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後天性免疫不全症候群

後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん、Acquired Immune Deficiency Syndrome; AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症のことで実態は慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」ある。一般にエイズ(AIDS)の略称で知られている。性行為感染症の一つ。HIVに感染した時点ではAIDSの発症とは言えないが、ここではHIV感染症全般の事柄についても記述する。ウイルスとしてのHIVについてはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を参照。単なる細胞免疫不全疾患では無く、実態は慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」で、免疫力低下に伴い日和見感染を生じるほかHIVへの感染自体が、血管内皮障害の原因となり脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)や心血管疾患(心筋梗塞など)のリスクを上昇させる。HIVの初期感染像はCDC分類では以下がある。いずれも感染後2-4週で起こるといわれ、多くの場合、数日 - 10週間程度で症状は軽くなり、長期の無症候性感染期に入るため、感染には気付きにくい。上記以外にも、突然の全身性の斑状丘疹状の発疹(maculopapular rash)や、ウイルス量が急激に増加し重症化する例では、多発性神経炎、無菌性髄膜炎、脳炎症状などの急性症状を示す場合もある。しかしながら、これらの症状はHIV感染症特有のものではなく、他の感染症や疾病においても起こりうる症状であることから、症状だけで判断することは困難である。感染後、数週間から1か月程度で抗体が産生され、ウイルス濃度は激減する。一般のHIV感染検査はこの産生される抗体の有無を検査するため、感染後数週間、人によっては1か月程度経過してからでないと十分な抗体が測定されないため、検査結果が陰性となる場合がある(ウインドウ期間。多くの人は急性感染期を過ぎて症状が軽快し、概ね5 - 10年は無症状で過ごす。この間、見た目は健康そのものに見えるものの、体内でHIVが盛んに増殖を繰り返す一方で、免疫担当細胞であるCD4陽性T細胞がそれに見合うだけ作られ、ウイルスがCD4陽性T細胞に感染し破壊するプロセスが繰り返されるため、見かけ上の血中ウイルス濃度が低く抑えられているという動的な平衡状態にある。無症候期を通じてCD4陽性T細胞数は徐々に減少していってしまう。無症候期にある感染者は無症候性キャリア(AC)とも呼ばれる。またこの期間に、自己免疫性疾患に似た症状を呈することが多いことも報告されている。他にも帯状疱疹を繰り返し発症する場合も多い。血液中のCD4陽性T細胞がある程度まで減少していくと、身体的に免疫力低下症状を呈するようになる。多くの場合、最初は全身倦怠感、体重の急激な減少、慢性的な下痢、極度の過労、帯状疱疹、過呼吸、めまい、発疹、口内炎、発熱、喉炎症、咳など、風邪によく似た症状のエイズ関連症状を呈する。また、顔面から全身にかけての脂漏性皮膚炎などもこの時期に見られる。大抵これらの症状によって医療機関を訪れ、検査結果からHIV感染が判明してくる。その後、免疫担当細胞であるCD4陽性T細胞の減少と同時に、普通の人間生活ではかからないような多くの日和見感染を生じ、ニューモシスチス肺炎(旧 カリニ肺炎)やカポジ肉腫、悪性リンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍、サイトメガロウイルスによる身体の異常等、生命に危険が及ぶ症状を呈してくる。また、HIV感染細胞が中枢神経系組織へ浸潤(しんじゅん)し、脳の神経細胞が冒されるとHIV脳症と呼ばれ、精神障害や認知症、ひどい場合は記憶喪失を引き起こすこともある。通常、感染したと認められてから長期間経過した後に、以下の23の疾患(AIDS指標疾患という)のいずれかを発症した場合にAIDS発症と判断される。HIVの初期症状は、発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛み、だるさ、口内炎、発疹、慢性的な下痢、筋肉痛などであり、風邪やインフルエンザの症状と全く変わらず、症状から感染を判断することは不可能である。また、潜伏期間が10年と長く感染に気付きにくい。よって、下記の感染の可能性のある行為の経験がある場合は、早めに保健所等での検査を受けることが重要となる。HIVは通常の環境では非常に弱いウイルスであり、一般に普通の社会生活をしている分には感染者と暮らしたとしてもまず感染することはない。一般に感染源となりうるだけのウイルスの濃度をもっている体液は血液・精液・膣分泌液・母乳が挙げられる。一般に感染しやすい部位としては粘膜(腸粘膜、膣粘膜、口腔粘膜など)、切創(せっそう)や刺創(しそう)などの血管に達するような深い傷などがあり、通常の傷のない皮膚からは侵入することはない。そのため、主な感染経路は以下の3つに限られている。性交による感染では、性分泌液に接触することが最大の原因である。通常の性交では、女性は精液が膣粘膜に直接接触し血液中にHIVが侵入することで感染する。男性は性交によって亀頭に目に見えない細かい傷ができ、そこに膣分泌液が直接接触し血液中にHIVが侵入する事で感染する。そのため、性交でなくても性器同士を擦り合わせるような行為でもHIV感染が起こる恐れがある。また肛門性交では腸粘膜に精液が接触しそこから感染するとされている。腸の粘膜は一層であるため薄く、HIVが侵入しやすいため、膣性交よりも感染リスクが高い。コンドームの着用がHIVの性的感染の予防措置として有効である。ただし使用中に破れたり、劣化した物を気付かずに使用する場合があるため、完全に感染を防ぐことができるとはいえない。コンドームの使用に際しては、信頼できる製品を使用期限内に正しい用法で用いることが推奨される。また割礼によって感染リスクが低減するという研究結果が複数ある。傷つきやすく、免疫関連細胞の多い包皮を切除することで、HIVの侵入・感染が抑えられるためだと考えられている。なお口腔で性器を愛撫する場合も、口腔内に歯磨きなどで微小な傷が生じていることが多く、そこに性液が接触することで、血液中にウイルスが侵入する恐れがある。感染者の血液が、傷、輸血、麻薬まわし打ち等によって、血液中に侵入することで感染が成立する。特に麻薬・覚醒剤中毒者間の注射器・注射針の使い回しは感染率が際立って高い。以前は輸血や血液製剤からの感染があったが、現在では全ての血液が事前にHIV感染の有無を検査され、感染のリスクは非常に低くなっている。医療現場においては、針刺し事故等の医療事故による感染が懸念され、十分な注意が必要である。母子感染の経路としては三つの経路がある。出産時の産道感染、母乳の授乳による感染、妊娠中に胎児が感染する経路である。産道感染は子供が産まれてくる際、産道出血による血液を子供が浴びることで起こる。感染を避ける方法として、帝王切開を行い母親の血液を付着させない方法があり、効果を上げている。母乳による感染が報告されており、HIVに感染した母親の母乳を与えることは危険とされている。この場合は子供に粉ミルクを与えることによって、感染を回避することができる。胎内感染は、胎盤を通じ子宮内で子供がHIVに感染することで起こる。物理的な遮断ができないため、感染を回避することが難しい。感染を避ける方法として、妊娠中に母親がHAART療法により血中のウイルス量を下げ、子供に感染する確率を減らす方法がとられている。HIVはHIV感染症ないしAIDSとして知られる連続性を持つ疾患の病原体である。このウイルスはレトロウイルスの一種で、感染時にはまずCD4陽性細胞、マクロファージ、樹状細胞といったヒトの免疫系に携わる細胞に感染する。そして、直接的にも間接的にもCD4陽性細胞を破壊する。HIVはレトロウイルス科レンチウイルス属の一員である。レンチウイルスは形態学的にも生物学的にも多数の共通点を持つ。レンチウイルスは多くの哺乳類に感染しており、長期の潜伏期 (incubation period) を伴う長く続く疾患の原因となる。レンチウイルスはエンベロープを持つ、一本鎖のプラス鎖RNAウイルスである。標的細胞への侵入に際し、ウイルス粒子にゲノムと共に細胞内へ輸送される逆転写酵素によってウイルスRNAゲノムは二重鎖のDNAへと変換(逆転写)される。ウイルスDNAはさらに宿主の核内へ運ばれ、ウイルスのインテグラーゼと宿主の共因子の働きによって宿主DNAに取り込まれる。宿主DNAに取り込まれたウイルスは潜伏状態 (latent) となり、ウイルスとその宿主細胞が免疫系に検知されるのを避ける。代わりにウイルスは転写を受けて新たなRNAゲノムとウイルスタンパク質を産生し、組み立てられたウイルス粒子が細胞外へ放出されて新たな増殖環を開始する。HIVはCD4陽性細胞間を2つの方法で拡散する事が知られる。一つが細胞フリーな拡散法で、もう一つが細胞 - 細胞拡散法であり、HIVはハイブリッドな拡散法を利用するのである。細胞フリーな拡散においてはウイルス粒子が感染細胞T細胞から出芽し、血液や細胞外液へ進出、遭遇した他のT細胞へ感染する。HIVはまた細胞から細胞へ、細胞 - 細胞拡散によっても広がって行く。ハイブリッドなHIVの拡散機構は抗レトロウイルス療法時におけるウイルスの増殖進行を可能にする。HIVには2つの型が知られる。HIV-1とHIV-2である。HIV-1は最初に発見された(そして当初はLAV、もしくはHILV-IIIとも呼ばれた)ウイルスである。HIV-1はより病原性 (virulence) と感染性が高く、世界的に見てHIV感染症の主要な病原体となっている。HIV-1と比べたHIV-2の感染性の低さはHIV-2の曝露時に感染が成立する確率が低い事を暗示する。相対的な感染能力の低さ故にHIV-2はほとんど西アフリカに限って存在している。日本での検査方法は、日本エイズ学会による「HIV-1/2 感染症の診断ガイドライン」が広く用いられている。HIVに感染しているかの検査は居住地に関係なく全国の保健所で匿名・無料で受ける事が出来る。都市部の保健所では、夜間や休日にも検査を行っている所があり、仕事や学業に影響を与えず検査できる体制を整えつつある。また、医療機関でも実費負担で検査を受けられる所がある。結果はおよそ一週間ほどで判明するが、近年は30分以内で判明する即日検査も普及し始めている。通常は抗体スクリーニング検査が行なわれるが、より感度が高くウインドウ期間の短いNAT検査(詳細は後述)を実施している保健所や医療機関もある。血液を採取して以下の検査が行なわれる。献血で採取された血液からHIVやその他のウイルスの感染の有無を調べるため、日本赤十字社による献血では現在、抗体検査やNAT検査が行われている。現在、抗HIV薬は様々なものが開発され、著しい発展を遂げてきている。基本的に多剤併用療法(Highly Active Anti-Retroviral Therapy:HAART療法)にて治療は行われる。ただ完治・治癒に至ることは現在でも困難であるため、抗ウイルス薬治療は開始すれば一生継続する必要がある。それでも現在では、HIV感染と診断されても、適切な治療を受ければ通常の寿命を全うすることが十分可能となっている。また、HAART療法は2000年初頭までは一年間に1万ドル以上がかかる非常に高額な治療法であったが、インドやタイ、ブラジルなどで安価なジェネリック薬が生産されるようになり、さらに世界最大のエイズ患者を抱える南アフリカ共和国がこうした薬を輸入できるよう定めた改正薬事法を1997年に施行し、これに対し提訴した製薬会社が2001年に和解に応じたことでエイズ治療薬価格の劇的な低下が起きた。2001年末にはHAART療法に必要な薬価は年間350ドルにまで低下し、エイズ治療は貧困層にも手の届くものとなった。一般に、アメリカ合衆国保健福祉省(US DHHS)の治療ガイドラインが世界的に広く用いられている。主なガイドラインには以下が存在する(ほぼ、毎年の様に改訂)。現在以下のような種類のHIVに対する抗ウイルス薬が存在する。基本的に、世界的に広く感染している「HIV-1」に対する治療について主に記述する。「HIV-2」に関しては同じような治療であるがNNRTIは効果が薄い等の違いがある。「アメリカ合衆国保健福祉省(US DHHS)の治療ガイドライン」における推奨レジメンは以下の通りである。日本の「HIV感染症治療研究会によるHIV感染症治療の手引き」における推奨レジメンは以下の通りである。キードラッグ(NNRTI or PI)とバックボーンドラッグ(2-NRTI)から1つずつ選択し併用する。免疫機能障害ということで都道府県に申請することにより身体障害者手帳が交付される。免疫不全の患者は、感染量に比べると炎症は実は軽度であり、日和見感染症治療中にHAART療法を開始すると免疫が賦活化することによって、日和見感染症が悪化することがある。これを「免疫再構築症候群(IRIS アイリス)」と呼ぶ。この危険を避けるため、HAART療法は日和見感染症治療後に開始することとなる。HAART療法は、安定期まで持っていければ、ほとんどAIDSで死亡することはなくなった。ガイドラインで用いられているデータも、10年生存率まで記載されており、おそらく平均余命まで行くであろうというのが、大方の予想である(HIVの発見が1981年ということを考えると、ここまでデータがあれば十分である)。現在のHIV療法である多剤併用療法は、決して根治的な療法ではなく、血中のウイルス量が検出限界以下となっても、依然としてリンパ節や、中枢神経系などにウイルスが駆逐されずに残存(Latent Reservoir)していることが知られており、服薬を中止すると直ちにウイルスのリバウンドが起こってくる等の問題がある。基本的にHAART療法は、一生継続しなければならない。有名な副作用としては、開始直後から出現し徐々に軽快する胃腸障害や精神障害、開始後1 - 3週で一過性に生じる皮疹、開始後1カ月以上経過してから生じ、持続する高脂血症、リポアトロフィー(脂肪分布の変化)、糖代謝異常(高脂血症と併せて年間30%リスクで虚血性心疾患のリスクが高まる、かつ、PIとNNRTIはスタチン系と併用禁忌)、末梢神経障害、まれだが重篤な乳酸アシドーシス(NRTIにてミトコンドリアDNA合成を阻害するため)などが知られている。世界的にAIDSは急性経過をとって致死に至るよりむしろ慢性化する感染症である。予後には個人差があり、CD4陽性細胞数とウイルス量の測定が経過の予測に有用である。無治療の場合、HIVの亜型によってHIV感染後の平均生存期間は9から11年と見積もられる。さらにAIDSと診断されてなお治療がなされない場合、生存期間は6から19ヶ月の間となる。HAART療法と適切な日和見感染症の予防が行われると死亡率は最大80%減少し、余命は新規に診断された若い成人で20 - 50年に延長される。この数値は健常者の余命と比べても3分の2からほぼ同等の水準である。治療開始が遅れると予後はそれほどよくない。例えばAIDSの診断後に治療を開始すると、余命は最大で10 - 40年となる。HIVの感染と共に産まれた新生児に関しては、無治療の場合その半分が2歳までに死亡する。AIDSの直接的な死因は日和見感染症やがんであり、いずれも多くの場合、進行性の免疫不全の結果として生じる。がんのリスクはCD4陽性細胞数が500 /μlを下回ると増加するようである。臨床症状の進行速度は個人差が大きく、患者の感受性や免疫機能、保健施設の利用度、共感染の有無、特定のウイルス株への感染といった要素に影響を受ける事が示されている。結核の共感染はAIDS患者における病態進行と死の主要な原因の一つで、HIV感染者の3分の1が結核で死に、25%のHIV関連死の原因となっている。またHIV自体も結核の最も重要な危険因子の一つである。C型肝炎も一般的な共感染症であり、HIVとC型肝炎ウイルスは互いの増悪因子である。AIDS関連のがんで最も一般的なのはカポジ肉腫と非ホジキンリンパ腫である。抗レトロウイルス療法を行っても、HIV感染者は長期的に神経認知障害、骨粗鬆症、神経病、がん、腎臓疾患、および心血管疾患等を経験する可能性がある。場合によっては、リポジストロフィーがHIVとその治療によって引き起こされる事がある。現在全世界でのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は5千万人に達すると言われている。その拡大のほとんどがアジア、アフリカ地域の開発途上国において見られる。サハラ以南のアフリカには全世界の60%近くのエイズ患者がいるといわれ、増加傾向にある。また一部の開発途上国では上昇していた平均寿命が低下しているという現状がある。近年では中国、インド、インドネシアにおいて急速に感染の拡大が生じて社会問題化している。AIDSが最も猛威を振るっている地域はサハラ以南のアフリカ、いわゆるブラックアフリカである。2002年末においては全世界4200万人の患者のうち、アフリカが2940万人(70%)を占め、圧倒的に多い。同年のAIDS新規感染者は全世界で500万人、うちアフリカが350万人。同年のエイズ死亡者は全世界で310万人で、うちアフリカは240万人、77.4%を占めている。このうち中東圏に属する北アフリカではAIDS患者がほとんどいないため、この数値のほとんどはブラックアフリカにおける数値である。その中でももっとも被害の激しいのは南部アフリカであり、上図にもあるように南アフリカ共和国、ナミビア、ボツワナ、スワジランド、レソト、ジンバブエ、ザンビアの7か国においては人口の15%以上が感染している。最も人口に対する感染率が高いのはボツワナであり、2001年末においては成人人口の38.8%がエイズに感染している。この影響により、上図のように南部アフリカ諸国においては1990年代以降AIDSによる死者の急増によって平均寿命が急速に落ち込み、ボツワナにおいては20歳以上平均寿命が短縮してしまった。1986年にはウガンダが感染率5%を超えていたものの、それ以外に感染率5%を超えるような国はなく、感染者数の多い国もほぼアフリカ中部に限られていた。しかしその後感染者数は増加の一途をたどり、南部アフリカに向かって徐々にパンデミックは広がっていった。1991年にはウガンダ、ザンビア、ジンバブエで感染率が20%を超え、1996年にはボツワナ、スワジランド、レソトで20%を超え、2001年には上記の状況となったように、感染は急速に拡大していった。アフリカにおける感染拡大は、他地域と異なり異性間の性行為によるものが圧倒的に多い。これは性的な寛容さや女性の地位の低さなどによると考えられている。同様の理由で、他地域とは異なりアフリカのエイズ患者は女性の方が男性よりも多くなっている。また、AIDSに対する知識の低さや迷信、貧困や戦争による影響も感染拡大の一因とされている。現在では治療薬によって病状を食い止めることは可能になっているものの、アフリカの多くの国においては貧困のためそれらの治療薬を入手することができない患者が多い。AIDSによる死者は働き盛りの男女が多いため、死亡率が急速に上昇した国々においては労働人口の減少を招き、経済に悪影響を招いている。さらに、親がエイズによって死亡した子供たちは孤児となり、エイズ孤児と呼ばれる社会問題となっている。エイズにかかっている親がミルクを購入できないため母乳で幼児を育てざるを得ないため、母乳による母子感染の率も非常に高い。この母子感染による乳児死亡率の激増も、ブラックアフリカ諸国における平均寿命低下の大きな一因となっている。このエイズ禍に対して、アフリカ諸国の政府の多くは有効な手を打つことができなかった。アフリカ諸国の多くは統治力が弱く保健衛生の制度もあまり整っていなかったうえ、パンデミック初期においてはエイズ治療薬の価格が非常に高く、増え続ける患者に行きわたるだけの治療薬を入手することが不可能だったためである。こうした中で、最も早くエイズ対策に取り組んだのはウガンダである。ウガンダは世界で初めてエイズのパンデミックが起こった国家であるが、その後政府はエイズ予防のための様々な政策を実施し、こうしたプログラムが功を奏して感染率は減少した。また、ボツワナのように患者に対するケアの体制を整えられた国も存在する。ボツワナは2001年末においては成人人口の38.8%がエイズに感染しており、世界で最もエイズ感染率の高い国であったが、同年からボツワナ政府はエイズに対する強力な対抗プログラムを実施し始めた。2001年からはアフリカではじめてエイズ治療が公的資金によって行われるようになり、2003年には一般の健康診断にエイズ検査が盛り込まれるようになるなど、早期発見および治療に重点が置かれた。またこれと並行し、エイズ予防の啓発プログラムも強力に推進された。こうした政策によってボツワナのエイズ死亡率は減少し、感染率も2008年には23.9%にまで減少した。また、2001年にエイズ治療薬の薬価が急激に低下したこともあり、このころからアフリカ各国においてエイズ対策が本格化し始め、新規感染者は徐々に減少の方向に向かい始め、一度は急減した平均寿命もこれに伴い回復の傾向を見せている。しかし一度感染したエイズ患者は完治することはないため、エイズ感染者の総数はそれほど減っておらず、依然として相対的に高い感染率となっている。1985年、初めてAIDS患者が確認され、1989年2月17日、「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」が施行。当初は大半が凝固因子製剤による感染症例(薬害エイズ事件)だった。新規HIV感染者数は世界でも特に少ない水準にあるが、年々増加する傾向にある。日本人患者・感染者の現状は、同性間性的接触(男性同性愛)による感染が多く、ついで異性間性行為による感染が続いている。静注薬物濫用や母子感染によるものは少ない。HIVの起源はカメルーンのチンパンジーという説が有力であり、そこから人に感染して世界中に広まっていったと考えられている。1981年にアメリカのロサンゼルスに住む同性愛男性(ゲイ)に初めて発見され症例報告された。ただし、これはエイズと正式に認定できる初めての例で、疑わしき症例は1950年代から報告されており、「やせ病」(slimming disease)という疾患群が中部アフリカ各地で報告されていた。1981年の症例報告後、わずか10年程度で感染者は世界中に100万人にまで広がっていった。当初、アメリカでエイズが広がり始めたころ、原因不明の死の病に対する恐怖感に加えて、感染者にゲイや麻薬の常習者が多かったことから、感染者に対して社会的な偏見が持たれたことがあった。現在は病原体としてHIVが同定され、異性間性行為による感染や出産時の母子感染も起こり得ることが知られるようになり、広く一般的な問題として受け止められている。診療ガイドラインhttps://aidsinfo.nih.gov/guidelines政府機関・国際機関その他

出典:wikipedia

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