ワット(watt,記号:W)とは仕事率や電力、工率、放射束、をあらわすSIの単位(SI組立単位)である。ワットという名称は、蒸気機関の発展に大いに貢献したジェームズ・ワットにちなんで名づけられた。1889年の英国学術協会第2回総会で採用された。ワットは固有の名称を持つ単位の一つで、1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義され、SI組み立て単位で表すとジュール毎秒(J/s)である。すなわち、1秒あたりに変換・使用・消費されているエネルギー(仕事)を表す。ジュールがLMTの次元なので、ワットはLMTの次元となる。SI基本単位のみによって表すと、ジュールはm·kg·sなので、ワットはm·kg·sになる。他の仕事率の単位との換算は、以下のようになる。逆に、仕事率や電力の単位に時間の単位をかけたものは、エネルギーを表す単位となる。つまり、である。例えば、1キロワット(kW)の装置が1時間(3600秒)に消費するエネルギーは1キロワット時(kWh)となり、それは3.6メガジュール(MJ)に等しい。1メガワット日(MWd)は86.4ギガジュール(GJ)となる。これらの単位は電力関係で電力消費量(電力量)の単位として用いられる。また、1 W = 1000 mWである。SI単位系における表記規則に従い、記号の表記としては、大文字の「W」を用いる。小文字の「w」を用いるのは誤りである。電気工学の分野では、仕事率である電力は、以下の式で表される。であるから、単位としてはと等価である。例えば、100Vの電圧がかかり、1Aの電流が流れている回路は、100Wの電力を消費する。式に表すと以下のようになる。日本の多くの家庭で使われているのは100Vの交流電源である。そして多くの電気器具は消費電力(有効電力)をワットの単位で表示している。これらから電流を出すためには、ジュールの法則から得られるの式を使えばよい。たとえば、200W(ワット)を消費するテレビに流れる電流は、それを100V(ボルト)で割ることで、2A(アンペア)の電流が流れるとわかる。ただし、上記は力率=100%と仮定した場合であり、力率を考慮すると以下の式になる。しかし、電気器具には力率や電流の表示がないものがほとんどである。電気器具の中ではkW(キロワット)の単位で表示されているものがある。1kW = 1,000Wなので、換算して出せばよい。たとえば1.5kWのホットプレートに流れる電流は15Aである。台所で、ホットプレートと炊飯器と電子レンジを同時に使うとアンペアブレーカーが落ちることがあるが、これはブレーカーに定められた電流量を超えたためである。コンセントやテーブルタップなどは、安全の観点から使用できる電流量が定められている。たとえば15Aまでと決まっている製品には、15A以上の電流を流してはならない。そのため、接続の前に各機器のワット数を調べ、それらが使う電流を合計して容量以下であることを確かめなければならない。ただし、力率が100%でない場合は皮相電力は消費電力より大きいため電流は大きくなる。皮相電力の単位はボルトアンペア、無効電力の単位はバールである。ワットが光や熱の単位のように扱われることがある。 「1kWの高熱調理」 「(無駄に明るい人を)便所の100W」 など。 これは家庭電気器具において、電力に注目されるのは光熱機器の場合が大半であることに起因すると思われる。 電球や電熱器を購入する場合、消費電力で光量や熱量の目安を付けることが多かった。冷凍機などの冷凍能力も、「単位時間あたりに取り去れる熱量」であるので、ジュール毎秒、すなわちワットの単位で表せる。この冷凍能力は、冷凍機自体のエネルギー消費率とは必ずしも一致せず、同じ単位である両者の比を取って成績係数(COP)という形で、省エネルギーの指標として用いられる。Unicodeには、ワットとその分量・倍量単位を表す上記の文字が収録されている。これらはCJK互換文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであるので、使用は推奨されない。
出典:wikipedia
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