キャセイパシフィック航空(キャセイパシフィックこうくう、、, HKSE:0293)は、香港を拠点とする航空会社。香港のフラッグ・キャリアである。英スカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている。香港国際空港(HKG:HongKong International Airport:香港國際機場)をベースとし、空港周辺には機材整備施設や本社機能、訓練施設などを持つキャセイシティ(Cathay City:國泰城)を形成している。イギリス系で香港の財閥『スワイヤー・グループ』 (Swire Group) が40%の株式を保有しており、事実上スワイヤーのグループ企業である。また、世界第3位の航空連合(アライアンス)であるワンワールドに加盟している。1994年にランドーアソシエイツ社でCIを実施。ブラッシングウイングと呼ばれる中国伝統の書道をモチーフにしているのが特徴である。またCIを実施当初のテーマソングは坂本龍一が担当した。日本ではCI導入以前のCMでは、バリー・ホワイト作曲の「愛のテーマ」をBGMに広川太一郎のナレーションにて「着きごこち、さわやか。」というキャッチフレーズでも有名となった。航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。2006年6月9日に、香港第二の航空会社香港ドラゴン航空(Dragon Air:港龍航空公司)を買収し、100%子会社とした。イギリス植民地時代からの取り決めにより、中国への路線網は、北京とアモイしかなかったが、買収により中国全土へのネットワークが形成された。キャセイは中国国際航空(エアチャイナ)と戦略的に相互資本提携をしている。しかし、エアチャイナはスターアライアンスに加盟しているので、ワンワールドに加盟しているキャセイにとっては、航空連合としてはライバル関係にあたる。社名にあるキャセイ (Cathay) とは、マルコ・ポーロによって有名になり、欧米の陸路貿易国を中心に使われていた、契丹に由来する中国の名称「カタイ」の英語訳で、英語では中国の旧称となっている。現地中国語名は國泰航空公司と表記されている。中華民国で航空運送業を営んでいたアメリカ人のロイ・ファレルと、第二次世界大戦中にインドと中華民国を結ぶ航路のパイロットであったオーストラリア人のシドニー・カンツォが、ダグラスDC-3でカルカッタと重慶間の路線の運航を開始した。その後国共内戦の激化に伴い上海から移り住んだイギリスの植民地の香港にて、1946年9月24日に正式にキャセイパシフィック航空として創立し、香港からマカオやマニラ、バンコク、シンガポール、上海への旅客便の運航を始める。その後、国共内戦に勝利した中国共産党により1949年に中華人民共和国が設立され、その後中国共産党の支配を嫌った多くの難民が香港へ流れてきた事や、1950年代初頭にイギリスが中華人民共和国を承認し国交を樹立した事から、香港の地位が「中国大陸への窓口」として高まったことにより事業は急速に拡大する事になる。乗客数の急激な伸びに対応するために、より大型なダグラスDC-4BやDC-6を導入するとともに、イギリス系財閥のスワイヤー・グループの資本を受け財務体制を強化させた。その後1959年には英国海外航空とジャーディン・マセソンの合弁会社で、最大のライバルであった香港航空(後のエア・ホンコンや香港航空(元CRエアウェイズ)とは別会社)を吸収し規模を拡大した。日本への就航は1959年7月に羽田空港へダグラスDC-6で乗り入れ開始、1960年代には大阪、福岡、名古屋へも乗り入れ、その後ターボプロップ機のロッキード・エレクトラやジェット機のコンベア880などを投入するなど日本への路線を充実させていった。1970年代に入り香港がアジア地域の貿易、金融センターとしての地位を確実なものとするとともに、より大型なボーイング707を導入しアジア地域の主要都市に直行便を就航させた他、初のワイドボディ機であるロッキード・トライスターを導入する。1979年には、ボーイング747-200型機の導入により宗主国の首都であるロンドンへの乗り入れを週1便で開始した。まもなく同便は1日1便に増強され、キャセイパシフィック航空有数のドル箱路線となる。その後1980年代にかけてパリやフランクフルト、アムステルダム、ローマをはじめニューヨーク、バンクーバーと言った北米路線、ブリスベン等のオーストラリア路線を開設し、世界的にネットワークを拡げていった。2006年には、香港の第2の航空会社である香港ドラゴン航空を買収し傘下に収めた。現在は香港のフラッグキャリアとして、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要都市への路線を運航している他、ワンワールドの主要メンバーとなり多数のコードシェア便を運航している。またそのサービスは世界的に高い評価を受け、世界各国の様々な賞を受賞している。以前より関西国際空港(大阪)や中部国際空港(名古屋)といった日本の大都市にはB777またはA340などの大型機を使ってデイリー運航で乗り入れており、香港国際空港乗り換えによる東南アジアやオセアニアなどへの広い路線網を提供している。その後、日本と香港の航空自由化が締結されたことから羽田再国際化後に羽田に1日2便で開設が決まり、2010年に32年ぶりに羽田再就航となった。最近ではボーイング777-300ERと新規に発注したエアバスA330-300を契機に全てのクラスのシートや新型のAVODパナソニックアビエーション社製eX2(StudioCX)にリプレースしている2年〜3年にかけて更新する予定。2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。更に保有機の全機材にパナソニックアビエーション製の「eXConnect」を導入する事を決め2012年以降機材でのブロードバンド接続が可能となる予定である。2016年現在使用される機体年齢は若いものが多く、最新鋭の機材を積極的に導入している。国内線運航は提供しておらず、国際線が専らであることでワイドボディ機のみによるフリート構成となっている。同社は最新鋭のボーイング777-300ERも30機導入予定で747-400と置き換えられる。また同機導入に伴い、運用上制限のあったエアバスA340-600を退役させフリートを統一した。また、これ以前には米国イースタン航空から購入したロッキードトライスターL-1011やボーイング707なども存在した。2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。かつて香港がイギリスの植民地であった事や親会社のスワイヤー・グループがイギリス資本である事等が理由からか、エンジンはエアバスA340-300やボーイング777-300ER、ボーイング747-8F等エンジンが選択できない機種を除いてロールス・ロイス社製のエンジンを搭載する。これは香港ドラゴン航空が運航しているエアバスA330も同様である。また、ボーイング747-400の一部にプラット・アンド・ホイットニー PW4000のエンジンが搭載された機材があるが、これはシンガポール航空や南アフリカ航空で使用されていた機材でありエアバスA340-300の一部にもシンガポール航空で使用されていた機材がある。貨物部門はボーイング747-400Fとボーイング747-400ERFを運用していて、以前は旅客機型を改修したボーイング747-400BCFを運用していた。最新型のボーイング747-8Fを発注し、2011年より受領を開始した。カラーリングについては、エメラルドグリーンの背景に赤いストライプと、白い筆文字で翼をイメージしたブラッシュ・ストロークと呼ばれるロゴが入ったものになっており、これは機体にも描かれている。2015年11月1日に新塗装を発表。垂直尾翼が全面緑で塗られたところにブラッシュストロークが大きく入ったほか、胴体はシンプルなデザインに仕上げられた。この新塗装第1陣となったボーイング777-300ER(機体番号:B-KPM)は、東京 - 香港線のCX548便(香港8:45発東京羽田行き)にてデビューを果たしている。今後5年間で約150機を新しい塗装に塗り替える他、2016年受領予定のエアバスA350XWBは最初から新塗装で受領する。2016年10月1日、東京発香港行CX543便をもって旅客型のボーイング747-400が全機退役した。この退役をもって同社のフリートから旅客型のボーイング747が姿を消し、37年間の運航に終止符が打たれた。なお、キャセイパシフィック航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は67で、航空機の形式名は747-467, 747-467F, 777-267, 777-367, 777-367ER などとなる。また、機体の機体記号について香港では中国返還以前英国租借当時はVR-H**で登録されていたが、中国(台湾を含む)本土との混乱を避けるべくB-H**としていた。しかし香港航空、香港エクスプレス航空、運航停止済みのオアシス香港航空、子会社に当たる香港ドラゴン航空までもが使用してきた関係上B-H**だけでは手一杯となってしまったなどの背景から最近の登録機材ではB-K**、B-L**などで対処している。香港国際空港を拠点とし、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要85都市へ就航している。特にアジア、オセアニア路線が充実している。また、上記以外の都市へも他社とのコードシェアで就航している便もある。キャセイパシフィック航空は、2005年、2006年と続けて2年連続、さらには2009年にもイギリスのスカイトラックス社のランキングで最高賞であるエアライン・オブ・ザ・イヤー賞を獲得するなど世界でもシンガポール航空と並びトップクラスのサービスで定評がある。日本に就航している外資系航空会社の中では、日本人客室乗務員の在籍人数が最も多く、日本人乗務員も香港発着の同社就航路線全てに乗務しているため、どの路線においても日本語が通じるケースが多い。また同社の安全性は非常に高いことでも知られ、重大事故は1972年以降一件も起こしていない。最新鋭の技術を常に取り入れ、例えば機内エンターテイメントに関してはStudioCXと呼ばれるパーソナルテレビがかなり早い段階からエコノミークラスにも装備された。2007年からボーイング777-300ERを導入を機に機内エンターテイメントやシートをリニューアルするプロジェクトが進んでいて2009年度までにほとんどの機体でリニューアルが完了される予定。改修後はビジネスクラスがフルフラット化やエコノミークラスにはPC電源とリクライニングしても後部座席に影響を与えないデザインになっている。更にStudioCXの最新版としてパナソニックアビエーション社製eX2のAVOD対応のシートテレビを全機材にリプレースしている。2年〜3年にかけて更新する予定。マイレージプログラムとして、「アジアマイル」と上級組織にあたる「ザ・マルコポーロクラブ」の2種類がある。どちらもワンワールド加盟航空会社でマイルを獲得できる。数あるマイレージプログラムの中でも「ザ・マルコポーロクラブ」は他社のように年間で規定のマイルを貯めて入会できるというものではなく、入会金の支払により入会できる珍しいシステムを採用している(入会後は年間最低4セクター以上搭乗しないと会員資格を喪失する)。ただし、初期のレベルではワンワールドのステータスはなく、ルビークラス以上になるためにはやはり規定のマイルを貯めなくてはならない。また、アジアマイルにはランクが存在しないので、いくらマイルを貯めても、アジアマイル会員のままでは上級会員とならない。ワンワールド加盟各社以外に、下記の航空会社と提携している。上級クラスまたは「ザ・マルコポーロクラブ」の上級会員向けの乗客に空港ラウンジのサービスを提供している。ラウンジの名称は空港ごとに異なる。ソファー、無料のアルコールやソフトドリンク、新聞や雑誌が提供される。ラウンジによっては、ホットミール、軽食、「ヌードルバー」で出来立ての麺類を注文することができる。本拠地香港では複数のラウンジを提供している。日本では、東京国際空港(キャセイパシフィック羽田ラウンジ)、成田国際空港(Cathay Pacific First and Business Class Lounge)、関西国際空港(Lounge Pacific)でサービスを提供している。その他の空港の就航地では指定された他社のラウンジが利用できる。機内誌「ディスカバリー」(Discovery)がある。英語と中国語で書かれている。エコノミークラスを含むすべてのクラスに搭載されている。また、電子書籍としてiPadにも無料で配信している。
出典:wikipedia
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