、改造直後の1999年には付随車が組み込まれるまで半年程金町線にも入線したことがある。
出典:wikipedia
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